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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その15 【2015/07/08~18】

2016-06-27 23:55:29 | 海外旅行記

2015年7月11日(土)17時9分
アルバータ州ジャスパー VIA鉄道ジャスパー駅

着きました!ジャスパーです!州を越えてアルバータ州に入ったわけですが、ここで標準時が1時間早くなります。

乗客はぞろぞろと降りていきます。バンクーバー~ジャスパーはカナディアンで最も人気のある区間なのです。
理由としては乗車時間は1泊2日と列車で過ごすにはちょうどよく、車窓もよく、アクセスの悪いジャスパーへ直に行くことが出来る、ということもあってこの区間は使いやすいのです。
恐らくバンクーバーから乗ってきた乗客の大半ははここで下車してしまったと思います。逆にジャスパーから乗車する人もいましたが降車客と比べるとまばらでした。
何だかこの区間のためだけに25両も列車を繋いで乗務員もたくさん配置すると考えるとちょっと効率悪いですね。乗務員はこの先にあるウィニペグで総入れ替えされるのでそこで人員調整はされるんでしょうが客車は終点のトロントまでそのまま走り続けるはずです。



ここまで来て客車を観察しない手はないので、後尾に回って列車撮影。ジャスパーでは長時間停車するので見放題です。
うむ、異国だな。



まずは列車の目玉であるパーク形(8700形)展望車、VIA88706(ex-VIA8706) "Glacier Park"。
展望ラウンジ、ドーム席、バー、寝台で構成された合造車です。1954年に18両がバッド社とAMF(American Machine & Foundry)で製造され現在は14両が現役(以下特記除き製造所は同じ)。車両の愛称はカナダの国立公園にちなんでいます。
2014年に通常の寝台より上級クラスであるプレステージ寝台に改造されていて、その際原番号に+80000されています。幕板部の帯が黒に変更されているので見分けは簡単です。
ラウンジ部分は流線型になっていて列車の編成に華を添えます。昔のCPのポスターに描かれている列車は大抵展望車だったのでやはり目玉だったのでしょう。
この部分もステンレス鋼で出来ていて、どこか南海電鉄6000系を彷彿とさせます。



台車に関しては無学なので写真を載せるだけにしておきます。
どの客車も同様の台車です。



シャトー形(8200形)寝台車(プレステージ仕様)、VIA88210(ex-VIA8210) "Chateau Jolliet"。
1954年に29両が製造され全車が現役。愛称はカナダの歴史上の人物にちなんでいます。
VIA88210はシャトー形寝台車を種車にプレステージ寝台に改造した車両。原型のシャトー形はルーメットを多く配置した寝台車でしたが、改造に際し室内レイアウトは刷新され全て2人用個室になりました。塞がれた幕板部のルーメットの窓が面影を残しています。改造時にやはり原番号に+80000されています。



今回の寝床となったマナー形(8300形)寝台車、VIA8341 "Thompson Manor"。
1954~1955年に40両が製造され現在は38両が現役。愛称はカナダの歴史上の人物にちなんでいます。
シャトー形とは寝台の構成が異なっており、2人用個室を多く配置しています。



ひどいランチをお見舞いされた8400形食堂車、VIA8407 "Emerald"。
1955年に18両が製造され13両が現役。愛称はカナダの有名なホテルにちなんでいます。

ちなみに数字の形式(8400形とか)は筆者が勝手に付けてるだけの非公式なものなんであしからず。



起きてる時間の大半はここで過ごしたスカイライン形(8500形)ドーム車、VIA8507。
1954~1955年に17両製造され15両が現役。愛称のスカイラインは全車共通で、カナディアンロッキーを登った登山家グループ"Skyline Trail Hikers of the Canadian Rockies"にちなんでいます。
車両の屋根から車窓を眺められるドーム席を筆頭にラウンジ、スナックバーなどを備える定員0名の車両です。



走るビニールハウスことパノラマドーム形(1700形)展望車VIA1720。
2000年にコロラド車輌で3両が製造され全車現役。
バッド製ステンレス客車で占められている列車の中でただ1両塗装が施された異端車です。コロラド車輌の2階建て展望車ウルトラドームを平屋にしたような客車で、眺望性はウルトラドーム譲りで非常に良いです。ただし窓ガラスは紫外線吸収処理されているのでここから写真を撮るのは不向き。これも定員0名で、観光シーズンにのみ連結されます。



8100形座席車VIA8142。
座席車はカナディアンパシフィック(CP)が発注した1954年バッドとAMF製の30両(VIA8100~VIA8129)と、アメリカのある鉄道が発注した1946~1947年セプタ社製の18両(VIA8130~VIA8147)の2グループに分けられます。カナディアンに使用されている寝台車や展望車等は全てCPが発注したものですが、座席車はこのように少し事情が異なっています。愛称は無し。
写真の客車はアメリカの客車ですので車齢約70年・・・。普通だったら間違いなく博物館行きなんですけどねぇ。
CP発注の客車との識別点は、アメリカ発注車は帯が貼られている幕板部にもコルゲートが走っていることと(CP車には無い)、乗降扉の角が四角いこと(CP車は角が丸い)です。当時は気づかなかったので、座席車はこれ1両しか撮影しませんでした。残念。



8600形荷物車VIA8609。
荷物車もCP発注の1954年製18両(VIA8600~VIA8617)の他にユニオンパシフィック発注の1963年製6両(VIA8618~VIA8623)が在籍しています。現在は19両が現役。写真の車はCP発注の車です。愛称は無し。
スーツケース100個やカヌーくらい大きいものでも載せられる広さが自慢。
この荷物車は全室荷物室ではなく乗務員用の寝台や休憩室、事務室などになっています。恐らく半分程度がそうなっているでしょう。何だか窓を埋めたような跡が生々しく残っていますが詳しいことは不明。
なおUP車は外観が全く異なるので見分けは簡単です。



そしてディーゼル機関車、EMD F40PH-3D形VIA6420+VIA6459号機の重連です。
1986~1989年にかけて導入されたVIA鉄道の主力機関車です。VIA鉄道の他にアムトラックや大都市の郊外通勤鉄道でも導入されていて、アムトラックでは機関車としては引退しましたが(無動力制御車としてなら今も走っている)VIAを始め他の鉄道ではまだ現役なことが多いです。
VIAのF40PH-3Dは、元々F40PH-2としてCPやCNから引き継いだ老朽機関車を置き換えるために登場、60機(VIA6400~VIA6459)が製造されました。塗装はもちろん、ヘッドライトが3灯、チカチカ点滅するディッチライトが台枠下に装着されるなど独自の仕様変更が見られます。おかげで模型化されない。
2006~2012年には更新工事を施工され、エンジン、モーター、電装品の換装、制御コンピューターや自己診断システムの装備、塗装変更などの工事を受けました。加えてHEPシステム(サービス用電源)を走行用エンジンから独立させて新たに別のエンジンを設置したので、その分車体後部を延長しています。そのため後ろ側のデッキは撤去されています。おかげで余計に模型化されない。この更新工事により形式がF40PH-2からF40PH-3Dに変更されました。

