OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

憧れというには高くて遠い心境の歌

2015-10-29 15:54:30 | 歌謡曲

塩 ローソク シャボン / 佐良直美 (日本ビクター)

常日頃、不平不満と我欲の塊であるサイケおやじは、それでも最近は少~しばかり、真っ当な人間的な生き方を模索しなきゃ~いけないなぁ~~、なぁ~んて思うようになりましたが、そんなことを言うと決して信じてもらえない現実も甚だ自覚するところです。

そこで本日のご紹介は、それこそ、こ~ゆ~生き様もあるにちがいないっ!

と今頃になって感銘した歌として、佐良直美の傑作とされる「塩 ローソク シャボン」であります。

それは静謐なオルガンの響きに導かれ、流麗にして荘厳なストリングスで彩られた欧州教会音楽の歌謡曲的展開と解釈するには、あまりにもピュアな世界!?

 ロ~ソクはぁ~ 身をすり減らして
 ひたすら周りを明るくしてくれる~
 誰も 褒めてぇ~ くれる訳じゃないのに
 それでもロ~ソクは身をすり減らし
 最後までロ~ソクをやめません

もちろん発売された昭和45(1970)年晩秋時、未だ十代のサイケおやじには、ほとんど無縁の世界が描かれていたわけで、自己犠牲を厭わないことを宿命として受け入れる覚悟さえも、なかなか自然体というあたりが、妙にミステリアスに思えたものでした。

しかも、これまたサビがクセモノ?

 ああ これがぁ~新しい繋がり
 塩 ロ~ソク シャボンにぃ~なぁりぃたい~
 それが私の喜び
 それが私の喜び

と歌われてしまっては、まさにグウノネも出ませんが、作詞:阪田寛夫&作曲:いずみたく、そして編曲:大柿隆が提供企図したのは讃美歌系歌謡曲という事なんでしょうか?

ちなみに曲タイトルには「塩」「ローソク」「シャボン」があるのに、ここでの歌詞の中には「ローソク」しか具体的に描かれていなところも、妙に印象的でしょう。

ただし、そんなこんなを確信犯とするには些かサイケおやじは自信が無く、また如何にもキリスト教的な雰囲気が濃厚と感じてしまうのも、全くの思い込みにすぎません。

それは落ち着いた情熱をジワジワと伝えてくれる佐良直美の歌唱が本当に素晴らしいからで、あらためて「昭和歌謡曲」の奥深さと魅力にシビレてしまいましたよ、今日は朝からねぇ~♪

ということで、しかし、ここまで書いても結局は煩悩に苛まれ、解脱不可というのが言わずもがなのサイケおやじの心持ち……。

実は昨日も鬼の様な決断を迫られ、唯々諾々と楽な道を選んでしまった事は、例え「仕事」という大義名分があろうとも、拭いきれないものが残りました。

あぁ~、もう、忘れよう……、この歌を聴いて。

コメント
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