黒鉄重工

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そこはスチームパンクの世界だった その1 【2015/06/20】

2016-02-24 23:40:24 | 旅行・イベント記

それは確か2014年12月、バンクーバーへ行くために乗った路線バスから車窓を眺めていた時のこと、私はそれらがひっそりとしかし確かに佇んでいるのを見た。鉄道車両の保存車である。
ビクトリア近郊に保存車両が残っていたのかと最初は目を疑った。後で調べてみるととある保存協会の敷地内にありそこが保有しているらしい。
意外な物件を見つけはしたが、訪問するのはかなり後の夏期まで待つことになる。路線バスの経路沿いにあるとはいえ近くにバス停が無いので歩いていくのがしんどく、また冬期は開館時間や公開物件が少ないためだ。
そして程なくして6月にサマーフェアが開催されることを知り、その日に突撃することを決めたのだった。



というわけで、意外な物件ことサーニッチ歴史的道具協会 Saanich Historical Artifacts Society; SHASを訪れました。和訳するとかっこ悪いな。HictoricalだとかHeritageだとかはどうも上手い和訳が決まらない感じですわ。日本だとこういうのはどうしてるっけ・・・?
来る前は小道具なんかを保存している団体かなと思っていたんですが、かなりわくわくするものを所有しておりたまげました。
上記したとおりアクセスしやすいバス停はなく、最寄りのバス停(Mt Newton Cross at Patricia Bay)は約2km先ですがこれは本数の少ない81系統で利便性が低いです。本数の多い72系統・75系統利用だと更に遠い約3km先のバス停(Saanichton Exchange)になります。まあ歩けない距離ではないですが、私は72系統でサーニッチトンまで乗ってそこからは自転車で行きました。本当に楽ですね、自転車とバスの組み合わせ。

で、入場料を払って最初はここに来るきっかけとなった保存車両を見学します。おそらく保存してある耕作機械の実演なんかに使うんじゃないかと思われる空き地の奥に鎮座しています。看板代わりに置いてあるのかもしれませんが、道路から奥まった位置にあるので運転手は見えないんじゃないかなと思います・・・。
置いてある車両は手前から操重車、長物車(操重車の控車)、客車、車掌車となっています。操重車なんてのは珍しいんじゃないでしょうか。そして意外にも機関車は保存されていません。



一両ずつ見ていきましょう。まずは操重車。初めに言っておくとこれら保存車の素性は一切不明です。協会の公式サイトには解説が見つからないんです。見つけたら教えてほしいくらいです。
でまあこっちの鉄道の知識も少ないので、これも蒸気機関で動く操重車なんだなぁとしか言えません。クレーン操縦室の後部にボイラーが縦置きされているのが分かるかと思います。
スコーミッシュの鉄道博物館で見た操重車と酷似していて、同形式なんだと思います。なので製造は1910年代ごろでしょうか。この頃造られた蒸気式操重車は物持ちがよく使い勝手が良かったので中々ディーゼル式に置き換えられることなく(積極的に置き換えるような車両でもないですし)、実に1980年代まで使われ続けたといいます。これもその頃に廃車になったものを引き取ったのでしょう。
バンクーバー島内で使われていたのか?とも思いますが他の車両を見るにそうとも言い切れないむしろ島外からやって来た可能性のほうが高いんじゃないかとも思えてきます。さすがに塗装だけでは分からん。



操縦室も覗いてみますが下からしか見れないのでよう分からんでやんす。



操縦室を前から。
動力をどのようにクレーンワイヤーに伝達しているのかはやっぱりよう分からんでやんす。クレーンブームと本体との接続は案外華奢というか頼りないですね。
このタイプの操重車は一応ながら自走も可能なようです。台車は普通の貨車用の台車に見えるんですけどねぇ。



クレーンブームと控車。
ブームは、模型化するときに面倒そうな形してるなぁという印象くらいしか気付くところがなかったです。
控車は長物車を転用したもので小屋は建っていません。上にはレールやらガラクタやらが載っています。
控車は、操重車を他の機関車や車両と連結するときにクレーンブームが連結する車両に接触しないようにするために連結される貨車です。クレーンブームを収納する役割もあるので長物車が使われます。



3両目は客車。例によって解説無しなのですが車体表記を信じるならばグランド・トランク・ウェスタン鉄道 Grand Trunk Western Railroadの4863号車Southworthです。
GTWは五大湖のアメリカ側などを走る鉄道で、現在もカナディアンナショナル鉄道の子会社として運営しています。なんでカナダの反対側から客車がやってきたのかさっぱり分からないわけですが・・・。
客車は1910年台から製造された重鋼製客車 Heavyweight carと呼ばれるグループ・・・だと思いますよ。二重屋根と3軸ボギー台車と鋼製外板だったらおおかた間違いない・・・と思いますよ。これ以前に製造されていた木造3軸ボギー客車の外板を鋼製に変えたくらいで内装は木製のまま、つまり半鋼製客車だった・・・と思いますよ。まだ自信ないわ。
二重屋根の目的は屋根の間の段差に採光用の窓を設けることなのですが、他に車内の換気もありました(あとは車内の天井が高く見えて開放感が出るというのもあるのかも)。ところがトンネル内では蒸気機関車の煤煙を取り込んでしまってこりゃイカンとなってしまい、早々に使われることはなくなったそうな。その代わり、その構造的余裕は20世紀初頭にエアコンが客車に装備された際に、エアコンの空調ダクトとして機能したんだそうです。そんな時期からエアコンが・・・と驚くしかありませんな。これもエアコンを装備していたかもしれませんが確証はないです。二重屋根の窓が潰されている=冷房車と言えるのかどうかというところですね。実例が少ない。



台車はこの時期ではお馴染みの3軸台車。板バネ、コイルバネ、イコライザー、リベット留め(一部ネジ止め)と、なんとも重そうな台車だこと。
ちなみに日本にも3軸台車がかつてあったのですが、そのうちTR70型台車(と他数型式)はなんだかこの台車と部品構成や配置がそっくりでして、もしかしたらTR70はこれをパク・・・もとい真似たのかもしれません。



デッキに上れたのでそこから車内を拝見。う~んこの・・・。車内に見るべきところはないですかねぇ。ここまで原型ないと元が何の用途車だったのか分からんですな。たぶん座席車だったと思うんですけど・・・。
ところで車内中央部の二重屋根の部分が出っ張っていますが、あれが冷房装置でしょうかね?空調ダクトって、日本の電車みたいに車両全体に通してあって二重屋根の空間は埋められているのかとおもいきや、意外にも剥き出しのようですね。まあこの客車だけじゃ確証に欠けるので断言はできません。あれが冷房だと決まったわけでもないし。
あとは埋められた二重屋根の採光窓の位置も分かりますね。ドーム状になっていて意外と凝った仕上げですな。