という風に走行装置はほぼ別物といえるくらいに交換されたので、当面は現役に留まることと思います。アムトラックの主力機関車P42DCが新型に置き換えられる時が換え時なんじゃないかなと思いますが果たして・・・?
運用範囲ですが、VIAにはより新しいP42DC形が在籍しているにも関わらずP42DCは短距離列車「コリドー」にのみ充当されているので、カナディアンを始めとした長距離列車の牽引機は全てF40PH-3Dが担当しており、カナダ全土を文字通り縦横無尽走っています。

HEPという言葉がついに出てきたんでついでに説明しておくと、先も書いたように客車用のサービス電源です。Head-end power略してHEPです。
カナダおよびアメリカのディーゼル機関車は電気式ディーゼルですから、発電ができます。走行用に使う電力を少し拝借して、あるいはHEP用発電機を別に搭載して(F40PH-3D更新機は後者)客車の照明、冷暖房、電源ポートなどなどに供給しています。また客車側にも電力を受けられるよう配線の引き通しが必要です。
対して日本では客車に発電機を積んでサービス電源を供給しているので対照的です。なので北米の客車には基本的に電源車は存在しません。強いて言うと機関車が電源車も兼ねています。北米ディーゼル機関車は未だに旅客用と貨物用が明確に区別されていますが、それはHEPシステムを積んでいるかいないかというのが重要な識別点のひとつだからといえます(貨物機が客車列車を牽こうとすると・・・というのは次回)。
HEPが普及し始めたのは1970~80年代あたりからで、それまでは蒸気暖房と車軸発電機で賄っていました。カナディアンのステンレス客車も元はこの組み合わせで、後年HEP化改造が行われました。ちなみにVIAではこの組み合わせは90年代まで使われていて、意外と最近まで残っていました。



編成全体を。
重連はサマになりますね。重連で運行するのは、牽引力の増強というより航続距離と冗長性の確保が目的だと思っているんですけど、どうなんでしょう?
貨物列車が貨車100両程度を重連で運転しているんですから、それより短くて軽い客車列車なら単機でも行けると思うんです。
特に冗長性確保は重要と考えます。人気のない区間で立ち往生してしまったらタダ事じゃないですからね。



背後のカナディアンロッキーと共に。空気が澄んでいないのでイマイチですが。
ジャスパー駅はVIAの旅客駅の他にCNの貨物ヤードも備えています。



見える範囲の貨車を撮影。
LAFX60144。3ベイ・クローズドホッパ車ですね。3ベイというのは貨車としては小さい方で、きっと比重が大きい貨物・・・貨車の所有者がLafargeHolcimという建材会社なので、たぶんセメントあたりを積んでいるんでしょう。



ハイキューブ有蓋車のTBOX665955。
所有者はTTXで、北米大手の貨車のリース会社です。この有蓋車を始めコンテナ車、車運車、無蓋車、長物車など22万両の車両を持ってるとかなんとか。22万両って、日本の鉄道全てが束になっても届かなそうな数字です。



同じくハイキューブ有蓋車のDWC793126。
所有者はDuluth, Winnipeg and Pacific Railwayということになってますが、CNのアメリカ内の子会社のひとつです。

というところで今日はここまで。


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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その14 【2015/07/08~18】

2016-06-26 23:19:00 | 海外旅行記

2015年7月11日(土)12時33分
VIA鉄道カナディアン号車内

湿地帯のようなところを通過します。ここも山火事にあったのか?という感じの木の生え方をしています。
で、お昼ごはんの時間になったので再び食堂車へと移ります。
お昼の時間は朝食を食べるときに予め決めておきます。



本日のスープ。ミネストローネです。うまい。



白ワイン。よさ。



メイン。
海老と帆立のグリルのベリーソース和え、なんかのサラダ、スイカです。うん、あのこれはね・・・口に合わなかったぞ。
海産物と甘いソースそれぞれは美味しいのですが、それを合わせるというのは壊滅的な組み合わせでした。ベリーソースは最悪だ。これだから欧米のセンスは分からない。

メインは数種類から選べるんですけどね、コレ選んだんです。
なんでって、昨夜にも会った日本人団体客とここに来る直前話していて、彼らは既に昼食を終えていたんですけどその時これが美味しかったと口を揃えて言っていたんで、じゃあ同じのにしようとなったんです。その結果がコレだよ。
その団体客、見るからに団塊って感じの風貌の人達ばかりだったのでこの組み合わせ嫌いだと思うんですけどね、何なんでしょうね(逆ギレ
まあ全部食べたんですけど。



デザート。
名前を思い出せないけど、りんごの焼き菓子とアイスクリーム。これは激ウマ。
やはり料理の質は良いのですよ、ただ嗜好が合わなかったんだな。

自業自得とはいえ一番楽しみにしていた昼食で肩透かし喰らったんでちょっとアレな気分となりました。かなり失点・・・。
みんなもメニューはちゃんと見ような!



昼食後は一番後ろのパーク形展望車へ。ラウンジには誰もいなかったので撮影。
カナディアンの象徴といえるこの展望車にいつでも乗れるというのがこの列車の魅力のひとつです。アムトラックでは窓を大きくしたラウンジ車はあれど展望車は走ってないですから、北米で唯一定期運用に入っている展望車です(カナディアンの他にもオーシャン号などの長距離列車にも充当されています)
展望車というと大井川鐵道のスイテ82形のような開放デッキ型を想像しますが、カナディアン号の展望車はデッキのない密閉型です。1930年代以降に流行ったスタイルで、流線型の車体が美しい車両です。
なお実際に乗ってみると車内からの眺望性は意外と悪かったです。肝心の真後ろの窓が貫通扉になっていて小さいんですね。ここは流れる景色を流し見しながら談笑するというのが正しい使い方なんだと思います。
車内はプレステージ寝台に合わせて更新されているのでとても綺麗で豪華。



後ろから線路を眺める。展望車に乗った時は絶対にやるやつですな。
乗ってる分には感じないんですが結構山を登ってきているんだと思います。



ドーム席への階段の部分。この部分だけ2階建て構造になっています。
階段の横には珈琲と紅茶、あとお茶菓子があります。例によってがぶ飲み。いい加減コーヒー飲むくらいしかすることないんですね。それだけ長くてゆっくりとした時間が流れています。
他の車両へ移る時は左の通路を通ります。階下には乗務員室だとかギャレーだとかがあります。



GE Dash9-44CW形CN2200号機とすれ違い。



展望車のドーム席でボケっと過ごします。もう何も考えずに景色が流れるのを見るだけ。ある意味贅沢な過ごし方です。



段々標高の高い山が見えてくるようになりました。カナディアンロッキーが近くなってきたようです。



あれはスキー場とかになるのかな?



