松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

高倉健「あなたへ」のあとに。

2014-09-29 07:10:18 | 映画

 映画館で映画を観るのは、若い頃苦痛だった。それは座高の高さと関係がある。後ろの席の人が見えないだろうと、背を屈めるくせがあって、そのあとは、もっぱら一番端っこや、最後尾で見るようになった。だから今のように、そんなこと気にしないで見られるように広く高くなってからも、通ったことはない。つまり、封切を見たことは一度もない。

 「あなたへ」を見た。巨匠ビートたけしや、SMAPの剛君が出てきて、妙なキャストなもんだなあ、と考えながら思った。連れが亡くなってから始まるストーリーの、最後の結末は、いったいどんな展開になるのだろう、淡々と終わるのだろうか。見終わって「あなたへ」が女性の言葉である、という事実に気が付いた。なるほど、余貴美子の言葉だったのか、と考えた。

 それから部屋の換気をして寝ようと、窓を開けた。メガネを外していたので、景色がボケていた。鉄道と駅舎の明かりが見えた。それは初めて見る景色だった。細い月なら二つ見えるこの目が、街灯を花火が開いたように大きくしていた。黄色みがかった白や、青味がかった白、黄色、赤。それぞれの花火が開いていた。しかも乱視のせいで、まともな放射状の花火ではない、円形だがランダムに開いた、幾何学的に見ごたえのある花火だった。とても新鮮だった。ボケた光にピントを合わせて、鑑賞できるなんて。

 テレビは熱を発する。ましてアンプ経由でスピーカーを鳴らしているのだから、部屋の温度は下がらない。しかしハイビジョンで、好きなだけボリュームを上げて観る映画は、映画館の迫力に負けないものがある。その証拠に、青春時代に盛岡ピカデリーで見た「個人教授」ナタリー・ドロン、ルノー・ベルレーのサウンドトラックは、映画館の大きなスピーカーから出るドラムの音を、忠実に再現して、まったく当時の気分に浸ることができたものだ。

 ちなみに、私の中でそれより名画なのは、「バニシングポイント」。中で使われたシャイ・ライツの「Oh GIRL」がなかなか、いがった。さらにそれを上回るのが「カサブランカ」だろう。モノクロでありながら、テンポの速い展開力は、内容を知っていながら最後まで見入ってしまう魅力にあふれている。沢田研二が曲に引用したのも、無理はない。

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