黒鉄重工

プラモ製作、旅行記執筆をやっています
同人誌通販始めましたhttps://603kurogane.booth.pm/

【告知】「メモラーズサミット3in上諏訪」にサークル参加します

2023-11-25 21:47:33 | 日常記

「メモラーズサミット in 上諏訪」に黒鉄重工がサークル参加します!

◆開催場所
長野県諏訪市 すわっチャオ 3階(諏訪市駅前交流テラス)

◆開催日時
2023年12月3日(日)

◆タイムスケジュール(予定)
12:00~15:30 即売会・模型運転会実施
16:00~19:00 交流会・フリータイム
19:00 サークル・一般完全撤収

黒鉄重工配置場所:ぽか02

(画像出典:メモラーズサミット

12月も鉄道系の同人誌即売会に参加します。これで8月のコミケ以来、毎月同人誌即売会に参加していることに(告知しなかったですけど、10月は東方紅楼夢に売り子で参加しています)。

頒布物はいつも通り。
前回の即売会で路線バスの本が完売したので、安房トンネルの本だけです。


新刊「安房トンネル工事の置き土産 奥飛騨の謎車両の正体を探る」
頒布価格800円
長野県と岐阜県に跨る安房峠の岐阜県側にある駐車場に置かれている鳶色の謎の車両(表紙に写っているやつです)をたまたま見つけた筆者は、得体の知れぬ正体を詳らかにするためにあれこれ調べたのでした。
謎の車両の正体はもちろん、その後の調査や駐車場に置かれた経緯まで調査分析をしました。また、この車両と密接な関係にある安房トンネルについても少し書いてあります。
初めは鉄道ネタとして取り組み始めた題材ですが、終わってみればドボク成分多めの内容に仕上がりました。ある意味当サークル史上最も濃い題材となっています。是非会場で手にとってお読みになってください。
B5サイズ、グレースケール印刷(口絵あり)、30ページ(表紙含む)です。 

安房トンネルは長野県にもありますので、地元絡みのネタです。せっかくなのでお越しになってくださいまし。


これだけだとスペースが寂しいので、コピー本でもペーパーでもいいのでなにか新作を投入したいなーと思っています。まだ手を出していないですけど。

というわけで、当日はよろしくお願いいたします!

北米project 5 ~How do you like Canada? その40【2016/6/15~22】

2023-11-15 23:03:19 | 海外旅行記
カナダ航空宇宙博物館の続きです。前回に続いて航空黎明期の機体を紹介します。
これは、モーリス・ファルマンS.11ショートホーン (Maurice Farman S.11 Shorthorn ) (初飛行1913年)です。
これも初期の複葉機で、フランスで設計されました。これの前の型式S.7は機体前方に昇降舵を備えていましたが、S.11にはそれを廃したのでショートホーンと呼ばれるようになりました。
軍用機としてオーストラリア、ベルギー、イギリス、フランス、イタリア、ロシアで採用され、偵察機か爆撃機として運用されました。前方の昇降舵が無くなったので視界が良くなったとかで。
この個体は、イギリスのエアコー社で1915~1916年にかけて製作された4機のうちの1機です。オーストラリア軍で1919年まで使用されて、1930年代まで保管状態でした。1950年代に動態復帰を果たします。するとアメリカ人が購入して博物館を転々としたあと、最後に当館へやってきたのです。


プロペラが胴体後部に配置された推進式なので前方視界は良好です。飛行機としては変わった形の機首です。第一印象は和式便座ですかね・・・。


尾翼関係を機体後方に持ってきたのが特徴です。推進式なので尾部は双胴式なのです。


エンジンはルノー製V8気筒60馬力です。


尾翼はこんなかんじ。


ソッピース 7F.1 スナイプ (Sopwith 7F.1 Snipe) です。1917年初飛行。
ソッピース社の名作機、キャメルの後継機として開発された単座戦闘機です。ただ初期は速力に課題があり、キャメルと比較してエンジンが100馬力増えたのに速度向上はわずかでした。それでも機動性はキャメルよりも高く、戦闘機として申し分なかった模様。イギリス空軍で500機弱が運用されたそうな。
博物館の個体は1918年にイギリスのニューポート&ジェネラル航空機で作られました。退役後にアメリカ人俳優がカリフォルニア州に輸入して、映画の小道具として使われていたこともありました。
博物館は1964年にこれを取得し、博物館の首席操縦士が操縦したこともありました。