トンネルを通過します。これってダブルスタック通れるのかな?



湖の横を通過。ムース湖でしょう。



一際大きい山が見えてきました。あれがカナディアンロッキー最高峰のロブソン山かな?ちょっとモヤッてるけど見られてよかった。

しばらくするとあと少しでジャスパー駅に到着するとの放送が入りました。寝台車に戻って身支度をします。
ジャスパーに到着したのは17時ごろ。1時間遅れでしたがこれくらいは想定の範疇なので、まあ定時でしょうw M60は定時。

というわけでカナディアン号の旅でした。
大陸横断列車の旅を一端ですが楽しむことが出来て大変よろしかったです。2日目のお昼の後からはすることがなく、久々に頭を空っぽにしてだらだら過ごせたと思います。
カナディアンはいいぞ(クソ適当


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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その13 【2015/07/08~18】

2016-06-25 22:39:00 | 海外旅行記

2015年7月11日(土)9時55分
VIA鉄道カナディアン号車内

カムループスで列車は北に進路を取り、ノーストンプソン川沿いを進みます。
朝に見たような川岸ギリギリを走るようなことはせず、陸地が広がるところを走るようになった気がします。こんな風に牧草地も広がっていますしね。



ジャスパー到着まではまだまだかかりますので、車内探検と行きましょう。
マナー形寝台車には1人用個室寝台(ルーメット)、2人用個室寝台、開放二段寝台、トイレ洗面所、シャワー室があります。そう、これらの設備を1両に全部詰め込んでいるのです。
寝台の種類を1両に集中して配置する日本の寝台車とは対照的です。客車の固定編成化が進んでいた日本の寝台車と比べて、カナダでは需要の増減にきめ細かく対応する必要があったのでしょう。
マナー形には1両につき1人用個室が4部屋、2人用個室が6部屋、開放寝台が3区画、シャワーが1部屋、トイレ洗面所が2部屋という構成になっています。
ちなみにシャトー形寝台車では1人用個室が8部屋、2人用個室が4部屋、あとは同じ、という風に1人用個室を多めに配置しています。ただし今日の列車には連結されていませんでした。
シャワー室が各車にありしかも使用制限なし(もちろん常識の範囲で)というのは隔絶の感があります。トイレと洗面台も個室には各部屋にあるし、水は持つのかしら・・・。

で、この写真は開放寝台でして、二段寝台となっています。ベッドは583系などと同じレール方向に配置されたプルマン式と呼ばれるもの。ベッドを使わない時は寝台を畳んでボックス座席に変えられます。これも583系と同じ。
値段も個室よりお安くなっています。



座席形態がこんなかんじ。ご覧のとおりプライバシーとセキュリティは無いです。
というか個室寝台にも部屋に鍵がかけられないのでセキュリティは開放とさほど変わらないんですね・・・。なので貴重品は常に持ち歩いていました。ここはちょっと失点でした。なおプレステージにはカードキーがあります。



何両も続く寝台車の貫通扉を押しのけガラスルーフ形客車へ。なんせ25両(うち営業車は22両)もあるので客車を端から端まで行くだけで軽い運動です。
日本でもこれだけのものはないだろうと思うくらいほぼ窓ガラスという大変眺望の良い車両ですが私の第一印象はビニールハウスでした・・・。とはいえ冷房は効いているので蒸し焼きにはなりませんぞ。
座席はリクライニングシートで、向きを変えられるのかは・・・忘れた。
前も書きましたが、3両しか無いためカナディアンの運用全部に入れるのは無理で、当たるかどうかはその日次第です。また夏期の多客時にしか連結されません。



スカイライン形ドーム車へ。
この日の列車のドーム車はなんと3両も連結されていました。他に食堂車が2両、展望車が2両あるので営業客車22両中7両(最後尾の展望車の半分は寝台もある合造車なので正確には6.5両か)が定員のない、言ってしまえば儲けのない客車がおよそ3割を占めます。
人件費諸々も含めて、運行経費すごいんだろうな。公営だから出来るワザなのかもしれないです。単純比較できる話じゃないですがJRだったらムリでしょ。
とはいえ客にもいい値段を取らせるのでこれくらいしてもらわないと、と貧乏人は思うわけです。

脱線しましたが、3両繋がれているスカイライン形のうち1番手前の車は実質座席車の乗客用にあつらえられたものです。座席車の客はこの客車より後ろには立ち入りできない(そのすぐ後ろの食堂車には食事のために入れたかもしれない)ため、ここが唯一の憩いの場になります。立ち入り禁止の注意書きはご丁寧に日本語でも書かれているので言い逃れは厳しいぞ!
座席車客用の食べ物の売店がここにあるのですが、他のスカイライン形にはそれが無いことからもそれが伺えます。
活動範囲が自分の座席とドーム車とたまに長時間停車する駅のホームだけというのはちょっとストレスになるかもしれません。



ドーム席。定員は20名。意外とどこも空いてるんですね。



そして最後、長距離座席車。結構賑わっているんだなと。
座席には余裕があり、JRの4列グリーン車と同じくらいの座席幅とシートピッチという印象でした。座ってないのでなんとも言えんですが。

あとこれは全クラス共通ですが、Wi-Fiは飛んでいません。加えて人の住まない地域を走るため無電波地帯が多いです。11日はジャスパーに着くまで電波は入っていなかったと記憶しています。Wi-Fiルーターはどう動作するのかは分かりません。まあ一日くらい圏外で過ごすのも悪く無いでしょう。



座席車には荷物棚があります。



それと座席車には鉄道模型が置いてありました。なぜか他社の機関車ばかりでしたが・・・。



休憩がてらドーム席に座ってると信号場でSD70M-2形CN8898号機の貨物列車と離合。こっちが停車して道を譲ります。



客車の屋根を観察。冷房などは露出しておらずスッキリとした外観です。
屋根にはコルゲートが走っており、ライセンス供与を受けた東急車輌のそれと瓜二つの仕上がりは、なるほどバッド社の仕事だなと頷けるものです。縁の処理なんてのはまさに東急の電車!といえます。



別の信号場にて。
山間を走っているのでカーブが多く、右に左に曲がる列車を眺めるのは楽しいです。



カーブを抜ける手前ではCNの軌陸車が退避していました。ピックアップ改造の軌陸車は何だか強そうですね。

こんなところで今日はここまで。


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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その12 【2015/07/08~18】

