OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

デイビー・ジョーンズ、安らかに

2012-03-01 16:13:40 | Pops

恋はちょっぴり / The Monkees (Colgems / 日本ビクター)

1960年代後期、モンキーズで一世を風靡したデイビー・ジョーンズの訃報に接しました。

ご存じのとおり、モンキーズは最初っから完全な企画優先のプロジェクトとして、成功は約束されていたグループではありますが、だからといってデイビー・ジョーンズ(vo,per)、マイク・ネスミス(g,b,vo)、ピーター・トーク(g,key,b,vo)、ミッキー・ドレンツ(vo,ds) というメンバー4人が木偶の坊だったはずもありません。其々が個性派だったところに、モンキーズ成功のひとつのカギがあるといって過言ではないと思います。

中でもデイビー・ジョーンズはイギリス芸能界で子役から活動していただけに、ハリウッドスタイルではない、不思議な落ち着きと華やかさの両立を持ち味にしていたところが実に秀逸で、それは歌も演技も自己欺瞞ではない頑固さに貫かれていると感じます。

しかし、それゆえに所謂「潰しがきかない」タイプであった事も、また、事実……。

オリジナルのモンキーズを離れてからは、ソロ作品も出していますが、やっぱりファンが望むのは、「モンキーズのデイビー」でありましたですねぇ。

さて、そこで本日のご紹介「恋はちょっぴり / A Little Bit Me, A Little Bit You」は、モンキーズが1967年春~初夏に大ヒットさせた人気曲で、弾みまくった夢見心地のビートと浮遊感漂うコーラスがシンプルなメロディを彩る中、まさに「モンキーズのデイビー」が楽しめますよ♪♪~♪

ちなみに、この曲はシングルバージョン優先主義の発売で、確かモンキーズにとっては3枚目の作品だと思いますが、後に各種編集アルバムに収められたバージョンは、ここで印象的な拍手が抜かれていたり、あるいはコーラスとリードボーカルのミックスの差異が逆転(?)していたりしますから、要注意です。

それはグループと制作側の思惑違いというか、モンキーズ本人達はバンドとして独立独歩を希望していながら、現実的には力不足ですから、スタジオミュージシャンと職業作家によるプロジェクトが未だ確固たる実績であり、ついにはプロデューサーの交代劇までもが!?

ですから、ちょうど転換期の象徴する1枚でもあります。

ということで、このシングル盤に纏わる諸々はアメリカの音楽業界や制作システムの研究にも欠かせない証拠物件という事実だけを、今は簡単に述べさせていただきます。

なにしろデイビー・ジョーンズの訃報に接したわけですから、ドロドロした真相んて、今日はご免というわけです。

合掌。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする