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北米project 5 ~How do you like Canada? その11【2016/6/15~22】

2022-03-11 22:01:00 | 海外旅行記
カナダ軍用機歴史博物館の続きです。ここからは地味めな練習機が何機か続きます。これは、フェアチャイルド・コーネルMk.II(1939年初飛行)です。アメリカ陸軍でもPT-19コーネル初等練習機として使われていた機体です。
コーネルMk.IIは、PT-19のカナダ版であるPT-26Aのカナダでの呼称です。PT-19と比較してPT-26は風防が密閉式になっています。カナダは寒いから?わざわざ型番を新しく起こしているのもそこらへんが関係していそうです。
カナダ空軍とイギリス空軍用に生産されたコーネルは約2,800機で、そのうち2,000機はカナダのフリート社でライセンス生産されました。フリート・フィンチやデ・ハビランド・タイガーモスのような複葉練習機を置き換えました。


エンジンは空冷のレンジャーL-440を搭載していますが、このエンジンは直6なので機種の形状は液冷機のような細長いものになっています。なおこの個体は動態保存機です。


リトルノルウェー魂号のマーキングです。これは、1940年にドイツに占領されたノルウェーから脱出したノルウェー人によりトロントで編成されたカナダの飛行学校なのが由来です。


カナダ由来の機体ですが、機体塗装はノルウェー空軍のコーネルに合わせたものになっています。


デ・ハビランドDH.82Cタイガーモス(1931年初飛行)。イギリスを始めカナダやオーストラリアなどのイギリス系の国でやたら運用された複葉練習機です。生産数は1万機を超えているため、運用国の博物館に行くとだいたい見ることができるでしょ、というくらいたくさんいる印象です。


このC型はカナダ向けに生産されたものです。操縦席には風防と暖房が付き、尾部のソリは車輪になるなど、寒冷地のカナダに合わせた仕様変更がされています。カナダ空軍では1,500機くらい使ったんだとか。
この個体は1942年にオンタリオ州の工場で造られたカナダ産の機体です。1945年まで空軍の練習機に使われていました。退役後は25年間以上保管されていたものを博物館が1972年に開館した直後寄贈を受けて、5年以上の歳月をかけてレストアし、動態保存化しました。


デ・ハビランド・カナダDHC-1チップマンク(1946年初飛行)です。
デ・ハビランド・カナダは元々イギリスのデ・ハビランドのタイガーモスなどをカナダで生産するための現地企業だったのですが、第二次世界大戦後に独立。独自の機体を設計開発するようになりました。DHC-1はそんなデ・ハビランド・カナダ社のデビュー作です。
DHC-1はタイガーモスの後継機として開発された軍用の練習機です。つまり初等練習機に当たるわけですが、さすがにこの時期に複葉練習機とはならんかったようです。しかし初等練習機にしては結構細身に見えます。どちらかといえば曲技飛行用のスポーツ機のように見えます。


1,200機が生産されたので大ヒットと言えると思います。ただしカナダ製はそのうち200機ちょっと。その他の大部分はイギリスの本家デ・ハビランド製です。というのもイギリス空軍が大量採用したからだそうな。
なおカナダ製とイギリス製の判別は風防を見れば意外と簡単です。カナダ製はこの個体のような涙滴型風防なのに対してイギリス製は古臭い枠の多い風防をしています。



デ・ハビランド製ジプシー・メジャー直列4気筒エンジンを搭載しているので液冷機みたいな細長い機首をしています。この末期色真黄色の塗装は当時のカナダ空軍の初等練習機の標準塗装なのでした。
この個体は1956年に製造されて1971年に空軍を退役。その後1973年に博物館へ寄贈されています。これも動態保存機です。空軍退役から博物館寄贈まで年月が経っていないので、もしかするとずっと動態状態のまま現在に至っているかもしれません。だとしたら長寿な飛行機です。


ノースアメリカン・ミッチェルMk.III(1940年初飛行)です。いわゆるB-25Jという爆撃機です。
本来陸上用の爆撃機なのを空母に乗せてそこから発艦させて日本の本土を嫌がらせのように爆撃してから中国へ抜けて着陸する、というドゥーリットル空襲で有名な機体です。作戦は成功したからよかったものの普通に考えると「んなアホな」っていう。
イギリスとその家来にも配備されて、そこでは単にミッチェルという名前で運用されていました。カナダ空軍でも同様です。程よい大きさなので爆撃任務はもちろんのこと航法訓練、写真偵察、輸送任務にも活躍する多才なやつでした。


んで、これはアメリカ式でいうところのJ型、イギリス式でいうところのMk.IIIなわけですが、10,000機以上造られたB-25の4~5割がこのJ型です。博物館なんかで現存する機体もだいたいこれ。
J型といえばこの機首にガン積みされた8丁の12.7mm機銃。人でも殺す気か!?という殺意の塊です。他に機首側面にも4丁、上部回転銃座に2丁あるんで、最大18丁の機銃を前方に向かって射撃できるのです。
代わりに、本来あった爆撃手の座る空間と爆撃手が外を見るための風防を潰してしまっているので、爆撃機としての能力は数段落ちてるんじゃないのと思いにけり。


ノーズアートですねえ。


機首側面の機銃が無いじゃん、と変に思っていました。ですが、中にはこういう機体もいたみたいで、必ずしも間違いということではないみたいです。
あとはエンジンとか足回りとか。B-25は操縦が素直だったということもあって戦後も使われ続けたそうな。
この個体もそうでして、1945年初頭に製造されたものの軍用には使われずじまいでした。戦地にも行かなかったんじゃないかな。で、たぶんその後放出されて、民間の輸送機として25年間働いていました。クビになった後デラウェア州の空港で放置プレイされているところをたまたま通りがかった人が見つけてこの博物館に運び込んで動態保存されるまでに修復されたそうな。


爆弾庫はこんなかんじ。


第二次世界大戦機ですが戦争を経験していない機体ということになりますので、この塗装もなにか縁があるわけではないです。一応1944~1945年のヨーロッパ戦線で活躍した第98飛行隊のマーキングということになっています。


フリート・60Kフォート(1940年初飛行)です。カナダにあるフリート社が開発した軍用の練習機です。
中間練習機としてカナダ空軍から200機の発注を受けたものの、後に空軍は中間練習機を廃止してしまったので発注数を101機に減らしてしまいました。飛行特性にも若干難があった模様。
1942年には教官用の後部座席を無線機器で埋め尽くして無線訓練機として再利用しましたがこれも1944年に他機種に置き換えられてしまい、同年中に退役してしまいます。まだ戦争中なのに。


生産数は少ない、活躍もパッとしない、という地味でどちらかといえば駄作機寄りな飛行機です。よく現存機がいるなというところ。
フォートはフリートが初めて開発した全金単葉機なんですが、それゆえ設計がまだ未熟だったのかもしれないです。楕円形の主翼と飛び出た後部座席の風防が特徴です。風防に関してはなんで張り出た形状にしたのかよう分からんのですが・・・。


エンジンはヤコブスR-915を単発搭載。機首には蓋がされていて見えませぬが。エンジンの過冷却を防止するためのシャッターだと思いますゆえ。
これも動態保存機です。ただ現存数の少ない機体なためか飛行頻度は低いみたいです。

といったところで今日はここまで。



北米project 5 ~How do you like Canada? その10【2016/6/15~22】

2022-02-15 06:33:37 | 海外旅行記
カナダ軍用機歴史博物館の続きです。
こちらはダグラスC-47ダコタ。さっき牽引車で動かされていたやつね。
御存知、第二次世界大戦で大量生産されたアメリカの輸送機です。アメリカ軍はもとよりイギリス軍を始めとした連合国にも供与されたこともあってチーム1万機の一員です。ソ連と日本でライセンス生産されたものも含めるともう5千機くらい膨れるみたいですけど。
この手の輸送機・旅客機の供給はアメリカがほぼ独占していたようなものですから、戦後の旅客機製造ビジネスでの覇権をアメリカが握れたのも納得のいくものです。

カナダ空軍では最大169機が配備されて、カナダ国内には4個輸送飛行隊と数個の回航飛行隊で編成されていたそうな。海外の前線ではインドやビルマといったアジア戦線で数個の飛行隊が編成されておりました。
最後の1機は1989年まで使われていました。結構長生きだったのね。