2016-06-24 22:12:18 | 海外旅行記

2015年7月11日(土)5時7分
ブリティッシュコロンビア州トンプソン川沿い VIA鉄道カナディアン号車内

翌朝になりました。よく眠れましたね。
列車はバンクーバー近郊を抜けるとフレーザー川に沿って敷かれた線路の上を走るのですが、恐らく既にその支流のトンプソン川に入ったのだと思います。
このように川岸の両側に線路が敷かれています。例によって持ち主がわからないのですが、どっちかがカナディアンナショナル(CN)の線路、もう一方がカナディアンパシフィック(CP)の線路だと思います。川沿いにしか鉄道を通す経路が無かったんでしょう。片方の線路が災害等で封鎖されても融通できそうですしね。第一この写真の部分、絶対山崩れ起きて線路埋もれたでしょう。
ちなみにいま対岸を走ってる貨物列車の貨車は空のダブルスタックです。いわゆる空コキ。



長い・・・先頭が見えない。
ていうか列車に注目する前に突っ込むべき所として、ここの山々って樹木が少なすぎです。視界いっぱいに荒涼とした山地が広がります。
どうも以前に山火事があったっぽいですね。木の燃えカスがあちこちに・・・。ただ既に山火事後に生えた木が成長してきていますね。
最近は山火事も自然のサイクルのひとつと捉える向きがあるようで、市民の命や財産に影響がないところではあえて放ったらかすようです。ただ鉄道会社の財産のひとつである線路はこの様子だとどうも放ったらかしにされたようですけど・・・。



へばりつくように敷設された線路。こういう線路はジオラマで見たことはありましたが、本当にあったんですね。
トンネルと岩盤シェルター(?)はなんだかアメリカ離れした景色です。日本でもこういうのは無いし、カナダ特有の鉄道風景のひとつと言えるかもしれません。



ホッパ車とタンク車で構成されたCPの貨物列車。



CPの貨物列車。重連補機にはユニオンパシフィックの機関車が連結されています。CPとUPはそれぞれ機関車を借りて運行できるみたいな協定があるらしいです。
貨車も含めてそこらへんの境界はかなり曖昧になっています。鉄道模型をやる側にとっては色々と変化をつけられて楽しいものですが。



カナディアンの先頭が見えたので。
今にでも山崩れに遭ってそのまま死ぬだろうなっていう地形ですね、ほんと。



CNの貨物列車。
CNもここを通るということは、やはりバンクーバー~カムループスの川沿い区間はCNとCPがそれぞれ線路を所有しつつも通行に関しては両社で融通しあってるということなんでしょうな。一社では単線の線路のところを両社がそれぞれ通行できるようにすれば複線として使うことが出来て貨物のスムーズな輸送が可能なわけです。
この区間はカナダ東西を結ぶ大幹線、特にCPにとっては他の代替ルートが無いのでここの輸送量を落とすわけには行かないのだと思います。なおCNには自社のプリンスジョージ経由の北回りルートが別にあります。またCPも自社線ではないですがアメリカ内に通行権を持つ鉄道があるのかもしれません。



貨車はタンク車、材木車、ホッパ車、有蓋車、無蓋車、車運車と多種多様。このような雑多な組成が現在も行われているのも北米貨物列車の魅力です。
繋ぐ貨車は種類も所有者も何でもあり、というのは鉄道模型をやる時に考え無しで走らせられるので楽で助かります。



朝日。今日もいい天気ですぞ。



この区間本当に大幹線のようで、割とひっきりなしに貨物が何本もすれ違っていきました。この景色からは想像つかないものです。
山の中腹には信号場がありダブルストックトレインが停まっていました。あれは多分近年に建設された新線なのかもしれません。



朝ご飯の時間になったので食堂車へと向かいます。乗客が多いので食堂車だけで2両(両者は離れたところに連結されている)、それを数回ほど回転させて捌いていきます。



メニューはオムレツ、じゃがいもの細切り、ハムと果物。コンチネンタルブレックファストです。ついでにコーヒーは飲み放題。食堂車にある厨房で作っているので美味ですぞ。
ちなみに寝台車の料金には食事も含まれています。座席車にはこれがないので事前に何か持ち込むかドームカーにある売店で買うことになります。



ご飯を頂いた後は、ドームカーへ。座って少しすると、8時前に最初の停車駅カムループス駅へと到着しました。定時だと6時到着なので既に2時間遅れてますね・・・。
ちなみにこれより前にも停車駅は設定されてるんですがどこも田舎駅なので、リクエストがないと通過してしまうというバス方式。カムループスはまあまあ大きい町なので必ず停車します。



左に目をやるとダブルスタックトレインが停車しています。貨物ヤードもあるのですな。
バンクーバーから同じ経路を走っていたCNとCPはここカムループスでふた手に分かれます。ジャスパーおよびエドモントン経由の北回りはCN、バンフおよびカルガリー経由の南回りはCPの路線になります。



入換中のEMD SD40-2形CN6023号機。SD40はボンネットが長いのが特徴です。



EMD SD70M-2形CN8892号機+GE Dash8-40CW形IC2455号機の貨物列車。ここで停車して貨車ごと入換に入りました。



転線してきたIC2455。CN8892はともかく後ろのIC2455は何ぞやという感じで、まず色が違います。青い。あと報告記号もICという聞いたこと無いやつです。
最初に報告記号について答えますが、これはアメリカの旧イリノイセントラル鉄道の報告記号です。イリノイ州シカゴから南に線路を伸ばしメキシコ湾のあるルイジアナ州ニューオーリンズまで続くアメリカ中部を南北に貫く路線などを持つ鉄道でした。「旧」および「でした」と書いたのは、この鉄道は現在CNに買収されて消滅したからです。
CNって実はアメリカにも路線を持っていて、このICの買収によってCNは大西洋、太平洋、そしてメキシコ湾という3つの海に接続するという稀有な鉄道になっています。CPもスーラインというアメリカ国内で運行するための子会社を持っていて、アメリカ進出をしています。他国資本の鉄道に自国の物流インフラの一部を握られていて、アメリカ的には許せてるんでしょうかねコレ?
そんなわけで、これはCNに買収されたICの機関車なわけなのです。買収した側は買収された側の鉄道の報告記号を継続して使うことができるのでこうなってるのです。

じゃあこれはロゴはCNだけどもICの塗装なんだね、と思っていたんですが実はロコモーティブ・マネージメント・サービスの塗装で、元は同社の機関車(ex-LMSX728)でした・・・。LMSの報告記号はLMSXで、末尾にXと付いているので車両だけ保有している会社ということになります。社名からして機関車のリース会社なんでしょう。
ICがLMSから機関車を購入した時にLMSの青塗装を変更せずそのまま使い、それからICがCNに買収されたという話なわけですか、ややこしいな。