最後は車掌車ことカブース。塗装からBC鉄道のカブースであったと分かります。本当、寄せ集めの保存車たちですね。
これだけはなぜか詳細な経歴がネット上にありまして、それによると元々は1914年製の36’有蓋車で、1972年にカブースへ改造、1983年にここへ寄贈されたそうな。まあ話半分程度に。
かなり後年に改造されたようなのですっきりとした外観に仕上がっていますが、これよく見ると外板は合板です。マジかよっていう。なおキューポラ(屋根に出っ張っている監視窓)は鉄板。
カブースって日本の車掌車と較べても大型で人が住むには良さそうだし、これを改造して造った家とか離れとか詰所みたいな建物が転がってそうですけどね。



これも車内を外から覗くことが出来ました。客車同様内装は弄られているようで集会所か談話室かのような使われ方をしている模様。
ただし間取りは改造されてないようです。キューポラへもよじ登れそう。



保存車を反対側からも見てみようと移動すると、あらま。これは7.5インチ鉄道の線路じゃないですか。まあ園内に入る時点で7.5インチ鉄道の大きな扇形車庫の横を通るんで、そこで気づいてたんですけどね。
こういうのもやってるんだなぁと思いきやこれはSHASではなくVancouver Island Model Engineersという鉄道模型クラブの管轄でした。和訳するならバンクーバー島鉄道模型機関士クラブとでもすればいいんですかね。多少意訳を入れないと意味が通らない。



程なくして列車がやって来ました。先頭はスイッチャーですがなんだかゲージに対してオーバースケールなような。



蒸気機関車も来ました。これはファインスケールのようですね。
金持ちの趣味だなぁって思います。機関車1機で1万ドルくらいするんだろうか。こんな金の使い方をしてみたいもんだぜ。
なお基本的にはクラブ会員のための施設ですが、年に十数日は一般人に開放していて(公式サイトに開放日が記載)、後ろの貨車に試乗することが可能。その時に寄付金という乗車賃を払うんですが、寄付金に頼らずとも運営できるようなお金持ちでないとこの趣味やってられないと思うんですけどね(僻み



バイム記念橋。2007年竣工。
クラブのサイトにある配線図を見てもらうと分かるんですが、設立当初のレイアウトプランは8の字だったと思われます。それが2007年あたりに線路をドンと延伸したようです。その時に架けられた橋ということですな。鉄橋はここ以外にもう一箇所あって、長い総延長と合わせていったい建設費いくら掛かったんだこれ。
この本線の総延長は約1230mという笑ってしまうような長さで、これだけでもう日本のどの7.5インチ鉄道よりも長いと思います。他に側線だ連絡線だもうひとつある小ゲージレイアウトも合わせた総延長は約3000mだそうです(配線図に書かれている数字が計算が合わないのが気になるけどまあいいや)。なんちゅう長さや・・・。これも公式サイトにあるんで見てみるといいです。
なおこの後実際に乗ってみるんですが、楽しかったです、ええw一周するのに10分くらいかかりました。ほんとうに長いのね。みんなも開放日に行ってみるといいかも。



これがもうひとつの鉄橋。上のバイム記念橋が足場に線路を載せたくらいの安っぽい橋だったのに対してこちらは本物の鉄橋に似せた造りをしています。この鉄橋は延伸前からあったものです。
左に見切れている高架は小ゲージのレイアウトです。ちなみに本線も三条軌になっていて、ここでも小ゲージの運転もできるのが分かります。


木造トレッスル橋。これも橋ですが地形的には全く不必要で、わざわざ地面を掘り返して建設したというのが見え見えです。開業当初はこれがささやかなレイアウトのハイライトだったのかもしれません。他にも踏切もあります。



ライブスチームは後回しにして園内を進んでいくと昔のバスが。これは相当古いぞ。
調べたところ、1959~1986年に製造されていたゼネラルモーターズのNew Lookというバス。6枚の曲面ガラスを組み合わせた路線バスにしては無駄に凝ったフロントガラスが特徴で、その形状からフィッシュボウル Fishbowlつまり金魚鉢というあだ名が付いていて、こっちのほうがマニアの間では通りがよいみたいです。
44,000台(!)が造られたとかいう金魚鉢の中でもこれはTDH-4519型という型式で、Tは路線バス(2ドア)ボディTransit、Dはディーゼルエンジン車Diesel、Hはオートマ車Hydraulic transmission、45は最大座席45席(車体長は35ft)、19はモデル名を意味します。分かりやすい。それに比べて日本のバス見てみろよ。さっぱりだぜ。
他の区分としては近郊形用(1ドア)ボディのS、ガソリンエンジン車のG、マニュアル車のM、33席(30ft)、53席(40ft)と言った具合。
今の北米のバスって恐らくほぼ全車オートマ車なんですが、こんな昔からバスのオートマ車化が進んでいたんですね。さすがAT帝国アメリカだ・・・。それと昔はオートマチックトランスミッションと言わずにハイドラリック、油圧変速機と呼んでいたんですなぁ。というかAT車はもともとGMが最初に開発・実装したんですね、知らんかった。

あとはまああれだ、全体的な形状が日本の当時のモノコックバスと似ていてですね、ああやっぱりアメリカのバスをパクt・・・もとい参考にしたんだなぁというのが分かりました。



側面。窓は引き違い窓いわゆるメトロ窓と呼ばれるもの。進行方向へ向かって傾斜しているのでスピード感がでています。このスタイルの窓も確か当時日本にパクr・・・取り入れられていたと思います。昔のバス写真でこういうのを見た記憶が。
ところでバスヲタ以外では通じないらしいメトロ窓という用語の由来が分からないんですが、なんなんですかね?

車内は日本で言うところのツーステップ車で、座席は2+2列のクロスシート。
構体はアルミニウム外板にモノコック構造で、軽量化とそれに伴う燃費改善に重点を置いているなというのが伺えます。バスにアルミを使うとは珍しいですな。
構体といえば、このバスの保存状態ってすごく良いといっても過言でないくらいめちゃくちゃ綺麗です。外板はツヤツヤに磨かれていて、目立った部品の欠損も無し、内装も綺麗、ナンバープレートもついてるんでおそらく自走も出来るでしょう(なんかのイベントで他の金魚鉢と一緒に敷地外で展示されてた写真がネットに転がっている)。
これだけ状態良いのはそうそういないんじゃないでしょうか。



後面。やっぱりどこか見覚えのあるデザインだ。
当時のバスにはまだ大きなリアウィンドウが付けられていたんですね。今のバスだと小さい窓かあるいは最早窓が付いてないという場合もありにけり。まあ運転上必要ない装備ですしぃ・・・。

この個体767号車は1967年製で、BCハイドロ交通 BC Hydro Transit所属だったもの。BCハイドロはBC州の電力・水道公社なんですが、昔は公共交通もやっていたのですよ。東京電力が東電バスを走らせるようなもので、訳わからんですな。

ついでなんでさらに遡るとビクトリアの公共交通の起源は1890年に設立された国営電気軌道・照明社 National Electric Tramway and Light Co.(和訳自信なし)で、1897年には運営がBC電気鉄道 BC Electric Railway (BCER)になりました。BC電鉄は路面電車やトロリーバスや都市間旅客鉄道を運営する今で言うライトレール鉄道で貨物を運ぶ本線級の鉄道とは違います。親会社はBC電力だったので電気はそこから供給してもらっていたんでしょう。電力公社の運営する電鉄会社はこの頃から始まっていたわけです。
1961年にBC電力はBC電鉄ともども州に買収されて公営企業のBCハイドロとなり、そして最後に1983年にBCハイドロ交通はBC州各地の公共交通機関と共にBCトランジットに再編されて今に至っているわけです。ああややこしい。