この個体はアメリカ製で、はじめイギリス軍向けに納品されたものが1944年にカナダ空軍へ移管された機体です。戦後もカナダ空軍で使用されカナダにゆかりがあります。
1973年にカナダ空軍から退役した後、環境省(当時)に天下り再就職して鉱物や環境の調査活動を仕事としました。2014年に環境・気候変動省を退職して当館に寄贈され現在に至ります。
どのくらい実働状態だったかは知りませぬが一応最近まで現役にあったはずで、随分長いこと稼働状態だったことになります。そのおかげかここに寄贈後も飛行可能状態を維持しています。登録記号C-GRSBも有効な状態です。


機体塗装は天下り環境省時代のもの。ただし2022年時点では塗装が塗り替えられていて、カナダ空軍第437飛行隊時代の茶色の迷彩色(機体番号FZ692)になっているそうな。


C-47なので大型貨物扉の付いたやつです。



C-47は双発輸送機なのでまあそれなりに大型なんですが、それがすっぽり収まってしまってまだ余りあるこの格納庫の広さよ、ということです。


C-47の脇にあるこのでかいドラム缶みたいなやつ。これはランカスターの逸話の中でも有名な「ダムバスターズ」で知られるドイツのダム破壊任務「チャスタイズ作戦」で使われたアップキープ反跳爆弾のレプリカです。C-47の脇に置いてありますが、本来は今は表でエンジンをぶん回しているランカスターに関連する展示物でしょう。
反跳爆弾というのは、爆弾が爆撃機から投下され水面に着水後、回転しながら水面を跳ねて前進して目標を破壊する兵器です。水切りで使う石をめちゃくちゃでかくしたようなもの・・・かな。そう、俗に言う「英国面」のひとつ。
英国面というと失敗兵器だったり欠陥兵器だったりしますが反跳爆弾は実戦で成果を挙げています。英国面にだって立派なものもあるんだぞ。

アップキープの寸法は長さ152cm、直径142cmで、炸薬量は4.2t。投下前には爆弾が水切りするように高速回転をかけていたそうな。なお爆弾倉の広いランカスターと言えどもアップキープは規格外の大きさだったので、爆弾倉の扉を外して機外搭載せざるを得ず、しかも回転を掛けるための専用の器具も付けていたそうな。


チャスタイズ作戦のジオラマですね。ダムの上流からランカスターが迫ってきて超低高度からアップキープを投下しようとしているところです。
この水力発電用のダムを破壊する目的は、近代産業網構造の中枢を破壊することで産業網全体を機能停止に追いやることです。近代産業網は巨大化しているため単独で工業製品なり兵器なりを製造生産することは不可能です。その結果その産業網の集中する場所、つまり中枢が発生します。それは例えば製造業なら製鉄所、陸運なら鉄道の貨物ヤード、海運なら港湾施設、そして近代産業には必要不可欠な発電所もです。
この中枢を叩かれてしまうとその影響は極めて甚大です。製造業は操業できないし運輸だったら輸送網は麻痺してしまうでしょう。この産業網の中枢を破壊するあるいは敵から防御することが戦争において肝要なのです。
今回の場合は、ダムを破壊すれば水力発電が不能になってしまうので、この発電所から電力の供給を受けているルール工業地帯はたまったものではありません。

・・・脱線してしまいましたが、そういうことです。敵の弱点を突いた作戦なわけですが、こういうのはアメリカ軍の得意技で、イギリスは特にそういうことやらない印象です。どうしたったんだろ。

ていうかダムを破壊するのに普通に水平爆撃するんじゃダメなの?って話なんですが、たぶんそれをやるには相当な精密爆撃が必要で、当時の技術ではそりゃ無理じゃろうというところですかね。現代のスマート爆弾とかがあれば別でしょうけど。
であれば低空侵入して魚雷でも打ち込めばいいんですけど、そんなことはドイツも想定済みで魚雷防御用の網をダム湖に張り巡らせているのでした。そこで考えられたのが網の上を飛び越える反跳爆弾だったわけです。
アップキープは超低空で投下しないと水切りしないみたいで、水面から18mっていうえぐい低高度で侵入して爆弾を投下したみたいです。未帰還機もそりゃ出たそうな。
作戦は成功してダムは決壊したわけですが、それがルール工業地帯にどういう影響を与えたかを言及しているところは見つからず。そこが大事でしょーに。英語かドイツ語の文献漁れば見つかるかもしれませんが、そこまで脱線したくないので次に行きます。


これは4,000ポンド大容量Mk I爆弾ブロックバスターです。
爆弾というか爆薬の入った筒という具合で、空力的には悪いと思います。ちゃんと狙ったところに落とせるものなのかしら。


あーまたテキサンね、知ってる知ってる・・・いやなんか微妙に違う。
よく見るとこれはノースアメリカン・イェール(1936年初飛行)でした。初めて見たわね。ノースアメリカンの社内型番だとNA-64と呼びます。
イェールの次に開発される練習機がテキサン/ハーバードなので、似ているのはある意味当然です。


まずアメリカ陸軍のBT-9という初等練習機が有りにけり。胴体が鋼管羽布張りの古臭い構造でしたがスタイリングはイェールと酷似するものでした。というかBT-9の胴体を全金製にしたのがイェールとも言えますが。アメリカ陸軍もBT-14という型番で採用したらしいですが、ここらへんの経緯はなんだか複雑そうなのでパスします(手抜き)


主翼を見ると胴体のすぐ横の部分にフチが出っ張っています。これはこのフチを境に主翼を分解することができるようになっています。これ、ダグラスDC-3を始めとした当時のダグラス機によく見られる手法です。もっというと、イェールの主翼の平面形はDC-3のそれと酷似した形状となっています。どういうことなの・・・。


テキサンよりも少し胴体が細いかな?
イェールは、元々フランス向けに生産されていた機体でした。230機の大量発注だったんですが、納品の途中1940年6月にフランスはドイツのちょび髭に降参してしまい、残りの120機ほどが行き場を失ってしまいました。ひどい話だ。
で、在庫と化したイェールはイギリスに押し付けることにして、イギリスは当時パイロット養成を行っていたカナダにイェールを送りつけて中間練習機として運用することにしました。
しかし数年後に中間練習機はいらないねと判断されてしまい、練習機からは撤退して無線訓練機に再就職した模様。持て余してたような気もして、戦後になるとすぐに退役しました。
このまま全部廃棄処分のつもりでしたが、アーニー・シモンズという農場主が何を考えたか39機のイェールを大量購入して農場に保管しました。39機ってまじでどういうつもりなの。結局彼の存命中には有効活用されないままでしたが、亡くなった後に機体はオークションに掛けられて売却、散逸していきました。しかし彼が購入しなければこれだけの数は現存しなかったと言われています。おかげで現在も10機程度が動態保存されている模様です。

この個体は中間練習機として使用されていた時代の形態を再現しています。20年掛けて飛行可能状態に復元したということですから、農場から購入した時は状態が悪かったんじゃないでしょうか。とはいえ形が残っていればどうにかなるということでもあると思います。


御存知、スーパーマリン・スピットファイアLF Mk XVIe(1936年初飛行)です。派生型が多すぎて、その全容を把握できるのはイギリス人くらいだろというスピットファイアですが、これはその好例と言えましょう。
スピットファイアだけ数えてもマークナンバーが24まであるのははっきり言って異常だと思いますが、それに加えて搭載エンジンと武装の仕方、あとは場合によっては主翼の形状によって細かく型式を分けることができます。全身が痒くなりそう。
とりあえずこのスピットファイアの型式を見てみると、LF Mk XVIeですな。まずLFですが、これは搭載しているマーリンエンジンが低高度戦闘用にチューンされたことを示しています。低高度では最強クラスのドイツ空軍のFw190戦闘機対策といったところでしょう。低高度型がLFということで、通常型はF、高高度型はHFというのもあります。


なお、これは私含めて勘違いされがちですが、LF、F、HFというサブタイプはあくまでエンジンの性能を示したもので、主翼の形状(短翼、通常翼、延長翼)を指すものではありません。LF型でも通常翼で運用されていた機体もあったみたいですよ。
なので、ぶっちゃけ機体をただ見ただけではLF、F、HFの違いはよく分からないわけです。よって表記が省略されることもしばしば。
一方この個体は分かりやすいもので、主翼形状がLF型用の短翼になっています。主翼の端を切り落として面積を少なくしたものです。面積減少によってロール性能が向上したのです。ちなみに翼端形状はちょっとした交換作業で換装できるらしい。



