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サイケおやじの生活と音楽

追悼・さいとうたかを

2021-09-29 18:04:44 | 追悼

「漫画」から「劇画」への流れを確立させた巨匠・さいとうたかを先生が鬼籍に入られました。

故人の代表作としては、やはり孤高のスナイパーを描いた「ゴルゴ13」である事に異論は無いでしょう。

それは架空の人物でありながら、物語展開が現実の時事とリンクしているところが面白く、しかも「ゴルゴ13」という通称が社会の裏側で堂々と知られていながら、実際に仕事を依頼する場合の不明確な連絡方法が逆にリアルという、なんともミステリアスな存在の殺し屋が十八番にしているのが、遠方からの神業的な射撃であり、またハードボイルドな佇まいと行動がニクイばかりにキマっているのですから、殊更男性読者からの支持は絶大であり、学生からサラリーマン、経営者から政治家までもが、大いに勉強させられたのが、故人の描いていた「ゴルゴ13」の物語だったのですが、いかがなものでしょう。

不肖サイケおやじにしても、既に高校生の頃から掲載雑誌の「ビックコミック」毎号を楽しみにしていたことは言うまでもありませんし、そのエピソードが積み重なっていくほどに気になるのが、「ゴルゴ13」の正体!?

実は当初から明らかになっていたのは、どうやら東洋系の人物で、「デューク東郷」と名乗っているのが普段の姿?

―― みたいなプロフィールがあったんですが、そんなこんなの疑問に対する最初の回答的なエピソードが、昭和47(1972)年6月に発表された第61話「日本人・東研作」でありました。

あぁ……、これには当時、本当にワクワクさせられましたですねぇ~~ (^^♪

もちろん、既に述べたとおり、「ゴルゴ13」はシリーズ全篇を通して、基本的に現実社会の時事とリンクしている物語展開が多いので、この「日本人・東研作」にしても、やはり昭和47(1972)年という時代背景を抜きにしては、面白さも満喫出来ないかもしれませんが、しかしっ!

今となっては素晴らしい歴史物語として、堪能出来るんじゃ~ないでしょうか (^^)

ちなみに物語中には、この闇の中のスナイパーを執拗に取材し続けるジャーナリストのマンディ・ワシントンが登場するんですが、この人物は以降のエピソードにも度々顔を出すので、シリーズ全篇のキーパーソンとして要注意かと思います。

また、これは後になって分かった事なんですが、おそらくは「ゴルゴ13」が我が国で本格的な仕事をやったのは、このエピソードが最初かもしれません。

で、肝心の「ゴルゴ13」の正体に関して、ここでは「東研作」という人物が推測されるという展開ながら、その結末は……?

というのが、これは本篇を読んでのお楽しみ (^^)

本日掲載したのは、その「日本人・東研作」が収録されたコミック単行本であります。

ということで、故人の業績は決して「ゴルゴ13」ばかりではなく、それなりに子供向けの作品や時代劇等々も描いておりましたので、機会があれば、ぜひとも皆様にもお楽しみいただきたいところです。

また、ご存じのとおり、「ゴルゴ13」は実写映画版として高倉健と千葉真一が主演した2作品が東映で作られているんですが、もちろん賛否両論は確かにありました。

しかし、やはり実写の映画作品となれば、「ゴルゴ13」を演じるのは日本人俳優であって欲しいと願うのが、サイケおやじの偽りのない気持ちです。

そのあたりの強い思いも含めまして、衷心よりご冥福をお祈りいたします。

合掌。

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