閑話休題。
というわけなんで、年式的にはBCトランジット移管後も現役だったと思うので一旦はBCトランジットの赤と青の塗装に塗り替えられていたと推測されますが、保存時にBCハイドロ色に復元されたんでしょう。
白いボディに青と緑の帯というのはBCトランジットの新塗装と似たようなパターンで、もしかして新塗装はこれを元ネタにした先祖返りなんじゃないかとも思えます。なんだか素っ気ないと思ってた新塗装もそうだとすればちょっといいなと思えますが、ネタが古すぎて伝わらないんじゃとも。私もこのバスに出会わなければ一生分からなかったでしょうw


今日はここまで。次回からSHASの真の実力が明らかに。


その2へ→

鳥とかバスとか 後編 【2015/06/12】

2016-02-18 23:32:37 | バス・航空機撮影記

引き続き撮影。いい天気なんですよ。
ビクトリアの夏場は、気温はまあまあ高いのですがほとんど雨が降らないのでカラッとした気候になり、日本の高温多湿と比べるととても過ごしやすい環境です。
逆に冬場は雨の日が多くなるんですけど殆どの場合小雨で済みますし朝降っていても昼には止んでしまうくらい変動が早いです。気温も氷点下を下回ることは皆無と言っていいくらいです。つまり雪が降らない。
気候は世界中見渡してもかなり住みやすいところに入っていると思います。実際住むのに文句無い。



フェアモントエンプレスの前に停まっているバスを撮影。
CVSツアーズAD Enviro500 Go Anywhere。フロント上部にある手すりって何が目的なんでしょうね?見かけ的には無いほうがすっきりするんですけど。



グレイライン・ウェストAEC Routemaster。ルートマスターといえば1960~1990年代のロンドンバスの代表的車種のひとつです。



イギリスは右ハンドルなので乗降口は左側に取り付けられているのですが、一方カナダは左ハンドルなので乗降口も逆。
なので乗降口の位置を変える改造がされているのですが、綺麗な具合に目立っていませんね。それでも側面方向幕が残置されていたり後部乗降口が完全に埋められていなかったり面影は残っています。



グレイライン・ウェストDaimler Fleetline。これもドアの移設改造を受けています。



ロンドンバスの後部乗降口は後輪より後ろ要は一番後ろ側にあるというイメージがあるんですが、これはリアエンジンなのでそれは無理ですね。じゃあどこにあったのかというと普通に中央に取り付けられてました。何てことないですね。



ビッグバス・ビクトリアBlue Bird All American



ユニバーサル・コーチラインMCI J4500。フェアモントエンプレスの南側の道路は観光バスの待機所になっているので休んでいるバスを時々見かけます。



パスウェイ・コーチライン Pathway Coach Line Chevrolet C4500+Graval Bus Titan。白無垢の小型バスですな。このタイプのコーチ(ボディ)は初見です。



ウィルソンPrevost H3-45 (1st generation)。



ウィルソン・YYJエアポートシャトルFord E-450+ElDorado National Aerotech。



ウィルソンPrevost H3-45 (2nd generation)。
ウィルソンのH3-45は塗装のバリエーションが多いので見ていて楽しいというかややこしいというか。中古車が多いんですよ。



グレイライン・ウェストElDorado National MST。



ダグラス通りでBCトランジット撮影。AD Trident3です。
前も書いたと思いますが、これの旧塗装は消滅済みです。



NFI D40LF旧塗装。D40LF特に赤・青帯の旧塗装車は近年のNova LFS導入により勢力を減らしています。
前半でも書いたように2015年もLFSが導入されたので主に1995年製のD40LFが廃車になりました。1995年以前の前期導入車両の殆どは廃車済みですので減価償却期間はおよそ20年間といったところでしょうか。
近代化工事が施された後期導入車つまり新塗装車はまだ廃車が出ていないようなのでこちらはもうしばらく使われ続けると思いますが、最後の導入が1998年なので保つのは長くてあと5年くらいだと思います(ちなみに新塗装車でも車内や行先表示器が未更新の車両は廃車が出ている)。
体感ですが旧塗装車は目に見えて遭遇率が減ったように思えるので、これらはあと数年で見られなくなるかもしれません。



BCトランジットNova LFS。今に大型平屋バスはこれだけになるやも知れませぬ。



ウィルソンPrevost LeMirage XL-II。これもどっかからの中古らしい。



BCトランジットAD Dart SLF+Pointer2。ビクトリア管内では少数派の中型車。新塗装への塗替えが一向に行われないところを見ると、あまり長く使うつもりはもう無いのかもしれません。
この3系統は以前はほぼ中型車の独壇場だったんですが最近では大型車で運用される便が多くなっていて、中型車の運用のほうが少なく感じるくらいです。
中型車は他に24系統・25系統に充当されるのですがこちらは本数があまり多くないですので、中型車を見られる機会は前より減ったとお思います。



カナダ郵便公社 Canada PostのGrumman Step Van。カナダの郵便配達の主力車両です。日本みたいにカブで配達はしません。
このバンのメーカー、グラマンはあの戦闘機メーカーのグラマンであり、こんなものも造っていたんだなと驚きました。

これで今日の撮影は終わりです。

鳥とかバスとか 前編 【2015/06/12】

2016-02-15 23:48:19 | バス・航空機撮影記

買い物ついでにとくに当てもなくバスだ鳥だを撮りに行きました。
ダウンタウンにAD Dat SLF+Pointer2の新塗装が現れたのでここぞとばかりに撮影。前も書きましたが、ビクトリア管内には1台しかいない希少車です。見かけたら積極的に撮影していきましょう。
LED行先表示器はたまたま切れてしまいましたが、こっちのLEDは1/800秒で撮影しても中々切れないので優秀(?)です。



野鳥探しにいつものビーコンヒル公園へ。
木の上から鳥の鳴き声がするので探してみたら何かいました。たぶんアオサギです。あんな高いところで寝泊まりしているか。



クジャクの番。



カモとアヒルも混じってきました。



メス単体でも。やっぱ地味ですね。



首がねじれているように見えなくもないオス。



カモの雛ですが少し見ない間に大きくなりましたね。



たまにはカラスも撮ってやります。
これで野鳥はおしまい。



バス撮影に移ります。
まずはおなじみパシフィック・コーチPrevost H3-45 (first generation)。



BCトランジットNova LFS。2015年に導入された新しいバス(社内番号9447~9486)です。リアデザインがマイナーチェンジされていますが、基本的には従来車と同じです。この日はリアの写真を撮っていなかったのでそれに関しては後日。
ところでBCトランジットの社内番号ですが、なぜか9000番台がかなりひしめいています。
9000番台は二階建てのTrident3とEnviro500、9050番台はDart SLF、9100番台はDE60LF、9200~9400番台はLFS、9500番台はEnviro500、9700~9800番台はD40LF、9900番台はDart SLF・・・といった具合で保有する殆どの車種がバラバラに登録されています。なんだかもうちょいすっきりとできんのかと思いますね。
LFSは旧型のD40LF更新のために今後も導入が続くと思いますが、9400番台はもうすぐ番号が埋めつくされてしまいます。たぶん唯一空いている9600番台に飛ぶと思いますが、それでもD40LFを全部置き換えるには番号100個では足りないので、その時どうするかってところですかね。