第一次世界大戦後半に配備された戦闘機ということで、端正な形状をしています。プラモデルも発売されていますよ。
星型空冷エンジンに見えますが、実際はエンジンごと回転するロータリーエンジンです。ロータリーエンジン機の中で最強との呼び声もあります。


機首の機関銃。ルイス機関銃っぽいですが、よくわかりません。


ピトー管だと思います。


後ろから。


ブリストルF.2Bファイター (Bristol F.2B Fighter)。1916年初飛行。
複座偵察機として開発されたものの、堅牢な構造、強力な275馬力ロールスロイス・ファルコンIIIエンジン、高機動、重武装によって戦闘機の使用にも適する機体です。複座だと重くなるわけですが、その欠点も後席を後方からの攻撃の防御に使うことで戦闘力を高めています。イギリス空軍で重用された戦闘機となりました。
ブリストルF.2は世界に3機しか現存しない戦闘機です。この個体は1918年製造です。自国の戦闘機の経歴については異常な執着で洗い出すイギリス人ですが、これの経歴は多くが分からないようです。第二次世界大戦のロンドン空襲で記録が焼かれてしまったのです。
機体は胴体だけにされて売り飛ばされて、納屋の支えに使われていたそうな。2006年までに機体は復元されたとのことですが、こうなると機体の資料性はあまり無さそうです。この機体の経歴を証明するものは、エンジンとカウンセリングの裏に刻印された製造番号なのです。当館には2006年に収蔵されました。



足回りです。脚に小さなプロペラが付いています。


横からです。


ユンカースJ.I (Junkers J.I)。1917年初飛行。
世界で初めての全金属製航空機です。当時まだ全金属製は早すぎた感があり、速度は鈍重でした。偵察機と対地攻撃機として開発されたものの、攻撃機としては使えなかったようです。その代わり防御力が強かったようで、対空砲火に耐えられました。戦闘中に破壊された機体の記録は存在しないと言われています。飛行機で防御力が高いという説明を聞くとは思いませんでした。
J.Iはこの個体が世界で唯一の現存機です。第一次世界大戦の戦利品としてカナダが手に入れ、船で運ばれてきました。戦利品として博覧会で展示されるなどされ、その後は1969年に当館が取得しています。


世界で唯一の個体、となるとおいそれと機体に手を加えるわけにも行かないようです。機体は劣化していますが、資料製の確保のためにそのままにしているのでしょう。こういうのが常設展示されているとは底が深い博物館だと思いました。


胴体も後部の外板が欠損しています。


エンジンは、ベンツ・BzIV200 馬力の直6です。排気管は真上に伸びていたそうです。変わっていますね。





翼は金属製ではないように見えますが、ユンカースお得意の波板構造のようです。つまり翼も金属製です。





コックピットも首から下は完全に金属板で保護されています。機体としては低性能でしたが生存性の高さから乗員からの支持は厚かったと言われています。

というところで今日はここまで。


その41へ→



 
 
 

【告知】「東京交通観光倶楽部 るるむ7」へサークル参加します

2023-11-08 22:47:17 | 日常記
東京交通観光倶楽部 るるむ7へ黒鉄重工がサークル参加します!


2023年11月19日(日)11:30~15:00 
神奈川県川崎市産業振興会館4階で開催されます。

黒鉄重工の配置は「114」です。

頒布物は、コミケやこみトレの時と同様です。



新刊「安房トンネル工事の置き土産 奥飛騨の謎車両の正体を探る」
頒布価格800円
長野県と岐阜県に跨る安房峠の岐阜県側にある駐車場に置かれている鳶色の謎の車両(表紙に写っているやつです)をたまたま見つけた筆者は、得体の知れぬ正体を詳らかにするためにあれこれ調べたのでした。
謎の車両の正体はもちろん、その後の調査や駐車場に置かれた経緯まで調査分析をしました。また、この車両と密接な関係にある安房トンネルについても少し書いてあります。
初めは鉄道ネタとして取り組み始めた題材ですが、終わってみればドボク成分多めの内容に仕上がりました。ある意味当サークル史上最も濃い題材となっています。是非会場で手にとってお読みになってください。
B5サイズ、グレースケール印刷(口絵あり)、30ページ(表紙含む)です。 


