OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

懲りない男を歌うロッドはパァ~~ッと行こうよ!

2012-01-02 15:12:33 | Rock

Three Time Loser / Rod Stewart (Worner Bros. / ワーナー)

今や全く沈み込んでいる世相ではありますが、こういう時こそ諸事、パァ~~ッと行こう!

そういう心構え(?)も必要なんじゃありませんかねぇ~。

と正月早々に思ってしまうサイケおやじは、どっかしらおめでたいのでしょう。

まあ、そのあたりは「お正月」という事でお目こぼし願いたいわけですが、とりあえずそんな気分の歌を本日は出してきました。

ご存じ、英国R&B界から飛び出した最強のロックシンガーとして、当時も今も決定的な人気を誇るロッド・スチュアートが1975年に発表した享楽の名曲が、この「Three Time Loser」です。

なにしろそれは冒頭からずっしりと重いビートに支えられた、如何にもロッド自作の節回しが冴えまくりのファンキーロックであり、ミディアムテンポでノリが良すぎるぼどのリズム的興奮♪♪~♪ 同時にソウルフルなコーラス隊とのコラポレーションの妙が、たまらなく最高なんですねぇ~~♪

もちろん「お約束」として、当時は存続も許されていたロッド・スチュアート&フェィセズ伝来の英国風スワンプロックの味わいも非常に強く、加えて粘っこくて、しなやかなソウルグルーヴが実にリアルですから、この歌が収録されたアルバム「アトラティック・クロッシング」のA面ド頭に据えられたのも当然だったのですが……。

しかしサイケおやじとしては当時、その売れまくった件のLPがどうにも好きになれず、結果として最高に気に入っていた「Three Time Loser」のシングル盤だけをゲットしたのです。

それは今となっては説明不要、当時のロッド・スチュートは特にアメリカでは決定的な人気を確立していていながら、契約の問題からマーキュリーとワーナーの両レーベルからレコードが出てしまうという、なかなか難しい状況の中、ついには訴訟問題がっ!

ですからロッド・スチュアート本人も、本格的なアメリカでの活動を優先させようとしていたのでしょう。どうやら1974年頃からスタートさせていた新作のレコーディングにはプロデューサーとして幾多の南部系ソウル&ロックの名盤を生み出したトム・ダウトを起用し、メンフィスやニューヨーク、マイアミやLA周辺のスタジオを使いながら、少しずつ形を整えていったのが、今やロッド・スチュアートの代表作となった人気盤「アトラティック・クロッシング」であり、タイトルどおりに大西洋を越えた制作方針は結果的に大正解となりました。

で、もう皆様がご推察のとおり、保守的なサイケおやじは、そうやって作られた当時最高のイカしたサウンドに馴染めなかったのが本音であって、それまでのロッド・スチュアートのリーダー盤、あるいはライプを含むフェィセズ特有の酔いどれロケンロールなムードとは決定的に異なる、どこかしら「お洒落な造り」はお呼びじゃ~ないですよ。

ただし、この「Three Time Loser」だけは別格の楽しさで、見事に既存のロッド・スチュアート&フェィセズを継承発展させていたわけです。

そして、さらに最高なのが歌詞の中身であって、要約すればハズレても風俗通いが懲りずにやめられない、丸っきりサイケおやじの若き日々を綴っていたんですよねぇ~♪

つまり、ムシャクシャした時には、パァ~~ッと行こう!

そういうフィーリングが歌と演奏で実行されていたんですから、これが好きになれなかったら、サイケおやじは轟沈ですよ。

ちなみにレコーディング全般にはスティーヴ・クロッパー(g)、ドナルド・ダック・ダン(b)、アル・ジャクソン(ds)、バリー・ベケット(key) 等々のアメリカ南部系の名人セッションミュージシャンが大挙参加している事から、既に述べたとおり、当時最新の流行だった、しなやかなソウルフィーリングが生み出されているのですが、それは所謂「メンフィス・ハイ・サウンド」の応用とは切れない縁でしょう。

一例としてオーティス・クレイの代表アルバム「愛なき世界で」、特にそこに収録された名唱「Trying To Live My Life Without You」と「Three Time Loser」の相似性に顕著だと思うばかりです。

う~ん、流石はトム・ダウト! ロッド・スチュアートの享楽の資質を最高のソウルサウンドに結実させんとした目論見には素直に脱帽致しますが、だとしても、サイケおやじは人気盤「アトラティック・クロッシング」がイマイチどころか、ど~しても好きになれないんですよ……。

しかし、この「Three Time Loser」は死ぬほど好きで、サイケおやじのテーマ曲とまで、個人的には思いつめているのですから、実は日本独自にカットされたこのシングル盤には感謝絶大!

ちなみに本家英国や欧米諸国では、このB面にされた「Sailing」が堂々の先行シングルA面扱いとして、言わずもがなのエバーグリーンな大ヒットになったんですが、実はサイケおやじは、その名曲も大嫌いと告白しておきます。

ということで。今年の目標は、パァ~~ッと行こう!

そうしましょかねぇ。とにかく煮詰まった世相はブッ飛ばさないといけません。

そんな気分のお正月を過ごしています。

コメント (2)
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