1月24日(火):
202ページ 所要時間4:00
著者69歳。
テキスト。
<まえがき>「現実には暴力団の実態を知る人が少ないことも事実です。江戸期や明治期の侠客、ヤクザのたぐいを知っている人でも、今現在、暴力団がどうなっているのかについては知るところが少ないと思います。暴力団は徐々に変化しています。バブル経済期に景気のよかった暴力団は今、相当な様変わりをしています。同じように暴力団を取り巻く環境も刻々と変化しています。/
近い将来、暴力団は零落して四散し、いくつもの小さな組織犯罪集団に、つまりマフィア化への道をたどるだろうと思われます。すでにその変化の兆しは見え始めています。実際にマフィア化を自ら覚悟し、それを明言する暴力団幹部も増えています。/本書では、今の暴力団について、誰にでも分かりやすいよう、やさしく書くことを心掛けました。暴力団を美化せず、ことさら意地悪に書いてもいません。警察の言い分を自分の言い分にするような書き方もしていません。客観的に素直に書いたつもりです。/暴力団の入門書といっては誤解を招きますが、暴力団のあらかたについては本書を読むことで、一般の方々にも理解できるにちがいありません。/とりわけ怖いもの見たさの読者は大歓迎です。」全部読み終わった、
私の感想は、この<まえがき>が真実であることを、証言します。
1960年代後半から半世紀近く、山口組と暴力団を見続けて来た著名なノンフィクションライターが、「
暴力団は構造不況業種で、もう行くところまで行き着いてしまった」、「そろそろ終わりだろう」と思いながら、
<暴力団ものの集大成>のつもりで、「今現在、ぜひ読者が知っておいてよい情報、または必要と思われる情報をたくさん盛り込みました」と<あとがき>で記している。
読みやすく書かれてるが、これまでに著者が積み上げてきた膨大な経験知と情報から選りすぐりの内容と知恵が記されているのが、よく解り、無理な言葉が全くなく、自然な説得力があった。
図書館の本なので、線は引けないが、付箋をしたら新書がヤマアラシのようになってしまった。
納得できる実のある知識が満載だったのだ。
目次:
第1章 暴力団とは何か?
第2章 どのように稼いでいるか?
第3章 人減関係はどうなっているか?
第4章 海外のマフィアとどちらが怖いか?
第5章 警察とのつながりとは?
第6章 「半グレ集団」とは?
第7章 出会ったらどうしたらよいか?
※特に第7章だけでも、読む価値は十二分にある!!。
著者が「暴力団に会ったことがない人は、会わずにすんで幸いでした。自ら進んで会うような人たちではないのですから。/
たいていの場合、用事があれば向こうから連絡してきます。」とさらりと言ってのけるのを読むと、まさにこの本は我々読者にとって
「転ばぬ先の杖」となると、私は感じた。
この本には、暴力団の論理、習性、実態、行動パターンなど詳述されるだけでなく、国内の「半グレ」という新勢力と比較したり、海外の「マフィア他犯罪集団」との比較により、理解を深める記述がなされている。
※「実は、
暴力団対策法は、警察と暴力団が共存共栄を図る法律ではなかったのか」と疑い、具体例を挙げつつ説明し、統計でも構成員と準構成員の総計は、微減でほぼ横ばいだ、と指摘する。一方で、「暴力団は生活するな、というに等しいから、
都道府県の暴力団排除条例は暴力団対策法以上に、組員にとっては厳しいものなのです。」という指摘には、何か実のある学びを得た気になれた。
※2011年8月の
島田紳助の山口組幹部との交際による芸能界引退について語る。
※2010年11月の
市川海老蔵殴打事件で有名になった暴走族、関東連合OBが、
実は「半グレ集団」という暴力団に代わる新たな犯罪の温床集団であり、見過ごせない問題だったことを気付かせてくれた。
※また、酒精の摂取と睡魔で、まとめられない。また機会があれば、明日にでも、もう少し読み易いように加筆・修正・整理します。ただ、一言だけ、
「この本は、“買い!”ですよ!」とだけは、太鼓判で推薦します。とても読者の読みやすさにも配慮された本なので、
まあ騙されたと思って読んでみて下され!。