もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

190131 再掲!:151023 前原詐欺師は、安倍晋三の分身だ。enough!民主党内の<第二自民党>勢力の薄っぺらさに驚く。

2019年01月31日 23時53分19秒 | 一年前
1月31日(木):

細野豪志も自民党(二階派)入党で馬脚を現した。この男は、2011年の民主党代表選挙で前原詐欺師の推薦人になっている。俺が何故、前原を詐欺師と呼ぶのか。以下に再掲する。

151023 前原詐欺師は、安倍晋三の分身だ。enough!民主党内の<第二自民党>勢力の薄っぺらさに驚く。
2015年10月23日 20時07分59秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」

2015年10月23日(金):

  新聞の記事で前原詐欺師のブログの存在を知り、読んでみて吐き気が止まらなくなった。ウソと詭弁のてんこ盛りで卑怯・卑劣な論法が存分に展開されている。前原詐欺師は、安倍晋三と全く同じだ。安倍晋三の分身のようだ。「安倍晋三は、二人もいらない!」 憲法を軽んじ、アメリカ様のご意向第一の従米主義であり、平和を願い、立憲主義の原点に立ち戻ることを強く願う国民の意志をなにも理解しようとしない。国民の強い願いを汲み取り、安倍晋三と戦う意志もない。つまりは、安倍と同類のお友達なのだ。詭弁を並べ立てて、立憲主義の原点を誤魔化しきれると思ってる様子も全く同じだ。徹底した従米のヒラメのくせに、国民に対しては非常に冷たい上から目線で臨んでいる。前原詐欺師は国民の声を聴く気のない<冷たい壁>だ。バカの壁だ。

前原詐欺師と民主党全体にコールしよう!「安倍晋三は、二人もいらない!」「安倍晋三は二人もいらへん!」「安倍は辞めろ!」

  民主党はこれだけ野党連合に対して意見が違う連中を党内に残していては身動きが取れない。党首の岡田も含めてこの<自民党別動隊><第二自民党>勢力を切るべきだ。こいつらを10数人切ったところで、損失は知れている。それをはるかに上回る国民の支持票を獲得できるだろう。そして、それは衆議院選にも大きな党勢拡張をもたらし政権交代をもたらすだろう。

  しかし、この連中を残したまま、民主党が自己中心的な選挙協力を目指したとすれば、国民に与える失望は計り知れない。参院選、衆院選で壊滅的敗北をこうむるだろう。前原詐欺師をはじめとする日本会議会員の非立憲、従米派を切ることができないのであれば、民主党は可及的速やかに「解党」し、各議員一人一人の意志に任せるべきだろう。

  また読んでみて気が付いたことだが、前原詐欺師がブログで主張していることは、俺が三か月前に書き記していた推測内容と全く同じなのに驚いた。自慢して言ってるのではない。正直、素人の誰にでも予測できる前原詐欺師をはじめとする民主党内の<自民党別動隊><第二自民党>勢力の思考の中身の薄っぺらさに驚いているのだ。

  今、反安倍自公をめざす野党勢力の選挙協力の足を引っ張って、政権奪取のチャンスを放棄し、結果的に安倍自公を支える行動をとることは、いかなる理由で以っても正当化できるものではない。まさに前原誠司が<詐欺師>であることの証拠だと言いたいのだ。

  前原詐欺師のブログの後に、「150717 安保法案強行採決、立憲主義破壊を前に声もあげず鳴りを潜めている前原誠司詐欺師が恐ろしい。」
「150718 立憲主義の否定、安保法案強行採決を一切批判・非難しない日本会議前原詐欺師が恐ろしい。その2」
の記事を再掲するので是非読み比べてみて下さい。

追記:「151002 49万PV超:民主党前原詐欺師の戦争法案「見直し」論は憲法軽視、国民欺瞞の裏切り。」も再掲載します。

前原誠司ブログ「日々是好日」安保法制は「廃止」ではなく「見直し」  9月26日
  2015年9月19日の未明、参議院本会議で、いわゆる安全保障法制が成立しました。我々民主党は反対の立場で臨みました。努力された多くの仲間に、心から敬意を表したいと思います。
  出来の悪い法律だったので、党の意見が反対に集約できましたが、6月1日の国会質問でも主張したとおり、私は「憲法解釈の変更による集団的自衛権の部分行使」には賛成の立場です。民主党は「憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使一般には反対」という意見集約をしました。「行使一般には反対」ですので、「認められるものもあり得る」という余地を残しています。
  昨年7月に閣議決定された自衛権発動の「新三要件」は、日本と「密接な関係にある他国」が特定されておらず、また存立の危機にあたる「明白な危険」という定義があいまいなため、政府の裁量の余地が無限に広がって「法的安定性」が崩れ、「憲法違反」との大合唱を生む結果となりました。なぜ「周辺事態と認定されている状況下で、日本の安全保障に資するために行動している米軍に対する攻撃が、日本に対する急迫不正の侵害と認定される時」と、集団的自衛権を行使できる対象国を唯一の同盟国であるアメリカに特定し、今までの自衛権発動三要件の第1要件をそのまま引用しなかったのでしょうか? もしこのような解釈変更であれば、状況は大きく変わっていたと思います。
  私が集団的自衛権の行使を一部認めるべきだと考えるのは、以下のようなケースです。例えば、停戦中の朝鮮半島で再び戦闘が起こり、米韓同盟に基づいて米軍が行動し、日本にとっても周辺事態と認定されるような状況になり、従来の周辺事態法に従って日本が米軍への後方支援を行っているとします。もし、日本が後方支援を行っている米軍に攻撃が行われ、それが「武力行使との一体化」と見なされれば、今の憲法解釈では日本の後方支援が集団的自衛権の行使にあたるため、中止せざるを得なくなります。米軍からすれば、大事な場面で「はしご」を外されるようなものであり、日米同盟は大きく傷つき、共同対処にも悪影響が出るでしょう。私が重視するのはこの点です。蓋然性が全くと言っていいほど考えられないような「ホルムズ海峡での機雷掃海」や「退避邦人を運んでいる米艦防護」ではないのです。
  従来の周辺事態法も「地理的概念ではない」と言っているのですから、わざわざ「重要影響事態法」に変える必要はありませんでした。政府が危機をことさら煽った南シナ海での事案も、もし何らかの活動を日本がするのであれば、従来の周辺事態法で対応は可能です。アメリカ以外にオーストラリアなどへの後方支援が必要であれば、周辺事態法を改正すれば良かったまでです。アメリカの軍事活動に対する後方支援を恒久化する新法(国際平和支援法)も、日米両国の国益が異なる場合があるのは当然ですから、これまでは「根拠法がないから断る」という対米交渉ができたのが、これからは「根拠法があるのに断る」という、より難しい対米交渉を自ら課すことになりました。自衛隊が事前に準備するためには、恒久法が必要だとの意見がありますが、どのような協力が自衛隊にはできて、どのような協力ができないかを事前に線引きしておくことは可能でしょう。必要ならば「特別措置法」の制定で良かったのです(なお、政府が行ったPKO法の改正には大きな異存はありません)。
  ところで、問題なのは安保法案の成立後、「安保法制の廃止」が声高に叫ばれていることです。「あれだけ一生懸命反対したのだから、成立しても廃止を言うのは当たり前」との意見も当然あるでしょう。しかし、いかに我々が強く反対したとしても、法案は成立しました。一度成立した法律を廃止するというのは簡単なことではありません。違憲かどうかの判断は、訴訟が起こされた時に最高裁判所が行うことになります。
  特に、今回の法律は日米間で合意された防衛協力の指針(いわゆるガイドライン)に基づいた国内法制の整備であり、単なる廃止ではアメリカと合意したガイドラインも反故にするということになります。私は、日米ガイドラインは日米政府間で確認したものであり、尊重すべきだと考えます。そうであれば、新たな法制をパッケージで提起する必要性があり、単なる「廃止」ではなく「見直し」、あるいは新たな案の「提示」でなければならないのです。
  民主党は2009年8月の総選挙で政権交代を実現しました。政権交代をしたのだからと、対米関係でも「テロ特別措置法」に基づくインド洋における給油活動の中止、普天間飛行場の代替施設の見直し(最低でも「県外」、できれば「国外」)、日米地位協定の見直しなどを主張しましたが、その後、現実の日米関係の狭間で「撤回」を余儀なくされたのは、拭うことのできない事実です。今なお混乱状況にある「辺野古」は言うまでもなく、給油活動の代替としての資金援助は約5000億円という高いものにつきましたし、地位協定の見直しは提示すらできないままでした。
  今でも思い出すのは、当時のアメリカ政府の主張です。「テロとの戦いにおける協力も、沖縄の基地問題の合意も、オバマ政権が決めたものではない。ブッシュ政権から受け継いだものだ。我々は政権交代後も日米政府間の合意だから引き継いだのに、日本はなぜ政権交代だからと言って日米合意を覆そうとするのか」。とても重い言葉でした。
  こういった考えを「対米追従」と批判される方々もおられるでしょう。しかし、戦後70年も経つのに、過去の自民党政権は自立を志向せず、インテリジェンス、防衛装備、敵基地攻撃能力をアメリカに依存し、日本の外交や防衛は日米基軸でなければならない状況ができ上がってしまいました。私たちが再び、政権の座に就く気がないのなら、できないことを叫んでいればいいのでしょうが、少なくとも私は、もう一度政権与党となり、この国の将来に責任を持ちたいと固く決意をしています。政権を再び握った時の対米関係を考えずして、成立した法律を単に「廃止に追い込む」と気勢を上げるだけでは、話になりません。
  ましてや「安保法制廃止」のみで、日本共産党と選挙協力するのは論外と言わざるを得ません。

   ・安保法制「廃止」の主張の中身が、一致しているのでしょうか?
  ・外交・安全保障の考え方が、一致しているのでしょうか?
  ・内政の考え方も、一致しているのでしょうか?
  全く違います。こういった政党と選挙協力するというのは、まさに「禁じ手」です。政党間の協力は、理念と政策の一致が必要条件です。その原点を踏まえた上で、野党の「大きな家」を作っていきたいと思います。