第62学区(スーク)Blue Bird TC/2000 (rear-engine)。
School Districtつまり「学区」です。日本だと生徒が通学する学校の区域程度の意味しか持ちませんが、カナダおよびアメリカでは管内の学校を運営する独立したひとつの組織となっています。
全国どこでも基本的に同じ教育内容の日本と違い、学区ごとに独自の運営方針を持ちその内容は千差万別です。学区の運営の良し悪しがその地域の興廃を左右するとまで言われるくらいですから、影響力はかなり強いものに見えます。これらはアメリカの学区のことですがカナダも同様のはずです。
学校運営の他にスクールバスも運行しているので、学区所有のスクールバスとなるわけですな。



NFI D40LF新塗装。



AD Enviro500旧塗装。最近は広告を貼らない車両が増えてきているような気がします。



Enviro500新塗装。



Chevrolet 4500+Arboc SOM28D。
ここで一時離脱。



フェアモントエンプレスホテル。快晴だしたまにはこういうのも撮る。



ふとインナーハーバーの方を見ると帆船が航行していました。なんだありゃ。
名前は太平洋の恵み号ことPacific Grace。さぞや歴史ある船なんだろうなぁと思いきや調べてみると1999年進水、2001年就航だとな。新しいのね。なお帆を張っていませんが普通に動いていて、エンジンとスクリューを使ってインチキしているか船底に白鳥を飼ってそれのバタ足で漕いで進んでいるんだと思います。たぶん安全のために港湾部では帆は畳むんでしょう。
外洋を長期間航行できるようで、2007年6月から1年間太平洋を数か所寄港しながら周遊していました。日本にも沖縄と大阪に瀬戸内海経由で寄港したんだそうな。よくやるなぁと思います。
これを所有しているのがSail and Life Training Society略して「塩たち(SALTS)」という組織で、青少年たちにこの帆船で5~10日間の航海をさせることで集団生活とかチームワークとかコミュ力とかを学んでもらうということをやっているんだそうな。日本にも似たような狙いの集団キャンプとかありますけどやっぱりスケールがでかいなこちらは。


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第3回水上機大撮影大会 後編 【2015/06/11】

2016-02-14 22:56:02 | バス・航空機撮影記

水上機撮影の続き。ハーバー・エアDHC-3T (C-FHAA)が滑走。



離水する瞬間もかっこええですな。



ウェストコースト・エアDHC-6-100 (C-FGQH)も離水。






再びいつものポイントに戻って撮影。
DHC-3T (C-FRNO)旧塗装。



C-FHAJ新塗装。



C-GLCP旧塗装。この角度がやっぱり好きですね。

これで撮影終了。満足な結果が得られました。



おまけ。この日撮影したバス。
CVSツアーズAD Enviro500。屋根に木の枝が引っかかってますがな。まあ二階建てバスにはよくあること。路線バス乗ってる時もたまにおでこに枝をぶつけながら走るよ。



MCI J4500。ぬるっとした感じのフロントマスクをしたバスです。左側のバンパー取れちゃってるがな。
どこの事業車のバスなのかは調べそこねました。



ビッグバス・ビクトリア Big Bus VictoriaのBlue Bird All American。
春~秋に運行しているダウンタウンやオークベイなどを周る周遊型の観光バスです。バスは年式の古い中古のスクールバスを改造して使っていて、車体の後ろ半分の屋根を取り払ったオープントップバスになっています(密閉型も保有)。これもそうで、赤い塗装でなんとなくイギリスっぽく見えますがバリバリのアメリカ産スクールバスです。
なお、バスの値段は高いわ本数はあまり多くないわであまり使いたいとは思わないです。一部海沿いの経路を除けば路線バスでカバーできるので、そっちで十分じゃないかなぁ。周遊バスならではの観光サービスもあるでしょうけど、それを差し引いても高いと思うぞ?
というかビクトリアの観光バスってどこも強気の値段してるんだよな。客層がやっぱり金持ちなのかしら。



MCI MC-5C。事業社不明(車体に書かれている写真から見るにバンクーバーの会社っぽいが)。
一瞬MC-9の観光仕様(窓が天井にもある)かと思いましたが、ウィンカーの形状や屋根の厚みや窓の形が妙に違っていたので調べてみたところ、MC-5Cという別のバスでした。当然初見です。辿り着くまで時間がかかったぞ・・・。
MC-5は1964~1980年に製造されたバスで、製造期間が長いこともあって時期によって外観が異なっています。1964~1977年まで製造されていたMC-5A/Bは独自の外観をしているのですが、1978~80年に製造された最終生産型とも言えるC型は同時期に製造が始まったMC-9に酷似した外観をしています。これのせいで紛らわしいことになったわけです。
MC-9との識別点は、MC-5Cは運転席/乗降扉のすぐ後ろの窓が三角形であること、MC-5Cの方が屋根が厚いこと、でしょうか。古いバスなんであまり見かけることも無いでしょうけども。



ウィルソンのThomas Saf-T-Liner ER。スクールバスですがどうも観光バスとして使っている模様。スクールバスって乗ったこと無いんで詳しいところはわからないですけど、大人にはシートピッチが狭いのではないかと思いますがみんな大丈夫なのかな?



CVSツアーズのAD Enviro500 Go Anywhere。側面のロゴがちゃっかりEnviro500からCVS Toursに変わっていますね。
なお執筆時時点では塗装が大きく変化していました。通りすがり見かけただけでまだ未撮影なんですけどね。

おまけおしまいです。

第3回水上機大撮影大会 中編 【2015/06/11】

2016-02-13 23:39:51 | バス・航空機撮影記

水上機撮影の続き。いよいよDHC-6がやって来ましたよ!



そこどけカモメお前じゃない!



