落ち着いた大人になろう!

旅行やら映画やらの独り言

「クワイエット・プレイス DAY 1」

2024-07-02 17:13:18 | 映画

前2作とは関係なく(前2作の監督は製作に回ってる)、エイリアンがやってきた当日~2日間位の、ニューヨークシティのマンハッタンでのお話。主人公は、ガンで余命数日のルピタ・ニョンゴ演じるサミラで、“世界の終りの日”に人間はどう生きるかという感動的なドラマになっている。

私もラストは涙が滲んだし、少ない他の観客からも鼻をすする音がしてた。

寿命を宣告されてポスピスで暮らすサミラ。宣告された寿命より長生きしてるが死期は近い。最期に、思い出の店でピザを食べようと、ペットの猫を抱えて、エイリアンだらけのマンハッタンを移動する。ホスピスの職員で友人だった男(なんと今調べたら「へレディタリー 継承」のお兄ちゃんだった。髭はやしてて大人になってたので全く分からなかった。)が死んだり、幼い兄妹と知り合ったりしながら、最終的に猫が結び付けたエリックと心温まる最期を過ごす。観ている人全員が予想できるように、エリックは猫と共にとりあえずはマンハッタンを脱出する。

ルピタ・ニョンゴはやっぱり上手。そして感動的なラストなのに、エンドロールが長すぎて感動が減るのが残念。

ホラー感はあまりない。むしろディザスター・ムービーっぽい。一ヶ所、夢のシーンでびっくりさせられるけど。

「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」に出てた島のリーダーのジャイモン・フンスーの前日談にもなっている。あの島にエリックもいたのかなあ。サミラがエリックに渡した黄土色のカーディガンも「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」にさりげなく映っていたら凄いなあ。

エイリアンが音を立てると襲ってくるというのは皆DAY1で理解している。おまけに奴らが泳げない、水に弱い事もDAY2位で軍も把握済。なので、あのマンハッタン救出計画になったんだろうが。

とすると、「クワイエット・プレイス」の2作目で、エイリアンが水に弱いとやっと分ったりしてたのに、こんなに早く分かったいたならどっかで人類はちゃんと生き延びているのではないかと思ったり。それとも、水に弱いとあんなにすぐに分かってたのに、やっぱり軍もやられちゃったのかなあ・・・。ヘリコプター、飛んでる時はエイリアンに襲われないけど、地上基地に着陸したら全滅だろうし。

主人公を替えて“世界の終りの日”に人間はどう生きるか、がコンセプトなら、他に何本も「クワイエット・プレイス」シリーズが作れそうだ。

あと、欧米の映画を観るといつも疑問に思うのだが、水中からあがって、服も着替えずピンピンしているのはなぜだろう? 体の構造の違いなんだろうか? 日本人なら真夏の今以外、低体温症の症状、例えば震えなどがでると思うんだが。不思議だあ。

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「ザ・ウォッチャーズ」

2024-06-28 19:35:22 | 映画

「M・ナイト・シャマラン製作のもと、娘のイシャナ・ナイト・シャマランが長編監督デビューを果たしたホラー映画。A・M・シャインが2021年に出版した同名小説を原作に、謎の監視者の恐怖を描き出す。」

ホラー映画だと思って私も観に行ったのだが・・・。ハハッ、1㎜も怖くない。なぜなんでしょう? ホラー映画を観過ぎた63歳の私が悪いのでしょうか。

象徴としての鳥カゴ(あるいは森の中のあの部屋)から精神的にも脱出する、人間ドラマでした。人間だけじゃないけどね。

だからドラマとしては観られる映画になっている。

舞台がアイルランドで、主人公のミナ(ダコタ・ファニング)がゴールウェイに住んでてベルファーストの郊外にある動物園に鳥カゴに入れたオウムを届けに行くんだが・・・。アイルランドにあんな大きな森があるんだ!という驚きが・・・。

アイルランド(ダブリンとゴールウェイ)に2012年の7月に行ったんだが

こんな感じの風景で、開拓できる土地は農地になってて、ゴールウェイ近郊は岩盤なので木が育つことができないので

こんな感じだったし。ただ、キリスト教以前のケルト時代、日本の八百万の神や妖怪みたいな、妖精伝説は確かにいっぱいあった。

ゴールウェイから日帰りで行ったアラン諸島のイニシュモア島にも、一般宅の庭に妖精の家があったし。

A(日本語ではイシャナなのにAだ)・M・シャマランが21歳の時にアイルランドの妖精(多分プーカだと私は思う)に興味を持って書いた小説がベースになっているので、良くできた話になっている。

