OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

やっぱりホリーズは素晴らしい

2012-01-03 16:18:15 | Hollies

兄弟の誓い c/w 僕が好きだから / The Hollies (Parlophone / 東芝)

今日は朝っぱらから年始回りやってきましたが、失礼ながら、かなり危なくなっている某仕事関係先で意想外の美しい兄弟愛を見せられたりして、自分でも甘いなぁ~、とは思いつつも、正直に和みました。

そこで本日、思わず取り出してしまったのは、ホリーズが1969年に放った畢生の大ヒット「兄弟の誓い / He Ain't Heavy, He's My Brother」です。

 この道は、幾度も曲がりくねって、長くて険しい
 それは何処へとも分からず 果てしなく続く
 でも、僕は兄弟を背負って行く 僕は強いから
 背負ってる兄弟は重くはないよ だって、僕の兄弟なんだから

とにかく上記のような、所謂「無償の愛」を歌い込んだミディアムスローの曲展開が、なかなか何時の時代もウケるんだと思います。もちろんそれがナチュラルに美しい兄弟愛に仮託されていることは、言うまでもないでしょう。

ですから、ホリーズ以外にも秀逸なカバーバージョンがどっさり出ていて、例えばニール・ダイアモンドはホリーズに少しも劣らないヒットにしていますし、確かダニー・ハサウェイはニューソウル系ゴスペルバージョンに仕上げて、これが実に強い印象を残しています。

しかしホリーズのバージョンが永遠に不滅なのは、特段のヒネリを意図的に入れず、あくまでも楽曲そのものの魅力をストレートに伝えようとした事じゃないでしょうか。それゆえに1980年代末にはリバイバルヒットも記録していますし、各方面でCMやBGMに使われる事も多いのでしょう。

また、これは発表当時から話題になっていた事なんですが、ビートルズの「The Long And Winding Road」と歌詞に共通の視点があり、ポールが盗作? なぁ~んていう疑惑も!?

実は告白すると、サイケおやじが掲載したシングル盤をゲットしたのは、そんな逸話を確認したかったからで、確かに否定出来ないものはあると思いますが、そんなに拘る必要もないような……。

だって、そうだとしても、両曲共に所謂「良い歌」に違いはないんですから!

ちなみに「兄弟の誓い / He Ain't Heavy, He's My Brother」を書いたのは、ボビー・スコット&ボブ・ラッセルというアメリカ人の職業ソングライターでしたから、ホリーズと同時期には他に幾つかの競作バージョンがレコード化されていたと言われています。

あと、これは後に話題になった事ではありますが、このホリーズの演奏には、下積み時代のエルトン・ジョンがピアノで参加しているんですねぇ。

歴史的には、この頃のホリーズはリーダー格だったグラハム・ナッシュが脱退した事から、最先端追求路線の音楽性を従来のポップス優先主義に戻し、例の問題(?)アルバム「ボブ・ディランを歌う」をヒットさせて、その姿勢の正しさを証明しています。

そして新加入のテリー・シルヴェスター(g,vo) はもちろん、アラン・クラーク(vo,hmc)、トニー・ヒックス(vo,g,etc)、バーナード・カルバート(b,g,key)、ボビー・エリオット(ds,per) という顔ぶれになった新生ホリーズには、明らかにひとつの決意があったんじゃないでしょうか。

それはロックバンドよりは、ポップスグループである事!

サイケおやじは独断と偏見で、そんなふうに思い込んでいますが、ジャケ写だって、そうでしょう。

ですから、「兄弟の誓い / He Ain't Heavy, He's My Brother」の前にヒットさせた「ごめんねスザンヌ / Sorry Suzanne」が英国産バブルガムと紙一重の胸キュンポップスであることへの抵抗感も無く、また下手すりゃ~虫歯になりそうなほど甘い「兄弟の誓い / He Ain't Heavy, He's My Brother」が静謐なムードで仕上がっている結果にも、充分に満足出来るのです。

またB面に収録された「僕が好きだから / Cos You Like To Love Me」が、勿体無いほど楽しく明るい仕上がりで、まさにホリーズの真骨頂♪♪~♪ 全宇宙のポップス愛好者は必聴でしょうねぇ~~♪ 絶対にウキウキしますよっ!

そこで最後に希望を述べさせていただければ、この名曲「兄弟の誓い / He Ain't Heavy, He's My Brother」はカーペンターズのカレンに歌って欲しいようなメロディラインが大いに魅力なんですが、おそらくやっていないでしょうねぇ。なにしろ歌詞がカーペンターズじゃ、あまりにもベタですから……。

ということで、昨日はパァ~ッと行こう! 等々と書いてしまったサイケおやじにしても、こういうソフトなポップスを愛でる気持は捨て去ることが出来ません。

いや、そういう心が無くなったら、自分自身が率先して殺伐とする気がするんですよねぇ。

そのあたりのバランス感覚は大切したいと思います。

コメント (2)
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