私はほとんど毎日、夢を見る。そして一番良く見る夢は、一生懸命にトイレを
探している夢。のっけから味気なくて申し訳ない。だって、膀胱満タンなんだもん。
たまに運良くトイレが見つかるが、たいがいはとても汚い。あるいは狭いか、
仕切りがない。こんな所でできるか、というのが多い。
大分、夢の中の地理に詳しくなってきたが、
確かこの建物のここら辺にあるはずだが、と探してもなかなか見つからない。
この夢から言えることは、夢の内容は下界の刺激に左右されることがある、
ということでしょう。人はまた、今日あった出来事が登場することもある。
でも例えば藤原紀香を、いい女だなあと思っていると、夢の中では藤原喜明が
出てきて関節技を極められていたりする。藤原つながりなのだ。今で言えば
フジモンのうるさい顔が出てくるか。そういう風に解釈が行き違うこともある。
他人が、自分の見た夢をあたかも映画を見てきたように話すことがある。
それはキミ、自分が作ったものだろう。と言いたいところだが、自分の夢は人に話したく
なるほど良く出来ている場合がある。そして自分にないはずの知識が出てくることが
ある。私の場合は、知らない音楽がそうだ。目が覚めて、口ずさむことができるが
はて、この曲はいったいなんだろう、と思うことがしばしばある。今までの曲を貯めて
いたらヒットメーカーになっていたかも知れない。案外優れた作曲家はそうして自分の
無意識から探し出してくるのかも知れない。
学生の頃、フロイトの「夢判断」を読んだ。納得できる内容が結構あった。それは
夢は欲望の抑圧された表現なのだ、ということでしょう。フロイトは必ずリビドー(性衝動)
と結びつけて解釈を加える。そこが共感できたので、夢を見るたび日記に書いていた。
でもオレの夢はそんなに回りくどくはなかった。
通説では、その日の出来事を記憶するための整理作業の時間がそうなのだ、
という人もいる。私はそうは思わない。むしろあるところに送信するための
時間なのではないかと、考えている。あるところとは、「あの世」である。
あの世なら死んだ人が出てくることも自然だし、時間の感覚がないし、地獄もある。
いくら走っても、歩いても、決して目的の場所につかない、という夢を見たことは
ありませんか。それが地獄だと思います。考えてみて下さい。一生夢が覚めなかったら
あなたは永遠にその場所でさまよう事になるのですよ。
つまりこうです。ボクらは毎日、毎夜、あの世と行き来している、のかも知れません。
あの世は地球を取り巻く宇宙空間のどこかにあるかも知れないし、次元が違うために
見えないのかも知れません。そこに「集団的無意識」なる領域が存在して、ボクらは
毎夜、何らかの波長に乗って霊魂だけが、行ったり来たりしていると考えてみて下さい。
そうやって「あの世」では、全人類の情報を集めて、必要とあらば逆に送信して
DNAに働きかけ、人類の進化に寄与しているのです。と言い切ってしまえばSFに
なっちゃいますよね。その考えを教えてくれたのはフランス科学アカデミーに属する
ジャン・ピエール・プチ先生です。この先生はウンモからの手紙を読んでいて、その
中には高等な知識が含まれることを発見した方で、実際、電磁流体力学を応用して
UFOが飛べることを立証したり、数々最先端の論文を発表している人です。
その内容は宇宙の構造から、人類の進化の話まで多岐にわたっています。
ヒトがサルから進化する話も彼の本からの引用です。4冊持っていますが、最初の
本はちょうど20年前に発行されたものです。何回読んでも難解だし、でも面白いし
初めて分かることもあるし、でも巻末の資料は難しい物理の数式のオンパレードで
これだけは飛ばし読みです。
夢の世界では垣根がありません。芸能人と普通に友達の会話をしたり、今はない
小学校の校舎が出てきたり、空を飛んだり、楽しい経験もたくさんできます。
夢から覚めた直後はむしろ現実より存在感があります。
強烈な印象と、うっとりするほどの情緒が残ります。
現実の方が色あせて見えるほどです。
この世界を忘れてしまうのは、もったいないことです。
朝、目が覚めたら、生きていることを喜ぶと共に、
まず、夢の内容をじっくり反復して思い出しましょう。
人間、何が不幸でも、一日の最後に残された「眠り」は少なくとも寛大です。
眠れる幸せって、あるんですから。