以下、ネタバレ

ただなあ、結構開発されているので、あんな生物が何万年も住んでいる森があるとは、やはり思えないが。

あの森の家の謎は、きれいに解明されるので、おおっとは思うのだが、13名×工期50日だとしても、バレるだろうに。重機使っただろうに。

そしてマデリンは、あの家の秘密を知ってたはずなのに、なぜミナが来るまで待ってたんだろう? パソコン、使えなかったのかなあ?

まあ、爽やかなエンディングだったような、気がする私であった。

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「マッドマックス:フュリオサ」

2024-06-15 22:47:47 | 映画

アニャ・テイラー=ジョイが主役のフュリオサだ。

「スプリット」の女子高生役から注目していた彼女の、ホラー映画以外の、メジャー作品の主演作だ。彼女の映画6本観てる私であった。

親戚の娘の成長を喜ぶおばさん感覚で観に行ったら、美少女(アリーラ・ブラウン)からなかなか大人の彼女に変わらないなあ・・・。でも、顔はだんだんアニャ・テイラー=ジョイに似てきたなあ(目が大きくなって、離れてきた)と思ってたら、今調べたら、CGで、子役にアニャ・テイラー=ジョイの顔をだんだん混ぜていたそうだ。凄いな21世紀!

148分、あっという間だった。面白かった。次から次と、広大な砂漠の風景の中、ローマ時代のキリスト教の物語っぽくストーリーが進む。

ただ、時々、編集が粗いんだが・・・。付け鼻をしたクリス・ヘムズワース演じるディメンタスが求心力を失っていく過程が、ちょっとねえ。分かり難いかも。「荒れはてた地の40日戦争」もいきなり終盤になってるし。

あと、フュリオサの義手がまるでずっと前から開発が進んでいたかのようにきちんと用意されているのが・・・。この前観た「ゴジラ×コング 新たなる帝国」のキングコングの義手があっと言う間に取り付けられるのを思い出して。最近の映画は、「予め用意されている義手」が普通なのか?と。

女性とバレないように口を利かないなら、種の隠し場所だけキープしてショートヘアにしておけばいいのに。

フェリオサが弾薬畑〈バレットファーム〉で襲撃された後、ボロボロになって砦〈シタデル〉に向かって逃げる時、崖の上に意味あり気に立つこの男は誰だろうとエンドロールで目を凝らしてたら、そうか、彼か。シリーズ観てなくても十分楽しめるが、シリーズ観てる方が楽しめるようにうまく作ってる。そしてフェリオサは絶対死なないので、ハラハラするけど安心して観る事ができる。

ラストとエンドロールは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のシーンがちゃんと登場。そうかあ、前作2015年の6月公開だったのかあ。月日の流れるのは早いなあ。

フェリオサが唯一心を許せたジャック(これから殺されると分かっているから、フェリオサがなるべくジャックと触れ合っていたいとジャックの肩に顔をうずめるシーンは切ない)が、あまりカッコよくない。まあ、まともな人間が少ないからそれだけでも心魅かれるんだろうなあ。

今、ネット見てたら、奥さんや友達を自分の映画に出演させるので有名なクリス・ヘムズワースが今回も奥さんを出演させてて(まあどこまで彼の力か分からないが)、最初にフュリオサのお母さんとフュリオサを追う女戦士と、途中でディメンタスの配下になる口に傷がある最後の5人まで生き残る女が、奥さんの二役だそうだ。

最後のフェリオサとディメンタスの会話は禅問答みたいだったなあ。そしてディメンタスのなれのはても凄いなあ。

昔のマッドマックスだったら女の人は〇〇プされてたのに、今回はそんな描写一切なし。血もあまり流れない。21世紀製作だからかなあ。

まあ、いずれにしても、こんな地球の未来は嫌だなあ。

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「告白 コンフェッション」

2024-06-13 22:02:19 | 映画

「『カイジ』などの福本伸行と、『沈黙の艦隊』などのかわぐちかいじによるサスペンスコミックを実写映画化。」したそうだ。74分の、山小屋だけが舞台の二人芝居。舞台化しても面白そうだ。