型式のMk XVIはマークナンバーです。ローマ数字で書いてあるので分かりにくいですが要はMk.16です。かっこつけてマークナンバーをローマ数字で書いたのはいいけどここまで派生型が増えるとはイギリス人も思ってなかったはず。
その後ろ、最後についているeは主翼に収められている機関銃の種類を示しています。A翼からE翼までの5種類があります。ただしD翼は武装を降ろして空いた空間に燃料タンクを詰めた偵察機用の装備なので実質4種類ですが。なのでこの個体の場合E翼となります。
E翼は20mm機関砲と12.7mm機関銃を2門ずつ(片側各1門)装備あるいは20mm機関砲4門装備という内容です。この機体の場合は前者かな。
機関砲は本当なら主翼の内側に収まっている方がいいんですけど、さすがに入りきらないか。主翼から飛び出た銃身は本来は覆いが被せられているんですが、これはなぜか覆いが外れていました。銃身の様子がわかるのでこれはこれで良いですが。


Mk XVIのエンジンはパッカード・マーリン266型。266型は、66型をアメリカのパッカード社がライセンス生産したものです。66型は61型の低高度型です。61型はインタークラー付き2段2速過給器を備えたマーリンエンジンの完成形と言えるものです。
Mk XVIというのは、Mk IXとほぼ同型の機体です。Mk IXがマーリン61型を積んだのに対してMk XVIはそれのパッカード版を搭載したものです。
Mk XVIは1944年7月から生産を始めています。そこから1年経たずにドイツは降伏するわけですが、そんな状況でも1,000機造っちゃってるんで、すげえなと。同型のMk IXは1942年から1945年夏までの間に5,900機くらい生産したんで、どえらい数だなと。


正面から。スピットファイアの完成形をご覧あれ。
説明板の左にある白い箱は募金箱です。ここだけに限らず館内のあちこちにこういう募金箱があります。航空博物館や鉄道博物館にいくと募金箱はよく目に入ります。
この飛行機を気に入ったなら募金してクレメンス、というところでしょうか。なにせ機体の維持にはお金が必要ですので、このくらいがめつくて良いと思いますけどね。日本でもこのくらい積極的でもいいんじゃないかといつも感じます。


脚ですね。
この個体は、1945年ビッカース製です。どうも実戦投入はされなかったらしく、戦後にイギリス空軍の飛行学校で使われていたようです。最後は事故を起こして破損して終えます。その後1960年にイギリスからカナダ航空宇宙博物館に寄贈されました。そこから、当館に貸与されています。これは静態保存機です。
塗装はカナダ空軍第416飛行隊シティ・オブ・オシャワの仕様なのだそうな。


Mk XVIは製造時期によって風防が従来のファストバック型と後方視界を良くした涙滴型に分けられます。これは後者です。涙滴風防への設計変更は1945年に入ってからの製造分で実施されたみたい。このとき同時期にE翼への変更もされたみたいです。


涙滴風防に変更すると直進安定性が低下したんで、それを補うため垂直尾翼を大型化しています。
類的風防型までなるともう原型のスピットファイアとは似て非なる形状になっているのです。


短翼の形状はこんな感じです。

というところで今日はここまで。


その11へ→



 
 
 

北米project 5 ~How do you like Canada? その9【2016/6/15~22】

2022-02-12 07:57:00 | 海外旅行記
カナダ軍用機歴史博物館の続きです。次はホーカー・ハリケーンです。とは言ってもこれはレプリカであります。なので資料的にはあまり見るところはないですが、こんな形だというのはよく分かるのでヨシ。
たぶんMk IIBか、それのカナダ製であるMk XIIを模して作られたものだと思います。この型式は7.7mm機銃を12丁も装備した重装備型です。7.7mm機銃弾自体は威力が比較的低めですが、12丁も撃ちまくると流石に効くと見られます。ただし重量増とコストで不利なのもあって、対策として後に20mm機関砲4門装備の主翼が造られるようになっています。


胴体の後半は鋼管羽布張りというこの時代にしては旧来の工法。


実機を見るたびに感じることですが、戦闘機の主翼の厚さじゃないよな・・・。練習機かな?
赤い部分に機関銃が隠されています。この赤いものは封印シールで、機関銃をホコリから保護する目的があります。ただのシールなので、機銃を撃てばシールを貫通してそのまま使えるようになります。


機体の記号はYO◎Aになっていて、これは第二次世界大戦に初めて参加したカナダ空軍部隊のものですね。第1飛行隊だったと思います。


コンソリデーテッドPBY-5Aカンソーです。アメリカ海軍の傑作飛行艇PBYカタリナのカナダ空軍での呼称です。
カナダのカナディアン・ビッカースでライセンス生産もしていてそれはPBVという型式名です。ついでに書くとボーイングでもライセンス生産していて、それはPB2Bという型式名。どれも同じ機体なんですけど、複数メーカーに跨って生産されると識別がややこしいのがアメリカ海軍式の型式命名規則なのです。これ、少量多機種の航空機を保有していた戦間期には適していたんでしょうけども、第二次世界大戦になるとちょっと無理が出てきましたね。なお似たような命名規則をしていたのが日本海軍であります。アメリカ海軍のを真似たんじゃないかなぁ。


この博物館のカンソーの個体は、カナディアン・ビッカース製です。なので正確にはPBVという型式名になりますが、ここは博物館の表記にならいますかね。1944年製で1961年までカナダ空軍に就役していました。その後民間に払い下げられて1995年まで使われた後、博物館入りした模様。たぶん博物館入りするまでの間に外観が改造されていると思われ、機首の機銃座が無くなっています。機首の先端にはゴムのバンパーが付けられているように見えます。


主翼と胴体は密着しておらずに1本の柱を介して少し離した位置にあります。支柱が4本あるとはいえ少し不安になりそうな構造をしています。これはエンジンが海水をかぶらないようにする対策だろうと思いまする。
ちなみに博物館入りするまで現役やってたからか、このカンソーは今も飛行可能な状態を維持しています。


PBYは唯一無二と言っていいスタイリングをしているし素敵。


水上機には、水面で機体が横転しないよう主翼の端にフロートが付いているものです。PBYにも当然付いています。しかしフロートとそれを主翼と繋ぐ柱は飛行中は空気抵抗になる邪魔者でしかないです。そこでPBYでは、フロートと柱を折りたたんで主翼と一体化させてしまうという超素敵装置を持っているのです。
ただ、PBYは最高速度300km/hしないくらいで言うほど高速機ではないので、折りたたみ機構がどこまで効果があったのかは疑問でありますが。まあかっこいいのでヨシ。
PBYは今まで何機か見ましたが、フロートを畳んでいる機体は初めて見たのでちょっと感動です。


第二次世界大戦時、カナダ空軍のPBYは11個の飛行隊で運用され、沿岸警備、船団護衛、Uボート狩りなど多様な任務をこなす雑用機でありました。戦後は救難救助や写真偵察で活躍して1962年11月に全機退役しました。


デ・ハビランドDH.100バンパイアFB.6です。イギリスで2番目に開発されたジェット戦闘機です。2番目ですけど、1番目のミーティアよりも広く普及しましたね。2番目の方が成功する法則です。
カナダ空軍でも第二次世界大戦後のジェット戦闘機にバンパイアを採用しました。バンパイアMk.3 (F.3) を1947年に輸入して1948年1月に初飛行、同年後半に第401飛行隊に配備されたのを皮切りに85機が配備されました。ただしすぐに性能が陳腐化してしまい1951年にはF-86セイバーに取って代わられています。その後は6個の予備飛行隊に配備されて1956年末で退役したみたいです。


この個体はカナダ空軍とは関係なくて、スイス空軍で使用されたFB.6型なのです。1960年にスイスで製造されたバンパイアの最終製造機だそうな。ライセンス生産機でも胴体はベニヤ製だったのかしら?見た感じ、リベットのようなものは見受けられないので木製のような感じがしますが・・・。
スイス空軍では長いことバンパイアを使っていて、これは1995年に退役しました。退役当時から見ても化石みたいな存在だったでしょう。
スイスのFB.6型の外観の特徴として機首の鼻が長いことが挙げられます。なんで長いのかはちょっと調べても分からんかったです・・・。長鼻なのでピノキオノーズと呼ばれてたとかそうじゃないとか。


前脚とか機関銃とか。


空気取入口ですね。


ジェット排気のロスを無くすために胴体をめちゃくちゃ短くしました、という形状。大胆なこと考えます。
ちなみにですけど、バンパイアはアメリカの航空博物館ではまず見ることのできない機種です。一応ごく一部の博物館で静態保存展示されていますが(こことか)、スミソニアンやデイトンのアメリカ空軍博物館といった有名所にはいないのはなんだか意外だと言えます。隣国のカナダにはぼちぼちいるので、地域性が出てるなという印象。