というわけでウェストコースト・エアDHC-6-100 (C-FGQH)です。3回目にしてようやくうまく決まりました、やったぜ。



もう少し寄せてからも撮ります。



真横。



着水していきました。いやあ満足。



ハーバー・エアDHC-3T (C-GHAG)ロイヤルズ塗装。



なおこの日は風が強くて、普段はとても穏やかなインナーハーバーに白波が立つほど。風上に向かってタキシングする水上機も水しぶきを被ります。これは後でエンジンの整備が大変そうだ・・・。
海の上で離着水できるというのは水上機の利点であると同時に欠点でもあるのです。水のあるところならどこでも離着水できそうですが、波が高いとこれが出来ないので常時離着水できる場所というのは意外と限られてきます。このインナーハーバーも文字通り内湾で波が立たない地形ですしね。少なくとも外洋に接するところは厳しいんじゃないでしょうか。
あとは海水を被るので機体が腐食しやすく陸上機と比べて整備に手間がかかるとか車輪が付いてないから陸上の整備工場に運ぶのに手間がかかるとか(車輪付きのフロートもあるけど)、いい事ばかりじゃないです。
小回りの良さもヘリコプターには敵いませんし、今は大抵の場所には飛行場が整備されてますし、現代ではどうにも使いづらい機体になってしまったわけです。
そんな中でダウンタウンの隣が海(収益が見込める)、その海もいつも穏やか(高波で欠航する事態がない)、空港が街から離れている(競合性が高い)という水上機運用に必要な条件を満たしているビクトリアおよびバンクーバーは地形的に相当恵まれていると思います。よく目を付けたものです。



ちょっと場所を移してフィッシャーマンズ・ワーフで撮影します。いつも撮影しているところはローレルポイント・パークという湾内の幅が最も狭くなる地点です。
水上タクシーもすごく飛沫をあげていますね。



DHC-3T (C-FODH)旧塗装が滑走していきます。ここからだと離水も撮影できるという算段でしたがその通りになりました。



ビタッ!と離水します。離水後は湾に沿って左旋回していきます。



DHC-3T (C-FJHA)新塗装が飛来。



まあさすがにここからだと遠いですわな。



着水。



プロペラの推進方向を逆にして制動をかけます。これってプロペラを逆回転させてるのかと思いましたが、ペラのピッチを逆向きにしているだけなんですね。なるほどそりゃソッチのほうが楽だわな。



反転して空港へ。
水上での操舵にはフロートに付いている舵を使っていると思います。尾翼やエルロンでは無理でしょうきっと。
なおDHC-6ではフロートの舵は付いておらず、左右のエンジンの出力を調節して操舵しているんだと思います。

今日はここまで。


後編へ→

第3回水上機大撮影大会 前編 【2015/06/11】

2016-02-09 23:45:28 | バス・航空機撮影記

ある晴れた日の午後、恒例の水上機の撮影へ。
この日は雲一つない快晴で風向きも強い西風、例のアクロバティック着水を見るのには今までで最高の条件です。どんどん撃ち落としていきますよ?



一番手はハーバー・エアDHC-3T (F-CODH)旧塗装。



右旋回。



着水姿勢に入ります。



着水後は反転して空港へ向かってタキシング。



ヘリジェットのシコルスキーS-76 (C-GHJW)。真上を飛んでいきました。



DHC-3T (C-GHAR)新塗装。



真横から。かっこいいな。
航空機にしてはけっこうでこぼこしているという印象を受けます。まあ巡航速度200km/h程度だそうなので多少はね。
窓も四角いし、もしかして与圧されてないんじゃないかなこれ。


DHC-3T (C-FHAA)ロイヤルローズ大学広告。ビクトリア近郊にある元兵学校だった大学です。古いお城があるらしい。



着水する時は機首を下に向けて突っ込みます。普通、他の飛行機だと機首を起こしながら着陸するのでこの体勢は見ていて少しヒヤヒヤします。



まあ普通に着水できてしまうんですけど。
水面まであと少しというところで機首を水平に起こし、そして着水という流れです。難しそうだなぁ。



ウェストコースト・エアDHC-6-100 (C-GQKN)。DHC-3よりは凹凸が少ないですね(ないとは言ってない)
ちなみに初飛行はDHC-6が1965年、DHC-3が1953年で息の長い機種なんですねぇ。DHC-3は既に生産中止しているようですけど、DHC-6は今も造っているらしいです。



DHC-3との離合。



滑走します。滑走に使える距離は数百m程度しかないのでDHCシリーズのSTOL性能の高さが伺えます。



静かに素早く。

長くなるんで今日はここまで。


中編へ→

山の進め 【2015/06/06】

2016-02-08 23:47:36 | 日常記

なんとなく山に登りたくなったので、スワンレイクで野鳥を撮った後にその北にあるクリスマスヒルへ。クリスマスヶ丘。丘だけどまあ山みたいなもんよ。
というわけでまずは野鳥観察。カモですね。



ハゴロモガラス。
ちなみにスワンレイクは1960年代は魚も住めないくらい汚染された湖だったそうな。こりゃあイカンとなって20~30年くらいかけて湖を再生したそうです。
今じゃバードウォッチングの名所のひとつにもなっています。魚が戻ってきたのかはよく知りませぬ。



今日の新種、コマツグミ。北米大陸に生息する渡り鳥で、アメリカではロビンと呼びます。
もうひとつ余談ですが、野鳥マニアの自覚ゼロなのに鳥の名前が分かるのは、WhatBirdという野鳥検索サイトを使っているからです。名前の分からない鳥でも姿形から種類を絞り込むことが出来ます。便利なのでおすすめです。北米大陸に生息する野鳥しか登録されてないんですけどね・・・。



ちょうど水浴びしていました。かわいいですね。



そしてクリスマスヒル登頂。パノラマ写真で撮ってみましたがブログに上げるとあまり・・・。



丘の名に違わず標高は低いです。頂上は岩場なのでこの通りハゲです。



行きと帰りで違う経路を通るつもりだったので自転車も一緒に登りました。ちょっと大変だったね。登頂記念にちょっとカッコつけた記念写真をば。



スワンレイクも一応見えます。

今日は以上です。

第1回ビクトリア空港大撮影大会 後編 【2015/05/29】

2016-02-03 23:47:08 | バス・航空機撮影記

空港とチャリ。空港要素見つからないけど奥に滑走路があるんだぞ。
YYJ撮影には自転車を使って撮影スポット間移動の機動性を上げているんですが(あとは単純に空港の周りを歩いて周るのがダルい)、ビクトリアのダウンタウンからYYJまでは約25kmあり自転車で向かうにはちとキツい。
そこで役に立つのが路線バスのBCトランジットです。これのバスには全てに自転車ラックが装備されているので、バスを自転車のトランスポーターをして利用します。空港まで自転車と一緒にバスで移動して、空港では自転車を乗り回すことで空港までのアクセスの簡便性・速達性と現地での機動力の確保を両立できるのです。カナダ人と異なり自転車をゲタとして使っている私には便利なシステムで、遠いところへのサイクリングもしやすいです。超おすすめ。
日本では採用例は数例で全く普及していないといっていいくらいの自転車ラックですが、もっと増えませんかねぇ。まあ、アクティビティではなくゲタとして自転車を使う日本では、おそらく採用したらしたらで利用者混乱しそうです。
公共交通機関と自転車のあわせ技は本当強いんで、通勤時間帯はどのバスもラック満載になって自転車積めない乗客続出になるんじゃないでしょうか。現状一部の系統、一部の時間帯以外での導入は難しいですよね。

ちなみに自転車導入の目的の1/4はYYJでの撮影のためです。もう1/4はその他バスでは行きにくいところの攻略、残り1/2はバス定期代の節約です。
もうひとつ余談を書いておくと、ダウンタウンからYYJまでは72系統のバスを利用します。急行の70系統の方が所要時間が短く済むのですが、これだと最寄りバス停がマクタビッシュ・エクスチェンジで、YYJまで上り坂を漕ぐことになってとてもダルい。ついでに坂を登る前にハイウェイも跨ぐ。72系統だと最寄りはEast Saanich at McTavishバス停になり、YYJまでは下り坂でとても楽ちん。ハイウェイも跨がない。