既刊「北アメリカの路線バス車両 2014年~2016年」
頒布価格1,500円
北米のバス車両に焦点を当てました。大別して路線バス、高速/観光バス、スクールバスに分けることが出来ますが、今回は路線バスについてまとめました。例によって、カナダ在住時に撮りためたバスの写真を体系的にまとめたものです。
内容は、B5判、68頁(表紙含)、フルカラー印刷です。


上記頒布物や過去の頒布物の電子版は、下記のBOOTHサイトからも購入できますので、のぞいてみてくださいね。

また、メロンブックスの通販でも新刊の取り扱い・販売を始めています。

それでは当日川崎市産業振興会館でお会いしましょう!

北米project 5 ~How do you like Canada? その39【2016/6/15~22】

2023-11-02 22:30:24 | 海外旅行記
2016年6月19日。
ブタ箱の中からおはようございます。4日目の朝です。これが監獄ホステルの独房部屋の中です。ね、本当にベッド以外の空間が無いでしょ?寝返りも打てないよ?私は案外寝れてしまいましたが、これ大柄な欧米人にはさぞ窮屈であろうに。
朝起きて、ホステルのフリーフードを適当に食べて、独房に不要な荷物を置いてきたら一日の始まりです。


2016年6月19日(日)9時13分
オンタリオ州オタワ オタワ・ジェイル・ホステル
4日目はホステルからスタートです。今日はというとですね、まずはカナダ最大級の航空博物館である「カナダ航空宇宙博物館」 (Canada Aviation and Space Museum) へ行きます。最大級だけあるので今日一日を潰す覚悟で臨みます。
もし日が暮れるまでに時間があるようなら、オタワ市街地の閘門運河を見るとか公共交通機関の観察とかをしようと思います。


航空宇宙博物館はオタワ市街地の外れにあります。路線バスでも行くことができ、自動車乗らない人にも割と親切です。バス停のあるところまで市街地を歩きます。今日は日曜日だからか、静かな朝です。


途中で見かけたオタワの路線バス、OCトランスポ。見たこと無い二階建てバスが走っていますな。OCトランスポについては翌日撮影するので、また後ほど・・・。


途中で見かけたSTOのNova LFS Article (#1316)。STOとは、ソシエティ・ド・トランスポート・ド・ル・ウタウエ (Société de transport de l'Outaouais) の頭文字。オンタリオ州オタワとケベック州ウタウエを結ぶ路線バス事業者です。
カナダのケベック州はフランス語圏というのは、知っている方もいると思います。そのケベック州は実はオタワ市街地を流れるオタワ川の反対側、つまりすぐそばに存在するのです。フランス語圏がすぐそばということで、オタワは他の都市よりもフランス語を見聞きすることが多いです。このSTOのようにフランス語表記の路線バスも走っているのです。
そしてケベック州に入ると完全にフランス語が主で英語が従という環境になるんですが、それはまたのちの話。


さて、ダウンタウンのRideau 3Aバス停からOCトランスポ#7系統 St. Laurent行のバスに乗り、St.Laurent/Eastbourneバス停で下車します。バス停から東へ向けて数分歩くと博物館に着きます。途中にはこんなポケモンかよといういかにもな野原を歩きます。本当に博物館へ着くのか疑わしいですが、この林を抜けるとただ広い博物館の敷地が出てきます。


はい着きました。カナダ航空宇宙博物館です。建物の立派さでは今まで見てきたカナダの航空博物館では一番です。
1964年に開館したカナダ航空宇宙博物館は、旧カナダ空軍ロッククリフ基地の脇に建てられています。基地は今も民間のロッククリフ飛行場として供用されています。こっちの博物館では珍しくない、飛行場の脇に航空博物館が建っているパターンです。
航空史の黎明期から現用機に至るまでのカナダにまつわる航空機の膨大な収蔵品が展示されています。オタワに行ったら必ず訪れてみたかった場所です。対戦よろしくお願いいたします。


