■別れの朝 c/w 夜のカーニバル / ペドロ&カプリシャス (ワーナーパイオニア)
本日掲載したのは説明不要、ペドロ&カプリシャスを一躍有名にした初期の大ヒット「別れの朝」を収録したシングル盤なんですが、B面「夜のカーニバル」も侮れません。
これが発売された昭和46(1971)年秋の我国音楽状況の中では、なかなかファンキーなラテンロック歌謡に仕上がっているんですねぇ~♪
実はサイケおやじが初めてペドロ&カプリシャスのライプステージに接したのは、その年の12月、ちょうど「別れの朝」がジワジワとヒットし始めた頃、確か某ファッション関係の無料イベントだったと記憶しているんですが、当時はあれほど盛んだったGSブームが過ぎ去り、メジャーな活動をやっていたロックバンド形態のグループが極めて少なかった事から、高校で入れてもらっていた学内同好会のバンドメンバーと一緒に、そこへ見学(!)に赴いたというわけです。
そうです、ここであえて「見学」と書いたのは、前述したような状況から、確かにニッポンのロックバンドは存在していながら、そういうグループはディスコやゴーゴー喫茶等々、現在のライブハウスと似て非なる、不良の溜まり場的な店で、しかも夜~深夜に演奏している事が多かったので、トーシロながらロックを志す青少年にとっては、そうした貴重なライプの現場は敷居が高く……。
そこで日中に行われる公開放送やキャンペーンの無料ライプの情報を得た場合、出演グループの有名度よりは、とにかくロックバンド形態のプロの技を「見学」する機会が極めて大切なチャンスだったんですよっ!
で、そこに登場したペドロ&カプリシャスはペドロ梅村(per) 以下、前野曜子(vo)、ヘンリー広瀬(fl,sax,per)、古城マサミ(g)、関森清(key)、佐渡岩男(b)、鈴木正夫(ds) という7人組だったと思われるんですが、とかにくバンド全体から発散されるリズム的興奮は圧巻!
そのグルーヴは流石、プロの成せる技でありました。
中でもサンタナでお馴染みの「Black Magic Woman」におけるラテンパーカッションの強烈なビート感、ジャニス・ジョプリンの人気曲「ジャニスの祈り / Move Over」での前野曜子のソウルフルな歌いっぷりは圧巻でしたねぇ~~♪
また、当然ながら「別れの朝」も聞かせてくれましたが、やっぱり素敵な歌ですよ、これはっ!
ちなみに作曲はヨーロッパで活躍していたウド・ユルゲンスで。、本人の自作自演バージョンもそれなりにヒットしていたんですが、なかにし礼の綴った日本語詞をハートウォームに歌いあげる前野曜子のボーカルに接してしまえば、その決定版はペドロ&カプリシャス♪♪~♪
というか、前野曜子が歌ってこその「別れの朝」でしょうねぇ~♪
しかし、サイケおやじが件のレコードをゲットしたのは、これまた当たり前に中古でありまして、それはあまりにも大ヒット曲であったがための安心感というか、何時でも聴けるという現状認識でありました。
ところが実際にそれを入手して吃驚仰天!
冒頭に述べたとおり、B面収録の「夜のカーニバル」がクールで熱い名演名唱!!
それを最初に接したイベントステージでやっていたかは覚えていなんですが、確かに強靭なファンキーグルーヴは、ライプバンドとしてのペドロ&カプリシャスの実力をしっかりと記録したものと思います。
とにかくイントロから炸裂するな剛直なギターとハードドライヴィングなフルート、幾分押さえた前野曜子の節回しも素敵ですが、またまた間奏で飛び出すフルートのエキセントリックファンクなアドリブも絶品ですからねぇ~~♪
作詞:なかにし礼&作曲:かまやつひろし、そして編曲:前田憲男が企図した世界が、完全に演じられているんじゃ~ないでしょうか。
また、A面曲「別れの朝」のスタジオバージョンが、オーケストラの大々的な導入で仕上げてある事から、この「夜のカーニバル」のカラオケパートもセッションミュージシャンが?!?
なぁ~んていう疑惑を抱かれそうですが、個人的にはきっちりペドロ&カプリシャスの自前だと思っていますよ。
だって、一度でも彼等のライプに接すれば、これと同質のグルーヴに酔わされてしまうんですからっ!
ということで、なにか当時のライプ音源や映像が纏まって出ないものかなぁ~~、それを長年待ち望んで、幾年月……。
前野曜子、そしてペドロ&カプリシャスには今こそ、それが絶対に必要だと、強く確信しているのでした。