ウェストジェットのB737-700 (C-FWSI)。またもやRWY09からの着陸です。
といっても今回は737は捨てており、この後飛来するエアカナダのDHC-8が本命です。先程はRWY14から進入していったのでこのまま移動せずに待ち構えます。



あるぇ~~??なんでやねん・・・。
エアカナダ・エクスプレス(ジャズ航空)DHC-8-300 (C-FACT)。「Cファクト」という覚えやすいレジです。



続いてアイランドエクスプレス航空Piper PA-31 (C-GIEA)。お前もかよ。もうワイの精神はボロボロ。もうマヂムリ、移動しよ・・・。



RWY09エンドに移動して次のウェストジェットB737-700 (C-GWCN)を迎え撃ちます。お、なかなかええやん。ジェット機はこの滑走路を使うと確信でないものの学習してきたので多少はね。
DHC-8やコミューター機に見慣れてくると737でも巨体に見えるね・・・。



次は離陸機を撮影しにRWY27エンドonカノーラロードへ。
まずはアイランドエクスプレスC-GIEAを迎撃。金網越しの撮影で金網をフレームに入れないので精一杯なので水平を保つのにまで気が回らない・・・まだまだ修行が足りぬな。



なんか古そうな飛行機が離陸していきました。ケロウナ・フライトクラフト・エアチャーターのConvair CV-580 (C-GKFG)です。
1947年に初飛行した40人乗りの旅客機CV-240のエンジンをターボプロップエンジンに換装したもの。なるほどそりゃ古いわ。この機体はさらに貨物機用に改造されています。
貨物機のスケジュールはよく分からんので来たら撮るくらいの意識の低さです。



パシフィック・スカイ・アビエーションのCassna 172 (C-GZMC)。これもYYJをホームにする航空学校だそうな。



パシフィックコースタルBeech 1900C (C-FPCO)がタキシング。ただし離陸ではなく駐機場への移動でした。



尾翼の絵は一見分かりづらいですがどうもグリズリーのようですな。



ウェストジェットC-FWSIの離陸。ぐえー、水平がー。でもトリミングは面倒くさいー。



ここの駐機場にはビジネスジェットもいますが、基本的にケツを向けてしまうんでどうも・・・。
ちなみにこれはスカイサービスのCassna 750 Citation X (C-FNRG)。最低ション。スカイサービスはビジネスジェットのチャーターや飛行機のメンテナンスやホンダジェットのカナダでのディーラーをやっている会社です。手広い。

今日はこんなところで終了です。第2回は数ヶ月後です。

第1回ビクトリア空港大撮影大会 前編 【2015/05/29】

2016-02-02 23:59:17 | バス・航空機撮影記

ある晴れた日の午後、ビクトリア空港(以下、YYJ)へ飛行機の撮影へ。
まあまあ飛来数の多いYYJですが夕方は一番密度の濃い時間帯でして、この時間帯にしかやってこないような機材も現れるので効率よく撮影できるわけです。
まずはRWY03エンドでタキシングしているエアカナダ・エクスプレス(ジャズ航空)のDHC-8-Q400(C-GGNF)を撮影。
横から見るとほっそ長いなぁ、Q400。



もうすぐゲートに辿り着くよというウェストジェットのDHC-8-Q400(C-FKWE)。
ちなみにDHC-8を運航しているのは子会社のウェストジェット・アンコールです。北米でよくあるコミューター路線担当の会社ですな。まあ見た目には違いないから一緒でいいんじゃないかな?



RWY09エンドに移動します。どこで撮っているのかは前回の記事で説明しましたから分かりますよね?ね?いちいち説明するの面倒だから一つの記事に独立させてまとめて書いたんですけど、思った以上に書く量が多くなってしまってアレはアレで大変でしたが。
最初に来たのはモーニングスター・パートナーズのChallenger CL-600(C-GBKB)。カナディア(現ボンバルディア)のビジネスジェットです。CRJの元になった機体なので、よく見るとそっくりです。
モーニングスター・パートナーズはテキサス州の石油・ガスの資産管理会社っぽいです。なのでこれは社用機ですな。ビジネスジェットで出張か・・・。



ビクトリア・フライング・クラブ(VFC)のCessna 172(C-GJZB)。航空学校の練習機として使われている・・・はずです。遊覧飛行とかあとはただ趣味で飛んでいるという可能性も無きにしろあらず。
途中から撮影に飽きるほど何機もひっきりなしに飛んで来ますw



おそらく個人所有のVan's Aircraft RV-7 (C-FPXM)。聞いたことも見たこともない飛行機だなと思って調べてみたら、同社が出しているホームビルド機でした。キットの状態で購入しお家のガレージで自作する飛行機ですね。
コストは4.1万~9.7万米ドルで随分と幅がありますな。ちなみに上記の軽飛行機セスナ172だと約29万米ドルということで、両者で要求仕様が多少異なるとはいえRV-7は破格といえます。ちなみにこの機種だけで1400機近く販売されていて、ホームビルド機の市場の大きさが垣間見えます。いやほんと、キットカーすらろくに楽しめない日本からだと別世界だ。
維持費やなんだかんだは置いといて500万円程度で飛行機を手にすることが出来ると思うとちょっと憧れますね。まあムリなんですけど。



VFCのPiper PA-44 (C-FPDP)。双発機の練習用かな?



個人所有のCessna 150。



そろそろエアカナダ機が来るんちゃうかと思って待ってたら別の滑走路RWY14から進入していきました。うーむ、やられた。
この頃はまだflightradar24を見ても進入経路の予測が外れることも多かったのです。当該機は5分遅れで地図上に表示されるので、それが予測を立てにくくさせているのです、はい。



RWY14エンドに移動します。丘の上にあるので坂道を自転車で漕ぐ羽目に。つらい。
病院跡に着くと初めに見たウェストジェット・アンコールのC-FKWEが離陸準備していました。RWY09エンドからは見えないのでちょうどよかったですが、柵が邪魔だなぁ。



アイランドエクスプレス航空のPiper PA-31。6~8人乗りの軽飛行機で、ちっちゃいです。アイランドエクスプレス航空はバンクーバーの隣りにあるアボッツフォードのアボッツフォード国際空港を拠点にビクトリアやナナイモなどを結んでいる、需要あるんかいな?って感じのリージョナルキャリアです。



カナダ空軍のCH-124シーキングです。YYJを基地にしている第443飛行隊所属の機体(12424)です。逆光と低認識塗装のおかげで何者か分かりづらいですが・・・。
ちなみにCH-124の初飛行は1961年、カナダ軍への導入も1963年からと実はだいぶ年寄りなヘリです。ただし2014年にCH-148サイクロンへの置き換えがようやく決まったので、見られるのもあと数年といったところでしょうか。