最後にGE Dash9-44CW形CN2538号機。
(たぶん)誰も乗り降りしないままカムループスを発車したところで今日はここまで。


その13へ→

北米project 5 ~How do you like Canada? ダイジェスト版

2016-06-23 23:13:33 | 日常記

2016年6月15~22日にかけてカナダのオンタリオ州およびケベック州に旅行に行ってきました!まだ連載が溜まっているのに性懲りもなく、北米旅行もこれで5回目です。こんなに行くとは思わなかった。例によって超簡単な速報版をお届けします。

6月15日の夕方に家を出発してビクトリア空港に行きバンクーバー行きの飛行機に乗ります。そこからトロント行に乗り換えます。
機材は777でしたが、先月初飛行したばかりのできたてホヤホヤの機体でした。機内エンターテイメントが充実していたので快適に過ごせました。
トロントには16日の早朝に到着。ここから1日フルに使います。



この日はとりあえずトロントは素通りして、最終的にナイアガラフォールズへと向かいます。ただしまっすぐ向かうはずもなく、途中には魅力的なあんなものやこんなものがありますのでそこに寄っていきます。
魅力的なあんなものとは、カナダ軍用機博物館。機体の動態保存も行っている博物館で、訪れた時にはちょうどイギリス空軍の爆撃機ランカスターがエンジンテストを行っていました!4発機はうるっさいですね。



続いて魅力的なこんなものは、カナダ海軍の駆逐艦HMCSハイダです。とっくの昔に退役した博物館船です。
戦後に改装されていますが元は第二次大戦期に建造された駆逐艦であり、当時の駆逐艦の雰囲気を感じられる貴重な艦です。
これの見学後はナイアガラフォールズへ向かいそこで一泊。



17日。
この日はナイアガラフォールズを満喫します。ここの目玉は文字通りナイアガラの滝ですので、もちろんそれを見ます。
滝の目前まで迫る遊覧船は欠かせません。こんだけの水、どっから湧いてくるんだって感じです。



展望塔のスカイロンタワーにも上ります。塔にはあまり上らない私ですがこれは上ってよかったと思いました。
この日もナイアガラフォールズで一泊。



18日。
早朝から活動を始めて、とっととトロントへと戻ります。
トロントのユニオン駅では列車の撮影などをやってました。VIA鉄道のP42DCを撮影出来たのは収穫でした。



ユニオン駅の近くにあるトロント鉄道博物館へ行きました。
カナディアンパシフィックの転車台と扇形車庫を再活用した博物館です。扇形車庫が巨大で、ピットはなんと32線!もちろん実車も展示されています。
個人的に注目の展示物はディーゼル機関車の運転シュミレーターでした。ディーゼル機関車の運転室は未だ見たことなかったので興味深かったです。日本のそれとは全く異なるものでした。



博物館見学後は、トロント地下鉄の撮影をば。
地下鉄には古いのと新しいのと小さいのの3種類が走ってます。写真のは古い方の電車であるT形。東急とか走ってそうな形をしていますな。
意外と地下鉄に時間がかかってしまい、これでトロントの滞在は終了。夕方にはユニオン駅に戻り、ここからVIA鉄道の列車コリドー号に乗りオタワへ。そのままオタワで一泊。



19日。
今日も博物館見学。次はカナダ航空宇宙博物館です。黎明期から現代までのカナダに関した航空機を多く展示しています。種類も戦闘機、爆撃機、複葉機、水上機、ティルトウィング機などなど。幻の戦闘機CF-105アローが一応目玉なんですかね?ノーズモックアップですけど・・・。
ちなみにここにはアメリカ空軍博物館のような隠しハンガーがあって1日数回ガイドツアーが行われるんですが、なんと改装中で閉鎖されてました。トホホ・・・。ここは再履修ですね。
展示の仕方も良くて、博物館としてもいい所です。おすすめ。



見学後は世界遺産リドー運河へ。
今も現役の運河であり、運よくボートが運河を遡上するところに出くわしました。運河の仕組みを知るにはいい場所ですね。
この日もオタワで一泊。



20日。
また博物館見学。今日はカナダ戦争博物館です。戦争博物館というのは日本にはないジャンルですな(遊就館は戦争博物館とは違う何かでしょう
ここには戦車、野砲、軍用車が多く収蔵されていて、これら目当てで来ました。戦車なんかだとセンチュリオン、パンター、M3リー、T-34/85といったガルパンにも出てきたあの戦車たちも収蔵されています。



オタワはカナダの首都ですので、国会議事堂に挨拶をしていかないわけにはいきません。というわけで見学。
議場はイギリスのような左右に分かれてそれぞれ向かい合う座席配置。また議席数も日本より少ない感じでした。
見学後はVIA鉄道のオタワ駅に向かい、再びコリドー号に乗ってケベック州モントリオールへ。そのままモントリオールで一泊。



21日。
懲りずに博物館。今回最強の博物館だったカナダ鉄道博物館です。主に蒸気機関車とその時期に使われていた貨車や客車を展示していて、収蔵数では恐らくカナダ最大の鉄道博物館です。



メインの展示場だけでもお腹いっぱいなのに、さらに第2展示場もあります。加えて屋外展示もあり、1日過ごすのはわけない場所です。
これはカナディアンナショナルのCN5702ですが、動輪直径が2000mm(80")ある超巨大機。他にも巨大機が数機保存されていて、いやはやC62が中型機に見えてくる感じでした。
静態保存機がほとんどですが、路面電車が動態保存されていてこの日も敷地内の線路を遊覧運転していました。
この日もモントリオールで一泊。



22日、最終日です。
もう見るものは全部見たって感じなのといい加減疲労が溜まってきたので、この日はゆるりと行動。
まずはレッドパス博物館を見学。大学内にある考古学系の博物館です。ゴルゴサウルスの骨格標本が目玉。

関係ない話ですが、ケベック州はフランス語が公用語で多くの市民はフランス語を話します。フランス語は全くしゃべれないわけですが、英語で話しかけても普通に会話できました。さすがに学校でフランス語しか習わないというわけではないらしいです。



それからはモントリオールの旧市街をぶらぶらしていました。ヨーロッパ調の町並みで、パリを思い出しました。
夕方にモントリオール空港に向かい帰りの飛行機に乗りビクトリアへ帰りました。

さて本連載ですが、いま執筆中の北米P3は周回遅れが確実視されており、その上カリフォルニアの北米P4も長期化が避けられないことから連載開始はヘタすると1年以上先というバカみたいな事態が予想されます。
とりあえず北米Pシリーズは3が終わったら、他の記事と並行して4の連載をすぐに始めていく感じにして優先して片付けるようにしますので、少しは早まるかも?しれません。
この身に何か起きない限りは必ず執筆しますんで、まあ首を長くして待っていてください。