博物館のロゴマークです。日本人が見たらなんで菊御紋が・・・と疑問に思うでしょう。


入口をくぐり入館口へ入ると目に入るのは天井から吊るされたカナディアCT-114チューターが目に飛び込んできます。
しかしかわいそうに、上下を逆さまにされて吊り下げられています・・・。というわけではなくて(多分)、このCT-114はカナダ空軍の曲技飛行部隊「スノーバーズ」の塗装なので曲技飛行をしているシーンを切り取った展示をしているのです。


CT-114は、ハミルトンの博物館でも見ました。カナダ製のジェット練習機で、この手の練習機としては珍しい並列複座のコックピットが特徴的です。
1961年初飛行で、主にカナダ空軍の練習機として運用され、同軍からは2000年に退役しました。ただし「スノーバーズ」用の機体は2023年現在も運用が続いています。すでに耐用年数を超えていると思われますが、後継機問題がまだ決着していないので、少なくともまだ数年は飛び続ける見込み。


ちゃんとパイロットも乗っています。


こんな角度からも観察できるのは宙吊りならではですな~。


シンプルなトリコロール塗装が美しいです。下面は赤いので地上から飛行展示を見るとよく目立つのです。




CT-114に関する弊ブログの記事はこちらもどうぞ。


エントランスを抜けて展示室へ入ります。柱の少ない広々とした館内に航空機が所狭しと並んでいます。
今まで見てきた航空博物館は、格納庫の中に機体が並べられていた事が多かったんですが、ここは格納庫ではないちゃんとして展示館です。床はカーペット敷きで人が歩き回れる区域は明確に区別されています。日本の博物館に近いような展示だなと感じます。それにしても広いな・・・。


エントランス通ってすぐのところに空中に置かれているのは、A.E.A.シルバーダート (A.E.A. Silver Dart) で、1909年2月23日、カナダで初めて制御動力飛行を成功させた機体です。いわばカナダ版ライトフライヤー号です。ライトフライヤーの初飛行からは5年3ヶ月ばかし後のことです。こういう機体を入り口に置くのはどこも同じですな。
アレクサンダー・グラハム・ベル技師の設計で、ノバスコシア州の氷上で初飛行しました。


機体正面に昇降舵を備えているのは、ライトフライヤーと同じですね。パクったのかな。材料は、鋼管、竹、木材、布、ワイヤーで構成されていて、複合素材飛行機です。ブレーキが付いていないという、危険な乗り物です。


これはレプリカ機です。オリジナルは消失してしまったみたいですね。
シルバーダートの初飛行50周年を記念して、50周年の前年1958年にカナダ空軍の修理工場で製作されました。そして1959年2月23日に同じノバスコシア州でレプリカ機の初飛行と迎えました。しかし、離陸後に強風に煽られて墜落してしまいました(飛行士は無事!)。
墜落した機体は修理されて、1960年に開館した当館に寄贈されました。


後部にエンジンを積む推進式です。エンジンはコンチネンタル・A-65水平対向4気筒65馬力です。


ブレリオ・XI号 (Blériot XI)。初飛行1909年。ルイ・ブレリオとレイモン・ソルニエが開発した飛行機です。
1909年7月には英仏海峡を初めて横断した飛行機として名を残しています。さらに1910年にはイギリスとフランスが同時期に世界で初めて軍用機として使っています。



骨組みだけですが、そのほうがかえって桁構造が美しいものです。
この機体は後年製作されたレプリカかと思いきや、1911年にカリフォルニア州の飛行機工場で製作された当時物です。長いこと保管されていた後、1950年代にカリフォルニア州の個人が購入、1971年に博物館が取得しています。


この時期の飛行機は工芸品ですな。


エンジンはエルブリッジ・エアロ・スペシャルの直4気筒、60馬力。

というところで今日はここまで。
この博物館の紹介は長くなるでしょうが、お付き合いくださいませ。


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