もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

150128 時論公論でNHK解説委員の<ゲッベルス島田>はさすがだ。期待を裏切らない見え見えの権力すり寄り!

2015年01月29日 00時05分47秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
1月28日(水):

書く気無かったけど、あまりに露骨な「時論公論」の視聴者を舐め切った解説を聞いていて備忘のためにも記しておく。
 ↓安倍晋三の鮨友だち↓

 安倍の鮨友だちのNHK島田敏男解説委員が「時論公論」でイスラム国のモンスター性を極力強調して、安倍のイスラエルでの軽率な言動を仕方がない、いやそんなものに負けて萎縮してはいけないと居直った「すり替え反転の隠蔽」をしようとする発言を繰り返している。「(想定外の)新たな動きが突然やってくるのが今の時代の状況であるのが今回明らかになったことだ」と「安倍に責任がないのだ」と重ねて強調・確認をして、まとめ切ってしまった。ファシストの権力者の鮨友だちの友情は、国民を平気でだまくらかしてしまえるのだなあ。そもそもの中東まで行って軽率に安倍晋三(!)がイスラム国を敵と宣言し、イスラエルに2億ドルの供与をすると軽率な表明をしたことが、今回の人質殺害事件の引き金になっていることは、NHK島田解説委員の口から一切語られなかった

 権力に魂を売った公共放送の解説委員(笑わせるな!)から完全に矜持が失われている。恐らく島田は「(権力との癒着は)昔からそうだったんだ、俺だけあげつらうな」と言いたいだろうが、せめて上手に隠せよ! 見え見えのバレバレは、受信料を払うことの無意味さを考えさせられる。NHK島田解説委員をこれからは、<NHKのゲッペルス>と呼ぼう。権力の先棒を担ぐ嘘も繰り返し続ければ、国民という大衆を政権の思いのままにできる。

 そして、日本は誰も責任を取る人間のいない、テロに怯え、戦争を避ける努力のできない国になっていくのだ。

◎ゲッベルスは「宣伝は精神的認識を伝える必要もなければ、おだやかだったり上品だったりする必要もない。成功に導くのがよい宣伝で、望んだ成功を外してしまうのが悪い宣伝である」「重要なのは宣伝水準ではなく、それが目的を達することである」とし[119]、その目的は「大衆の獲得」であり、「その目的に役立つなら、どんな手段でもよいのだ」と語っている[120]。彼は「日々の経験から効果的な手法を学んだ」としているが、彼が述べる宣伝概念にはヒトラーの『我が闘争』からの踏襲が見られる[120]。実際彼には宣伝手法自体やその出自にこだわりはなく、「ボルシェヴィスト(ボリシェヴィキ)からは宣伝の点で、大いに学ぶところがある」と評しただけでなく[121]、宣伝大臣として最初に映画界に伝達したことは「右翼の『戦艦ポチョムキン』を作るように」ということであった[122]。
 ベルリンで宣伝活動を行っていた当時は、ベルリン市民を「群衆の集合」ととらえ、ベルリン市民の思考に合わせた奇抜で独創的な宣伝を多く行った。(ウィキペデイア)

140125 1年前:3 062 半藤一利「昭和史 戦後篇 1945-1989」(平凡社ライブラリー;2006・2009)感想5

2015年01月26日 01時03分39秒 | 一年前
3 062 半藤一利「昭和史 戦後篇 1945-1989」(平凡社ライブラリー;2006・2009)感想5
1月24日(金):612ページ  所要時間3:45    ブックオフ450円著者76歳・79歳(1930生まれ)。元「週刊文春」「文藝春秋」編集長。作家。大変ぶ厚いので...

150125 東京新聞1月22日版を読むと、安倍晋三という存在が、本当に<ひどすぎる冗談(戯画)>に思えて来た

2015年01月25日 16時10分09秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
1月25日(日):

※それにしても、さらに下の記事を読むと、なにかこう安倍晋三という存在が、本当に「最悪の悪夢」「ひどすぎる冗談(戯画)」に思えて来た。いくら頑張って選び抜いても、ここまでひどい「百害あって一利なし」の無能の政治屋を選ぶことは、ふつう不可能だろうと思う。日本人は、今、罰を受けているのか…。
 東京新聞1月22日版
 イスラエルは昨夏、パレスチナ自治区ガザへ軍事作戦を展開。ガザでは、一般市民を中心に約2000人が死亡した。さらに停戦合意後も、パレスチナ人居住区での入植を強化している。こうしたイスラエルの強行姿勢について、最大の同盟国である米国ですら「距離を置くことになる」(大統領報道官)と批判。国連などを舞台に、国際社会の目は厳しさを増している。