読んでいて、ウソと詭弁と卑怯さに吐き気を止められない。

「150717 安保法案強行採決、立憲主義破壊を前に声もあげず鳴りを潜めている前原誠司詐欺師が恐ろしい。」
                        2015年07月17日 20時35分22秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
7月17日(金):
 戦争大好きです! 日本会議会員の前原です。 お世話になった外国籍市民のおばちゃんもきちんと差別するよ!
安倍はやり過ぎた。間違いなく蹉跌する。新国立「白紙」は、これまでの見せ金政策の延長だ。「金を見せれれば世論を味方にできる」という安倍のゆがんだ社会観の表れであり驚きとするには当たらない。行き詰まったアベノミクスの変形の一種だ。もう支持率の回復にはつながらない。安保法案強行採決とは別の問題だ。絶対に許さない。非難の声を上げ続けて退陣に追い込まねばならない。

しかし、今の俺は安倍や自民党よりも、安保法案強行採決、立憲主義破壊を前にして何の声もあげず鳴りを潜めている前原誠司詐欺師や長島昭久戦争屋が恐ろしい。こいつらのいる民主党の中途半端さが恐ろしい。

立憲主義を破壊する安倍政権に対して、前原詐欺師はなぜ前面に立って闘わないのか。これでは前原や長島は自民党政権が終わった後に、集団的自衛権と安保法案の責任を全部安倍自民党のせいにした上で、「成立してしまったものは仕方がない。白紙撤回するほどのことはない。俺たち(前原や長島)民主党が、ずっと上手に運用するので国民の皆様ご安心を!」と言いそうではないか。

前原誠司詐欺師も長島昭久戦争屋もともに極右団体「日本会議」の会員である! また、前原詐欺師は、「安倍自民は「観念的」保守であり、自分たちは「現実的」保守である。自分たちならもっとうまくやる」と言って根っこが同じ第二自民党であることを自白していて、それを自己批判もしていない。

安倍の命脈は、あまり長くないかもしれない。自民党は、安保法案成立と引き換えに、総理大臣の顔のすげ替えをしてイメージチェンジするかもしれない。それでも自民党政権に対して集団的自衛権閣議決定の撤回、安保法案の廃案を期待することはできない。大事なのは自民党政権と政権交代したおそらく民主党を中心とした勢力が、安倍以前にリセットして閣議決定を個別的自衛権に戻し、立憲主義を回復して政治状況を正常化できるかが最大の問題だ。

その時、今、安倍自民との戦いを長妻、辻本、岡田らに任せ切って、憲法を軽んじ、国民の意志を無視し、集団的自衛権の戦争法案成立にひた走る安倍政権に対する表立った批判、とくに集団的自衛権の強行を一切批判・非難しない前原詐欺師は、今鳴りを潜めて、将来集団的自衛権と戦争法案を自分も活用しようと考え、将来への言質を取られないようにずる賢く動いているようにしか思えない。

日本会議会員の前原詐欺師や長島戦争屋が、前面に出てきて安倍自民政権を非難し、闘おうとしない民主党を全く信用できない。やる気があればどんな形であってもできるはずだろう!それをしないのが、むしろ恐ろしい。自民党の戦争好き独裁政権からの政権交代のあとに、ほっとしたのもつかの間、顔触れが変わっただけで本質的に全く同質の戦争屋が牛耳る民主党政権が現れるというのは全く洒落にならない。

今、安倍自民政権と闘ってる長妻、辻本、岡田らは少なくとも将来、安倍の憲法に対するクーデターともいうべき集団的自衛権閣議決定を否定するはずだから信用できるが、今息を潜めて気配を消している前原詐欺師長島戦争屋は、将来集団的自衛権の閣議決定撤回に異を唱え、「現実的」運用を標榜して戦争法案もアリバイ的な修正で済まして、憲法九条によって守られてきた平和主義を回復しようと努力しないだろう。

俺は日本会議会員の前原誠司詐欺師が恐ろしい。民主党が本当に国民・市民の信頼を回復したいのであれば、前原詐欺師と長島戦争屋に平和主義の踏み絵を踏ませるか、踏まなければこいつらを追い出すべきだ。前原と長島は早く民主党を出て、維新の党と合流しろ。国民を欺いて、政権が民主党に転がり込んできたときに「戦争大好き」の本性を出そうなどとたくらむのはやめろ。それこそ政治不信を増大させることになる。


「150718 立憲主義の否定、安保法案強行採決を一切批判・非難しない日本会議前原詐欺師が恐ろしい。その2」
                      2015年07月18日 12時58分15秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
7月18日(土):
 戦争大好きです! 日本会議会員の前原です。 お世話になった外国籍市民のおばちゃんもきちんと差別するよ!
これって前原詐欺師のことでしょ。それにしても谷垣禎一も残念だが終わってしまった。宏池会のホープだったのに…、汚れすぎた。
朝日デジタル「民主にも安保法案は必要と思う人多い」 自民・谷垣氏 2015年7月11日18時08分
■谷垣禎一・自民党幹事長
 民主党の中には、実は(安全保障関連法案は)必要だと思ってる人が、たくさんいるんですね。誰とはいいませんが、この京都にだっていますよ。
 だけど、パンフレットを作ると、そういう考え方と違った、徴兵制を敷くんだという議論をする。ものごとを単純化し、与党のイメージダウンを狙う戦略だ。
 武器は高度なものになり、通信体系や何かっていうのもなければ、戦闘行為だってできない。だから、何も筋肉ムキムキの人が戦争をすると思ったら大間違い。スリムでソフトな人だって、ある意味ではできる。
 つまり何が言いたいかっていうと、専門知識を持っていないと、そういう戦術や、武器や武器体系の変化など、いろんなものがありますから、徴兵制っていうのは、そういうのには向かない。俺は軍隊に行って仕事をしたいという志願制じゃないとなかなかうまくいかない。(京都市内での講演後の質疑応答で)


※ウィキペディア前原誠司より引用 *こいつに関する記述量の多さは異常だ。
他党との交友関係[編集]
安倍晋三[編集]
安倍晋三とは当選の同期であり、議員会館も隣りの部屋(安倍の部屋の前の住人は安倍晋太郎、前原の部屋の2代前の住人は安倍の祖父岸信介)。安全保障政策に関して気心知れた仲であり、2期目あたりまでは酒を一緒に飲みに行く仲であった(ただし安倍はほとんど飲めない)。現在もお互いの携帯電話番号は交換しており、安倍が選挙の応援演説で前原の選挙区に入る時、安倍の方から「ちょっと選挙区に入らせて貰います」と挨拶が入ることもあるという。
2007年8月27日に安倍改造内閣が発足すると、安倍との交友関係や小沢一郎との確執等の風聞をもとに、前原が防衛相として入閣する可能性が御厨貴、宮崎哲弥、与良正男などによって取り沙汰されたこともあった。
また、安倍内閣で幹事長を務めた中川秀直とも親しいとされる。
石破茂[編集]
石破茂との仲も良い。石破の出身地は鳥取県八頭町である。前原本人の出身地は京都市だが、父親は鳥取県境港市出身であった。双方とも首相の靖国神社公式参拝に反対している他、防衛問題でも意見が一致。鉄道やプラモデルの話題でも話が盛り上がるという。石破は、2008年(平成20年)9月に行われた自民党総裁選に立候補したが、これは前原との会話が間接的な原因となったとする報道がある[117]。


「151002 49万PV超:民主党前原詐欺師の戦争法案「見直し」論は憲法軽視、国民欺瞞の裏切り。」
                            2015年10月03日 15時55分54秒 | 閲覧数 記録
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政治家は誰のために政治をしてるのか? その誰かが、政治家を語るすべてだ。   (もみ)

国連の場で、「日本はシリア難民の受け入れをどうするか」聞かれて、「日本には、国内でやらねばならない女性や老人の活躍問題があるので移民問題はまだ考えられない」という国辱的無知蒙昧をさらした安倍晋三。こいつには「難民問題」とは目前で生きるか死ぬかの弱者に手を差し伸べるかどうかであり、それこそ「ブーツオンザグランド」を問われていることもわかっていない。マスコミもまともに取り上げて批判しない。

 民主党の細野豪志政調会長や前原誠司元外相らが、安全保障関連法に関する党執行部の対応に異論を唱え始めた。法成立後も廃止を訴える岡田克也代表への批判といえるが、細野氏は政策責任者で、法成立後の“異議”は説得力を欠く。細野氏は民主党解党を意味する新党結成にも意欲的だが、ここでも岡田氏らと温度差があり、「安保国会」で沈静化していた民主党のバラバラ感が再び表面化しつつある。(山本雄史)
 「党内の異論は9月19日の安保法成立後、一気に噴き出した。細野氏は29日の記者会見で、対案提出が領域警備法案だけだったことを「不本意だった」と不満を漏らした。前原氏も26日のブログで、岡田氏が法成立後も「安保法廃止を目指す」と明言していることに対し、「廃止」ではなく「見直し」との立場を表明。集団的自衛権の一部行使にも「賛成」と記した。産経新聞、2015.10.1 12:13 )」

この記事に接して、民主党内の前原詐欺師をはじめとする<第二自民党>の連中のあまりのわかりやすさと底の浅さに呆れかえってしまう。

前原誠司は、京都大学法学部出身で、中高生の時、数学専門の塾に行っていたそうだが、俺はこれまでそれをプラスに評価していたが、今は「この前原という男には、人間として重大な欠陥があるのではないか。安保関連法案審議・成立時にあれほど民主党の福山や蓮舫、辻本らが先頭に立って国民の前で反対を約束し、国会内で闘争している姿をよそに気配を消しておいて、成立後に「見直し」を叫ぶのが、同じ民主党員に対してもだが、SEALDsの若者たちをはじめとして国民に対してどれほどの欺瞞、裏切り行為として映っているのかがわかっていない。」と思わざるを得ない。

「国民の声をいちいち気にしていては、正しい政治はできない。国家を導けない。」というのであれば、もはや根っこから腐り果てているということだ。我々は、前原誠司や細野豪志のような詐欺師的<根無し草>を断じて許さない!

