OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

高倉健、唐獅子牡丹を歌う

2012-03-30 16:07:02 | 歌謡曲

唐獅子牡丹 / 高倉健 (キングレコード)

時代遅れの親分とボンクラな子分、それは任侠映画の基本パターンを構築する要素のひとつではありますが……。

現実的には件の親分の頑固な拘りなんて、そのミエミエの思惑が子分ばかりか、世間一般に読まれていますし、それにどうやって対処するのか迷い道という子分どもの腰ぬけ具合は、もはや失笑を通り越して、情けなく呆れるのが今の永田町に対する国民の意識でしょう。

代議士の先生方、あるいはお役人衆の第一義は国家国民の為という労働意識が失われて久しいとはいえ、ここまでバカを見せつけられては……。

しかし日本人は幸せな事に、本物の任侠映画を体験鑑賞しては溜飲を下げ、その主題歌を口ずさんでは、荒んだ心を慰撫する術を知っています。

そこで本日の1枚は、思わず朝イチに取り出したシングル盤とはいえ、これが高倉健ならでは味わいというか、朴訥と濃い節回しが絶妙の釣合を保った名唱ですよねぇ。

いや、だからと言って、永田町でこれを流してくれとは申しません。

だって任侠精神を根本から持っていない輩には、何も響かんでしょう。

ですから、バカにされ続けている国民にこそ、唐獅子を背中にするが如き、真にスジの通った人物が待望されるわけで、もちろんそれが正義というのなら、正義を遂行するためには、自らも傷つかねばならないという、この世の理を貫く態度が必要とされるわけですが……。

まあ、そんな人は残念ながら出てこないでしょうねぇ。

それを分かっていながら、口ずさんでしまう「唐獅子牡丹」こそが、今のサイケおやじの気分には合っているのでした。

コメント
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