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2015年7月17日(金)16時26分
アルバータ州カルガリー カルガリー軍事博物館
博物館も4回目。今回でおしまいですよ。
貴重な空軍成分ということで戦闘機の模型をば。こういう軍事系博物館ってヒマな学芸員が勤務中に作ったんじゃない?と思える飛行機模型が展示ケースにズラズラっと並べられているって場合が必ずあるんですが、ここはこれくらいしか見当たらなかったです。
右の翼端が赤いのがデ・ハビランドのバンパイア、奥のプロペラ機がノースアメリカンP-51ムスタング、そして左のクソデカイ白いのがアブロカナダCF-105アローです。どれも戦後カナダで運用されていた戦闘機です。
この3機はどれも同じ縮尺なのでCF-105の異様なデカさがお分かりになると思います。F-15やSu-27よりも大型で、たぶん戦闘機としては世界最大級の大きさを持つはずです(最大離陸重量はF-15とほど同等でSu-27よりもやや軽い)。
CF-105は北極を経由してアメリカへ向かうソ連の爆撃機を撃墜するための迎撃戦闘機として開発が始められましたが、なんやかんやで開発は試作機が作られただけで中止になり幻の戦闘機となったのでした。仮に制式配備されても現在のCF-18に置き換えられたと思うんでどっち道そんなに長生きしなかったとは思いますが。
なお5機造られた試作機は全機解体されてしまっていて現存機無し。部品の一部だけが各地に散り散りになりながら残っている・・・という状態です。トロントに1機原寸大モックアップがあるという話ですが、それが収蔵されている博物館はやっているのかいないのかよく分からないです。
試作機止まりの幻の戦闘機、仮に配備されれば世界有数の性能を有する(とされる)、現存機無し、というのは何だか日本の艦上戦闘機「烈風」に似たような境遇を持っています。
そういう悲劇的な過去を持っているからか、カナダ人はCF-105を好きみたいで、軍用機を置いてあるカナダの博物館には必ず何らかのCF-105の展示が置いてあります。何箇所か訪れましたが今のところ百発百中全ての博物館で見ました。
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77mm野砲。
第一次世界大戦でドイツが使っていた直接援護用の火砲。
1917年ビミーリッジの戦いでカナダ人がこれを何門か鹵獲してそのままドイツ相手に使った模様。
そのまま本国までかっぱらってきたやつの生き残りってことですかね。
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連合軍の軍馬、ジープ。もう説明不要でしょう(手抜き
これは出目金ジープなので戦後のモデルだと思います。出目金はブサイクかなぁって・・・。
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今際の兵士のマネキン。
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ジオラマの小道具に使われるシャーマン。・・・本当に贅沢な使い方するよな。
市街戦の場面ですかね?
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チャーチルかな?
