■ワル (泣くのはおよし) / 五十嵐夕紀 (東芝)
昨夜のカルロス・ゴーンの記者会見は世界中を呆れさせた事は明白ですが、サイケおやじを一番に驚かせたのは、その腰抜けぶりで、まさかあそこまで気の弱い人だとは思いませんでした。
なにしろ肝心な質問にも答えず、また我々が特に知りたがっている事を全く話さず、それが何なのかは充分に知っているはずなのに、中途半端に日本の司法制度を貶したり、日産の幹部連中を非難したりじゃ~、弱虫の自己弁護にしか聞こえないわけで、とても経済界で名を馳せた人物とも思えぬ有様は、哀れを誘うばかりです。
ど~にかそれは免れたものの、こりゃ~~感極まって泣きだすんじゃ~なかろうか……、とさえサイケおやじは思ったほどです。
もう少し、骨のある人物かと思っていたんですけどねぇ~~!?!?
そこで本日は、昭和53(1978)年秋に発売された五十嵐夕紀のシングル盤A面曲「ワル (泣くのはおよし)」を聴かずにいられない朝でした。
ご存知のとおり、彼女は清純派のアイドルとしてデビューし、芸能界の正統を歩んでいながら、決定的なヒット作が出せず、ついにはロマンポルノに出演して世間を騒がせたわけですが、その端緒となったのが、今にして思えば、この「ワル (泣くのはおよし)」だった様に思います。
それは作詞:松本隆&作編曲:都倉俊一が提供した疑似歌謡ロックとでも申しましょうか、ある時期の山口百恵の楽曲にも近い、つっぱり系の仕上がりではありますが、歌詞の中の主人公は男であり、つまりは女性シンガーに男の気持ちを歌わせるという、これは松本隆の得意技のひとつ!?!
しかし、その男はワルを気取っていながら、実は清純な小娘に絆されて、自らのイノセントな気持ちを隠す事に腐心する、そんなこんなの弱気な涙歌だと思うんですよ、サイケおやじには。
ところが都倉俊一の作編曲には強いビートが用いられ、キャッチーでマイナー調の歌謡メロディを彩るオーケストラのイケイケな雰囲気、カッコイイ~ィ極みのギターリフ、さらに上手い転調の用い方等々、当時の歌謡曲のゴッタ煮的汎用性が存分に作り込まれた傑作になっています。
そして五十嵐夕紀の歌いっぷりも、意図的な男っぽさが逆に女々しさを感じさせるという、決して上手いとは言い難い歌唱力が良い方向へ作用していますよ ♪♪~♪
結局、大きなヒットにはなりませんでしたが、ここでの転進が例のヘビメタ歌謡「バイ・バイ・ボーイ」へ辿り着くかと思えば、サイケおやじは、あらためて五十嵐夕紀が愛おしい ♪♪~♪
ということで、ここでの歌詞にもあるとおり、カルロス・ゴーンは「ワルにはなりきれない」半端者であったわけで、完全に拍子抜けさせられたというわけです。
もはやレバノンから死ぬまで出られない身の上であり、実は今回、逃走を手助けした人物が存在するのと同様、諸外国には保釈中に逃亡した奴を捕まえる賞金稼ぎみたいな仕事を生業にしている者も知られていますから、まだまだ今後は分かりません。
それても、ひとつだけ確実なのは、カルロス・ゴーンが恥を売ってしまったというです。
同情する気は全くありませんが、ガッカリした気分は拭いきれません。