■ブルー / 渡辺真知子 (CBSソニー)
その昔、亡くなった妻の遺品を整理していたら、所謂元カレとのツーショットが数葉出てきたと言って泣き出した先輩がいました。
そりゃ~、もちろん、その亡くなった奥様にも思い出は大切にしたいという気持ちがあったはずだし、そういう「人格」をも認める事が夫婦としての努力と存在意義でしょう。
ただし、泣いていた件の先輩は失礼ながら性的能力に些かの患いがあったようで、男としての本領が発揮出来ない時期があり、結局は子供にも恵まれないまま、妻に先立たれたとあっては、サイケおやじも複雑な心境で、その時はどのような言葉もありませんでした。
それでも翻ってサイケおやじがその先輩の立場であったなら、露骨な話ではありますが、妻の元カレよりも、自分の方が圧倒的な回数のセックスをやらなければっ! という強迫観念に囚われるのは必定と思うばかりです。
もちろん、セックスは回数よりも密度という常識(?)もありますし、あえて若い頃からセックスレスを実践している夫婦も、この世には少なくないはずです。
でもねぇ~、やっぱり遺品の中にそ~ゆ~ものを見つけてしまったら、自分の境遇は情けなくも惨めだという不条理に苛まれても当然という気持ちは、否定出来ません。
ということをツラツラ思い出しながら長距離の移動をしているサイケおやじの耳に蘇ったのが渡辺真知子が自作自演で昭和53(1978)年秋に大ヒットさせた本日掲載のシングル盤A面曲「ブルー」であります。
その内容については、あまり多くを書きたくはありません。普通に聴けば「女歌」でありますが、せつない男の歌としても充分に共感を覚えてしまうからこそ、ロングセラーになったんじゃ~ないでしょうか。
あぁ、なんだか今日は不条理な気分が優先しています。