OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

前も後ろも畑中洋子

2013-05-08 15:32:37 | 歌謡曲

後ろから前から / 畑中葉子 (日本ビクター)

堂々の大ヒット曲でありながら、なかなかカラオケ等々、人前で歌えない演目のひとつが、本日掲載のシングル盤A面収録の「後ろから前から」でしょう。

なにしろ歌詞が超ド級にエロくて、ちょっとここにも書けないほどである事は、これが世間を騒がせた昭和55(1980)年夏以降をリアルタイムで過ごした皆様であれば、先刻ご承知と思います。

しかも歌っていたのが、それまで清純派として知られていた畑中葉子ですからねぇ~~~♪

ここまでの経緯を簡単に述べれば、彼女が表舞台に登場したのは昭和53(1978)年、歌の師匠である平尾昌晃とのデュエットソング「カナダからの手紙」の華々しいデビュー大ヒットによるものだったんですが、翌年にソロ転向があったと思ったら、いきなり結婚~引退というスピード感満点の行動が???

なにしろ歌唱力があって、ルックスも正統派歌謡スタアの魅力に満ちていたのですから、全く多くのファンが嘆いたのは言うまでもありませんが、本当に驚いたのは、ここからでした。

なんとっ! 1年を経ずしての離婚から芸能界復帰はお定まりのコースでありながら、それが日活ロマンポルノに出演する女優としてだったのですから、たまりません。

とにかく最初に出た、昭和55(1980)年9月に公開の「愛の白昼夢(小原宏裕監督)」が爆発的ヒットになったんですよねぇ~~♪

しかし個人的には主演の畑中葉子の演技力が、失礼ながら、お粗末としか思えず、明らかに「元アイドル」の人気に頼って、振り回された作品だった……、というのが正直なところでしょう。

ところが同時期に発売された、このシングル曲「後ろから前から」は抜群の仕上がり!!

流行のユーロビート系ディスコ歌謡を基本にしながらも、歌謡曲保守本流を大切にした畑中葉子の歌いっぷりの良さは絶品として言えません。

ですから既に述べたとおり、荒木とよひさが「豊兵衛」という偽名を使わざるをえない(?)ほど露骨にエロい歌詞をイヤミなく歌えるのは、畑中葉子の実力に他ならず、また佐藤寿一の作曲と若草恵のアレンジも、そのあたりの意図をがっちり把握しているのですから、これがヒットしなかったら歌謡曲の神様が激怒するでしょう。

そしてご存じのとおり、この歌をタイトルに、本人が主演したロマンポルノが同年末に公開され、またまたメガヒットしたのですから、もう、何も言えません。

当然ながら、掲載したシングル盤のジャケ写も大サービスの決定版ですから、それが嬉しくないはずもなく、こういう芸能活動も昭和という時代の良さでありました。

ただし、既に述べたとおり、これだけの歌を素人がカラオケやバンドでやれないというは勿体無いというか、複雑な心境ですよねぇ……。

現在ではニューハーフのショウで出演者が歌うのが、なにか一番にジャストミートしている感さえあるのですから!?

ということで、最近の芸能界は、こういう歌さえも出ないほど、つまらないです。

現実的にエロ映画が完全衰退し、AVや着エロ映像が射精産業の一翼を担っている現代であれば、そこに出ている彼女達の誰かに、この「後ろから前から」をリメイクして欲しいわけですよ。

それだけ素敵な歌である事は、確かですから!

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中島まゆこの夢でいいから | トップ | ケメコの歌謡ファンク »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

歌謡曲」カテゴリの最新記事