OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

霧の中の素敵なメロディを思い出す

2012-03-17 15:47:53 | Pops

霧の中のジョニー / John Leyton (Top Rank / 東芝)

洋楽ヒットに日本語の歌詞がつけられて、それが歌謡曲として流行ってしまう事象は、今でも立派に通用する業界の常套手段ですが、本日ご紹介の「霧の中のジョニー / Johnny Remember Me」も、オリジナルのジョン・レイトンよりは克美しげるのデビュー曲として記憶されている皆様が多いと思います。

もちろんサイケおやじも充分にそのひとりであって、それは昭和36(1961)年の事ですから、あの「ジョォ~ニ~、リメンバァ~ミ~」というキメが子供心に強い印象として残されているんですねぇ~♪

しかし、これがジョン・レイトンのオリジナルバージョンになると、さらに鮮やかなサウンド作りの妙が堪能出来まして、何故、原題「Johnny Remember Me」が邦題「霧の中のジョニー」とされたのか納得されるのです。

それはもちろん、歌詞の最初の一節が「When the mist's a-rising」である事にもよりますが、全体にアップテンポで、何やら西部劇の主題歌のような曲メロが軽いタッチで展開される時、イントロからのSEも含めて、サウンドの作りそのものが「霧の中」のようなミステリアスなムードに包まれているからだと、サイケおやじには感じられるのですが、いかがなもんでしょう。

そして実はプロデュースしたのが、トルナドースの「Telstar」でもお馴染みの効果音を巧みに使ったスタジオの魔法が得意というジョー・ミークであれば、尚更の事です。

ちなみに歌っているジョン・レイトンはイギリスの二枚目俳優として、1960年代には相当な人気者でしたが、劇場用映画は有名な「大脱走」での活躍はあるものの、どちらかと言えばテレビドラマが中心でしたから、掲載したシングル盤ジャケ写のイメージどおり、昭和42(1967)年頃に我国でも放送されていた「ジェリコ」のような戦争スパイアクションが十八番の当たり役!

しかし歌手としては、この「霧の中のジョニー / Johnny Remember Me」をイギリスのチャートトップにして以降、幾つものヒットを放っていますが、我国では慣例というか、発売楽曲の多くが例えば原題「Lonely City」を「霧の中のロンリーシティ」という邦題で出したように、「霧の中=ジョン・レイトン」という印象が如何にも当時の洋楽事情♪♪~♪

それと今日の日本では言わずもがなの定説ではありますが、大滝詠一が太田裕美に書いた「さらばシベリア鉄道」は、あまりにも「霧の中のジョニー / Johnny Remember Me」をモロパクリしていて、かえって潔いほどです。

そのあたりも含めまして、この曲は完全に日本人の琴線に触れる要素に溢れているんでしょうねぇ~♪

ということで、私有のシングル盤は再発物ですし、克美しげるの日本語盤も入手出来ていませんが、しっかり楽曲はサイケおやじの中に刷り込まれています。

そして願わくば、克美しげるの音源も復刻して欲しいわけですが、例の事件で服役~仮釈放中に悪いクスリの再犯では、やっぱり無理でしょうか。関係者やファンの熱意は、それを待っていると思うのですが、結論は霧の中……。

コメント
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