予告編では16年前留学生だった韓国人のリュウ・ジヨンが、さゆりを殺していることを告白してるし、生田斗真演じる浅井もさゆり何かあったらしい。というのは、観客全員分かっている事なのに、なぜ、慰霊登山に二人とも毎年行ってるんだろ? 自分が殺してたら、その場にはもう近寄りたくないと思うんだが。そして、二人は親友だ!と言ってる割には、親友ぽくない。不思議だ。

しかも、16年通い続けている山で、ケガしたとはいえ遭難? 200m先に山小屋あるのに、死ぬと思って殺人を告白? そして浅井は、高山病だと? 16年、山に登っているのに今さら?

以下、ネタバレあり

で、だんだんジヨンが壊れてきて、浅井を襲いだすんだが・・・。ヒネリがある襲い方ではないので、怖くはないし、むしろ笑ってしまう。

現実離れしてきて、こりゃもしかして、と思い出したら、やっぱり夢落ちで。

ただ、その夢が今夜また繰り返すんだと分かる所が一番怖い。

原作と違って片方を韓国人にしてるのは、二人の間で意志の疎通にズレがあることや言葉の壁があることが分かり易くて、私は成功と思ったんだが。

浅井があまりにも自分中心で、自分だけの幸せだけを考えている性格的に怖い奴なんだが、そこの描き方がちょっと弱い。そこを強調したら、もっとヒリヒリした怖さになったかも。

あと、さゆりの殺された場所が、どー見ても登山者が休憩する広場みたいな場所で。あそこで殺したらそりゃ目撃者いるだろうし。それなのに雪が降ったからと16年も発見されないとは思えないのだが。

よくはまとまっているんだが、74分の割には長く感じた。

出演者は少ないし、スタッフも少ないせいか、エンドロールに配給などの営業関係者の名前まで出ているのが面白かった。

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「ゴジラxコング 新たなる帝国」

2024-05-05 18:01:08 | 映画

今日はお金がかかった、おバカ映画。何も考えず、大迫力画面で観るのに、調度良い映画だ。

コロナ禍前は、ワーナー・ブラザース配給映画の試写状が手に入った関係で、“モンスター・ヴァース”シリーズの前4作品観ちゃってるし。今回で5作品目だ。もう、日本人俳優(今までは渡辺謙や小栗旬)は出てなくて、ゴジラは力加減が分からない馬鹿だけど強くて、巨大怪獣をやっつけてくれる、モナーク社のための諸刃の刃的存在。もう、円安の、日本のゴジラではない。

キングコングやモスラと意思疎通が図れる地下空洞のイーウィス族の女王様は中国人。レジェンダリー・ピクチャーズ製作だからなあ。映画の商売相手は、アメリカと中国だ。

話はサクサク進むし、ローマやリオデジャネイロやエジプトのギザのピラミッドは容赦なく壊されるし、「家族が一番!」というコンセプトも明確だ。ラストのジアのセリフ“You are my home”では、観客のすすり泣きも聞こえたぞ。

キングコングは、直前に流れた「猿の惑星/キングダム」のせいで、頭の良い従順な猿にしか見えない。敵方の設定も猿の惑星っぽい。

しかも短時間で、カッコつけた獣医の兄ちゃんに差し歯にされたり、大リーグ養成ギブス(違うか)を取り付けられたり。都合良すぎ。でも、いいや。娯楽作品だから。ついにミニゴジラのような息子や仲間と幸せに地下空洞で暮らせるみたいだし。

ゴジラは、なぜあそこまでイーウィス族の救助要請に忠実なのか? その割にはせっかく迎えに来たキングコングの意図もくみ取れず暴れ回って、本能のみで行動してて、知恵はない。

モスラはきれいだ。

4匹で地下空洞の世界で戦うのかと思ったら、ちゃんと地上のリオデジャネイロで戦って、お金のかかったVFXを魅せてくれてありがとう!