Wells Fargo所有のBombardier Global 5000 (N502VJ)。これもビジネスジェット。Wells Fargoはアメリカの大手銀行です。
RWY14がアクティブかと思ったらまたRWY09か・・・。まだ滑走路の長さとか機材による使用滑走路の違いを考えてなかったですから結構困惑していましたね。
ただどうも、ビジネスジェット機はもれなくRWY09/27を使うんじゃないかというのが執筆時点での最近の仮説です。



オルカ航空のPiper PA-31 (C-GPMP)。アイランドエクスプレスと同機種のくせにRWY09から着陸しやがりました。もう分かんねえなこれ。
オルカ航空はバンクーバーおよびアボッツフォードとバンクーバー島各地を結ぶ、本当に需要あんの?っていうリージョナルキャリア。



RWY09に移動するべきかと考えていたらパシフィックコースタル航空のBeech 1900C (C-FPCO)がRWY14から進入してきました。ほんっと分かんねえなこれ。
パシフィックコースタル航空はバンクーバー国際空港とバンクーバー島の最果てポートハーディ空港をハブに、バンクーバー島各地やBC州北部などを結んでいるリージョナルキャリアです。前述のスキマ狙いの2つと違ってそこそこ規模は大きいです。
特に、ポートハーディにはかの有名な羽根の付いたカヌーことグラマン・グース飛行艇が現役やってるそうなので、一度見てみたくはあります。ビクトリアから陸路で一日掛かるというので実際問題は難しそうですけど。



もう1機、同社のBeech 1900C (C-FPCV)が飛来。最初とは違う角度で撮影。

今日はここまで。


後編へ→

ビクトリア空港の撮影地指南書

2016-02-01 22:45:00 | バス・航空機撮影記
いつもは半年遅れの役に立たない記事ばかり書いている弊ブログですが(他のビクトリア在住の人のブログ見てるととてもアレな気分になる)、今日はちょっと役に立つことを書きますよ。
題名にもある通りビクトリア空港で飛行機を撮影するときにおすすめな門外不出のスポットを教えてしまおうという記事だ。黙っててもしょうがないからね(´・ω・`)



ビクトリア空港はビクトリアのダウンタウンから約20km北にある空港。車で行くと30分位かかるんでちょっと遠い。
ビクトリアはブリティッシュコロンビア州の州都ですが街の規模はバンクーバーの方が断然巨大です(日本のように県庁所在地が県内で一番栄えているというようなケースは少なく、行政の中心と経済の中心は分けていくのが北米流のようだ)。
空港の機能もビクトリア空港は、カナダ西海岸のハブ空港であるバンクーバー国際空港から伸びるスポークの先っちょのひとつに過ぎません。それでもエアカナダのシャトル便がビクトリア~バンクーバーを1時間ヘッドで運航しているのを始めとして、地方空港規模にしては就航路線は比較的多く機材も多様性があり中々飽きの来ない空港だと思います。


そも、ビクトリア空港は元々カナダ空軍の軍事基地として1930年代に建設されました。当時はパトリシア・ベイ基地 RCAF Station Patricia Bay、略してパットベイ基地 RCAF Station Pat Bayとも呼ばれていた模様。
当初はパイロット養成基地、哨戒飛行基地および戦闘機基地としての役割を求められていました。全く目立っていませんが水上飛行機の基地も飛行場の西側にあり、こちらも民間飛行場として現役。が、1941年に日本軍がアメリカに戦争をふっかけると、後方の訓練基地から一転、カナダ西海岸の要衝として一気に前線基地に躍り出ます。
幸い戦場になることはありませんでしたが、大戦末期には日本陸軍がアメリカ本土を直接攻撃するためにばら撒いたふ号兵器こと風船爆弾の撃墜任務を担当していました。風船爆弾撃墜のために極秘で警戒レーダーを建設したりしていました。
戦後は軍事基地としての価値は薄れ、1948年にカナダ運輸省に引き渡され以降民間飛行場として運用されることになります。1952年にはカナダ空軍は撤退し、1959年に現在の空港名に名前が変更されました。
ただしカナダ空軍は1980年代後半に戻ってきていて、第443海洋ヘリコプター飛行隊が現在に至るまで駐留しています。時々飛んでます。

ちなみにビクトリア空港は英語だとVictoria International Airportと長ったらしくてかなわんので現地ではIATAコードの"YYJ"と呼ばれています。この記事でも以降はYYJと記します。

という経緯のYYJ、元訓練基地だったためかまず滑走路が3本もあります。しかもそれぞれが交差していて各方位を満遍なくカバーしているのでどの風向きで吹いても対応しやすいという、地方空港にしては贅沢な造りになっています。これは撮影時にはなかなか厄介になります。


色々書き込んだYYJの地図です。
まず滑走路。3本あると上に書きましたが、東西に延びるRWY09/27、南西から北東へ延びるRWY03/21、北西から南東へ延びるRWY14/32で構成されています。RWY14のアイコンだけ何故か半透明ですが深い意味は無いです。3本のうちRWY09/27だけが全長約2100m、残り2本が全長約1500mです。この600mの差は結構大きいです。
青い線は空港の外周を走っている道路で、どの方位からでも撮影できます。全長は約9kmで、ちょっとしたランニングコースです。実際、ランニングしている人達を見かけます。

飛来してくる機材は、小さいものでセスナ機クラスから、大きいものでボーイング737-800クラスまでです。ジェット機はあまり飛来して来ず、大半はプロペラ機が占めています。あとは、航空学校が併設されているのでよくセスナ機が飛んでいますし、カナダ空軍のヘリコプターが飛んでいるところも見えます。珍客としては、プライベートジェット機がたまに飛んできます。運がいいと古典機も来ます。日本ではお目にかかれない機材も飛来するので、運次第という面もありますが楽しもうと思えば結構楽しめる空港なのです。

さて、では実際に撮影に行こうとなるわけですが、飛行機はどの滑走路を使うのか見当をつけておく必要があります。大抵の空港は1方向の滑走路しか持ってないんで東か西かあるいは北か南かの二択で済むんですが、YYJはなにせ全方位をカバーしているのでどの風が吹いても最適な角度から離着陸できるのです。撮る方からすればたまったもんじゃありません。
事前にその日の風向きチェックは必須です。画面上で飛行機の航路を追跡できるflightradar 24を使ってどこから離着陸しているのかを実際に見てみるのもいいでしょう。ただし実は、flightradarはYYJではあまり役に立つともいえません(後述)。
どこの空港でもそうでしょうが、基本的には風上に向かって離着陸します。東西に吹く風であるなら使用滑走路はRWY09/27の一択である可能性が高いのですが、南北の風だとRWY03/21かRWY14/32か読みづらい部分があります。


