OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

巨匠と御大

2008-04-20 17:01:51 | Weblog

昨夜は公私共にゴタゴタがあって、些か疲れました。

心の平穏、安逸こそが幸せと実感です。

ということで昨日に引き続き、仕入れたネタから、本日は――

Oscar Peterson & Count Basie Together In Concert 1974 (impro-jazz)

タイトルどおり、オスカー・ピーターソンとカウント・ベイシーが共演したステージの発掘映像DVD! 1974年にチェコのプラハで開催されたジャズフェスティバルから11月8日のライブを収録しています――

01 Old Folks
 まずオスカー・ピーターソンのソロピアノ♪ 人気スタンダードを素材に抜群のテクニックを駆使して緩急自在の演奏を披露しています。それはスローなスタートから圧倒的な音符の洪水、さらに驚異のリズム感で紡ぎだされる桃源郷です。
 カメラワークも客席からは絶対に見えないオスカー・ピーターソンの手と指の動きをしっかりと映し出していますから、興味はつきません。
 しかも歌心というか、ジャズ魂というか、とにかく圧巻の演奏になっていますので、ここだけでもDVDを入手して後悔しないと思います。

02 Just Friends
03 I Love You
04 Mack The Knife

 この3曲はベースのニールス・ペデルセンとのデュオで、いきなりサーカス技みたいな「Just Friends」、和みと眩暈が同時に襲ってくる「I Love You」、さらにオスカー・ピーターソンが十八番の展開を存分に聞かせてくれる「Mack The Knife」と、快演が続きます。
 映像から判断して、ニールス・ペデルセンはピアノの鍵盤が見える位置取りから、演奏中もオスカー・ピーターソンが弾くコードを先取りし、確認しているのがわかります。
 もちろん演奏の呼吸はバッチリ♪ ただし2人とも熱演が過ぎて、私はけっこう疲れてしまうほどですが……。

05 Royal Garden Blues
06 Slow Blues In G
07 Jumpin' At The Woodside
 これがハイライトと言うか、オスカー・ピーターソンの紹介から絶大な拍手に迎えられ、悠然と登場するのが御大カウント・ベイシーです。演奏メンバーはカウント・ベイシー(p)、オスカー・ピーターソン(p)、フレディ・グリーン(g)、ニールス・ペデルセン(b)、ブッチ・マイルス(ds) という面々ですから、グルーヴィなスイング感は天下一品!
 まずジャズの古典「Royal Garden Blues」はオスカー・ピーターソンがウキウキするようなテーマメロディをリラックスしたテンポで弾き始め、リズム隊を呼び込んでからはカウント・ベイシーの「間」の芸術が存分に楽しめます。
 実際、オスカー・ピーターソンが百万の音符を繰り出しても、カウント・ベイシーが長年培ったブルースの染み込んだ音、たったひとつをカウンター気味に入れてしまえば、それで全てが納得させられるんですねぇ~♪
 そのあたりはタイトルどおりに超スローな「Slow Blues In G」で特に顕著となり、グルーヴィにノリまくるオスカー・ピーターソンもタジタジの苦笑い! というよりも自分から演奏を楽しみ、カウント・ベイシーに敬意を表した笑顔だと思います。
 そして「Jumpin' At The Woodside」では狂ったようにスイングするバンドの勢いが最高! フレディ・グリーンのリズムギターも完璧にはっきり聴こえますから、もう、たまりません。このグルーヴとビート感こそが、ジャズの真髄かもしれませんね♪

08 Fun Time
09 Why Not
10 Body And Soul
11 Blues In G
12 Blues In B
13 Oh Boy
14 Jumpin' At The Woodside

 ここからはカウント・ベイシー楽団の演奏となります。メンバーはジャケット記載と実際には異なっており、主力メンバーはソニー・コーン(tp)、ピート・ミンガー(tp)、エディ・ロックジョウ・デイビス(ts)、ジミー・フォレスト(ts)、カーティス・ピーグラー(as)、アル・グレイ(tb)、フレディ・グリーン(g)、ブッチ・マイルス(ds) という名手揃いが、映像で確認出来ます。
 演奏ではジミー・フォレストが脂っこくて腰の強い一人舞台を演じた「Body And Soul」が圧巻! タフテナーの真髄というか、歌心も満点ならば感情移入してイヤミのないブロー、さらにアドリブ構成全体の完成度が素晴らしいですねっ♪
 またアル・グレイが熱演を披露する「Blues In G」も見逃せませんよ。
 そしてゲスト歌手のジョー・ターナーが登場する「Oh Boy」は、少人数のコンポ編成が伴奏を担当しますから、雰囲気も最高です。

ということで、気になる映像も問題なく見られるカラー撮影ですし、音のバランスも上手くいっています。

しかしカメラワークが単調というか、ピアニストの指の動きはきちんと撮影されていて嬉しいのですが、ステージのセッティングの関係でフレディ・グリーンがほとんど映っていないのは大減点! 天才的なリズムギターがしっかりと録音されているだけに、非常に勿体無いところです。

その点を除けば、このブツは大変に素敵な仕上がりで、特にオスカー・ピーターソンとカウント・ベイシーの対決演奏は、お互いの役者ぶりが映像作品ならではの楽しさとして大いに魅力です。ちなみにここは「対決」と書きましたが、素晴らしい協調性が満喫出来る「和み」が本質だと思います。

正直、オスカー・ピーターソンの指だけ見ても呆れるほど♪

機会があれば、ぜひともご覧いただきたい優良作品だと思います。

コメント (4)
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