【ギャラリー】 大日本帝国海軍 特型駆逐艦「吹雪」(1941年) 【1/700】

2016-06-21 23:30:00 | 模型ギャラリー

■使用キット:1/700 ヤマシタホビー 特型駆逐艦吹雪
■仕様:1941年開戦時

期待の新人ヤマシタホビーの艦船モデルです。吹雪のプラモデルはタミヤが発売していますがだいぶ前のキットということもあり今の目で見ると大雑把という印象で、当キットはそれの上位互換という感じです。
元々ディテールアップパーツを販売していたこともあってピットロードやフジミに負けない出来です。愛を感じます。逆に言えばそれだけ細かいパーツ多くて作るのが大変です。毎回恒例のパーツ紛失を今回もしでかしました。



横から。
タミヤ製と比べてみて一番違いを感じたのは煙突の傾きで、ヤマシタホビーの方が小さいように感じました。



後ろから。
スマートなのが駆逐艦の魅力ですが1隻だと構図が寂しいことに。やはり駆逐艦は揃えてなんぼです。



前部。
艦橋の窓ガラスはクリアパーツになっていますが、これをランナーから外す時ニッパーを使うとパーツが破断して運が悪いと外れた方のパーツが飛んでどっか行きます。ZBSでも観測されたので割とよく起こる事象かもしれません。みんなも気をつけるんだぞ。



中央部。
とても細かい(ゲッソリ
第1煙突脇の吸気口はこんな形だっけ?ってくらいにタミヤ製と形が異なってました。
最近張り線の展張が下手クソになってる気がするんで、またちょっと意識を高めていかなければならないです。



後部。
2番3番砲塔の基部の軌条が省略されているらしいですが、作っている時は1ミリも気づかなかったんでそのままです。
WLシリーズではおなじみの旭日旗はこれにはついてなかったんで少しさみしい。まあ旗棒無くしたんでどうしようもないんですけど。

以上、駆逐艦吹雪でした。

【1/700】 駆逐艦「吹雪」製作 【ヤマシタホビー】

2016-06-20 23:59:03 | 艦船模型製作記
2015年9月のある日まで遡るんですが、家に謎の小包が届きました。なんとZBSからの宅配テロでした。中身はカラーコーン・・・ではなく食い物、夏コミで頼んだ薄い本、ZBS製薄い本の在庫、あとはこのプラモデルでした。どないせいちゅう感じですが、なんやかんや作ることになりました。

キットは駆逐艦「吹雪」です。吹雪は以前にもタミヤ製を作りましたがこれはヤマシタホビー製です。ヤマシタホビーは聞いたことのないメーカーでしたが、艦船模型のディテールアップパーツを販売しているんだそうです。
そこが初めて船を丸々出すということで製品発表時には話題となって、私も気になっていました。


部品は細かいですが駆逐艦作るなんてのはもう慣れたもので、サクサクと組み立てていきます。
塗装はスプレー缶ではなく筆塗りですが、意外とムラが起きなかったです。筆なので地獄の甲板マスキングもしなくていいですし、こっちのほうが楽かも。
ただ海上自衛隊の護衛艦くらいまで平面の面積が大きいとムラが出てきてしまうので、大きさによりけりですね。


ハイ完成。写真撮ってなかったのよ。
ZBSにも記事があるから見てみるといいんじゃないかな?


密度が濃いです。フジミやピットロードに負けていません!


重巡洋艦「鈴谷」と。親子ほどの差がありますね。


護衛艦「あけぼの」と。現代の駆逐艦は大型化が進んでいるなんて話を聞くものの今までイマイチパッと来なかったのですが、模型を並べてみるとなるほどねってなります。確かにデカいわ。

というわけで吹雪でした。
良いキットだったので次回作の「響」も楽しみです。たぶん買いますよ。ゆくゆくはWLシリーズに匹敵するシリーズになればいいなと思います。
 

【ギャラリー】 イギリス空軍 スーパーマリン スピットファイアMk.I

2016-06-19 22:42:09 | 模型ギャラリー

■使用キット:1/72 Airfix Supermarine Spitfire Mk.I/Mk.IIa
■仕様:イギリス空軍ダックスフォード基地 第19飛行隊(1938年8月)

急に飛行機が作りたくなったので、安くて関心があって作りやすそうなキットということでエアフィックスのスピットファイアを選びました。
新しいキットのようでサクサクと組立てられ、また初心者向けキットなのかモールドの彫りが深く、筆塗りしてもモールドが埋まらないという良キットでした。



スピットファイアMk.Iは同機最初の量産型で、太い木製2枚のプロペラと平らなキャノピー(非マルコムキャノピー)が特徴です。



製作はほぼ素組みです。加工はパテを使ったプロペラスピナーの合わせ目埋め、エンジン排気管の穴開け、アンテナ線の展張くらいです。人によっては加工の範疇にも入らないでしょうね。
塗装は筆塗りです。なので迷彩のボケは無いです。スミ入れを黒で施したのでやや主張が過ぎておもちゃっぽく見えてしまったのは反省点です。
プロペラ先端は黄色塗装なのですが、塗料を所持しておらず、かといってそのワンポイントのためにわざわざ買うのも勿体無いので省略してあります。日本に帰ったら塗ります。



腹側は白と黒が半々で塗られた奇抜なもの。これは地上の対空砲部隊が味方を敵と誤認しないようにするための識別塗装だったとか。ただ低空ならともかく高空だと見分けつかなかったようです。












以上、スーパーマリン スピットファイアMk.Iでした。

【1/72】 スーパーマリン・スピットファイアMk.I製作 【Airfix】

2016-06-18 22:06:09 | 航空機模型製作記

最近はガンプラと船を交互に作ってきましたが、ちょっと飽きが出てきたので気分を変えて飛行機プラモを久々に作ることにしました。最後に作ったのは零戦ですね。
選んだのはエアフィックスの1/72スーパーマリン・スピットファイアMk.I。安かったのとスピットファイアに興味津々なのでこれに手を出すことにしました。目指せスピットファイア全種コンプリート!(無理
海外プラモは箱が薄く広くて、要は面積を取るので積み場所に難儀してしまいますがこれは小さくまとまっています。やっぱこのくらいがちょうどいいよね。



仮組み。
エアフィックスのキットを作るのは初めてのことでしたがこれは最近発売されたキットらしく、とても組み立て易いキットでした。サクサク形になります。成型色がなんだかサフを吹いたみたいな色をしているのが珍しいですかね?