KISSの曲が流れたのはうれしかった。

次回作はなさそうだが、あったら、猿の惑星になってしまいそうだ。ゴジラはあのまま、ローマのコロッセオをお気に入りの寝床として眠り続けるんだろうか? リオデジャネイロで戦って、その後わざわざローマままでもどったんだから、よほど気に入ったんだろう。

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「キラー・ナマケモノ」

2024-04-28 21:20:43 | 映画

金のかかったおバカ映画か、金のかかってない方のおバカ映画か。

と迷って、今日は金のかかってない方のおバカ映画を鑑賞。

邦題からして「キラー・トマト」や「キラー・ラビット」を彷彿とさせる。そして、トマトやラビットと同じように、このナマケモノのぬいぐるみはほぼ動かない。いや、顔や腕はうごくんだけど、移動するシーンはない。それなのに数秒で別の場所に移動する。初期のジェイソンやブギーマンみたいだ。病院からどうやって戻ってきたのだろう? あの爪で、スマホを扱えるんだから、テレポーテーションくらい楽勝なんだろうなあ。

そしてナマケモノ君、せっかく3本爪を武器に、女子大生の寮を襲い、寮の女子大生をほぼ殺してしまうのに、その3本爪もダラッーとしてて1本ずつは動かない。顔の表情はちゃんと作ってるのに、なんでこんな簡単な爪の動きは作らなかったのか? もったいない。あるいはフレディ・クルーガーに遠慮してるのかなあ。

ナマケモノのアルフィに、もうちょっとちゃんとした目的とか殺し方のエグさとか特徴ある動きとかプラスしてあげれば、ホラー映画のキャラとしてもっと光るのに惜しいなあ。

そして、おバカ映画なのに、エロとグロは一切ない。せっかく女子寮なのに、女子大生は老けてる。ピチピチしてない。主人公も美人じゃない。そして全く脱がない。殺人シーンもない。キャーって悲鳴をあげて終わり。

一番面白かったのは、寮母のミス・メイの告白シーンだな。人生、無駄にしてはいけないな。

主人公のボーイ・フレンドがなかなかいい味を出してて、“I love you”“I know”っていうセリフがあったり(“スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲”の凍らされる直前のハン・ソロとレイア姫のセリフ)、この映画の原題“Slotherhouse”を言ったり。slothがナマケモノで、slaughterhouseという“屠殺場”と、houseの“寮”を合体させた、ボーイフレンドのジョークが原題。

まあ、他にもいろんな映画のパロディがあるので、それを楽しむ映画って感じかな。ホラー感は全くない。エンドロールはしっかり作ってあった。

 

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「オーメン:ザ・ファースト」

2024-04-05 15:48:10 | 映画

私は1976年の「オーメン」世代だ。初日・平日の第1回だけあって、周りの観客もシニア料金の同世代。

「オーメン」はホラー映画なのに、グレゴリー・ペックとリー・レミックが主演で、当時のホラー映画の地位をグッと底上げてくれた作品だ。666って数字も流行った。「悪魔」ってキリスト教徒にとっては本当に存在するんだと、当時遠かった欧米の宗教の勉強にもなった。

で、「オーメン:ザ・ファースト」。出だしはオーメンを彷彿とさせる。ガラス!これはガラスで首スパっの再現かあ?と思ってたら、おおっ、そっかあ!そっちかあ!と、とっても懐かしいオープニング。

その後、主役のアメリカ人のマーガレットが修道女になるべくローマに着いて、車窓から街並みを眺めるシーンも1971年当時の再現が上手でワクワク~。

が、この後の展開が面倒くさい。

何か秘密を抱えた修道院の中で働く、アメリカの田舎から出て来てちょっと浮かれてるマーガレット。物々しい幻想ばかりが続く。人はそんなには死なない。

で、守ろうとした少女でなくて、実はマーガレットが・・・っていうのが、ポイントなんだろうが、もう前半で察しがつくので全然驚かない。

まあ、ダミアンが生まれるという結果は分かってるからなあ。

マーガレットが見る幻像で、別の女性の出産シーンがあるんだが、ここにモザイクがかかる。目を細めても見えない、大きいモザイク。精巧に作り過ぎてしまったのだろうか? 多分、スタッフさんが一番頑張ったグロイシーンが全く見えない。

ビル・ナイも仕事選ばないなあ。レディ・ガガ似の女優さんは良かった。

ただ、どういう経緯でダミアンが生まれたかはとっても良く分かった。

以下、ネタバレ

ダミアンを作り出した理由が、キリスト教の信者を増やそう!という目的の、悪い教会派閥の一大プロモーション! なるほどね! 悪魔なんて関係ないじゃん。悪い教会派閥の存在が悪魔そのものだったのか。第二次世界大戦終了後の物欲いっぱいの時代、宗教界はその存続が大変だったんだなあ。日本も「水子供養商法」が始まった時代だ。

