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カナダ軍用機歴史博物館の続きです。今回からは各機詳細について書いていきます。手前にあるものから順番に見ていきます。まずは、カナディア・セイバーMk.VIです。見ての通りノースアメリカンが開発したF-86セイバーです。カナダ空軍では、カナディアがライセンス生産したセイバーを用いていました。
百式や金ジムもびっくりの金色塗装をしていますがこれでヨーロッパの空で戦争するつもりではなく、「ゴールデンホークス」という楽天とソフトバンクをごっちゃに覚えてしまったような名前の曲技飛行部隊で使用されていた塗装です。金色だったらめっちゃ目立つと思ったんですかね。
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カナディアでライセンス生産しようとした目的のひとつは、国産のジェットエンジンを搭載したいからでした。アブロ・カナダが開発した俺んだ・・・もといオレンダエンジンを載っけることを当初から考えていました。
Mk.VIには、オレンダ14型ターボジェットエンジンが搭載されています。CF-100カナックが搭載するオレンダ11型の派生型です。F-86原型機が搭載するJ47型よりも軽量なのでその分高速飛行か可能だったとかで。50年代のカナダの航空産業は一部ではもしかするとアメリカ以上の能力を持っているのではと思うところもあり、興味深いところです。
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水平尾翼。カナディア製セイバーはMk.Iを除いてアメリカで言うところのE型相当にあたる機体です。なので、水平尾翼は翼全体が可動する全遊動式です。このMk.VIもどうやらそれなんですが、なんだか後ろ半分だけを動かすこともできそうな感じなんですよね。まあよく分からん(無責任)
ただし従来型のF-86Aとは形状が違っていて、ここは分かりやすい識別点となっています。
なお水平尾翼を全遊動式にしたのは、高速飛行時に水平尾翼の舵の効きが悪くなってしまうことへの対策です。
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制動板は展開状態で展示されています。プラモデル用の資料ですな。
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中はこんな感じよ。
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主翼下面とかパイロンとか。
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主脚です。
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機首の鷹マーク。
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ゴールデンホークスは、1959年にカナダでの動力飛行50周年とカナダ空軍創立35周年を記念して設立されました。6機のセイバーMk.Vで始めて、1961年に7機のセイバーMk.VIで飛行していたそうな。部隊は1964年に解散しましたけど、その後新たに設立されたのが現在まで活動を続けているスノーバーズです。解散までにカナダとアメリカで317回の公演を実施しました。
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機体全体。
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機首です。
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Mk.VIは前縁スラットを装備しています。
本家F-86でもF型の途中までは前縁スラットを装備していましたが、F-25型とF-35型は前縁スラットを廃止しています。ただそれだと翼端失速を起こして墜落してしまうらしく、翼弦を延長して翼端に境界層板を取り付けた6-3翼にしています。
カナディア製でもMk.Vで前縁スラット無しの6-3翼に変更しましたが、Mk.VIでまた前縁スラット付きにしています。これは、6-3翼に前縁スラットを付けたほうがより良いよねってことに気づいたからだそうな。アメリカでも同じ設計変更をしていて、それはF-40型となっています。F-86Fは斯様に複雑であります。
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前縁スラットの断面。意外と見ることないでしょ。
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前縁スラットを上面から。意外と見ることないでしょ。
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左舷の胴体は一部の外板がアクリル板に取り替えられてスケルトン状になっています。
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セイバーを見終えると、館内展示されているC-47が牽引車に引っ張られていました。何が始まるんです?
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ドナドナ~。
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格納庫型の博物館なので機体の出し入れは容易ですね。右側に見切れている人影は入り口に止めてあったスクールバスで運ばれてきた子どもたちです。C-47がいたところで講義のようなものをやるらしく、場所を開けるために外へ出されたみたい。やることが派手だね。
というところで今日はここまで。
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