前原は子どもの時、父親を自殺で無くし、母子家庭で苦労したそうだが、目をかけてかわいがってくれた在日朝鮮人の外国籍市民のおばさんに対して切り捨てるような態度を公の場で行った。「一体、こいつは誰のために政治をしているのか」。

今、求められてるのは自民党の政策を引き継ぐ<第二自民党>ではない。世論調査で9割が説明不十分であるとし、6割が反対し、2割程度の賛成しかない中で強行採決された違憲安保関連法案の成立を厳しく非難し、自民党打倒と安保関連法の停止・廃棄を通して、憲法違反状態を正常な元に戻すことだ。

民主党内で違憲安保法案の「停止・廃棄」ではなく「見直し」を求めることは、政治における憲法違反を公然と認めるものであり、国民の意志を汲み取る考えのない詐欺師の政治屋だ。前原詐欺師の脳内では、数学が悪い方の作用をしているようだ。人の心が読めていない。日本社会も、国際社会も、こいつらの頭の中では囲碁将棋の盤上の手駒・手石にしか見えていない。得失と陣取り勝負に勝つことが目的化している。本当は、手駒、手石の一つ一つに尊い意志と生活があることに目を向けるべきなのに、前原詐欺師は一体、誰のために政治をしているのか。若い時に苦労したのに、世襲政治屋の安倍晋三との親和性を持つのは、橋下徹と同じだ。目的のためには手段を選ばない。ノブレスオブリージュも無い。法学部卒の、憲法軽視、国民無視は許されるのか。

「国家」のためか? そも、その「国家」とは何か。こいつらには人間が見えていない。「国家」とは観念的なものではない。前原は自分を「現実的」というが、こいつにとっての「現実」は、国民一人一人の生活ではない。訳の分からない何者かとの得失である。民主党内の<第二自民党>勢力を見ていると、安倍晋三と同じ何か、言葉の届かない空恐ろしい化け物を見ているような気がする。

民主党は、前原、細野、長島、松原、野田ら松下政経塾・日本会議系の<第二自民党>勢力をしっかりと封じ込めるべきだ。それができないのであれば、多少波風たっても袂を分かち、別れるべきだ。民主党が、共産党の投げたボールを受け止めなければ、国民の世論は混乱・混迷し、自民党は間違いなく勝つ。安倍晋三及び安倍晋三の後継者が延命・継続する。国民の目は、今まさに民主党が共産党からのボールを受け止めるかに注がれている。受け止めなければ、それはそのまま民主党の命を制する弾丸となる。もう消えてなくなった方が良い。

衆議院、参議院で安保関連法案反対で大見得を切ってきた枝野、長妻、辻本、蓮舫、福山、小西だけでも、最悪党を割る覚悟でSEALDsや国民との約束を果たすために戦争法案廃止、憲法違反の集団的自衛権容認の閣議決定取り消しのために動くべきだろう。「うそつき」になりたくないのであれば

民主党岡田党首は、自分で思い切って動けないのであれば、生活の党の小沢一郎党首にしっかりと頭を下げて協力体制を作り上げることだ。それが唯一の、国民への約束を果たすことだ。そして、沖縄県民との約束を果たす道でもある。


190129 京都の参議院議員候補は立憲民主党の<増原裕子>で決まり! ※前原詐欺師の国民党は早く消滅しろ。忘れないことが我々の闘いだ!

2019年01月29日 23時52分07秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
1月29日(火):

京都では、立憲民主党と国民党(早く消えてしまえ!)の間で揉めているようである。何を揉めているのかのぞいてみた。

斎藤アレックス  サイトウ アレックス
スペイン国マドリッド市生まれ。幼少時に来日し、大阪(大阪市及び守口市)で育つ。 同志社 大学経済学部卒業後、のべ5年間にわたり、大和証券SMBC株式会社及びSMBC日興証券株式会社にて、M&A(企業の買収・合併)のアドバイザリー業務に従事。 2013年4月、政治家を志して、34期生として(公財)松下政経塾入塾。経済・財政政策、特にベンチャー企業振興を主な研究テーマとする。この間、1年間にわたるワシントンDCでの研修を実施し、共和党下院議員事務所でのインターンも経験。2017年3月に卒塾後は、衆議院議員前原誠司事務所で勤務する傍ら、京都市内のベンチャー企業で経営企画やM&Aを担当した。 2018年11月、国民民主党京都府参議院選挙区第1総支部の総支部長に就任。


国民党(早く消えてしまえ!)推薦候補の本人ホームページの公式プロフィールである。これを読んで何を感じるのか。彼は1985年生まれである。俺が一番感じたことは、大学卒業後、28歳までわずか5年間しか働いた経験がないということ。しかもそれは、一般の人の生活の痛み、実態を肌身に感じる現場ではない。本人や前原詐欺師らは華やかな経歴?だと考えている一流証券会社のM&Aのアナリストである。

ボランティアの経験もなく、人々を見下ろす<上から目線の仕事>しかしてこなかったのに「自分は国会議員にふさわしい」と勘違いできるエリート意識満載の奴にいったい何が見えているというのか。沖縄の痛みや福島をはじめ多くの被災地の痛み、社会不安、ヘイトスピーチや差別意識・言動に苦しむマイノリティーや母子家庭の苦しみがわかるわけがない。世の中のことが何もわかっていない。本人が「わかる」と言ったって信用できない。その価値観の順位はずっと低いだろう。

わずか5年の仕事の経験、しかもそれでやめているということは、まともに仕事と向き合ったのは数年だろう。要するに、まともに働いた経験がないのだ。仕事の現場のきつさや人々の生活の苦しみを十分に知らないまま、「自分は国会議員にふさわしい」と考えられる感覚を恐ろしいと思う。こいつはきちんと税金、年金保険料を払った年数もほんの僅かなのだ。俺たちが何十年も働いて重い税金と年金・社会保険料に苦しんできた痛みも知らない。

松下政経塾入塾もワシントンDCの研修も共和党(民主党じゃないのかよ?!)下院議員事務所でのインターンも全部ひっくるめて「どうでもいい!」ことばっかりである。こんなことを良いことだと思っている感覚に「どうかしているんじゃないか」と思う。そして、極めつけが卒塾後32歳で前原詐欺師事務所に勤務、33歳で国民民主党から参議院議員選挙に立候補だという。全く国民、庶民の生活の痛みに触れたことがない頓珍漢なエリート意識だけの男が国会議員に立候補しようとしている。世の中のことが何も見えてない男が「自分は国会議員にふさわしい」と信じている。全くもって異常な風景だ。

前回の参議院議員選挙で落選した北神圭朗(永住外国人の地方参政権に反対)といい、今回のアレックスくんといい、前原詐欺師の推薦を受ける人間は弱者の痛みがわからない勘違い野郎ばかりである。年末年始に炊き出しをしていた自由党の山本太郎参議院議員の姿との根本的な違いを覚える。何十年も社会貢献を実践し続けてきた杉良太郎の「売名(行為)ですが、(それが)何か?」の名言を思う。

181212 参議院京都選挙区、立憲民主党推薦の増原裕子氏を支持する(もみ)。前原詐欺師の国民党は一刻も早く消滅しろ!<去年の秋>を覚えている。忘れないことだけが我々の闘いだ。
2018年12月12日 21時34分00秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」

2018年12月12日(水):

京都の皆様、私(もみ)は参議院京都選挙区、立憲民主党推薦の増原裕子氏を支持いたします。昨年の秋、多くの国民をあれだけ失望させ裏切った前原詐欺師の行動はいまも生々しい記憶の傷になっています。前原及びそれと平気で結べる国民党を断じて信用できない。一方で、枝野率いる立憲民主党の成立にどれだけ救われたことか。立憲民主党の候補にぜひ一本化して投票してください。

踏み絵を踏んだ汚い自分たちの姿を見ようともしないで、反省もせず前原詐欺師とぬけぬけと組める国民党は今すぐにでも消滅しろ!俺は去年の秋の選挙を覚えている。絶対に忘れないことだけが我々の闘いだ。

関係を断つべき前原詐欺師の指導下で前原詐欺師の元秘書斎藤アレックス(こんなやつ知らんわい!)を推薦する国民党に“希望”は断じてない!一瞬でも早く消滅しろ!そして、立憲民主党に一本化することこそが国家、国民・市民への最大の貢献だ。

それにしても、労働者・大衆の味方でない<連合>って“巨大組織労働組合”って何のために存在してるねん??? 壮大な逆説、カリカチュアだ!

 LGBTコンサルタントの増原裕子さん
朝日デジタル立憲、増原裕子氏擁立へ 勝間和代さんのパートナー  12/12(水) 13:04配信
  立憲民主党は来年の参院選京都選挙区(改選数2)で、レズビアンであることを公表し、LGBT支援に取り組む増原裕子(ひろこ)氏(40)を擁立する方針を固めた。16日にも枝野幸男代表が同席し、京都市内で会見する方向で調整が進んでいる。
  増原氏は、経済評論家の勝間和代さん(49)が今年5月、同性のパートナーであると公表した相手。立憲京都府連幹部は「弱い立場の人に寄り添う政治を京都から発信してほしい」と述べ、目玉候補としたい考えだ。
  横浜市出身の増原氏は慶応大大学院修了後、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部に勤務。現在はLGBTコンサルタントとして、企業や団体向けの講演や研修を担っている。
  同じ旧民進党を母体とする国民民主党は前原誠司・府連会長の元秘書、斎藤アレックス氏(33)の擁立を決めている。立憲にとって京都は、党幹事長を務める福山哲郎・府連会長のおひざ元。立憲幹部からは「この戦いには絶対に負けられない」との声も上がり、かつて同志だった福山氏と前原氏との「代理戦争」の様相だ。
  福山氏は12日、すでに斎藤氏への推薦を決めている連合京都の幹部と会い、選挙戦での支援を要請する。
  同選挙区では、自民党が現職の西田昌司氏(60)、共産党が現職の倉林明子氏(58)を擁立する。(安倍龍太郎)

8 038 大門正克「Jr.日本の歴史 7国際社会と日本 1945年から現在」(小学館:2011)感想特5

2019年01月27日 19時41分08秒 | 一日一冊読書開始
1月27日(日):  

306ページ      所要時間4:25     アマゾン1347円(高かったが、値打ちはあった!)