スイスの機体ですが、カナダ空軍の塗装で展示されています。第400予備飛行隊「シティ・オブ・トロント」の再現なんだそうな。


後ろから。双ブームの尾翼がやはり大胆な設計だなと。

というところで今日はここまで。


その9へ→



北米project 5 ~How do you like Canada? その8【2016/6/15~22】

2022-01-15 08:21:31 | 海外旅行記
カナダ軍用機歴史博物館の続きです。今回はアブロカナダCF-100カナックMk.5Dです。
1950年に初飛行した、カナダ史上初めてにして唯一の国産戦闘機です。唯一という称号は恐らくこの先もCF-100の物であり続けるでしょう。
分類としては全天候型迎撃戦闘機です。チョッパヤで出撃して、飛来してくる爆撃機なんかを撃ち落とすための機体です。1950年初飛行で全天候型迎撃戦闘機、となるとアメリカ空軍のF-89、F-94、F-86Dの全天候型迎撃機三羽烏と同世代です。まあ見ていくと似通った機体であります。


CF-100には胴体の腹にガンポッドが付いてるらしいんですが未だ見たことがないです。これはどうだと思って下を覗いてみたら・・・ありませんでした。


エンジンは胴体の左右に1発ずつ載っかっているという配置です。なのでまあ、もっさりした印象でスマートには見えないです。


全天候型なので機首にはレーダー搭載。APG-40だそうな。
当時の全天候型迎撃戦闘機の役割は、ソ連からやってくる戦略核爆撃機を迎撃することで、CF-100もそのための機体です。でもソ連が片田舎のカナダを核爆弾で火の海にする必要性も感じられず・・・。
というのもソ連の爆撃機は北極とカナダを通るのがアメリカへ行く最短経路となるので、「俺たち友達だよな!」とアメリカの防空システムにカナダが巻き込まれた結果生まれた機体でしょう。


エンジンはアブロカナダ・オレンダ11型。50年代なので遠心圧縮式ターボジェットエンジンです。
出力3.4kNで当時としては出力高めなエンジンを双発積んでいるのでチョッパヤらしいです。その割にアフターバーナーは無かったそうですが。


胴体下部には空気制動板がありにけり。


主翼下。広い主翼を持っていますけども、翼下に武装は吊り下げられませぬ。
胴体下部と主翼端に機関銃かロケットランチャーを装備できます。三羽烏世代なので多数のロケット弾をばら撒いて数撃ちゃ当たる戦法なのです。
機体が黒っぽいので観察しにくいです。黒い塗装なのは、CF-100の試作機を模した塗装なのだそうな。この実機は量産型のMk.5Dの最終バッチですので細かいことをいうとチグハグです。
ちなみにMk.5Dというのは、最終生産型のMk.5に電子対抗手段装備を追加装備した電子戦機です。Mk.5から改造される形で生まれています。


空気制動板をもう少し近くから。


黒っぽい機体だから影の部分も黒くて見にくい。
CF-100のプラモデルはホビークラフトが出していますが、前にも書いたとおり同社は倒産しているので絶版状態です。


ゼネラル・エレクトリックT64ターボプロップエンジン。
T64は元はヘリコプター用のターボシャフトエンジンでしたけど、ターボプロップ用にも作られたそうな。
写真は後ろ側を手前にして撮っていますね。


T64は、耐食・高温コーティング、フロントドライブのフリータービン、フィルム空冷タービンノズルとブレードといった様々な新技術を搭載した革新的なモデルなのだそうな。



タービン軸とプロペラ軸の接続はこんなものなのか。

さてここらへんで格納庫の外からやかましいエンジン音が聞こえてきたので怪しんでいってみると・・・。


!!!
ら、ランカスターだ!初めて見た!
というかそれよりも前にエンジンが動いているじゃん!へえ、これは動態保存機ですか!
どうやらエンジンの試運転をやっているんだなと思いました。それとも遠足に来た小学生へのサービス?だったらば鉢合わせしてラッキーだったな(手のひらクルー
でも本当のところは暖機運転だったのかなと思います。


いやすごいな、4発爆撃機の動態保存は。マーリンエンジン4発ですよ?スピットファイア4機分ですよ?そんな贅沢なことする?
動態保存の維持にお金のかかるエンジンを4発持っているので、ランカスターの維持は大変な苦労があるんだと想像に難くないです。
動くマーリンを見たのは初めて!4発同時に動いているととてもやかましい!
前日動態保存のB-17を見逃したことをいたく悔しがりましたが、このランカスターを見ていくらか帳消しになりました。


しばらくランカスターを眺めていると、違う何かが近づいてきました。
奥にある滑走路に着陸してここまで走ってきたみたい。


ノースアメリカン・ハーバードMk.IVでした。どこの博物館に行っても現れるアイツこと、T-6テキサンのイギリス連邦呼称です。Mk.IVはT-6Gに相当する機体です。アンテナや排気管の形状などハーバードMk.IV固有の装備もありにけり。
ハーバード/テキサンは動態保存機を割と見かけますな。維持が比較的簡単なのか弾数があるのか。複座なのも人気のひけつ?

というところで今日はここまで。


 
 
 

北米project 5 ~How do you like Canada? その7【2016/6/15~22】

2021-12-26 20:40:00 | 海外旅行記
カナダ軍用機歴史博物館の続きです。今回はカナディアCT-114チューターです。
1961年に初飛行したカナディアが開発した複座練習機です。つまりカナダ産の機体です。
カナディアが自社開発した機体で、従来使用されてきたハーバード(T-6テキサン)とチップマンク(DHC-1)を置き換えるためカナダ空軍が導入しました。カナダ空軍機は2000年に退役しましたが、初飛行から60年経った2021年でも同軍の曲技飛行隊「スノーバーズ」で運用が続けられている長寿機でもあります。
スノーバーズで運用されていることもあり保存機はそこそこあります。ただしスノーバーズ仕様のトリコロールカラーで保存されていることが多いです。ですが当地に展示されているCT-114はカナダ空軍の制式カラーで比較的貴重な形態です。


CT-114は低翼配置の直線翼に単発のJ85ターボジェットエンジンを配置した機体です。形状はなんとなくセスナT-37に似ています。T-37は1954年初飛行なので、カナディアがそれをパクったと思われても仕方ないことかな。本当のところは知りませんけど。


特に工夫らしい工夫は見られない空気取り入れ口ですが、亜音速の練習機ならこれで十分ということでしょう。


主翼です。前照灯の跡?
なお輸出を考慮してのことか軽攻撃機型の開発もされていて、マレーシア空軍に20機輸出されています。武装する際は主翼下にロケットランチャーなんかを吊り下げたんだそうな。





CT-114の操縦席はこの手のジェット練習機では珍しい左右配置(サイドバイサイド)です。初等~中等練習機だから?この座席配置がますますT-37に似てくる大きな要因でしょう。


機首です。先端には前照灯があります。機首側面に付けられている薄く細長い板が何なのか気になるところですがよくわからん。整流板?


座席はこんなかんじ。


翼端が蛍光色で塗られているのは、もし墜落した時に周りから発見されやすいように、だそうな。


この個体(#114038)は1964年製でムースジョー空軍基地の第15航空団に配備されました。1980年代まで飛行訓練に使用されて、90年代以降は基地で保管されていたそうな。この博物館に来たのは2005年のこと。

CT-114は基本的に2000年までに全機退役しましたが、例のスノーバーズの機体だけは継続使用されています。スノーバーズに適した代替機が見つからないためです。カナダの意地というかプライドというか、スノーバーズの使用機体は国産機にしておきたいところなのかもしれません。
ただ代替機は見つからないまま20年が過ぎています。期待寿命はもう限界だと思いますが、それでもまだ機体の延命工事がされるんだそうで、最大で2030年代まで使えるようにするみたいです。マジかよ。2030年まで使うとなると初飛行から70年飛び続けていることになるので、もはや動態保存事業みたいになります。
一方で、2030年代を目処に代替機を導入する話も上がっているそうです。今度こそ更新できるかなぁ?