このキットはMk.IとMk.IIaの選択式で、私はMk.Iを選択。Mk.Iはスピットファイアの最初期の量産型です。Mk.IIaはその改良型ですが試作機の域を出ていません。
目につくのがプロペラで、これなんと木製固定ピッチ2枚翅なのです。随分とノンキな戦争をやろうとしていたもんですな。尤もすぐに金属可変ピッチ3枚翅プロペラに換装されたようで。2枚翅タイプの現存機も残っていませんし。
あとはコックピットキャノピーがマルコムキャノピーでないのもMk.Iの特徴です。マルコムキャノピーというのはやや膨らませたキャノピーのガラスとバックミラーを装備したキャノピーのこと。後方視界確保のために開発されました。これもプロペラと同時期に換装されたそうです。このタイプはMk.Iaと呼ばれ区別されています。

ちなみにMk.IIaは3枚翅プロペラとマルコムキャノピー装備なので、同梱のMk.IIa用のパーツを流用すればMk.Iaも作ることが出来るんですね。
Mk.IとMk.IIではエンジン排気管の形状が異なるらしいんでそこで作り分け出来るっぽいです、どうも。



プロペラは2パーツ構成。合わせ目が目立つのでパテで埋めて滑らかにしました。
加工らしい加工はこれだけであとは素組しました。



コックピットブロックは予め塗装してから組み込みます。



機体を接着して、そしたら機体の腹を塗ります。右半分が黒でもう半分が白という「戦争する気あんのか?」という色をしてます。でもこれが指定色なんだよ。
これは地上の対空砲部隊が味方誤射をしないようにするための識別塗装なんだそうな。でも地上から見て逆光で高空を飛ぶ戦闘機の敵味方が分かるわけないんで、誤射は間々起きていました。

黒はともかく白は塗装が乗らないんで5回くらい塗った気がしますがこのキットは航空機にしてはモールドの彫りが深く、5回塗ってもモールドが埋まってしまうということがありませんでした。Mk.Iaがスターターキットとして発売されてますし、筆塗りを前提にしたキットなのかもしれません。私にとってはありがたいことで。
白から塗って、次に黒を塗りました。黒を塗る時はマスキングしましたが、概ね上手くいきましたね。綺麗にマスキングできると嬉しいですな。ズレたりはみ出たところはリタッチして修正します。修正箇所少なかったので楽ちんでした。



背中側の塗装は、まずダークアースを全身に塗って、そしたら緑の迷彩を部分塗装します。
特に緻密な迷彩でもないので、説明書を見つつも手書きで鉛筆で罫書きします。



面相筆でうにょうにょと縁を描きます。



塗りました。いいですね、迷彩。
ムラが少し出ましたがトップコートを吹けば和らぐでしょ(適当



脚とか空気取入口とかのパーツを取り付けます。
スピットファイアの初期型は空気取入口が片側にしかないのが特徴。なので航空機としては珍しく左右非対称でござんす。



デカールを貼ります。大判デカールはモールドに馴染ませるのに苦労します。



大判より大変だったのが機銃銃口の赤シールでした。これは駐機時や離着陸時に機銃にホコリが入らないようにするためのものです。シールなので射撃すれば簡単に穴が空くという算段です。
中々曲面通りに馴染まないのと小さいのとで結構大変でした。しかもMk.Iは7.7mm機銃8門なので8個分やらねばなりません・・・。イギリス人も余計なことしてくれたなと思います。
マークソフターを数分間付けて柔らかくしてからやると吉です。作業が面倒くさいので機銃でシールの穴が開いてない、出撃前状態で仕上げました。



最後にクリアコートを施して、仕上げにアンテナ線を張れば完成です。
飛行機キット楽しいですね。というのも、実機を見てきた経験が活かされていて、「ここのパーツはこうなっているのか」と再認識したり新しい発見があったりで面白いんですな。実機見聞と模型製作を両方経験することでその機体についてより理解が深まったきがします。零戦の時よりわくわくしながら作れました。
ますます飛行機プラモにハマると確信した一作になりました。たくさん買った飛行機積みプラも消化しないといけないし・・・。

北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その11 【2015/07/08~18】

2016-06-15 00:39:13 | 海外旅行記

2015年7月10日(金)22時07分
VIA鉄道カナディアン号車内

今乗っている列車、カナディアンについて改めてご説明。長くなるからどうでもいいって人は次の写真まで飛ばしていいよ。

走行区間はバンクーバー~ジャスパー~エドモントン~ウィニペグ~トロント4466km、乗車時間は3日半以上(4泊5日)の超長距離列車で、いわゆる大陸横断列車です。少しケチを付けると、トロントはまだ北米大陸の中部と東部の境目くらいの位置で、大陸を横断と言うにはちと物足りないです。
カナダの東側の終点はハリファックス駅で、現在もそこまでオーシャン号という列車が運行されています。ただこれはモントリオール発なので、トロント~モントリオールでまた別の列車に乗らなければならず、カナダの端から端まで列車で移動するのに2回乗り換えが必要です。乗り継ぎが上手く行けば6日で横断できますが、まあ遅延するでしょうし無理なんでトロントかモントリオールでブランクを取る必要があります。そうするともう2~3日追加で9日くらいかかるでしょうね。

脱線しましたが、カナディアン号の起源は1955年まで遡ります。元々はカナディアンパシフィック鉄道が運行していた列車で、従来使っていた大陸横断列車の客車を今乗っているステンレス客車に置き換える際に運行を始めた列車です。車両更新の際に列車名も変えてしまってそれを広く宣伝するというのは日本でも時々見られる手法ですな。
鳴り物入りで登場したカナディアンでしたが、直後に航空機と自動車が台頭し始めて次第に衰退していきました。
1970年台にはもはや経営のお荷物になってしまい廃止も考えられましたが、最終的に1978年にVIA鉄道に運行が引き継がれます。

さて、VIA鉄道に引き継がれた大陸横断列車はカナディアンの他にもうひとつ、「スーパーコンチネンタル」がありました。これはCNが運行していた大陸横断列車です。
カナダの東西を結ぶ鉄道はカナディアンナショナル(CN)とカナディアンパシフィック(CP)の2つがあります。大陸間では競合する両社ですがその経路は異なっており、そこで多少棲み分けがされているようです。具体的にはCNは北回りの経路、CPは南回りの経路です。分かりやすいところで言うと、CNはエドモントンを、CPはカルガリーを経由しています(どちらもアルバータ州)。この2つの大陸横断列車をVIAは経路もそのままに継承したのでした。
ちなみに超大陸ことスーパーコンチネンタルはCN時代からカナディアンよりも人気がなく、VIAでも豪華列車のカナディアンに対し2線級の扱いでした。カシオペアと北斗星みたいな関係みたいです。

が、やはりというかなんというか予算削減の煽りを受けてスーパーコンチネンタルは1990年に廃止されてしまいました。
カナディアンは存続しましたが、運行経路はなんとスーパーコンチネンタルのものに変更されてしまいました。熊本経由の「はやぶさ」が大分経由に変更されるような感じで、当時のカナダの鉄オタは違和感を感じたと思います。
ついでに運行本数も毎日運行から週3往復に削減されました。現在はオフシーズン時は週2往復にまで減らされています(悲
こんな感じで現在まで至ります。カナダ東部と西部を結ぶ唯一の列車なので公共性を鑑みればおいそれと廃止には出来ないでしょうが、いい加減客車が限界だろうと思うので先に客車のほうが寿命来ると思います。本当に車両更新どうするつもりなんだろう?