著者58歳(1953生まれ)。千葉県出身。一橋大学経済学部卒業。横浜国立大学経済学部教授。

1ページ30秒の眺め読みで進めたが、半ば過ぎにがくんとペースが落ちた。書かれている内容の大切さに引かれて付箋をしまくって、ペースダウンになった。それでも、「読む前に想像していたよりもはるかに優れた著作である!」ということは十分に断言できる。これから何度も折にふれて読み返し、参考にすべきテキストである。

1945年~2010年までの戦後65年を対象年としている本書だが、中高生向けのジュニア版と侮ってかかるべきではない。相当歴史に詳しい大人が読んでこそ「うんうん、そうだった」「ああその部分もきちんと押さえてくれてるんだ」「よくできている」と相槌を打ちつつ、内容の出来栄えを評価できる本である。中高生でこれをきちんと読める子がいれば、おそらく偏差値70前後の学校の学生だろう。本書は、むしろ学校の社会科教師が読むべきレベルである。

戦後65年の膨大な歴史の事象の中から何を重要な事柄として選び、記すのか。年代が現在に近づけば近づくほど情報量は爆発的に増え、自由主義史観のインチキ歴史屋ども、無知なネット右翼のウジ虫どもの毀誉褒貶にもさらされる。膨大な情報の氾濫の中で、小さな事実誤認なども避けられないだろうし、それに対する悪意の揚げ足取りもあふれるだろう。

その中で結局、試され、頼りとなるのは、歴史家としての矜持や志(こころざし)であり、歴史家としての背筋のしっかり伸びた姿勢である。そこさえ信頼できれば、俺はその本としっかり付き合うことができる。その点において、本書を俺は全面的に支持することができる。これから長いお付き合いを頂くことになるだろう。

本書は一見すると、淡々と戦後の歴史を記述しているようであるが、それなりに戦後史に詳しい俺から見れば、あまり類書のない壮大な戦後史物語りであり、まことに正しい姿勢の本である。

【目次】第1章 戦後の出発と冷戦のはじまり(敗戦と占領/冷戦・講和と東アジア ほか)/第2章 高度成長と冷戦の時代(変わるくらし、変わる進路/地域の変貌 ほか)/第3章 経済大国と国際化(「ふつうのためのモーレツ」/経済大国と消費社会 ほか)/第4章 グローバル化の時代(冷戦の終わりとグローバル化の時代/グローバル化の時代の戦争と平和 ほか)

【内容情報】主として中学生を対象に、歴史を学ぶ面白さ・大切さを感じてもらえる全7巻の日本史通史。第7巻は、1945年から現在までを対象に、敗戦後の日本があゆんできた道を、国際社会との関係を中心にえがきます。 /私たちが生きている現代とはどんな時代なのだろう。ゆたかになった戦後の日本。社会をみつめなおすことで私たちの未来がみえてくる。

(出版社より)私たちのあゆんできた道、これから進む道 /『Jr日本の歴史』第7巻は、1945年から現在までが対象です。1945年に太平洋戦争(アジア・太平洋戦争)に敗れた日本は、アメリカを中心とした連合国軍によって占領されました。さまざまな改革がおこなわれ、憲法もあたらしくなりました。その後、日本は独立をはたし、経済成長をとげゆたかになっていきますが、そうした戦後の日本のあゆみは、アメリカとソ連の対立を主軸とした冷戦状態のなかでの国際社会の動きに、つねにふかく影響をうけてきました。そこでこの巻では、国際社会と日本との関係に注意しながら、戦後の歴史をたどっていきます。現在の日本社会がどのように成り立ってきたのか。その過程でどのようなことがおきていたのか。そしてそこには、だれの、どのような思惑があったのか。そのような歴史の流れを知ることで、私たちが生きている現代がどのような時代かを理解し、明日を考えることが可能になります。これからの日本を担う若い人たちに、ぜひとも読んでいただきたい1冊です。

190127 今一番大事な提言:(日曜に想う)借金という未来への砲撃 編集委員・福島申二

2019年01月27日 13時54分53秒 | 時代の記憶
1月27日(日):

アベとスシを食うソガの記事は目のケガレなので読まないが、福島申二編集委員の論説は目を通すようにしている。

朝日デジタル(日曜に想う)借金という未来への砲撃 編集委員・福島申二
2019年1月27日05時00分

 「その暖簾(のれん)くぐるには、なぜか一応の怯(ひる)みがあった」と言っていたのは下町情緒あふれる漫画で知られた滝田ゆうだった。路地の奥にひっそりと下がっている質屋の暖簾のことである。同じような気分は私も学生時代に経験がある。
 こちらは質屋ではないけれど、借財にあたって「万死に値する」と苦悩した人がいた。大平正芳蔵相、のちに総理大臣になる政治家だ。1975年度、石油ショックの後遺症で税収が伸びず、補正予算で赤字国債発行に追い込まれた。
 額は2兆円。非常事態とはいえ禁断の木の実を食べてよいものかどうか、大平さんは悩み抜いたと、当時を知る先輩記者は書き残している。
 自伝を読むと、苦悩には生い立ちがかかわっているように思われる。生家は農家で借財が多かった。借金のことで父母がひそひそ話をしているのを聞くのもしばしばだった。毎年の収穫で返済できるうちはいいが、返せなければ田畑まで手放さなければいけなくなる。
 三つ子の魂百までという。農家と国家ではスケールは違うが、胸の内で双方が重なっても不思議はなかっただろう。
 それから歳月は流れ、怯みも苦悩も忘れたように膨らんだ国の借金である。地方と合わせて1100兆円を超えた長期債務を、天上の大平が知れば目をむくに違いない。それは子や孫の暮らしを質草にした莫大(ばくだい)な先食いでもある。
     *
 1万円札の顔、福沢諭吉が自伝に書いている。「およそ世の中に何が怖いといっても、暗殺は別にして、借金ぐらい怖いものはない」。そんな「遺訓」にそむくかのような借金1100兆円は、1万円札で積み上げると国際宇宙ステーションの27倍の天空にまで届く。あまりのことに現実味がわかないが、子や孫の世代に、本人たちのあずかり知らぬ巨額債務をつけ回しする現実は動かない。
 しまりなく財政赤字を垂れ流せば将来世代の重荷は増えるばかりだ。そうしたさまを、米国の経済学者が「財政的幼児虐待」と呼んでいると聞けば、どきりとさせられる。「虐待」の程度は先進国では日本が突出しているという。しかも少子の進む時代だから、1人あたりの負担はどんどん大きくなっていく。
 思い起こすのは安倍晋三首相が「戦後70年談話」で述べた言葉だ。
 「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」。こうした分野には熱意をたぎらせる首相だが、地味な上に痛みをともなう財政再建にはおよそ前向きとは言いがたい。
 将来世代に思いを致すのなら、ここは「謝罪を続ける」を「借金を返す」に置き換えて事にあたるべきではないか。

     *
 ドイツの作家、故ミヒャエル・エンデについて一昨年の当欄に書いた。名高い児童文学者は、私たちのもたらしている地球環境の破壊を「将来世代に対する容赦ない戦争」であると例えている。
 膨れあがる国の債務も、同じことが言えるだろう。いわば未来に向けた借金の砲撃だ。どちらも、今を生きる世代がつくる負の遺産に、まだ生まれていない世代は一言の異議申し立てもできない。
 米国では政府債務が膨らんだレーガン大統領の頃に、こんなふうに言われたと聞いたことがある。「次の世代が返済しなければならないと思えば、生まれた赤ん坊が泣き叫ぶのは当然だ」
 とはいっても、国や民族によらず増税が喜ばれることはまずない。この秋の消費税率アップも、せんだっての本紙世論調査では賛成33%、反対59%と出た。
 政治への信頼の薄さが「反対」の多い要因の一つだろう。今回の増税が社会保障の安心にはつながらないと見る人は75%を占めていた。暮らしに不安を残したまま、たとえば防衛費は伸び続け、米国からは言い値で兵器を買いまくる。一強政治の決める税金の使途に、納める側の思いは反映されているのかと疑う。
 今の暮らしを大切にしながら、借金の砲撃で将来世代に「白旗」を揚げさせない道をどうやって選び取るか。根拠のない楽観は無責任と同義である。

190126 命名!アベ<空疎>内閣:(社説)皇位継承儀式 「女性排除」の時代錯誤 /(社説)日ロ条約交渉 長期的視座で出直しを

2019年01月27日 01時28分30秒 | 時代の記憶
1月26日(土):

アベ内閣について思い浮かぶことは「これほど<空疎>な浪費(6年強)を知らない」「中身が何もない」ということに尽きる。理由は明らかだ。「アベに知識と思考力が著しく欠如している」ということだ。そのために政治がいつでも目先の動きだけの小手先でしか行われないので、大事なことは全く実現しない。国内だけで空威張りしても、国際社会ではその姿が悲しいまでに露呈するのだ。アベを見ていると無知(謙虚さと誠意も含めて)であることが如何に恥ずかしくて醜いのかを痛感させられる。

朝日デジタル(社説)皇位継承儀式 「女性排除」の時代錯誤 
2019年1月23日05時00分

 議論を疎んじ、憲法の理念をないがしろにする。都合の悪い話から逃げる。そんな姿勢がここにもあらわれている。
 天皇の代替わりに伴う式典のあり方を検討している政府が、その一部について正式に概要を決めた。このうち、皇位のしるしとされる神器を新天皇に引き継ぐ「剣璽(けんじ)等承継の儀」に関しては、釈然としない思いを抱く人が多いのではないか。
 式自体は、侍従が剣と璽(勾玉〈まがたま〉)を新天皇の前に安置するという10分間程度の短いものだ。だが神話に由来し、宗教的色彩の濃い儀式が、政教分離を定める憲法の下、なぜ国事行為として行われるのかという根源的な疑問は解消されていない。
 加えて、皇族で立ち会うのは成年の男子だけで、女性皇族は排除される。前例にならったというが、それは明治末期に制定され、現憲法の施行に伴って廃止になった「登極令」にある定めだ。平成の代替わりの際は、昭和天皇の逝去後ただちに執り行われたため、ほとんど議論のないまま援用された。
 国会でも問題視された方式を今回もそのまま実施する背景には、女性皇族の参列によって女性・女系天皇の議論が起きるのを避けたいという、政府の思惑があるとの見方が強い。
 女性・女系天皇を認めるか否かをめぐっては長年の論争があり、慎重な姿勢をとるのはわからなくはない。だがその話と参列を許さないこととは次元の異なる話だ。政権の支持層である右派の意向に気を使うあまり、社会常識と乖離(かいり)・逆行する方向に進んではいないか。
 政府は昨年、皇室制度に詳しい識者4人から意見を聞いた。
 いずれも総論としては前例踏襲を支持しつつ、同時に「国内外の通念とも調和しうるあり方とする。剣璽等承継の儀式などには未成年の男女皇族も参列するのが望ましい」(所功・京都産業大名誉教授)、「伝統の継承とは、歴史と先例を踏まえたうえで、時勢にあわせて最適・実現可能な方法を採用することを意味する」(本郷恵子・東大史料編纂〈へんさん〉所教授)といった、もっともな見解が示された。
 だがその後の政府の対応をみると、何のためのヒアリングだったのかとの疑問を抱く。
 この先も秋篠宮さまが問題提起した大嘗祭(だいじょうさい)を含め、儀式の細部を詰める作業が続く。「国民の総意」に基づく天皇であるために、憲法原則にかない、多くが納得できる姿をめざして議論を深めなければならない。政府の勝手にさせず、国会はチェック機能を適切に果たすべきだ。