熱気が出てくるから気をつけろの注意書きとその穴。なんの空気が出てくるのかよくわからず。


垂直尾翼。尾翼はT字型ですな。


水平尾翼。


CT-114は以上です。

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北米project 5 ~How do you like Canada? その6【2016/6/15~22】

2021-11-28 23:59:29 | 海外旅行記
カナダ軍用機歴史博物館の続きです。今回からは各機詳細について書いていきます。手前にあるものから順番に見ていきます。まずは、カナディア・セイバーMk.VIです。見ての通りノースアメリカンが開発したF-86セイバーです。カナダ空軍では、カナディアがライセンス生産したセイバーを用いていました。
百式や金ジムもびっくりの金色塗装をしていますがこれでヨーロッパの空で戦争するつもりではなく、「ゴールデンホークス」という楽天とソフトバンクをごっちゃに覚えてしまったような名前の曲技飛行部隊で使用されていた塗装です。金色だったらめっちゃ目立つと思ったんですかね。


カナディアでライセンス生産しようとした目的のひとつは、国産のジェットエンジンを搭載したいからでした。アブロ・カナダが開発した俺んだ・・・もといオレンダエンジンを載っけることを当初から考えていました。
Mk.VIには、オレンダ14型ターボジェットエンジンが搭載されています。CF-100カナックが搭載するオレンダ11型の派生型です。F-86原型機が搭載するJ47型よりも軽量なのでその分高速飛行か可能だったとかで。50年代のカナダの航空産業は一部ではもしかするとアメリカ以上の能力を持っているのではと思うところもあり、興味深いところです。


水平尾翼。カナディア製セイバーはMk.Iを除いてアメリカで言うところのE型相当にあたる機体です。なので、水平尾翼は翼全体が可動する全遊動式です。このMk.VIもどうやらそれなんですが、なんだか後ろ半分だけを動かすこともできそうな感じなんですよね。まあよく分からん(無責任)
ただし従来型のF-86Aとは形状が違っていて、ここは分かりやすい識別点となっています。
なお水平尾翼を全遊動式にしたのは、高速飛行時に水平尾翼の舵の効きが悪くなってしまうことへの対策です。


制動板は展開状態で展示されています。プラモデル用の資料ですな。


中はこんな感じよ。


主翼下面とかパイロンとか。


主脚です。


機首の鷹マーク。


ゴールデンホークスは、1959年にカナダでの動力飛行50周年とカナダ空軍創立35周年を記念して設立されました。6機のセイバーMk.Vで始めて、1961年に7機のセイバーMk.VIで飛行していたそうな。部隊は1964年に解散しましたけど、その後新たに設立されたのが現在まで活動を続けているスノーバーズです。解散までにカナダとアメリカで317回の公演を実施しました。


機体全体。


機首です。


Mk.VIは前縁スラットを装備しています。
本家F-86でもF型の途中までは前縁スラットを装備していましたが、F-25型とF-35型は前縁スラットを廃止しています。ただそれだと翼端失速を起こして墜落してしまうらしく、翼弦を延長して翼端に境界層板を取り付けた6-3翼にしています。
カナディア製でもMk.Vで前縁スラット無しの6-3翼に変更しましたが、Mk.VIでまた前縁スラット付きにしています。これは、6-3翼に前縁スラットを付けたほうがより良いよねってことに気づいたからだそうな。アメリカでも同じ設計変更をしていて、それはF-40型となっています。F-86Fは斯様に複雑であります。


前縁スラットの断面。意外と見ることないでしょ。


前縁スラットを上面から。意外と見ることないでしょ。


左舷の胴体は一部の外板がアクリル板に取り替えられてスケルトン状になっています。


セイバーを見終えると、館内展示されているC-47が牽引車に引っ張られていました。何が始まるんです?


ドナドナ~。


格納庫型の博物館なので機体の出し入れは容易ですね。右側に見切れている人影は入り口に止めてあったスクールバスで運ばれてきた子どもたちです。C-47がいたところで講義のようなものをやるらしく、場所を開けるために外へ出されたみたい。やることが派手だね。

というところで今日はここまで。


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北米project 5 ~How do you like Canada? その5【2016/6/15~22】

2021-11-17 07:03:28 | 海外旅行記
2016年6月16日(木) 10時51分
オンタリオ州マウントホープ カナダ軍用機歴史博物館
ハミルトンのバス停からバスに乗って30分くらい、カナダ軍用機歴史博物館 (Canadian Warplane Heritage Museum) へ来ました。今回1箇所目の博物館です。
名前通りカナダの軍用機に関した博物館で、当然実機も展示されています。ここは空港に隣接した立地で、実機が展示してあるところも格納庫の中にあります。格納庫型の航空博物館は何というか実機展示が信頼できるという感じがします。


博物館の入り口には、戦闘機の串刺しが。いわゆるゲートガードという入り口に静態展示された飛行機があります。
ご覧の通り、CF-104Dスターファイターです。CF-104の複座型ですね。CF-104は、自国メーカーのカナディアで生産されていましたが、複座型に関しては全て本家ロッキード製だったはずです。


串刺し飛行機って機体が垂直に立っているので、通常の地上展示とは違う角度から機体を見ることが出来て、結構いいんですよ。
ほぼ真上から見る構図なんてのはそんなにないでしょう。面積の小さい主翼なんだなってのが改めて分かります。主翼面積が小さくてなおかつ厚みも薄いので、これで飛べるもんなんだね、っていう。


エンジンに翼とコックピットだけ付けたような感じです。



小さくて薄い主翼なので揚力を生むにはチョッパヤで飛ぶ必要があります。運動性もあんまりないはず。なので、F-104というのは高速直線番長な飛行機です。低空飛行して核爆撃するようなやつじゃないと思うよ。
で、そういう特性なので低速飛行になる離着陸時は揚力を失わないように主翼後縁のフラップに加えて前縁にもフラップを設けています。主翼面積の半分くらいは動翼になっているんですねぇ。


さて館内に入ろうかと思うと、路肩にスクールバスが3台停まっていました。おっとこれは学校が遠足にでも来ているのかな?子供がたくさんいるということで、見学順路が被らないようにしなければ。
ちなみに車種は、IC Bus CE Seriesです。


これは探照灯。たぶんカナダ軍で使っていたやつ。1941年製で、沿岸・対空監視をしていました。80万カンデラあるんだそうな。


イギリス空軍第150飛行隊のカナダ人爆撃機搭乗員達。左からオリバー(仮名)、カーター(仮名)、ベンジャミン(仮名)、以下略。


戦間期~第二次世界大戦の年表です。あんま細かいところまで見てませぬ。


最初のカナダ人パラシュート部隊のジオラマ。


CF-105アローの写真です。カナダが開発した幻の戦闘機です。北極からやってくるソ連の爆撃機を迎撃するためにアブロカナダが開発しました。試作機5機が完成しました。しかし、開発費の高騰、政権交代による方針転換、さらにアメリカからの圧力もあって量産されること無く開発中止。機体と設計書類は完全に破壊されてしまったのです。
機体の高性能ぶりと悲劇的な末路から何かと議論が絶えず、実は予備部品で建造されていた6号機が・・・というドラマや映画が過去に作られているそうな。
CF-105はカナダ人の誇りのひとつで、カナダの航空博物館を訪ねるとどこかしらにCF-105に関する展示がありますね。


こういう双発エンジンの無尾翼デルタ翼の大型ジェット戦闘機です。





CF-105の実機はことごとく破壊されて部品単位でしか現存していませんので、こうやって縮尺模型を展示しているところが多いです。
ちなみにCF-105のプラモデルは、地元メーカーのホビークラフトから発売されています。が、ホビークラフトは倒産してしまったので今後再生産されることはないでしょう。
ホビークラフトの金型は韓国のアカデミー科学に引き取られていて、一部はアカデミーブランドで生産されていますが、CF-105やその前身のCF-100が生産されたことはないみたいです。そもそもそれらの金型を引き継いでいるのか?という疑問があります。


CF-105の風防の部品です。こんな風にCF-105の部品が各地の博物館に散逸しています。全部集めたら1機組み立てられるのではなかろうか。


格納庫の実機展示区画へ。うおー、胸が高鳴る!
3ヶ月前にアメリカの航空博物館で死ぬほど飛行機を見てきましたが、意外とここで初見だという機体もそこそこあります。カナダとアメリカの航空博物館の収蔵機体ってあまり被っていないんですね。


ボーイング727-200の機首です。詳しい説明がないのでどういう個体なのかは分からんです。カナダ軍だった機体?


