今日は朝からメッチャ寒いです!
強風、吹雪、道路は凍結!
なんか12月下旬頃の天候になっていますけど、もう春のはずじゃなかったのか!? 昼メシのトン汁が五臓六腑に染みわたりです。
ということで、本日は――
■Jimmy Smith At The Organ Volume 1 (Blue Note)
オルガンジャズと言うと、今では所謂コテコテと決め付けられていますが、その大御所だったジミー・スミスは、決してそればかりではありません。
特にジャズオルガンのイノヴェイターとして注目された初期、つまりブルーノート・レーベル1500番台の作品は、濃厚なブルースフィーリング、あるいはしっとりとした情緒に彩られた正統派モダンジャズが楽しめます。
本日の1枚は、当にその代表作と申しましょうか、メンバーはジミー・スミス(org)、ケニー・バレル(g)、アート・ブレイキー(ds)、そしてルー・ドナルドソン(as) というブルーノート・オールスタアズ! ちなみに録音は1957年2月12日ですが、この時は前後3日間連続のセッションが行われ、都合アルバム5枚が製作されています――
A-1 Summertime
ガーシュインが書いたジャズを超越した名曲を、ジミー・スミス(org) とルードナルソン(as) がデュオで、まったりと仕上げた名演です。
原曲に秘められた一抹の哀愁と刹那のフィーリングをダイレクトに表現するのがルー・ドナルドソンならば、ブルース魂をグッと呑み込んで深く押えた雰囲気に撤するのがジミー・スミスというコントラストが鮮やかですねぇ~♪
短い演奏ですが、持てる秘術を尽くした2人芝居が、なんとも言えない余韻を残すのでした。
A-2 There's A Small Hotel
これもスタンダートを素材に快適なスイングに撤した名演です。
メンバーはジミー・スミス(org)、ケニー・バレル(g)、アート・ブレイキー(ds) のトリオながら、そのグルーヴは強烈至極! 3人の相性もバッチリ!
ケニー・バレルは粋なテーマ解釈から十八番のフレーズを積み重ねれば、ジミー・スミスも負けじと躍動的なフィーリングで対抗、そしてアート・ブレイキーは堅実かつ豪放なドラミングで土台を支えるという、モダンジャズの醍醐味が存分に堪能出来ます。特に終盤のソロチェンジの場面はスリル満点ですよ♪
B-1 All Day Long
ケニー・バレルが書いた、これぞハードバップのブルースです。
メンバーはジミー・スミス(org)、ケニー・バレル(g)、アート・ブレイキー(ds)、そしてルー・ドナルドソン(as) という黄金のカルテットが勢揃い♪
アート・ブレイキーの強烈なドラムロールから、まずジミー・スミスが重低音でペースを設定し、ケニー・バレルがどろりとしたブルースコードを響かせれば、辺りはもう真っ黒です。そこにルー・ドナルドソンが泣きのアルトサックスで入って来るんですからねぇ~、もう、辛抱たまらん状態です♪
演奏は途中で倍テンポのパートも入れた刺激的な展開もあって、どこまでも熱くなっていきますが、ジミー・スミスの粘っこいアタックの連続には、ゾクゾクさせられること、請け合いです。
B-2 Yardberd Suite
大団円は、これも前曲と同じメンツによるハードパップ大会です。
ちなみに曲はチャーリー・パーカーが書いたビバップの聖典ということで、直系スタイルのルー・ドナルドソンが大ハッスル! 驚異的なブレイクはエキセントリックながら、そこから分かりやすいアドリブに繋げていくので楽しさ優先モードとなり、続くケニー・バレルの快演を引き出しています。
しかしジミー・スミスが、けっこうヤバイというか、烈しくプログレなフレーズや音出しをやってしまうので、場に緊張が生まれて、そこが素晴らしいと思います。このあたりが、単なるジャムセッションに止まらないリアルタイムの勢いというところでしょうか。
ということで、非常に充実したアルバムなんですが、これに続く「Volume 2」が、またまた名演集になっているので、合わせて聴いて下さいませ。
ちなみにジャケットに写るジミー・スミスの表情と手の動きが、物凄くグルーヴィだと思いませんか? これもジャズの魅力のひとつだと思います。