朝日デジタル(社説)日ロ条約交渉 長期的視座で出直しを 
2019年1月24日05時00分

 国境画定への道に立ちはだかる壁は今なお厚いことがはっきりした。短期決着の展望は開けそうにもない。交渉に臨む考え方を見直すべきだろう。
 安倍首相がモスクワを訪ね、プーチン大統領と会談した。両首脳としては通算25回目の顔合わせだったが、平和条約をめぐる溝は埋められなかった。
 第1に、妥結の時期だ。安倍氏は6月のプーチン氏の来日時をめざしてきたが、ロシア側はそんな時間枠を考えていない。プーチン氏は会談後、「長期的な作業」が要ると強調した。
 第2に交渉の進め方である。安倍氏は、首脳同士の信頼関係に基づくトップダウンの打開を探っているが、プーチン氏はまず「国民の支持」を醸成するのが不可欠との姿勢を示した。
 プーチン氏は一方で、自国民の説得に乗りだす気配はない。安倍氏が言う「二人の手で終止符を打つ」という決意が共有されているとは言いがたい。
 当然ながら二国間の条約は、締結が自国の利益だと双方が納得して署名しなければ成立しない。そのためには互いの立場の違いを理解し、克服する知恵を出しあわねばならない。
 だが、ロシア側は日本がどこまで譲歩するかを突き放して瀬踏みしているかのようだ。ラブロフ外相は「北方領土」の用語を日本が使うことさえ認めていない。外交上の敬意も乏しい強気な姿勢に終始している。
 日本政府は長年、4島返還の看板を掲げてきた。しかし安倍氏は今回、その要求を控え、対象を実質的に歯舞、色丹の2島に絞る方針で臨んだという。
 それでもロシア側は、4島すべてがロシア領であることは確定済みで、議論の余地はないとの主張を強めている。これでは交渉の体すらなしていない。
 プーチン政権にとっては、第2次大戦でドイツや日本と戦った歴史を愛国心の高揚に利用してきた経緯がある。簡単に曲げられる問題ではない。
 安倍氏は、来月に改めて外相会談を開くよう求めている。だがこの現状では外相会談を重ねても、根本的なすれ違いを繰りかえす公算が大きい。
 実質2島論という国策への転換を、安倍政権は国民に明示していない。説明責任を果たさないまま政権の独走で短期の成果を求めるような交渉を、いつまでも続けるべきではない。
 元島民らがもっと自由に故郷と往来できる制度をつくり、民間の経済交流を促すのは有益だ。その一方で、平和条約問題については腰の据わった長期的な視座で臨むのが賢明である。

8 037 藤原和博「本を読む人だけが手にするもの」(日本実業出版社:2016)感想4

2019年01月26日 19時00分42秒 | 一日一冊読書開始
1月26日(土):  

271ページ     所要時間5:00      アマゾン757円(500+257)

著者61歳(1955生まれ)。

2度目である。しかも、昨年の10月9日(火)に今年度12冊目として読んだものを再読したのだ。図書館で借りた本ではあったが、多くの付箋をした本書を返却するのがどうにももったいなくなった。何とか古本で安く手に入らないものかと努めたのだが、本書は、なかなか値崩れしない。

本書の感想は、前回の通りなのだが、手放したくないという思いとの板挟みで苦しんだ。それなりに覚えておきたい、手元に置いて折にふれて流し読みをして確認したい内容が随所にあったのだ。結局、「ちょっと納得できないが、上記の値段(定価の半額)で妥協することにした。

図書館の本から付箋を移して、改めて時間をかけて読み直した。著者に対する印象は前回と全く変わらないが、やはり勝手手元に置くことができてよかったと思っている。感想が3+から4に上がっているのは、十分な時間をかけて読んだからである。これより高い評価は付けづらいが、大体4~4+のレベルをキープするのが著者の実力なのだろう。そして、前回紹介した『建てどき』(情報センター出版局:2001)評価5のような非常に実用的で役に立った著作もあるのである。

8 012 藤原和博「本を読む人だけが手にするもの」(日本実業出版社:2016)感想3+
2018年10月09日 21時51分15秒 | 一日一冊読書開始

2018年10月9日(火):  

271ページ     所要時間2:30      図書館

著者61歳(1955生まれ)。『日経ビジネス』で8年間にわたって書評を執筆。講演会が1000回を超える人気講師でもある。

著者を俺はそれほど好きではない。著者が櫻井よしこや百田尚樹の著作を平気で推奨するところなど正直「こいつ、どうかしている」と感じる。俺とは相容れない感性の持ち主だ。頭は良いので、意識的ノンポリを演じてるのだろうが、俺はそこがいやなのだ。

一方で、著者の著作は内容的に軽い分、読み飛ばしやすい。そして、一概に否定しきれない実用性を持っている。国語学者の齋藤孝に対する印象に近い。常にある水準をキープし、(俺にとっての)ヒット作も出ているのだ。例えば、注文住宅で今の家を建てた時には、著者の本を何度も何度も熟読して建てた。そして、俺は今の家に満足している。

1980年代までの成長社会の「みんな一緒」で情報処理能力が重視されたが、長く経済停滞が続く現代は成熟社会の「それぞれ一人ひとり」で情報編集力が必要である。そのためには読書が大事である。とのたまうのだが、「読書が大事」という理由付けは何を言っても可能だと思うので、この時代認識自体に大した意味はない。

ただ「読書は大事」という事実の確認本の一冊としての価値は認める。「読書によって、人生の<鳥観図>を獲得する」「量は質に転化する-300冊のブレイクスルー」など気の利いた言葉、指摘も随所に出てくる。

【目次】序章 成熟社会では本を読まない人は生き残れない :現在は、「本を読む習慣がある人」と「そうでない人」に二分される階層社会になりつつあると警告。
第1章 本を読むと、何が得か? :「読書と収入の密接な関係」「読書によって身につく、人生で大切な2つの力」など、ズバリ、読書のメリットを答えていきます。
第2章 読書とは「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること :「1冊の本にはどれほどの価値があるのか」「本を読むことは、2つの『みかた』を増やすこと」/「脳をつなげて未来を予測する」など、本を読むことの本質に迫っていきます。
第3章 読書は私の人生にこんな風に役立った :「人生を変える本との出合い方」「自分の意見を述べるための読書」「読書で人生の鳥瞰図を獲得する」など、人生と読書との関連性がリアルに綴られています。
第4章 正解のない時代を切り拓く読書 :21世紀の成熟社会に不可欠な「情報編集力」とそれを構成する5つのリテラシー「コミュニケーションする力」「ロジックする力」「シュミレーションする力」「ロールプレイングする力」「プレゼンテーションする力」を、いかに読書で磨いていくか解説していきます。
第5章 本嫌いの人でも読書習慣が身につく方法 :読書嫌いの子も少なくなかった中学校の校長時代の経験なども踏まえ、いかに読書を習慣化させるかを現実的な側面からポイントを押さえていきます。
巻末――「ビジネスパーソンが読むべき11冊」「小中高生を持つ親に読んでほしい本」 :「親が子どもに読ませたい10冊」という著者のおすすめ本も紹介します。

8 036 作・絵 のはな はるか(野花 遥)「109ひきのどうぶつマラソン」(ひさかたチャイルド:2017)楽しい!

2019年01月26日 15時46分22秒 | 一日一冊読書開始
1月26日(土):      

36ページ    所要時間0:30(読み聞かせ)     図書館

著者28歳(1989生まれ)。

ちきゅういっしゅう どうぶつマラソン開催:それではいちについて…よーいドン!! ⇒ジャングル、うみ、どうくつ、いわやま、つなわたり、こおりのみずうみ、めいろ⇒ゴールッ、くろひょう、チーター、うまが1番、2番、3番で、109番までの順位のはずが、すべてのどうぶつたちにそれぞれのきんメダルを。図鑑の要素もあって、絵探しをしながら読み聞かせをしていて、とっても楽しい気分になる作品です。最近では一番のヒット絵本です。

【内容紹介】109ひきの動物たちが参加する地球1週マラソンがスタート。途中には森あり海あり迷路あり。それぞれの動物たちが得意なことを活かして進んでいきます。見開きごとに「みつけてみよう」という3つの問題が出てくるので、探し絵も楽しめます。

190125 卓説!再掲 感想5+:161222 脱ポピュリズム 「昭和の社会」と決別を 歴史社会学者・小熊英二

2019年01月25日 23時48分03秒 | 一年前
1月25日(金):

ほぼ2年前の論説だが、まったく審議されることなく強行採決された所謂<移民法>が成立・施行される直前の時期である”まさに今”読むとある種の切実な迫真性をもって読むことができる内容になっている。小熊英二の先見性をほめるよりも、むしろ危機はすでに2年前明らかに急迫していたにも関わらず、平気で放置し最悪の形で悪法を今まさに強行しようとしている現政権・マスコミおよびそれを許している野党も含めた全政治家、さらには怒りを忘れた日本社会全体の現状の責任が問われているのだと思う。