脚が短い。親近感湧くね。

次回から本格的に博物館のことを書いていきます。
というところで今日はここまで。


その6へ→







北米project 5 ~How do you like Canada? その4【2016/6/15~22】

2021-11-05 06:12:48 | 海外旅行記
2016年6月16日(木)9時27分
オンタリオ州バーリントン GOトランジット・アルダーショット駅 
通勤鉄道のGOトランジットの終点から、GOトランジットの路線バスに乗り換えます。
MCI D4500CT (#2551) 18系統ハミルトン駅行き (Hamilton GO) に乗って、終点のハミルトン駅まで行きます。


同日9時50分
オンタリオ州ハミルトン GOトランジット・ハミルトン駅
ハミルトン駅(Hamilton GO Centre) に着きました。鉄道駅とバスターミナルが一体化している交通ジャンクションになっています。バスターミナルは写真のような感じになっています。道路から斜めに向いた停留所のピットへ頭から入るような感じです。日本のバスターミナルの造りとは違うんですねえ。カナダのほうが土地の使い方に余裕のある感じです。
ちなみに、当時のハミルトン駅には二階建てバスは乗り入れていません。理由は、バスターミナルの上に建っている屋根の高さが二階建てバスと干渉するため。これは前回も書きましたが、後に超低車高型のEnviro500 Super-LOを開発することで地上設備の制約を解消しています。


MCI D4500CT (#2423) です。これは、2トーンカラーの新塗装に塗り替えられています。なお執筆時時点では退役している模様。2009年製なんですけどね・・・代謝が早い。


同じくMCI D4500CT (#2282) です。これは旧塗装。

この後は、GOトランジットとは別の路線バスに乗り換えます。このバスターミナルには乗り入れていないので、外に出て移動します。といってもすぐ隣の道路です。


ハミルトン駅の西側を通るジェームス・ストリート・サウスという道路に出ました。ここのジェームス・アット・ハンター停留所 (James st Hunter) で次に乗るバスを待ちます。
このバス停に来るバスは、ハミルトン・ストリート・レイルウェイ (Hamilton Street Railway; HSR) というバス会社です。いわゆるハミルトン軌道。
これは、創業時の事業が路面電車の運行だった頃の名残です。現在は路面電車事業は廃業して路線バス専業の会社です。日本で言うところの旭川電気軌道みたいなものでしょう。

ちなみに写真のバスは、NFI D40LF (#1008) #3系統キャノン (Cannon)。


ハミルトン駅へ進入するGOトランジットのバスもやってきます。
これは、MCI D4500CT (#2428) #16系統ハミルトン駅 (Hamilton GO)。


HSRのNFI F40LF (#0809) #4系統アバディーン (Aberdeen)。


HSRのNFI DE60LFR (#933) #35系統カレッジ (College)。ハイブリッド車です。
2007年にHSRで導入した連節バスの2次車(2009年製)です。連節バスは、公募で決められた独自の塗装に塗られています。


HSRのNFI D40LF (#0513) #25系統アッパー・ウェントワース (Upper Wentworth)。
HSRではD40LFが主力車両のようですね。



HSRのNFI C40LF (#0315) 回送 (Sorry... Out of Service)。
これは少し珍しくて、圧縮天然ガス(CNG)を燃料にして走るCNGバスです。屋根の大きなキセの中にはガスボンベが詰まっているんだと思います。



HSRのNFI XD40 (#1205) #24系統アッパー・シャーマン (Upper Sherman)。


ここはハミルトンの市街地に位置するみたいです。辺りを散策する時間は無かったですが、目の前に歴史的建造物のような建物が建っています。
まずこの建物ですが、これは1878年築のジェームス通りバプテスト教会の教会堂でした。教会堂としての機能は既に無く、2014年にこの教会堂の3分の2が取り壊されて通りに見える部分だけが残りました。教会堂のあった敷地には30階建てのタワマンを建てる計画があって、そのタワマンの意匠としてこの教会堂の建物を取り込もうとしていたんだそうな。いわゆる腹巻き建築ですね。
当時は建築中だったんだと思いますが、その後計画は凍結して頓挫したみたいです。それからこの土地と協会の残骸の処遇は決まっていない模様です。

↑ソース。


交差点を挟んで反対側にも教会堂が建っています。これはセント・ポール長老派教会の教会堂です。こちらは当時も今も現役です。主張の強い尖塔が魅力的。


モントリオール銀行の旧ハミルトン支店です。1928年にケネス・G・レア (Kenneth G. Rea) により建てられた新古典主義建築です。
現在は銀行の支店ではなく、法律事務所が居抜きとして入居している模様。



長老派教会の教会堂へ近づいてみます。


庭的なもの。石碑が立っていますが、お墓じゃあるまいな・・・?文字は読み取れませんでした。


尖塔が細長くて高く、高層建築の無かった昔は町のランドマークだったんじゃないでしょうか。


そろそろ乗り継ぎのバスが来る頃なので、バス停で待機します。
待っている間にやってきたGOトランジットのMCI D4500CT (#2324) #18系統ハミルトン駅。


HSRのNova LFS Natural Gas (#1511) #1系統キング (King)。
ノヴァバスの主力商品LFSの天然ガス動車です。見るのは初めてです。
なお、天然ガスバスを導入している事業者は北米全体で見ると少数派のようです。つまり珍しいのだ。


HSRのNFI D40LF (#0804) #4系統ベイフロント (Bayfront)。


HSRのNova LFS Natural Gas (#1522) #20系統Aライン・エクスプレス (A-Line Express)。
乗るバスがやってきました。これに乗って、Airport at Canadian Warplane Heritage停留所で降ります。

というところで今日はここまで。


その5へ→


 
 
 

北米project 5 ~How do you like Canada? その3【2016/6/15~22】

2021-10-12 22:25:54 | 海外旅行記
2016年6月16日(木)7時59分
オンタリオ州トロント ユニオン駅
ピアソン空港からトロントのユニオン駅まで来ました。ここで列車を乗り換えます。
ユニオン駅は、トロントのダウンタウンの南端にある鉄道駅です。いま乗ってきた空港連絡鉄道のUPエクスプレスの他に、トロント都市圏の通勤鉄道GOトランジット、カナダの国営鉄道VIA鉄道、アメリカの公営鉄道アムトラック(直通列車のみ)が乗り入れています。この他にも市内電車、地下鉄、路線バスが近くまで乗り入れていて、トロント最大の交通ハブとなっています。
ユニオン駅なので、鉄道用の地上ホームは各社共用で使っています。実際は、路線ごとに使用ホームは分けられているようですが。

ここで乗り換えるのは、通勤鉄道のGOトランジット (GO Transit) です。都市圏の広い範囲に鉄道網を広げていて、現在は8系統の路線を運行しています。北米の通勤鉄道としては広い路線網を持ちます。各地の鉄道駅からは路線バスを接続させて末端輸送を担っています。パークアンドライド事業もやっています。

乗り換え時間が10分くらいあるので、その間構内を歩き回って列車の観察をします。


GOトランジットの制御客車です。さっきブロア駅で見たボンバルディア・バイレベル客車と同じ車種ですが、これは2015年から導入された当時最新鋭の制御客車(328号)です。バイレベルの9次車です。
ひと目で分かる違いとして前面形状が新設計となっています。従来の切妻型貫通構造だったものが、流線型非貫通構造となりました。これは、主に踏切事故時の衝突安全性対策を取ったものです。いわゆるクラッシャブルゾーンを考慮した設計に改められています。こっちだとCEM (Crash Energy Management crumple zones) と呼ぶんだそうな。
運転台の位置も従来型よりも高くなっています。また、クラッシャブルゾーンの恩恵なのか、非貫通流線型になったことでデザインが垢抜けたと思います。風防周りをブラックフェイス処理したのも引き締まって見えていいですね。
これでバイレベル客車の初期導入車を置き換える模様です。つまり0系で0系を置き換える現象が発生しているわけです。


別の新型制御客車303号。運転室から後ろは今まで通りの二階建て客車です。


プラットホームは全部で11面(UPエクスプレスも入れると12面)もあります。ただしプラットホーム同士の間にある線路は1線です。このうちGOトランジットは5面使っています。
ホームの高さは北米で標準的な高さ。日本と比較すればだいぶ低いです。
どういう列車の捌き方をしているのか興味深いですが、少ない乗り換え時間ではそれを理解するには短すぎました。
屋根はシェードが張られています。天井が高いので開放感があります。


これは従来型の制御客車257号。2008~2014年に導入された8次車です。


中間客車2428号です。1990~1991年導入の5次車です。
この個体は2013年から施行された新塗装に塗り替えられています。濃淡2色の緑色の間に白帯、車体裾は黒で塗られています。GOのロゴも少し変わっています。
塗り替えはそんなに早くないようで、まだこの時は新塗装車はわずかな印象でした。