山犬と人間の子供が悪魔になるのかあ。山犬、どうもジャッカルらしいが、こんな簡単に(あっ、当事者は大変だけど)悪魔が造れるとは。

ラストは続編ができそうな雰囲気で終わる。続編は、21世紀製作らしく、母と異母姉妹の妹が娘を守って、暗黒面に落ちた教会派閥と戦うアクション映画になりそうだ。公開しても、観には行かないけど。配信ドラマかな?

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「オッペンハイマー」

2024-04-03 17:31:35 | 映画

原爆の悲惨さと、原爆を生み出してしまったオッペンハイマーの苦悩が十分伝わってくるし、「広島」「長崎」が原爆投下によってどうなったかは映像がなくても分かるのに。なんで、「広島」「長崎」の描写がないからと、日本人に非難されてしまうのだろうか? 日本での公開が遅れて、配給会社も変更になったのは、日本国内のいろんな組織に忖度と言うか・・・。アメリカの「赤狩り」より酷くないけど、なんだかなあ。

そりゃ、「バーベンハイマー(Barbenheimer)」で浮かれたアメリカ一般市民には、がっかりというか啞然としたけどさ。逆に、そんなアメリカ人はこの映画を正しく理解したのだろうか?と心配になる。アカデミー賞はもらったけど。

映画自体は真面目だよ。3時間飽きずに、IMAXで観た。登場人物が多過ぎるので、ちょっと混乱。しかも、うち2人の顔が似てるし。

オッペンハイマーに対する「ソ連スパイ疑惑」の聴聞会をベースに、オッペンハイマーの半生が描かれる。で、それとは別にアカデミー賞助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・ジュニアが演じたルイス・ストローズの公聴会。モノクロフィルムで平行して進むんだが(時系列的にはこれが一番新しい)、最初はなぜこの公聴会が描かれているかさっぱり分からない。原爆開発までの本編とは関係ないし、ストローズはプリンストン高等研究所の所長にオッペンハイマーを抜擢しただけなのに、なんでこんなに時間をかけてこの公聴会をやってるんだろう? と、思ってたら、最後に、(ああっ、そうだったのか!)と。クリストファー・ノーラン監督らしいなあ。

オッペンハイマーは、最初はユダヤ系だから敵であるナチを倒すためにと自分に言い訳して始めた原爆開発という事業なのに、軍に圧力をかけられて、とにかく目的達成しないととガムシャラに働いて。原爆開発には成功したけど、「プロメテウスの火」から何が起こるか、ドイツが降伏して目標が敗北が分かっている日本になって、原爆の成功を祝うセレモニーに集まった人々に犠牲者を重ね、人の肌が剥がれていく幻影を見る。そして、水爆実験に反対して、ソ連のスパイではないかと疑われ、公職も追われ。気の毒なのはロスアラモスの仲間の数名も科学者として扱われなくなったことだ。

で、オッペンハイマー、こんなに苦労している割には、女性には手が早い。科学者なのに珍しい。そして、こんなに周辺に共産党員がいたとは。

アインシュタインが、誰が見ても一目でアインシュタインと分かって、物語を締めくくる。凄い存在感だなあ。

結構役者の層が厚くて。クリストファー・ノーラン、役者にも好かれてるなあ。ジョシュ・ハートネットは相変わらずカッコいい! 

唐突に証言するラミ・マレックは儲け役だなあ。あとストローズにあきれ果てる弁護士みたいな人は、オールデン・エアエンライクで「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」ハン・ソロだ。

スアラモスの科学者の中には、メグ・ライアンの息子や「ヘレディタリー/継承」「Old」のお兄ちゃんもいたらしい。

オッペンハイマーの聴聞会のメンバーも、皆観た事ある人なんだが。一番、詰問するのが、「猿の惑星: 新世紀」や「ターミネーター:新起動/ジェニシス」に出てたジェイソン・クラークって事は分かったんだが、あとは分からない。観た事あるんだけどなあ・・・。

良くできた映画じゃないか。作品賞を獲って当然じゃん。前回なんて「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」だよ。

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「ARGYLLE/アーガイル」

2024-03-25 17:24:54 | 映画

マシュー・ヴォーン監督だ。「スターダスト」、「キック・アス」「キングスマン」シリーズ楽しかった。

プロットは面白いのだ。ドンドン転がって、どんでん返しの連続で。ええっ!そうだったのって連続なのだ。そして、「キングスマン」にも繋がって・・・。目が離せない。

主役以外の、元スーパーマンのヘンリー・カヴィル、出過ぎの感もあるけどサミュエル・L・ジャクソン、「ホーム・アローン」のお母さんのキャサリン・オハラはじめ、皆良い! イキイキしてる!