余談ですがこの写真は車内の壁に貼ってあったカナダ西部のVIAの路線図で、気になったのがマニトバ州ウィニペグから北にあるチャーチルまでを結んでいる路線でした。なんでこんな聞いたこともないクソ田舎を列車が走っているのかと疑問でした。調べるとこのチャーチルという町は他の町へ続く道路が全く無い完璧な陸の孤島という想像を超えたどえらいキングオブクソクソアンドクソ田舎でした。この町の住民が外へ出るには飛行機か鉄道しか手段がないのです。ひえぇ、そりゃ鉄道も廃止には出来んよな。
それと、今は廃止されたビクトリア~コートニー線の路線図が哀愁を誘う・・・。乗りたかったなぁ。

以上説明終わり。軽くまとめるつもりが随分と長い説明になってしまった・・・。



ドームカーの1階はラウンジになっていて、くつろげます。
寝台車の乗客はコーヒに紅茶、さらにお菓子まで食べ放題飲み放題。貧乏性の私は翌日ガバガバと摂取しました。育ちが知れますね。
カナダのコーヒークリームは日本のような植物油由来の似非クリームでなくて牛乳由来の本物のクリームなのが良いです。



夢にまで見た食堂車。モノホンの食堂車ですよ。
今更ですが今回はジャスパーまで乗車するので、食堂車を利用する機会は朝食と昼食の2回でした。夕食がないのはちょっと物足りない感じでした。バンクーバー出発時刻を早くして、夕食を提供できないものですかね?



部屋に戻るとベッドメイキングされていました。スバラっ!
今回、私と両親の3人旅行なんですが、部屋は2人用個室と1人用個室となっています。一応3人用個室はあるんですが、編成内に1部屋か2部屋しかないプラチナチケットで確保できませんでしたとさ。
なお寝台を予約した際に予約システムの都合で2人用と1人用を別々の会計で予約した結果、号車が離れてしまいました。これじゃ不便だと思ったんで、同じ号車にしてもらえるようVIAに問い合わせたらすぐに変更してもらえました。これは良い対応でした。
これは2人用個室で、部屋の中には二段ベッド、洗面台、トイレ、電源プラグ、扇風機などが備わっています。これは日本の個室と比べると中々の充実ぶりです。さすが豪華客車として建造されただけあります。



ベッド(上段)はこんな感じ。客車は車齢こそ古いですがボロさは全く感じませんでした。手が行き届いていて清潔です。
恐らく何度か更新工事を受けているんだと思いますが(電源プラグ設置はその最たる例でしょう)それでも不快感を感じなかったのはすごいと思います。



もうお眠の時間ですが、その前に最後尾のパークカーに向かいます。
パークカー含む後ろの2両は、他の寝台車と様相が異なっていました。壁はビニールのクッションでぶつけても痛くないし照明はLEDだし部屋の鍵はカードキーだ。そして漂う高級感。ああ、これが噂のプレステージ寝台か。
日本だったらA寝台スイートに相当するであろう豪華個室寝台です。とても高い。部屋は鍵がかかっていたんで中は伺えず。広報用写真を見てみるとなるほど豪華だって感じします。
2014年秋から運行を開始したまだ新しい寝台です。が、ガワは当然1950年代のステンレス客車なので徹底的に更新工事をかけたということになります。つまりこの客車、他の寝台なんかも含めてまだまだ使う気だな・・・。

ちなみに通路ですが、これたぶん日本の寝台車より幅狭いです。人とすれ違うことになったら身体がこすれ合うのは必至です。デブと鉢合わせた日にはどちらかがデッキまで後退しないといけません。
それと、日本の寝台車でよく見る通路の補助椅子ですがこっちにはないです。ドームカーやらパークカーがあるのにそんなチンケな装備いるわけないですな。通行の邪魔だし。



いよいよパークカーへ。88706号車(ex-8706)"Glacier Park"です。愛称はカナダの国立公園から取られています。プレステージ車に更新された際、原番号に8が追加されてインフレナンバーになりました。
細かいことを言うと、正確には展望車ではなく展望と寝台の合造車という風になります。プレステージ寝台が数室あるのです。ついでにドーム席もあります。



これが展望室だ!
ソファーがロングシート配置されています。先客がいたのであんま近寄るのはやめました。明日また来るので今回は軽い紹介にとどめておきます。



2階のドーム席。さすがにもう誰もいないです。
ちなみにドーム席の座席は固定されていて、向きを変えることは出来ないです。これは中間客車のスカイライン形ドームカーの座席も同様。日本と違って列車ごと方向転換するのが前提、という設計思想が伺えますね。
ドーム席の階下はバーになっていましたが平民が使う場所じゃ無さそうなので一度も利用しませんでした。



見るもん見たので、部屋に帰って寝る支度をします。なぜか私の1人用個室はベッドメイキングされてませんでしたのでアテンダントに聞いて、これもどういうわけか自分でセットするはめに・・・。なんでだ?お前がメイキングほうが楽しかろうと言う気遣いか?面白かったけどさ。
1人用個室も2人用と装備は同じで、ベッド、洗面台、電源プラグ、扇風機、そしてトイレが備わっております。え、なんでトイレ・・・。
しかも部屋の中にドーン!と置かれています。2人用はちゃんとトイレ用の空間があって部屋との仕切もあるんですが、1人用はこうドーンと・・・。使わない時は蓋をして足掛けに使えますが。あとベッドを展開している時はその下に隠れて使えなくなります。誰が言い始めたか「旅する独房」。確かにぴったりな名前だ。
個室にトイレを置くというセンスは未だに理解できません。第一臭いが篭ってアレだろうに(窓は開かない)。一応個室の外にもトイレがあるのでもっぱらそこを利用していました(というか翌日は個室にはほとんどいなかった)。両親の2人用の方も大きい方をする時は外でしろという協定を結んでいたようです。
なおトイレの写真はうっかり撮り忘れました。残念。



独房と書きましたが謎のトイレ配置が独房っぽく見えるだけで、至って快適な個室です。アメニティもひと通り揃っています。

というわけで、初めての客車寝台、初めての個室寝台を堪能すべく就寝したのでした。おやすみ。
翌日へ続く。


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