7月12日(月) その1
この日はゴゾ島の遺跡と、マルタ島のラバト(イムディーナ)のカタコンベを観る予定だった。
スリーマのバスターミナル(と言っても道幅が若干広いだけ)から、ゴゾ島へのフェリー乗り場のあるチェルケウアまでの急行バス645番が、8時の始発から20分おきに出ている。始発に乗る。
チェルケウアまで1時間かかるけど、景色がきれいなので飽きない。日本みたいな砂浜にビーチチェアが並んだ海水浴場や、ヨーロッパのバカンス客用の小さな町があって、バスの運転手は、バス停で待っている人にスリーマから運んだ荷物を渡している。運び屋か?
ひと気がなく、単なる大きなフェリーの桟橋があるだけの港にバスが近づくと、すでにフェリーは到着してて自動車が中に入って行く。港に着いて、小さなプレハブのチケット売り場に入ると、「走れ!」と身振りで言われて、チケットを買わずに走る。コンクリの日よけしかない、乗客用通路を真剣に走って、最後の自動車1台と一緒に走り込む。同じバスで到着して、走るのを諦めた人もいた。9時発のフェリーに乗れたらしい。フェリーの中は、広くて意外ときれい。
大きなカーフェリーで自動車は満車だった。30分位の船旅でゴゾ島へ。
ここのフェリー乗り場は、マルタ島のよりはるかに近代的な建物だった。自動車で来た乗客以外のほとんどは、ツアーに申し込んでいるらしく、建物の出口を出ると、ツアーガイドに着いて行ってしまい、ゴゾ島の中心地ヴィクトリアに行くバスには1台分しか人が乗らなかった。ここのバスは、マルタの券は使えないので、?0.47を払う。チケットも違う。
ヴィクトリアまでは意外と遠くて20分位かかったかな? バスターミナルで降りると、閑散としていた。
ジュガンティーヤ神殿を観に行くには、バスが1時間に1本あるかないかなので「地球の歩き方」に書いてあった、レンタサイクルを借りて行ってみることにした。ターミナルの右手にレンタサイクル屋があった。
←レンタサイクル屋さんの名刺
1日借りて?5と安いんだけど、日本の住所まできちんと書かされた。自転車は、日本と同じで手でブレーキがかけられるマウンテンバイク。前に、オランダのアムステルダムで自転車ツアーに参加した時に、ブレーキはペダルを逆回転してかけるタイプの自転車だったんだが、これだと乗る時に足をおきやすい位置にペダルの調整ができなくて、乗る時にモタモタして、ツアーガイドに置いて行かれそうになって、泣きそうになった。
レンタサイクル屋からまっすぐ行って、右の坂道を下るんだが、自動車多くて、怖くて自転車に乗れない。そりゃそうだ。普段だって自転車に乗ってないもん。それこそ、7~8年前のオランダ以来かも。
なので、人のいない裏道に入って、練習して体を慣らしてから出発! 自動車が多い道を下ると、左側に遺跡のある町シャーラ(Xaghara)への標識があるので、後はその標識通りに走ればいい。走ればいいんだが・・・。途中、なんて事がない上り坂があった。お尻をあげて立ち漕ぎをしようとしたら、できない! あっ、「地球の歩き方」に「すぐに着きました」とか書いてあるのは、20代の男性か? しまった! 私はあと半年で50歳の女だ。無理だ。なので、降りて自転車を押して炎天下を歩く。
この自転車に鍵かけてこの場に放置し、自分はヒッチハイクで遺跡に行ってヴィクトリアに戻ったら、あのスキンヘッドのレンタサイクル屋の親父にはいくら払ったら許してもらえるだろうかと、結構真剣に考える。
坂(と言ってもかなりゆるやか)の頂上でようやく自転車に乗り、快調に走りだすが、しばらくして、自分を追い抜いて行った自動車のエンジン音が、低く唸る音を聞く。エンジンの回転数落ちてるよ~。この先かなりの坂だ・・・。そうだよなあ。昔からの町は敵からの防御を考えて丘の上に作るもんなあ。
と言う訳で、「いろは坂」をまた自転車を押しながら進む・・・。
そして、やったあ!やっとシャーラの街だ!ヴィクトリアから40分かかった。町の入り口のすぐ右手が【ジュガンティーヤ神殿】だ。
入場料を取り出そうと、かばんに手を突っ込んだら、濡れてる・・・。途中で飲んだペットボトルの水が全部、バッグの中にこぼれていたのだ。良かった、カメラは水深3m用で。ただ、財布の中の札やガイドブック等がビショビショだ。バッグを乾かすため裏返しにして、取りあえずそこに物を入れる。日よけ用のスカーフはビショビショだが、そのまま熱中症対策に首に巻く。
チケット売り場の人には、お札の「Wet は、Pure Mineral water だから」と言って渡す。この日はずっとお金を払う時、そう言い続けた。
外側の石は、マルタ島のよりサンゴっぽい石だ。
前日に観た神殿と違い、蔽いはかけられてないが、足場みたいなのを組まれて倒壊を防いであった。
石積みが荒いので、他の神殿より古いものと考えられている。
この山の上まで、海辺にあった石を運んできたんだろう。
ここは、前日の神殿と違って、海が見えない場所なので、本当に「神殿」だったのかなあ・・・。どこも神殿(Temples)と言っているけど、どれももっと実用的で必要性の高い建物だったんじゃないのかな? と思った。
敷地内にあった、お土産屋さんみたいな所で蜂蜜を買う。1個?2だったんで、「安い!」と思って4個買ったら「重い!」。
←ここは、入り口にあった、蜂蜜屋さん。
近くの風車(TAKAOLA)は、チケット代に含まれているけど、チケット売り場の人からは何も説明がなかった。
見える所まで行ったら、修復中で羽がなかったので、写真だけ撮って、近くには行かなかった。
帰りはヴィクトリアまで、わずか15分で到着した。
そして、親父に楽勝のような顔をして自転車を返した。めでたし、めでたし。