もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

3 027 重松清「星のかけら」(新潮文庫;2007) 感想3+

2013年11月15日 00時31分37秒 | 一日一冊読書開始
11月14日(木):

234ページ  所要時間 1:30      図書館

pm10:15今日の読書を諦めかけた時に、何とか読む方向に自分を向けることができた(~11:45)。読み易い本で良かった。

著者44歳(1963生まれ)。

交通事故の現場で得られる「星のかけら」、手に入れれば、勇気を得られるという。いじめられっ子の6年生ユウキは、同級生のエリカと塾の友だちマサヤとともに『魔の交差点』で、不思議な女の子ユキに出会う。ユキが交通事故で2年生の時に命を落としたことを知り、ユキに出会える「星のかけら」(実は事故で割れ散らばったフロントガラス)を探す。マサヤの引き籠りの兄タカヒロ。ユウキをいじめるヤノが実は、1年の時、両親の離婚、いじめにあって、ユウキの学校に転校してきたこと。亡くなったユキの母親ミチコさんとの偶然の出会い。

そして、「星のかけら」に現れるユキから、みんなが集まって、生きていることの奇跡的有難さに気づかされる。そして、命を大事にして、自分の意志で勇気を持って道を切り開かなくてはならないことを学び実感していく。

雑誌「小学六年生」に連載された作品「星のかけら」に改稿を加えた作品。小学6年生を対象にした本のわりには、少しレベルが高いと思ったが、大人が読むには楽勝の内容だった。

しかし、重松清ワールドは、少年向け小説でも健在だ。「頑張れ!」という<慈>の世界ではなく、静かに哀しみに寄り添ってくれる<悲>の世界だ。傷ついた人間を回復させてくれるのは、黙って寄り添ってくれる存在だ。重松ワールドの雰囲気に浸っていたい気分になれてよかった。感想は3+だが、プラスαの「+」に俺なりの満足を現したつもりだ。

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-12-22 20:48:47
フミちゃんでしたよ
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