特に、「日本に移民は必要ないだろう。最低賃金以下で休日出勤も残業もいとわない本国人が、大勢いるのだから。/西欧で移民が働いている職場は、飲食や建設などだ。これらは日本では、(外国人や女性を含む)非正規労働者が多い職場である。西欧では移民が担っている低賃金の職を、日本では非正規や中小企業の労働者が担っているのだ。」、「低所得層(米国ならマイノリティー、西欧なら移民、日本なら「非正規」が多い部分)」などの指摘は重要だ。

最後のまとめ部分も重要なので書き出しておく。この考え方は、「沖縄の基地問題」を考える上でも非常に有効である。
過去への愛着は理解できる。だが人権侵害が指摘される制度を使ってまで「日本の風景」を維持するべきだろうか。同じく、人間を破壊する長時間労働で「昭和の社会」を維持するべきだろうか。それは他者と自分自身の人権を侵害し、差別と憎悪の連鎖を招きかねない。
 右派ポピュリズムの支持者は誰か。それは古い様式に固執し、その維持のためには人権など二の次と考える人である。他者と自分の人権を尊重し、変化を受け入れること。それによってこそ、健全な社会と健全な経済が創られるはずだ。


161222 脱ポピュリズム 「昭和の社会」と決別を 歴史社会学者・小熊英二
2016年12月22日 19時45分00秒 | 時々刻々 考える資料

2016年12月22日(木):
朝日デジタル(論壇時評)脱ポピュリズム 「昭和の社会」と決別を 歴史社会学者・小熊英二     2016年12月22日05時00分
  ポピュリズムの支持者は誰か。遠藤乾はEU離脱支持が多い英国の町を訪ねた〈1〉。そこでは移民の急増で病院予約がとれず、公営住宅が不足し、学級崩壊も起きている。「英国のアイデンティティ」の危機を感じる人も多い。
  だがこの論考で私の目を引いたのは、現地の女性が発したという以下の言葉だった。「彼ら移民は最低賃金の時給七ポンド弱(約九百六十円)で休日も働き残業もいとわない。英国人にはもうこんなことはできないでしょ?」
  私はこれを読んで、こう思った。それなら、日本に移民は必要ないだろう。最低賃金以下で休日出勤も残業もいとわない本国人が、大勢いるのだから。
  西欧で移民が働いている職場は、飲食や建設などだ。これらは日本では、(外国人や女性を含む)非正規労働者が多い職場である。西欧では移民が担っている低賃金の職を、日本では非正規や中小企業の労働者が担っているのだ。
    *
  それでは、英国でEU離脱を支持した層は、日本ならどの層だろうか。日本の「非正規」が英国の移民にあたるなら、それは「非正規」ではないはずだ。
  先月も言及したが、大阪市長だった橋下徹の支持者は、むしろ管理職や正社員が多い。低所得の非正規労働者に橋下支持が多いというのは俗説にすぎない。
  米大統領選でも、トランプ票は中以上の所得層に多い。つまり低所得層(米国ならマイノリティー、西欧なら移民、日本なら「非正規」が多い部分)は右派ポピュリズムの攻撃対象であって、支持者は少ない。支持者は、低所得層の増大に危機感を抱く中間層に多いのだ。
  では、何が中間層を右派ポピュリズムに走らせるのか。それは、旧来の生活様式を維持できなくなる恐怖である。それが「昔ながらの自国のアイデンティティー」を防衛する志向をもたらすのだ。
  ファリード・ザカリアは、EU離脱やトランプを支持した有権者の動機は「経済的理由ではなく文化要因」だったと指摘する〈2〉。移民増加や中絶容認などを嫌い、英国や米国のアイデンティティーの危機を感じたことが動機だというのだ。確かにその背景は、雇用の悪化で生活の変化を強いられたことではある。だがそれは、「古き良き生活」と観念的に結びついた国家アイデンティティーの防衛という文化的な形で表出するのだ。
    *
  日本でも社会の変化とともに、右派的な傾向が生まれている。だが日本では、移民や中絶の問題は大きくない。その代わりに、歴史認識や夫婦別姓の問題が、「古き良き生活」と結びついた国家アイデンティティーの象徴となっている。
  そして調査によれば、ネットで右翼的な書き込みをしたり、「炎上」に加担する人に多い属性は、「年収が多い」「子供がいる」「男性」などだ〈3〉。いわば「正社員のお父さん」である。
  この層は、旧来の生活様式、つまり終身雇用や専業主婦などが象徴していた「昭和の生活」を達成しようとあがきながら、それが危うくなっている中間層である。
10月の本欄で述べたが、都市部で子供2人を大学に行かせれば、年収600万円でも、教育費を除いた収入は生活保護基準を下回ってしまう。
  さらに住宅を買い、多少の余裕を持つには年収800万でもぎりぎりだろう。統計上は「中の上」の収入でも、「昭和の生活」を維持するのは苦しいのだ。
  もっと働いて稼げ、というのは解決にならない。長時間労働はもう限界だ。日本の労働時間は平均では減少したが、それは非正規労働者が増えたためで、正社員の労働時間は増加傾向だ。長時間労働者の比率は欧米よりずっと多い。サービス残業のため「時給換算で約700円」の大企業正社員もいる〈4〉。
  ではどうするか。無理が多い時は、目標の立て方を見直した方がよい。つまり「昭和の生活」をめざすことが無理なのだ。男性が年収800万を長時間労働で稼ごうとするよりも、男女が適正な労働時間で400万ずつ稼ぐ方が、現代の経済状況に適合している。「古き良き生活」に固執し続ければ、不安とストレスから抜け出せないし、右翼的な書き込みや投票行動をも誘発しかねない。
  しかも日本の労働生産性は製造業で米国の7割、サービス業で5割にすぎない〈5〉。低賃金の長時間労働は、古い産業や古い経営を維持する結果になっている。今の日本は「昭和の社会構造」を維持するために疲れ切っているのだ。
  これは都市だけの話ではない。日本でも実習生という名の移民が農業や縫製などで働いている。安田浩一はこれを「日本の地場産業が、低賃金で働く外国人実習生によって、ぎりぎりのところで生き永らえている」と評した。安田によれば「移民によって日本が日本でなくなる」というのは逆で「外国人によって日本の風景が守られている」のが実態だ〈6〉。
  過去への愛着は理解できる。だが人権侵害が指摘される制度を使ってまで「日本の風景」を維持するべきだろうか。同じく、人間を破壊する長時間労働で「昭和の社会」を維持するべきだろうか。それは他者と自分自身の人権を侵害し、差別と憎悪の連鎖を招きかねない
  右派ポピュリズムの支持者は誰か。それは古い様式に固執し、その維持のためには人権など二の次と考える人である。他者と自分の人権を尊重し、変化を受け入れること。それによってこそ、健全な社会と健全な経済が創られるはずだ。
    *
〈1〉遠藤乾「EU 独メルケル首相は希少価値が出る」(文芸春秋1月号)
〈2〉ファリード・ザカリア「トランプ後もポピュリズムは続く」(フォーリン・アフェアーズ・リポート11月号)
〈3〉田中辰雄・山口真一『ネット炎上の研究』(4月刊)/辻大介「インターネットにおける『右傾化』現象に関する実証研究」(2008年、http://d-tsuji.com/paper/r04/report04.pdf別ウインドウで開きます)
〈4〉特集「労基署が狙う」(週刊ダイヤモンド12月17日号)
〈5〉滝澤美帆「日米産業別労働生産性水準比較」(日本生産性本部・生産性レポート、12月、http://www.jpc-net.jp/study/sd2.pdf別ウインドウで開きます)
〈6〉安田浩一「ルポ 外国人『隷属』労働者」(G2・第17号、2014年)
    ◇
 おぐま・えいじ 1962年生まれ。慶応大学教授。近刊に高賛侑・高秀美との共編著『在日二世の記憶』(集英社新書)。

8 035 朝尾直弘編「ジュニア日本の歴史4戦国の争い」(小学館:1978)感想特5

2019年01月25日 01時52分42秒 | 一日一冊読書開始
1月24日(木):  

282ページ     所要時間11:50      蔵書

編者 朝尾直弘47歳(1931生まれ)。京都大学教授。
執筆者:朝尾直弘・藤井学・北島万次・池上彰彦

ジュニアと書かれているが、学会を代表する碩学による、言うも愚かな<名著である。テキスト中のテキスト!このコンパクトさで、これほど内容が充実して、面白い日本史の本は少ない。これまでに何度繰り返して目を通してきただろう。すでに黒、オレンジの線だらけの本に対して改めてじっくりと付箋や線を引きまくって読み込んだ。40年前の本だが、全く古さを覚えない。十二分に現役の歴史書である。

昨夜、本シリーズ全6巻(小学館)の後継シリーズ?「Jr.日本の歴史 全7巻」(小学館:2010~2011)をアマゾンの古本で合計6179円(定価13608円)で注文をした。

【目次】 はじめに
動乱の時代 :下剋上の世の中/戦国大名の登場/民衆勢力の台頭/南蛮と庶民文化
天下統一へ :織田信長の十五年/豊臣秀吉の統一政策/太閤の夢、明・朝鮮への野望/黄金の文化、わび・さびの文化
江戸の幕府 :天下をとった徳川家康/朱印船から鎖国へ/士農工商の世へ/民衆の生活と、伝統文化の復興
世界の歴史、年表、索引

8 034 「やくそくは南の海をこえて―シンガポール日本人学校の子どもたち」(金の星社:1990)感想3

2019年01月25日 01時46分33秒 | 一日一冊読書開始
1月24日(木):  

73ページ     所要時間0:35(読み聞かせ)     リサイクル本

著者36歳(1954生まれ)。

子ども向けにはいい本だと思う。敗戦の年、上野動物園で象が殺された話をシンガポールの日本人学校の小学生たちが聞いて学習発表会で影絵を演じる話。


190122 大河ドラマ「利家とまつ〜加賀百万石物語〜」(2002)DVD全49話コンプリート 感想5+

2019年01月22日 21時56分45秒 | 映画・映像
1月22日(火):   4280円!  