これが旧塗装車。1987~1989年導入3次車の2551号です。
車体形状に合わせたブロック体で緑が塗られています。これのほうが、バイレベル客車の独特な八角形構造が強調されているので好きでした。

プラットホームは低いですが、客車の乗降口も相応に低いのでステップを何段も上り下りする必要はなく、比較的バリアフリーです。それでも日本みたいなフルフラットとまでは行ってませんが。
二階建て客車を使う一番の目的は定員増加ですが、副次的な効果として1階部分に乗降口を設けることでホームと客車の段差が低くなるというのはもっと注目されても良いと思います。


発車案内標です。少なくとも10分に1本はどこかしらの路線の出発があります。通勤時間帯の終わる10時台以降も出発があります。通勤鉄道としては珍しく、一部路線は日中も運行しています。
出発番線は固定ではないらしく、出発直前まで何番線から出るのか分かりません。これはやはり欧米あるあるかな。


んでその後、乗り換える列車の番線が決まったのでそこに行って列車に乗り込みます。なお前回も書いたとおり、運賃はICカード払いなので事前に切符を買う必要はありません。Suicaと同じ感覚で、下車後に自動精算されます。
向かったのは8番線で、止まっているレイクショア・ウェスト線(要は湖西線である...!)の8:13発アルダーショット行き (Lakeshore West, Aldershot) に乗ります。


それでは出発です。バイレベルに乗るのは去年の夏のバンクーバー以来ですね~。


まだ通勤時間帯ですが、郊外行きの列車の車内はガラガラでした。意外と上り下りの差がありそう。
せっかくなので車内の撮影をしておきます。無人というわけではなかったのでそそくさと全体の写真を1枚だけ撮影したに過ぎませんが。
ここは1階席です。バイレベル客車は基本的にボックスシートが並んでいます。通勤型と言ってもボックスシートが基本なのです。ただし乗降口周辺は短いロングシートになっていて、立ち客の空間を確保しています。座席が並んでいるのは2箇所の扉間です。扉間の外側には、階段やトイレがあります。
車内のトイレは男女共用が1箇所あります。すべての客車にトイレが設置されているかは未確認です。
1階のシートアレンジは複数あるみたいで、GOトランジットのように座席全振りがある他に、自転車ラックを付けている場合もあります。サービス設備も、トイレ以外にも軽食を提供するカウンターを付けることもできるらしいです。


バイレベル客車には、1階と2階の他に車端部に中2階があります。なので実質的には3段構造となっています。これは、JR東日本の215系やE233系二階建てグリーン車などを想像してもらえればいいと思います。ただし乗降口の位置は違いますけど。
中2階の高さは平屋建て客車の床面と同じで、客車間を繋ぐ貫通路もここにあります。これにより、在来型の平屋建て客車との連結はもとより車両同士の行き来もできるので、汎用性が高くなります。
なお、アムトラックのスーパーライナーやその派生型の近郊型客車では中2階は無くて、貫通路は2階部分にあります。平屋建て客車との互換性は無いですが、2階に上れば車両間の行き来はフルフラットでできて楽です。また、中2階構造と比較して製造工数も少ないと思われます。


最後に2階席です。階層別で見るとここが一番座席が多いので、着席確率が高いです。というかこれ、本当215系みたいだね。
それではここの席に陣取って、しばしGOトランジットの列車旅を楽しみましょう。


走り出しは遅いですが滑らかだった印象です。客車なので静粛性も高いです。速度はそれなり。100km/hまではいかないでしょう。
車内放送は車掌の肉声です。最低限のことしか言わない素っ気ないもので、次駅案内は、駅名だけを一度言うのみ。聞き耳立てていないと聞き逃しそうです。

発車して20分くらい経つと、車窓に車両基地が見えてきました。これは、GOトランジットのウィローブルック検車区 (GO Transit Willowbrook Rail Maintenance Facility) です。線路を挟んで反対側には、VIA鉄道のトロント検車区 (VIA Rail Toronto Maintenance Centre) がありましたが、ウィローブルックの方に夢中で何も気が付きませんでした・・・。これらは元々カナディアンナショナル鉄道の車両基地を引き継いだのだろうと思います。


GOトランジットの主力ディーゼル機関車、MPI MP40PH-3C形の623号機です。


こっちは同型機の615号機です。これは2トーン緑の新塗装へ塗り替えられています。まだきれいだし、塗りたてなのかな?前面の白の面積が広くて、なんだかイマイチな気がします。もっと緑を広くしたほうが良かったんじゃと思います。
なお、バイレベルの窓ガラスはUVカット処理されているので薄緑のレイヤーが掛かっています。意外なことにバイレベルにはカーテンが無いのです。JR東日本的思想・・・。


通勤時間帯で運用数が多いので客車も機関車も出払っているはずですが、そこそこ留置されていました。予備編成なのか、検査前なのか、廃車待ちなのか?


ウィローブルック検車区を過ぎて少し経つと、今度はカナディアンナショナル鉄道のオークビル操車場 (CN Oakville Yard) の前を過ぎていきました。
視界一面を埋め尽くす貨車!


自動車を運ぶための車運車です。日本で言うところの「ク」です。自動車を2段積みするのでアホみたいにでかいです。貨車がよく落書きされるというお国柄なので、汚損防止の為貨車は密閉式になっています。なのでパッと見何を運んでいるのか分からないですね。


これはコイル車。文字通りコイルを運ぶ貨車です。長物車から派生した貨車ですかね。
輸送中コイルが転がらないような枕が敷いてあって、製品保護のために蓋をつけるのが一般的。なのでこれもパッと見の正体が分からんです。


これはただの無蓋車です。だいぶ使い込んでいそうな感じでした。


同日9時26分
オンタリオ州バーリントン GOトランジット・アルダーショット駅
1時間ほど列車に乗って、終点のアルダーショット駅 (Aldershot GO Stn.) に着きました。ここでGOトランジットの路線バスに乗り換えます。
私はとりあえずハミルトン駅まで行きたくて、そこは列車の駅もあるんですが、なぜかハミルトン駅まで走る列車は少ないです。大半の列車はひとつ手前のアルダーショット止まりです。あとひと駅頑張れないのか・・・京浜東北線の蒲田行じゃないんだから。
駅の外に出ると、列車からの乗り換え待ちをしている路線バスが数台待っていました。どうやらアルダーショット駅から数系統のバスが出るようです。

GOトランジットの路線バスは列車の補完が役割です。鉄道路線では行き届かない末端輸送をしたり経費節減のために鉄道路線と並行する系統があったりします。
路線の性格としては近郊輸送を主軸にしているように感じます。市内の路線バスのように数百mおきにバス停があるような感じではなく、停留所間は比較的中長距離です。それは車両にも現れていて、保有車両は座席数の多い近郊型(トップドア車)で占められています。
写真のバスはMCI D4500CT (#2551) 18系統ハミルトン駅行き (Hamilton GO) です。55人乗りの近郊型車両です。車体の見た目はグレイハウンドのコーチそのものなので、いわゆる観光バス型の車両を用いた路線バスとなっています。


隣に停まっていたのは、AD Enviro500 Go-Anywhere (#8137) 15系統マクマスター大学行 (McMaster Univ.) です。
今後のGOトランジット路線バスの主力となるべく増殖中の二階建てバスです。二階建てバスはビクトリアでもBCトランジットが走らせていますね。GOトランジットもこれに続いたのだと思います。
GOトランジットでは二階建てバスも、トップドアの近郊型バスとして使っています。座席は81席あるので、いまのD4500CTと比べて1.5倍くらい増えています。ただし車高に問題があって、車高が4.2mと高すぎるため運行路線に制約がありました。そこで、車高を4.1mに下げた低車高型のGo-Anywhere型を開発させたことで、運行路線を広げました。
この旅行記よりも先の話になりますが、さらに3.9mまで車高を下げた超低車高型のSuper-LO型も開発させました。これによりようやく二階建てバスを全路線で運行できるようになったみたいです。


というところで今日はここまで。


その4へ→


 

 
 

北米project 5 ~How do you like Canada? その2【2016/6/15~22】

2021-09-26 19:47:32 | 海外旅行記
2016年6月14日(木)6時14分
オンタリオ州トロント トロント・ピアソン国際空港
おはようございます。朝のピアソン空港に着きました!6月14日からが実質的な初日となります。
飛行機はここで降りることになっているので、制限区域内を出ます。