なのに・・・。何なんでしょう? 主役の二人。

スパイ映画なのにヒーロー・ヒロインが、サム・ロックウェルとブライス・ダラス・ハワード。二人とも俳優としては大好きだ。特にサム・ロックウェルは良い俳優だ。

だがこの手の男女のスパイ映画もしくはアクション映画で思い出すのは「Mr & Mrsスミス」のブラピとアンジェリーナ・ジョニー。「ロング・キス・グッドナイト」のジーナ・デイヴィス。「ソルト」とか「レッド・スパロー」とか「アナ」とか「ナイト&デイ」とか・・・。あと「ザ・ロストシティ」とか。

なのに、この二人。

もうネタバレでいいや。

このシーンを映画の後半、ブライス・ダラス・ハワードとサム・ロックウェルが再現するのだ。ブライス・ダラス・ハワードが前半の、事件に巻き込まれてる小説家の頃は太っていても良い。椅子にずっと座っている小説家だからだ。確かに5年間座っていたから太ってしまった設定なのかも知れない。けど、金髪のボブスタイルにゴールドのイブニングドレスを着た姿が、チョコプラの松尾が扮したIKKOさんにしか見えないのだ。多分、この映画を観た日本人ならほとんどの人がそう思ってしまうはずだ。背中の贅肉も凄い。このブライス・ダラス・ハワードを、サム・ロックウェルが持ち上げるのだ。なので、CGで消したワイヤーが、観客の脳内で再現されてしまう。

そしてその後、カラフルな煙幕の中での二人のアクション、ブライス・ダラス・ハワードの華麗なフィギュアスケートでの敵全滅が展開するのだが・・・。「キック・アス」ばりのアクションが・・・。太めの中年おばさんと、冴えない小柄な中年おじさんで繰り広げられる。乗れない私。正直、苦笑。映画の中では夢を見たい。

ちなみに「アーガイル」は、エージェント・レイチェル・カイルの事らしい。 

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「PERFECT DAYS」

2024-03-08 13:52:46 | 映画

アメリカのアカデミー賞にもノミネートされているので、ヴィム・ヴェンダースが監督で淡々としているらしいが、観とこうと。

あっ~、やっぱ私には駄目でした。確かに余韻はあるよ。余韻はねえ。「東京」もじっくり描かれているよ。

私と同年代設定の、役所広司演じる平山(この名前からして小津安二郎の映画の作品に使われている名前だ)の、淡々とした毎日が多少の事件を絡めて描かれる。そして、彼は明日も現状に満足して、木漏れ日を見るながら生きて行く。そんな、2時間。

平山は無口なので、仕事で使う車で流れるカセットテープの歌詞が彼の心情を語る。昔の歌なので、何となく聞き取れる。

平山がなぜ、このような毎日を満足しながら生きるようになったかは分からない。アパートの1階に荷ほどきされていない段ボールがあるので、5年前はもっと広い場所に住んでたんだろう。運転手付きの自動車で娘を迎えに来た妹が「好きだったでしょ」と鎌倉紅谷の紙袋を渡していたから、鎌倉の良家の出身か? 

神社で、派手な女性が画面の隅に映るので、エンドロールで探したら研ナオコだった。

あと、あがた森魚が弾くギターで、石川さゆりの、浅川マキの歌詞の「朝日のあたる部屋」が聞くことができるという、ちょっと変わった体験ができる。

不思議だったのは、生活に窮してる平山が、姪のニコのためにあの自転車をどう用意したんだろうか。そして、平山はあの食生活でなぜ、腹が空かない?謎だ。

まあ、自分のスケジュール中心の週3で日雇い労働で隠居生活を送っている私も似たような生活かな。

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