1月8日夜、アマゾンで大河ドラマ「利家とまつ〜加賀百万石物語〜」(2002)全49話DVDの台湾からの逆輸入版(音声:日本語 / 字幕:中国語)を超破格の新品4280円!で見つけた。膝を打って即注文を出した。翌日、早々に届き、それからは連日「利家と松」三昧だった。そして本日、めでたく全49話を見終わった。

感想は、「十分満足した。楽しかった!」に尽きる。やはり視覚、聴覚で脳に焼き付けられたイメージは強力だ。そして、最近のハズレ大河とは違って、本作はキャストの俳優陣が実に、非常に良かった。切れっ切れの名演技につい心がほだされて見続けてしまった。

佐々成政、前田慶次郎、山上宗二など、今まで断片的にしか知らなかった人物をはじめ、当時の戦国武将たちの人間関係の機微が、松(前田利家妻)、おね(豊臣秀吉妻)、はる(佐々成政妻)ら女性側から描き出されているのでわかりやすかった。

女性の立場から映されたちょっと甘たるい<戦国のホームドラマ>みたいな印象を受ける時もあったが、俺には新鮮さの方が勝った気がする。通常の内助の功も含めて、戦国時代の女性が果たした役割・存在の大きさを改めて知ることができた。最終回、利家の死後、関ケ原の戦いを前にして、前田の松(芳春院)が自ら江戸に人質として向かったことが、その後の前田家を救い、120万石の大大名たらしめたことは間違いないのだ。

また、賤ケ岳の敗戦後、利家が籠もる越前府中城に秀吉が大胆にも単騎で乗り込み、それを利家の妻松が味噌汁で迎える。「豪姫の母上殿」と秀吉が呼びかけ、松が微笑みつつ来訪への感謝を述べる。そこに利家が現れ、「おやじさま(柴田勝家)を討つのは、自分でなくてはならない」と秀吉に先陣を申し出るシーンなどは、圧巻であった。語り尽くされた感のある信長、秀吉の時代の物語りだが、本作品はなかなか味わい深かった。百姓上がりで家柄のない、譜代の家臣のいない<成り上がりの天下人>の秀吉にとって、前田利家がどれほど得難い親友・知己であったのか。

秀吉の後を追うように亡くなった前田利家が、詮無き想像ではあるが、あと5年元気で生きていれば、家康側に付いた加藤清正、福島正則、黒田長政ら豊臣恩顧の大名の多くが前田利家への人望で反家康で結束した可能性は十分にあっただろう。少なくとも豊臣恩顧の諸大名の無様な分裂を避けることはできたであろうことを考えるなら、徳川の天下も危うく、豊臣氏の天下維持も十分に考えられた。もし、利家が10年元気で生きていれば、家康は老い、秀頼は元服、成人する。大坂の陣も視野に入れて、さて天下の帰趨はどうなっただろう。徳川の天下も、必ずしも既定の路線という訳ではなかった。

利家の死後、松(芳春院)が自主的に江戸に人質として向かい、関ヶ原で前田利長が徳川方に付いたことは、徳川家康にとって確かに合掌したいような有難さの極致であっただろう。その後、利長が江戸へ参勤をして諸大名に範を垂れて参勤交代制が始まることを思い合せれば、徳川政権下で前田家が加賀・能登・越中120万石もむべなるかなである。

こうして話の内容をあれこれ思い出し始めると、見ごたえのある名シーンが次々と浮かんでくるので切りがない。ここらで終わるが、歴代大河ドラマの中でもかなり出来の良い作品だったと思う。

8 033 江藤真規「勉強ができる子の育て方」(ディスカヴァー携書:2009/2015)感想4

2019年01月15日 03時14分35秒 | 一日一冊読書開始
1月14日(月):  

256ページ     所要時間2:40      古本市場86円

45歳?(1964生まれ?)。お茶の水女子大学卒。

娘二人が、東京大学に現役合格(姉・理Ⅲ、妹・文Ⅲ)した子育ての記録である。大学卒業後、東京電力就職2年目の24歳で結婚退職。25歳で出産、母となる。

専業主婦として、「教育ママ」に徹する。娘二人の教育のために手探りした方法、思索の積み重ねを開陳した内容。夫の仕事の関係上、二度にわたって渡米。二人の娘が小学校6年、4年の時、帰国。娘二人は、帰国子女ということになる。その後、公立ではなく私立の中学校受験を敢行。

東京大学に子どもを進めるのには、やはり親の教育力(学歴)と経済力が反映されるのだなと再確認。一方で、本書に対する俺の印象は悪くはない。それなりに謙虚でまともなことがきちんと書かれている、と評価している。恵まれた経済事情の中で、高学歴の母親が、我が子のために精一杯知恵と工夫をしぼったアイデアの数々はいずれも納得のいくもので、事新しい驚くような内容ではない。

ある意味、あるべき当たり前の教育をきちんとやり切ったことで結果が出たことに本書の意義はある。当然のことを、実際にきちんとやり切れば子どもは当たり前にきちんと育ってくれるということだ。ただ、一昨日に読んだ池上彰編「子どもの貧困」とは対極の世界でもある。人間の世の中の不条理・不平等もよく見えてくる。この格差を少しでも小さくしていく努力が大切なのだが、どぶの目をした世襲政治屋集団が首相を務める今の日本では望むべくもない。

著者の良識を感じさせる一説を紹介しておく。
・【子供の反抗期について】この時期の子どもから出てくる言葉はストレートで、ときとしてまわりを傷つけます。そんな言葉に一喜一憂する必要はありません。/略。/「お気持ちはわかります。では、こうしませんか?お子様の行っている言葉ではなく、なぜお子様はそんなことを言っているのか、そこを聞いてみましょう」/子どもの口から出てきた言葉ではなく、なぜそのようなことを言っているのかを聞く、ということです。/「どうしてこの子はこんなことを言うのか」というところに意識を集中させると、口から出てくる言葉の奥にある「本当の気持ち」が聴こえてきます。それによって、私は「ああ、この子も苦しんでいるんだ。それを受け止めてやるのが私の役割だ」と心から思えるようになったのです。/そうやって少し広い視野で考えるようになると、子どもの口から出てくる言葉が、ワンクッション置いてから私に届くようになり、私も子供の言葉に反射的に反応してしまうことはなくなりました。そして、再びうまくコミュニケーションが取れるようになったのです。/人間関係は言葉のやりとりで思わぬ方向に進んでしまうことがあります。たとえ何もかもわかり合っているはずの親子であっても……。/この時期の子どもといい信頼関係を作るには、子どもの言葉や行動に反射的に反応せず、一呼吸おいてから考えること。答えを出す前に体全体をぐるっと通してみて、それから答えを考える、そんなイメージです。160~161ページ

如何ですか。この文中の<子ども>を今の韓国政府(韓国の皆さん、ゴメンナサイ)、<私>を日本政府に置き換えてみれば、表面的な事象で大騒ぎをして国民を扇動している今のアベ自公政府マスコミの大人げなさ、悪意すら感じさせる稚拙さが手に取るようにわかる、と思います。親子関係と同様に隣国との関係は非常に大事な関係なのだ。

【目次】第1章 勉強が好きで何が悪い! 楽しく学べば必ず伸びる /第2章 教育ママで何が悪い! 娘二人を東大に入れた私の子育て /第3章 できる子の親 7つの子育てポリシー /第4章 年齢別 子どもが伸びる5つの関わり方 /第5章 東大合格を実現した我が家の勉強法

【内容紹介】娘二人を東大現役合格させて母親が、幼児期の育て方から、大学受験時の教材や勉強法まで公開! 5万部のベストセラー、待望の携書化 /二人の娘を東大に現役合格させた著者が、7つの子育てポリシー、子どもが伸びる5つの関わり方、勉強を習慣にする7つの秘訣、考える力を育てる3つの指導法など、どこの家庭でもすぐに実行できる方法を紹介する。難関校に合格した子の親はよく「勉強なんかしてません。運がよかったんです」と謙遜するが、著者は「勉強好きも一つの個性。それを最大限に伸ばすため、幼い頃から勉強をさせてきました」と言い切る。「ガリ勉」というネガティブなイメージではなく、「学習は本来楽しいもの。知識や世界を広げる素晴らしい体験」であり、何より大切なのは「楽しく学ばせること」だという。そのためにどう子どもと接し、どんな環境をつくるべきかを具体的に解き明かす。

190114 韓国の文在寅大統領は本当におかしいのか? ※再掲 一年前:180120 孫崎享 外交評論家:口約束の「日韓合意」見直しを拒否する安倍政権の非常識 日本外交と政治の正体

2019年01月14日 16時22分44秒 | 一年前
1月14日(月):

テレビを見てると韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、国際的な約束を守らないとして、異常で非常識だという印象操作が行われていてすごく違和感を覚えるので一年前の自分のブログ記事を見てみたら、以下の記事が出ていた。日韓合意とは、<条約>ではなく、<口約束>程度のものであり民主主義の国家では事情が変われば、それなりに改編があっても仕方のないレベルのものである。今の日本の政府とマスコミの印象操作には恐れを感じる。

そもそも相手が意外な態度をとれば、その部分だけをあげつらい非難し続けるのは<水掛け論>になるだけで、何ら前向きな解決を生むものではない。むしろ、相手の意外な態度の背景をしっかりと見極めつつ、国民には冷静な態度を呼びかけるのが政府・マスコミのあるべき姿だろう。

強いアメリカ、中国、ロシアには腰が抜けているのに、最も大切な隣国の韓国を上から見下し、見くびり、潰しにかかる日本政府・マスコミの弱い者いじめ、夜郎自大の大人げない態度の稚拙さにあきれる思いしかない。

180120 孫崎享 外交評論家:口約束の「日韓合意」見直しを拒否する安倍政権の非常識 日本外交と政治の正体
2018年01月21日 03時01分58秒 | 時々刻々 考える資料

2018年1月20日(日):  