大きい空港なので、ターミナルまるまる1棟がエアカナダの巣になっています。
この先、どこで朝ごはんを食べられるか分からないので、空港の中で食べておくことにします。軽く食べておくだけでいいと思ったので、カナダ人御用達のファストフード店のティムズでコーヒーとドーナツのセットを食べました。
朝ごはんで混む時間帯だったからなのか、ファストフードなのに15分くらい会計待ちを受けました。なんと店がワンオペでした・・・。ゆっくり食べる時間は無くなってしまったので、とっとと腹に入れて次へ行きます。


ピアソン空港を出ます。使うのは鉄道です。ピアソン空港には空港連絡鉄道が乗り入れているのです!
今回、レンタカーは使いません。というのもカナダのレンタカーには、25歳未満の運転手には日毎に確か25ドルくらいの追加料金が発生するのです。若者は運転の経験が少なくて事故リスクが高いからだそうな。その論理だったら認知機能が衰えて事故リスクが比較的高い高齢者にも追加料金を請求すべきだと思いますが・・・。
ただ若いだけで25ドル払うのも納得いかんし、毎日乗っていると結構馬鹿にならない金額に膨れ上がってしまうので、公共交通機関の乗り継ぎで旅行することにしました。幸い、訪ねたいところは公共交通機関で行くことが可能でしたしね。

話を戻しまして、この空港連絡鉄道は「UPエクスプレス」という名前です。少し鉄道に詳しい人だと、ユニオンパシフィック鉄道がカナダで旅客営業をしているの?とツッコミを入れたくなる名前です。本当は、Union Pearson Expressのことで、トロントの交通結節点であるユニオン駅とピアソン空港を結ぶ鉄道を意味しています。読み方もアップエクスプレスらしい。
”列車”は15分間隔で運行される各駅停車で、空港からユニオン駅までは25分で結んでいます。ユニオン駅はトロント市街地の中心部にありますから、駅を出たらすぐ都心という好立地です。運転間隔や所要時間も申し分ないですし、便利そうな路線ですね。

ちなみに2015年6月に開業した、まだ新しい鉄道です。なので駅設備も現代的です。駅のホームはスクリーン式ホームドアになっていて、鉄道オタク泣かせです。


トロント市内の移動には、今回このPRESTOという交通系ICカードを使います。2009年11月にトロント都市圏共通の交通系ICカードとして実装しました。
利用目的は、今回公共交通機関を乗り継ぐので小銭が必要になるのを省くのが一つ。特に路線バスの運賃だと5セント単位まで刻んでいることが多いんですが、セント硬貨を捻出するのは意外と手間だしそのくせ最後には余り気味になることが経験上ありました。なのでその手間を無くすことはストレス軽減上必要なことでした。
二つ目は、PRESTOを使うと運賃が値引きになること。これは欧米の交通系ICカードでよく見られることですが、UPエクスプレスやこの後乗るGOトランジットでもそれが適用されています。UPエクスプレスでは$12.35が$9.25に25%引されています。GOトランジットでも15%くらい割引されるはず。
なお運賃はいま書いた通りで、路線距離23kmにしては安くはないしむしろ少し高めだな、という感じ。まあ空港連絡鉄道は基本的にどこも運賃高めですからね。

ちなみにこのカードは、UPエクスプレス開業記念の限定版です。1年経ってもまだ余っているのかっていう。なおカードですが、ちょっと計算が合わなくて残額が少し残ったままになりました。払い戻しはできるんですけど、カードも没収されるとイヤだったので(実際のところは未確認)、そのまま記念にお持ち帰りしました。5年経っていると残額無効化してそうですが。
あと、PRESTOの非接触通信規格は北米で主流のMIFAREだそうな。FeliCaではない。なので改札機に通した時の感想としては「おっそ...」でした。


”列車”が来ました。はい、この鉄道は非電化です。電車じゃないのよ気動車なのよ。第三軌条ではないよ。空港連絡鉄道だから電化されているだろうという幻想をぶち壊す。ただし将来的に電化するつもりらしく、線路をよく見ると架線柱を建てられるような基礎が造られていました。
ステンレス車体の3両編成で、先頭車は非貫通の流線型です。間の中間車も実は貫通型の片運転台車です。閑散時間帯は先頭車を1台外して2両編成で走るっぽいですね。


ガラス越しからですがホームの端から撮影可能でした。
カナダの鉄道車両にしては中々かっこいい面構えじゃないか。ただ全体的な無骨さや屋根のクソデカホーンがあるところがアメリカっぽさを出していますよ。
車内に入って知りましたが、これは日本車輌製造豊川工場謹製の気動車なのでした(ただし最終組立はアメリカ)。風防に1006と書いてあるのでたぶん形式は1000形です。そういう慣習なんでしょうけど、北米では日本みたいな形式名を付けたがらないですね。

この到着した列車には乗らず、既に隣のホームで出発待機している7:15発の列車に乗ります。


車内は固定クロスシートです。乗車時間30分にも満たない路線だったらロングシートになりそうなもんですが、やっぱり通常の鉄道路線だとクロスシートが基本なんでしょうか。ロングシート車は地下鉄のような市内交通路線でしか見ないですね(というか地下鉄ですらセミクロスシートの有様だし)。
空港連絡鉄道なので、荷物置き場も完備。至るところにあるから嬉しいね。


車内は結構空いていました。まだ混む時間帯じゃない?
列車は初めは専用の高架線を走りますが、途中で地上線に降りました。高架区間は新線でしたが、地上区間では既存の路線に乗り入れてユニオン駅まで走ります。この区間はGOトランジットとの共用区間です。さらに言うと線路の所有者はカナディアンパシフィック鉄道なので、同社の貨物列車も走るみたいです。


最終的にユニオン駅まで行きますが、途中のブロア駅 (Bloor GO Station) で一旦列車を降りました。ピアソン駅で一応1000形(仮称)は撮影できましたが信号機が入り込んでいたのが不満だったので、ブロア駅で降りて駅撮りしようと思った次第。なおうまく撮影できるかは分からないまま降りました。


駅のホームは2段構えになっています。高い方はUPエクスプレスのホームで、低い方はGOトランジットのホームです。両社の車両の床面高さが違ってかつバリアフリー対応しようとするとこうなってしまいますね。


果たしてブロア駅は列車撮影には適した場所であり、ピアソン空港行の1000形をばっちりと撮影できました。これでもう満足です。


引いた状態でも。非電化路線だからとてもすっきりしている。


さらに、振り返ってみればユニオン行きのGOトランジットの列車も到着しました。これはラッキー。
比べてみると1000形は一回り小さい車体です。こう見るとなんだか日本的な大きさにも見えて親近感わくなぁ。


GOトランジットの列車です。先頭のディーゼル機関車はMPI MP40PH-3C形646号機です。MP40PHはGOトランジットの主力機です。
客車はボンバルディア・バイレベル客車です。北米の二階建て通勤客車として高いシェアを持っていますが、元々はGOトランジットが混雑緩和のために開発させた専用設計車でした。
線路の間の柵が正直言うと邪魔くさいんですが、客の線路横断を防止するための措置なのでやむを得ないですし、北米らしいアイテムなのでこれはこれでらしさが出るかな。


クソなげぇ!なんと列車は機関車込みで11両編成!カナダの通勤鉄道としてはとても長いです。しかもだいたいこのくらいの長さがGOトランジットでは標準的なのだそうです。二階建てで高さもあるので、これはもう走る壁ですがな。


後追いも見逃せません。客車の最後尾は制御客車になっています。なので折り返し運転する時は機回しせずに制御客車を先頭に走ることができます。
この制御客車の面構えは初めて見た時はブサイクなものだと思いましたが、他の客車を知るようになってもっと下がいることを認識したので、最近は比較的マシな部類になりました。


線路。あんなにでかい機関車や客車が走っているけど、レールは木の枕木に犬釘で止めているっていう。これでいいんだ。日本の通勤路線の保線もすごいものですが、カナダではこれでも必要にして十分と言えるものかもしれないです。


15分後に来た次の便のUPエクスプレスに乗ってユニオン駅まで行きます。
1000形をよく見ると扉から踏み台が飛び出ています。可動式なのかは分からないですが、やっぱり通常の客車よりも車幅は短そうだなと思いました。


ユニオン駅に着きました。1面1線の行き止まりのホームです。ユニオン駅の隅っこに増築する形で建設されたので、少し狭苦しい感じはします。

というところで今日はここまで。


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