館内展示はこれで終了。また屋外に出て、最初に見なかったどうでもいい兵器たちを回収していきます。
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17ポンド対戦車砲。おなじみイギリスの76mm対戦車砲です。
効率的な移動のためにクルセイダー巡航戦車に牽引されて運用されてたこともあったとか。それでも効率悪いからか知りませんが、これを戦車に載っけたのがシャーマン・ファイアフライです。
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6ポンド対戦車砲。17ポンド砲の前任でこちらは57mm砲。ここでいうポンドとは砲弾の重さを表していますぞ。
1942年アフリカで使用し始めましたが、ドイツのクソ硬い重戦車には敵わずあっという間に陳腐化、1943年にソッコーで17ポンド砲に置き換えられます。それでも比較的機動力があったのでその後20年間以上使われたそうな。
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野砲は丘の上にあるので丘から戦車を見下ろすことが出来ます。
台座にまだ空きがありますし用地もまだまだ残っているのでやろうと思えばまだ増やせますね。こういう拡張性の余裕は、日本のこの手の博物館(軍事系に限らず鉄道系などの)には皆無なので羨ましいです。
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少し離れた位置にも装甲車があるので見ていきます。
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解説がないのでアレですが、リンクス装甲偵察車のようです。
概説はすでにしたので省略。
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M113装甲兵員輸送車 M113 armoured personal carrier。
1960年アメリカで制式化された装甲車です。ベトナム戦争世代の車両で、起伏の激しいベトナムの土地では「戦場のタクシー」と呼ばれるほど大活躍だったそうな。
NATO諸国を中心に輸出もバカスカ行われた結果、生産数は8万両超えというおびただしい数字に。
もちろんカナダ陸軍でも使われました。通常の兵員輸送車の他に地対空ミサイルを装備した車両もいたようで。
1966年に導入され、後に延命工事を受けて現在も300両弱が現役。2020年辺りまで使う気でいるらしいです。
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M113の派生型、M113A2 TUA。TUAはTOW Under Armourの頭文字で、TOW対戦車ミサイルを搭載した車両です。パッと見ビームでも撃ちそうな形をしていますがね。
TOW対戦ミサイルは、戦車を潰すにはコレ!というくらい歩兵、車両、航空機とあらゆる場面で普及してるんだそうですが、まあ知りませんでしたね。
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こっちはドーザー付きのM113。
そういえばここに置いてある装甲車、どれも履帯に市街地走行用のゴムパッドが付いているんですけど、まさか自走できるのかしら?
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個人的に収穫だったと思うのがこのT-72戦車。ソ連が開発した戦車ですね。こんなのも置いてあるのかと興奮しました。始めて見ましたよ。
ソ連が1972年に制式化した戦車でして、ソ連を始めとした東側陣営の主力装備でした。
低い車高と丸い砲塔が好きなんですが、湾岸戦争ではアメリカのM1戦車とイギリスのチャレンジャー戦車にフルボッコにされていいとこナシでしたとさ。
さて、西側だったカナダになんでT-72がいるのかというと、1990年の東西ドイツ統一後に旧東ドイツ所属だった10両のT-72が性能評価のためにかっぱらってきたようでございます。そして評価試験後に使いみちの無くなったT-72は博物館送りにされたということです。残りの9台もまだカナダのどこかにいるかもしれませんぞ?(オタワでそれっぽい1台を確認済み)
東ドイツの車両だったのに砂漠迷彩なの?と思いましたが、元々深緑色だったのを塗り替えていたようです。
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後方から。
当ててくださいと言わんばかりの燃料タンクが目を引きますね。車高が低いので車外に燃料を搭載する他無かったそうな。これは生存性に少なからず影響を与えたとか。
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正面から。主砲がこっちを睨んでいる・・・。このアングルはかっこいいです。
125mm滑空砲というのがT-72のウリのひとつだったんですが、M1やチャレンジャーと比べてもそんなに優位でもなかったらしい。
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HMCSヒューロンのスクリュー。
DDG-281 HMCSヒューロンはイロコイ級ミサイル駆逐艦の2番艦で、1972年就役、2005年退役の軍艦です。退役後は2007年に標的艦としてバンクーバー島近海で沈められました。
そのHMCSヒューロンから取ってきたスクリューです。英語だとプロペラと言うので言い間違いに注意です。20世紀の海軍の機関室要員達へ捧げるために建造された記念碑、と説明されています。
あんまり子細に観察しませんでしたが、可変ピッチスクリューだそうです。
これで見るものは全て見終えました。前に書いたとおり、展示物全てを見る時間が無かったので、まあまた機会があれば(たぶん無いと思うけど)ゆっくり見てみたいと思います。実機展示を見るだけでも楽しめると思いますよ。
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この後カルガリーのダウンタウンに戻って両親を拾い、カルガリー空港近くのホテルにチェックイン。
ホテルの近くにあるChop Steakhouseで最後の晩餐。思えばステーキばっか食ってますが、何回食べても飽きないし美味しいですぞ。やはり肉が美味い国です。
これでこの日は終了。翌日はついに最終日です。
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