■魔法の鏡 c/w 一方通行 / 早乙女愛 (CBSソニー)
昨日は早乙女愛の訃報に衝撃を受けました。
享年51歳……。
ご存じのように、彼女は昭和49(1974)年、16歳で映画「愛と誠(松竹・山根成之監督)」のヒロインとして、役名そのまんまの芸名でデビューしています。
そして愛くるしい面立ちで忽ちスタアになり、所謂清純派として人気を集めるのですが、サイケおやじが新人時代の彼女に魅せられたのは、どこか翳を秘めた演技、悲しみに歪む美貌が倒錯的な魅力に満ちていたことによります。
また少しずつ明らかにされていった豊満な肉体のエロスにも、たまらないものがありました。
そしてついに昭和58(1983)年、日活ロマンポルノ「雌猫(山城新伍監督)」で大胆なレズシーンも含む、素晴らしいヌードを披露し、もちろんそれは大ヒット♪♪~♪ 以後、ヌードグラビアや写真集、カレンダーも評判を呼び、巨乳スタアのトップに君臨するのです。
しかし、これは後に知り得た裏話ではありますが、そういう現場での彼女は、要求されるポーズや演出については逡巡することが多かったとか!?
まあ、そのあたりの羞恥心というか、そういうものが男を歓喜させる素晴らしいエロスに結びついたことは言わずもがなでしょう。
また、既に述べたように、早乙女愛という女優の資質としての翳りが、二十代になって演じることが多くなった悪女や我儘女という役柄にはジャストミートで、特に個人的にはテレビのサスペンス物ですが、江戸川乱歩原作による美女シリーズ「炎の中の美女・三角館の恐怖」はDVD化もされていますから、ぜひともご覧下さい。
さて、本日ご紹介のシングル盤は昭和51(1976)年に発売されたデビュー曲で、A面はもちろん説明不要というユーミンのカパーなんですが、そのお洒落なメルヘン調の楽曲を純朴に歌ってくれる早乙女愛の魅力が全開♪♪~♪ そこには言うまでもなく、一抹の翳りが秘められていると思うのはサイケおやじだけでしょうか?
その意味でB面収録の「一方通行」における、ちょいとネクラな片思いの歌詞が早乙女愛によって書かれたというのも、ナイスプロジェクトでした。
実は告白すると、サイケおやじはユーミン繋がりから、このシングル盤をゲットしたんですが、このB面には恥ずかしながら自分の中にある少女趣味を刺激されましたですねぇ。いや、これは私だけではなく、男なら誰でも少なからずもっているセンチメンタルな部分じゃないでしょうか。と、言い訳も書かせて下さいませ。
ということで、不謹慎な結果論になりますが、サイケおやじはデビュー当時から、なんとなく早乙女愛の将来について悲観的なものを感じていました。
人生についての幸不幸は絶対に本人以外には決められないものなんですが、今回の早すぎる訃報に接しては、それゆえに悲しさが募ります。
そして衷心からご冥福を……。合掌。