体操男子団体がやりました。中国の選手の2度の落下があったにしても、良くやりました。橋本大輝が最後の演技者として完璧に離れ業を決め、着地で1歩も動かなかった。あれが最終的に逆転を演出した。
演技後、フラッシュを浴びる5人を背に、内村航平がNHKのスタジオの質問に答える。その顔は、目が涙を浮かべているが、淡々とした語り口だ。
これは個人戦の話だが。表彰式の時、金メダルの選手は会場のアナウンスで「オリンピック・チャンピオン」とコールされる。
これが超絶、気持ちいいそうだ。あの時、鳥肌が立っているそうだ。エクスタシーだよね。
今でも、また聴きたい。現役に戻りたい。そう思うらしい。
自分の感情をコントロールしながら、噛みしめるように語る言葉には。妙に聞き惚れる自分が居る。オリンピック・チャンピオンの言葉は、ひと味違う。
ジュードーの話だけどね。全柔連は国際柔道連盟から脱退して、新たに日本柔道を軸にした国際組織を立ち上げた方が良い」と言っているそうだ。
競技としての柔道は、本来の武道ではなくなってしまった。柔道を日本の誇る文化と思うならば、国際団体から脱退して「日本の王者」を決めればいい。
かつて、オレも憤慨したよ。袖がね。ギュッと絞られて、掴めないのを着て来たり。まるで今でもボクシングだよね。あれで目を突かれてケガする選手は多い。そのために平常心を忘れることだって、あるだろう。
どの競技でも、あるでしょうが。「勝つための方程式」があって、それが鑑賞の邪魔をしている。体操で言えば。中国のように、ポイントを稼げる、リスクを避けたワザを多用する、とか。そのために、中国の鉄棒は見ていて、究極につまらない。あれで橋本と同じ点数かよ。
日本の体操は、見ていて楽しいし、姿が美しい。その上、高得点を取ってしまう。相(あい)反する成績と両立してしまうニッポンの体操は内村航平が確立した。それを引き継いでいる彼らを、月並みだが誇りに思う。