が、使用滑走路が限定される機材があります。ジェット機、大型プロペラ機、航空学校練習機です。これらは必ずといっていいくらいRWY09/27を使用します。
滑走距離が長いジェット機は全長1500mの滑走路(RWY03/21とRWY14/32)は距離が足りないので使えません。ジェット機は必ず絶対RWY09/27を使うと言っても過言ではありません。ちなみにYYJに飛来するジェット機はボーイング737、エアバスA320、ボンバルディアCRJ、まれにボーイング727と小型機ばかり。これ以上の大きさになると全長2100mでも足りないと思います。
次に大型プロペラ機。これはボンバルディアDHC-8-Q400にほぼ限定されるのでこれに限った話をします。これも1500m滑走路だと心もとないのかRWY09/27を基本的には使います。ただし、RWY03/21とRWY14/32を使う場合もたまにあるので注意しておいてください。
最後に航空学校の練習機ですが、理由はよく分かりませんw 主に飛んでいるのは小型のセスナ機なんですが、1500mでも余裕なはず。不測の事態に備えて滑走距離を長めに取っている?くらいしか想像できやせん。まあとにかく、練習機もRWY09/27を使います。
あとはプライベートジェット機も09/27を使うと思います。断言できませんが。


逆に中型プロペラ機以下の機材、ボンバルディアDHC-8-300やサーブ340、ビーチ1900などコミューター機はどの滑走路も使用するので注意を払う必要があります。
この時特に着陸時の進入滑走路の予測をつけるのに使えるのがFlightradar24なのですがこれらの機材はオレンジ色のアイコンである場合がほとんどで、これはリアルタイムで表示される黄色のアイコンと違い5分遅れで表示されています。なので早めに見当をつけておく必要が有りにけりということで、やや使いづらいなあという印象です。


文章が長くなってしまったので再掲。
次は地図に示した撮影スポットをご紹介をば。RWY27から時計回りに行きます。参考写真は地図に載せてあります。
なお筆者の使用機材はSony α6000にSEL55210レンズ(55-210mm)です。航空機撮影界隈から見ると貧弱といえる装備でしょう(悲
スポット名はテキトーに名前つけたんでそんなに怒らないでちょ。あと、この記事を読んで撮影に出掛けて不利益を被っても当ブログは一切責任を追わないので、はい、一応お約束。

【RWY27 end on Ocean Ave. W】
オーシャンアベニュー・ウェスト沿いから撮影。RWY09/27がアクティブの時に使用。同滑走路を離着陸する機材を撮影可能。特に後述するRWY27 end at Canora Rd.はRWY27から着陸する(東から西へ向けて着陸する)機材を撮影しづらいのでこのシチュエーション時に威力を発揮します。
駐車場はないので路駐するか適当なところから歩いてくる。

【RWY27 end on Canora Rd.】
道路の行き止まりにある撮影地。駐車場があるので自動車でもOK。RWY09/27がアクティブの時に使用。同滑走路を離着陸およびタキシングする機材と撮影できる機会が比較的多いため、同滑走路が使われている時はここが安牌となるでしょう。
欠点は、金網越しの撮影になるためやや離着陸時の撮影がしづらいこと。特にRWY27からの着陸時は有刺鉄線と被りやすい(写真3枚目)。超望遠か脚立を使えば有刺鉄線をかわすのは容易いと思われる(どちらも実践経験無し)。こういう時は上記のOcean Ave.沿いから撮影するのがよいと思います。
なお、航空学校の練習機や個人のビジネスジェット機はこのスポットの脇に駐機されます。
上記2つのスポットは近くに路線バスのバス停があるのでそれを使ってのアクセスも可能。ただし本数は少ない。

【Victoria Flying Club's parking apron】
航空学校のビクトリア・フライング・クラブの駐機エプロンです。ここでは離着陸する機材の撮影には向きませんが、駐機している航空学校の練習機を見ることが出来ます。
運がいいと写真のような南昌CJ-6を拝めます。CJ-6同士で編隊を組んで飛んでいるのをたまに見かけるんで、ここをホームベースにしている可能性はあります。

【Observation lounge】
YYJターミナルビル3階にある展望ラウンジ。屋内ラウンジなので夏は涼しく冬は温かく雨にも降られない他のスポットと違ってアクセスも超簡単という非常に過ごしやすい環境なのですが、撮影環境としては下という評価にしかならんでしょう。
実質的に取れる画角は正面だけで、まともに撮れるのは1枚目に写っているエアカナダのDHC-8だけです。他のゲートに駐機している機材は全く撮れません。後はこのDHC-8の奥をタキシングしていく機材くらいです。
次に滑走路が遠く、一番遠いWY09/27だと写真2枚目のようになります。400mmくらいのレンズそれかテレコンがないとキツイでしょう、これ。
そもそも空港の撮影地開拓を始めたのもこのラウンジがあまりにへっぽこだったのがきっかけです。どうもいわゆる屋上の展望デッキはカナダには無いんじゃないか疑惑が私の中で話題ですが実際どうなんでしょうかね。バンクーバー空港にも無かったし。
それでも他のスポットにはないいい部分もありまして、駐機している貨物用飛行機を見ることが出来ます(写真3枚目)。ここが唯一まともに見られるスポットです。それでも望遠がまだ足りてないんですけどね。たまにボーイング727も飛来してくるので見かけたらラッキーですよ。なお動いているところはまだ未回収。

【Observation hill】
ターミナルビルの西側にある小さな丘。空港敷地内なのでアクセスは簡単だが、やはり画角が限定されるのであまり使えない。使えないので写真も撮っていない・・・。
こちら側からはボーイング737などボーディングブリッジを使用するような機材が駐機されるため、上記の展望ラウンジとは違った機材を見られる。が、ここから見て一番手前のゲートに駐機する機材しかまともに撮影できない。あとは手前のボーディングブリッジに隠れてしまうのだ・・・。
あとはタキシングしていく機材の撮影くらいしか取り柄がないといえます。

【RWY 03 end】
Willingdon Rd.沿いから撮影。付近の誘導路をタキシングする機材やRWY03/21を離着陸する機材を撮影可。ただし離着陸機は今のところ未撮影なので使いやすさは未知数です。
どうにか空港から歩いて行けるかも?という距離ですね。

【RWY 09 end on Willingdon Rd.】
RWY09/27を離着陸する機材を撮影可。私の場合は特に、RWY09から離陸する機材を撮影するときによく使います。

【RWY 09 end on W Saanich Rd.】
RWY09/27を離着陸する機材を撮影可。私の場合は特に、RWY09から着陸する機材を撮影するときによく使います。機体が向かってくる方向は海なので遮るものがなく撮影しやすい場所です。
航空学校の練習機もここをパスします。

【The former site of the hospital】
昔存在した病院の跡地に建てられた展望台。RWY09/27を離着陸する機材を撮影可。
望遠性能が貧弱だと写真のように鉄柵が入り込みます。というかまず終日逆光なので撮影にはあまり・・・。見る分にはいいと思いますけれど。
ちなみに公園においてあるような給水器が設置されていて、水分補給が可能です。

【RWY 14 end】
RWY14/32を離着陸する機材を撮影可。低木と被ることがあるのでそこはうまく工夫してください(


こんなものです、はい。後半になると書くのだるくなってしまっていい加減な説明に・・・。
RWY03/21関連のスポットが少ないですが、撮影に行った時にここがアクティブになることが少ないのと逆光になってよろしくないというのが理由でゲス。
というわけで、ビクトリアに来るようなことがある時は飛行機を撮るのもいいですよということでした。
本当書くの疲れた・・・。