日刊ゲンダイ 孫崎享 外交評論家:口約束の「日韓合意」見直しを拒否する安倍政権の非常識 日本外交と政治の正体 2018年1月19日  
  読売新聞社が世論調査を実施し、慰安婦問題を巡る2015年12月の「日韓合意」について、韓国政府からの追加要求には応じないとする日本政府の方針を「支持する」と答えた人が83%に上った、と報じた。私にとっては全くの驚きである。
  日本政府の方針を「支持する」と回答した人のどれくらいが、「追加要求」の内容を知っているのだろうか。具体的な内容を知らずに「追加要求」という言葉が独り歩きしているのではないだろうか。
  韓国側が公表した新方針は次の通りだ。
①日本政府が拠出した「和解・癒やし財団」への基金10億円は韓国政府の予算で充当する。
②韓国政府は合意に関して日本政府に再交渉は求めない。
③ただ、日本側が自ら、国際的な普遍基準によって真実をありのまま認め、被害者の名誉と尊厳の回復と心の傷の癒やしに向けた努力を続けてくれることを期待する。
  日本国民は、この韓国の新方針のどの部分が遺憾だと感じているのか。
  安倍首相は「合意は国と国との約束で、これを守ることは国際的かつ普遍的な原則だ。韓国側が一方的にさらなる措置を求めることは、全く受け入れられない」と言っている。しかし、この発言は国際的常識からいえば正当性はない。
  前提として民主主義国家とは何かを考える必要がある。民主主義とは政府が国民の意思を反映し、実施することである。大統領選挙や国会選挙で政権が代われば、当然主要政策は変更される。米国のトランプ大統領は大統領就任後、TPP合意からの離脱を宣言した。そしてさらに、北米自由貿易協定からの離脱も検討している。ところが、関係国が「過去の合意を守らない」とトランプを非難しているのかといえば、していない。

  国際的な約束には、順守の重いものから順に「条約」「署名文書の作成」「口頭約束」がある。「日韓合意」は公式文書の作成は行わず、両外務大臣が記者会見を開いて発表するという形式で行った「口頭約束」に過ぎない。この程度の合意について、「合意は国と国との約束。順守は国際的かつ普遍的な原則。韓国側が一方的にさらなる措置を求めることは、全く受理できない」という認識は国際的な常識から大きく逸脱している。
  そもそも韓国国民の重大関心である慰安婦問題を、日本の一政権が「最終的、不可逆的合意」ができると考えているのが間違いなのだ。

関連記事
公式文書すらない日韓合意、韓国の見直しを非難する安倍首相のほうが異常で非常識 孫崎享(Business Journal)

190113 一年前:180112 指標とすべき卓論!:修正主義の危険性 歴史教育で「悪意」封じよ 武井彩佳 評価5+

2019年01月14日 04時16分26秒 | 一年前
1月13日(日):

2018年1月12日(金):  

最近、堕落した新聞、権力に迎合(忖度)するマスコミや政治屋らから意図的に発される「両論併記」によって、真実が不明瞭にされる弊害が深まっている。正直、このような風潮にうんざりしながら、違和感ばかりで、すっきりした反論が口から出てこなくてストレスを随分と溜め込んでいた。

しかし、以下の文章を読んで気分が晴れた。愚劣、醜悪な「歴史修正主義」に対して、手短な簡潔さでかつ、非常に分かりやすく明晰に状況説明と批判が、やり切られている。今後、卑怯・卑劣な「歴史修正主義者」らを批判する際に必ず<指標>として提示されるべき、まれに見る卓論である、と俺は思う。このまま広辞苑第七版に載せたいぐらいだ。

朝日デジタル:【私の視点】修正主義の危険性 歴史教育で「悪意」封じよ 武井彩佳 
                          2018年1月11日05時00分
  ホロコースト(ユダヤ人虐殺)否定者のデイビッド・アービング氏と、闘った歴史家デボラ・E・リップシュタット氏の裁判を題材とした映画「否定と肯定」が公開中だ。
  ホロコースト否定のように史実を意図的に矮小(わいしょう)化したり、一側面を誇張したりする行為は歴史修正主義と呼ばれる。特定の民族やマイノリティーへの憎悪をあおることが多く、ヘイトスピーチの一種とみなされている。欧米ではこの裁判を機に害悪が広く認識され、特に2000年の判決後、社会が監視し、時に法規制で封じ込める体制が作られた
  修正主義は欧米だけの問題ではない。日本でも程度の差こそあれ、歴史の矮小化を試みる言説が散見される。だが、「南京事件はなかった」のような単純な史実否定を除けば、何を修正主義とみなすかの線引きは難しい。修正主義者が特定の史料を無視したり拡大解釈したりした時、指摘できるのは専門家だけで、普通の人には判断できないためだ。
  修正主義の危険性は、まさにここにある。一般的に確立した歴史理解に対し、あたかも議論に値する別の解釈が存在するかのように思わせることで、同じ土俵にはい上がることが修正主義者の狙いだ。彼らは史実に反証できないため、発言に立証責任を負う意思はない意図的に「言いっ放し」をし、批判されると「個人的な見解」と言い逃れる。
  それでも声高な主張は、人の心に「火のない所に煙は立たぬ」と認識の揺らぎを呼び起こし、人々は修正主義の主張にも一定の真実があるかもしれないと考え始める。結果、有罪立証までは無罪という推定無罪の原則で、修正主義は一つの「見解」の地位を手に入れる。いったん土俵に上がった悪意ある言説は増殖し、社会的な合意を切り崩してゆく

  しかも日本の若い世代は、現代史教育がタブー視される中で育ち、深く学ぶ機会を与えられていない。政治的な意図はなくても、きちんとした歴史解釈に触れる機会が少ないため、むしろまっとうな歴史像を「偏っている」と感じるようになっている。危惧すべきは、日本社会にじわじわと広がる、こうした「体験としての修正主義」だ。修正主義を社会が封じ込めることを怠ってきたがゆえに、「もう一つの歴史解釈」として受け入れる人が増えているのだ。
  現在、EU加盟国の約半数がホロコースト否定を法で禁じている。妄言に「自由な言論」などという看板を掲げさせてはならないが、法による規制は言論統制の手段にもなりかねない。修正主義を封じるのは第一に十分な歴史教育であり、悪意ある言説を許さないという一人ひとりの意思であるべきだ。     (たけいあやか 学習院女子大学准教授〈ドイツ現代史〉)

8 032 池上彰編「日本の大課題 子どもの貧困- 社会的養護の現場から考える 」(ちくま新書:2015)感想5+

2019年01月14日 03時03分28秒 | 一日一冊読書開始
1月13日(日):      

254ページ     所要時間7:10     ブックオフ108円

編者65歳(1950生まれ)
著者 第Ⅰ部 高橋利一76歳(1939生まれ)。児童養護施設至誠学園指導員、施設長。法政大学現代福祉学部教授。
   第Ⅱ部 池上和子?歳( ?生まれ)。臨床心理士。昭和女子大学女性文化研究所非常勤講師、研究員。
       /高橋利之43歳(1972生まれ)。特定非営利活動法人エンジェルサポートセンター理事長。

【目次】第1部 児童養護施設からの問いー対談=池上彰×高橋利一(社会的養護とは何かー家族リスクと子どもの貧困/忘れられた子どもたちー養護の現場から/自立の困難ー子どもたちの未来)/第2部 家族、虐待、自立(子どもの現実/多重の喪失と分離ー二重の剥奪状況に追い詰められる子ども/教育ネグレクトー児童養護施設の子どもの学習の困難/親の問題とどう取り組むか/児童養護施設からの自立と自立支援)

良書である。テキスト児童養護施設の現場で、さまざまな困難、問題を抱える子どもたちについて、実際に自らの人生を重ね合わせて懸命に取り組んでいる実践者の声が克明にきちんと取材されて書き込まれている。

何よりも大変豊富な具体的な例が示され、著者らが実際の子どもたちを思い浮かべながら、懸命に心のこもった考察がなされているのが気持ち良い。人間にとって、ましてや子どもたちにとって<居場所>というものがどれほど大切なものであるかを多面的に教えてもらえる内容だ。

読んでいて、今の日本社会の忘れてはいけない大切な側面が本当によく見えるようになった。世の中を観る上で非常に貴重な観点をたくさん与えてくれる有意義な内容だった。

想像力がすごく喚起され、下手な小説を読むよりも納得しながら、<読み物>としても興味深く読むことができた。世の中に必要な本>というものはあるのだ。評価は勿論5+だ!

アマゾンのレビューで本書について、構成が悪いだの、池上さんの取材が不十分だの、頓珍漢なご託を並べてる連中がいたが、本書は<子どもの貧困>問題の第一線で苦労されている“児童養護施設”の関係者の人たちの現場の声を日本社会全体に少しでも反映させたい。そのために「自分(池上彰さん)が今持っている社会的名声・影響力を遠慮なくお使い下さい」と言って、池上さんが労をとって成立した本だと考えるべきである。事実、俺は池上彰さんの本だから手に取って、最後まで目を通したのだ。良いきっかけを頂けたと感謝している。それで十分ではないか。ジャーナリストとして池上彰さんは十二分に立派な仕事(取材)をされたのだと思う。池上彰さんを偉いと思う。

児童虐待は貧困家庭に起きやすく、必然的に虐待を受けた子どもたちが、親から切り離されて施設に入ってきます。/そこでの子どもたちの様子を観察すると、貧困だけでなく、虐待だけでもない、重層的に積み重なってきた問題が存在することが見えてきます。/貧困の中で追い詰められた親の中には、精神疾患に苦しむ人たちも多数います。その親の様子は、子どもにも悪影響を及ぼします。こうした様子は、「多重逆境」と呼ばれます。なんともやり切れません。/略。/「子どもの貧困」を考える上で最も大事なことは、抽象論ではなく、子どもたちの実相を把握することです。様々な対策づくりは、そこから始まります。/児童養護施設の子どもたちの様子は、ふだんの私たちの視野からは消えています。見えないということは、存在しないも同然。子どもたちは社会から忘れられてしまいます。社会から忘れられることの辛さ。これでは、子どもたちは自立することができません。/子どもたちを見守り、自立を助け、社会で働いて税金を納められるように育て、社会に貢献する存在にすること。これが喫緊の課題だと思うのです。/社会の中で自分の存在が確認できれば、人は絶望の淵から這い上がることが可能になります。人が、人として認められ、人として生きていくことが可能な社会。これが、私たちが築くべき社会だと思うのです。(249~251ページ:池上彰)

【内容情報】社会が大きく変化するなかで、「家庭」で育つことができない子どもが増えている。貧困、虐待、DVなどの理由により、家庭から隔てられた子どもは、健康や学力の面で不利を強いられる。その数およそ7万人。経済格差が極まりつつあるいま、世代間連鎖を断つために「社会的養護」の必要性が高まっている。「子どもの貧困」の本質を映しだす児童養護施設の現場から、問題の実態をレポートし、その課題と展望を明快にえがく。

150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)