 ところが、安倍政権は世界の流れに逆行している。2013年3月、政府はイスラエルが導入を予定する次期主力戦闘機F35の共同開発参加を表明。昨年5月には、イスラエルのネタニヤフ首相が来日。両国の国家安全保障局、防衛当局の交流促進と協力で合意した。そして、今回は首相自らイスラエルを訪問した。

 イスラム過激派にとり、イスラエルは「消滅」させる対象だ。日本はかつてパレスチナ紛争について、中立性に配慮していたが、昨今の急速な親イスラエル姿勢が、今回の事件の一因になっていないか。

 京都大学の岡真理教授(現代アラブ文学)は「首相は『中東の平和と安全のためにイスラエルと協力する』と言うが、中東の不安定の根源はイスラエルの存在。その国と一緒にテロと戦うと宣言し、イスラエル向けの兵器を開発することは、イスラム国のみならず、他のイスラム過激派にも、日本人を標的にする口実を与えるようなもの」と批判する。「日本は原爆を落とされたが、復興を遂げ、世界に技術を提供してきた国としてイスラム圏では好印象を持たれていた。昔の自民党の政治家は対米追従でもイスラエルとは一定の距離を置いていた。現在、そういう認識が欠落した首相と政府がイスラム圏との信頼関係を破壊している

中略
 
 千葉大の栗田禎子教授(中東現代史)は「イスラム国にとり、イスラエルは聖地エルサレムを不法に占拠する異教徒集団で、イスラム圏を侵略する欧米の手先だ。その国旗を背景に『テロに屈しない』と会見した安倍首相は、地域に『日本はイスラエルの仲間』と印象づけた。イスラム国の術中にはまった」とみる。

 では、日本の中東外交はどうあるべきか。栗田教授は「イスラエルとの安全保障上の協力関係は見直すべきだし、武器輸出は誤りだ」と訴える。「パレスチナ紛争の公正な解決に貢献することが日本外交の役割。軍事を含んだ積極的平和主義ではなく、憲法9条の平和主義を貫くべきだ。9条の基づく外交は長い目で見れば、日本の企業、国民の安全を守ることにつながる





※以下はメモです。
2015/01/25 「No Nukes 原発ゼロ」様から引用

報道ステーション「安倍さんの目的は人質の救出ではなく、イスラム国と戦っている有志連合の仲間に入ること」



2015年1月23日に放送された、報道ステーション「イスラム国 日本人殺害予告 事件の背景には何が…」を紹介します。


古賀茂明氏「安倍さんのせいで、日本はアメリカやイギリスと同じような国だと思われつつある... 投稿者 kotetsu1111


動画の内容 (古賀茂明氏の解説部分・全文書き起こし)→ 次ページ


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動画の内容 (古賀茂明氏の解説部分・全文書き起こし)


古賀さん:

イスラム国がやってる事は、もうとんでもない事なんですけれども、言ってる事にはけっこう共鳴する人たちが多いんですね。


で、それは何かと言うと、例えば 第一次世界大戦後に、まぁイギリスとかフランスがですね、「勝手に国境線決めちゃって民族が分断された」とか、あるいは最近であれば アメリカのですね、アフガンとかイラクとかですね、ああいうところの戦争でですね、「アメリカに罪の無い女性や子供を含む民間人が沢山殺されてるぞ」と、で、そういう事に報復するんだと いうような、あの主張っていうのは、これはあの~ 一面では嘘じゃなくて、で、イスラムの中にはそれに共鳴する人がいる。


で、イスラムの人も勿論 だから人を殺して良いって人はほとんどいないんですけれども、でも、その思想自体はけっこう共鳴する人がいるからこそ、こう 人がまだまだどんどん入ってくるという事があるというのは、ひとつ事実として押さえておかなくちゃいけないと思うんですね。


で、私はですね、ただそれよりも 今回一番驚いたのは、そのー この 安倍さんが、まぁずっとこう中東歴訪してですね、エジプト、ヨルダンなどでこう色々スピーチされてました。で、私聞いてた感じは、「あ、すごいパフォーマンスだな」と、要するに自分はもう「イスラム国と戦うんだぞ」っていうのをすごいアピールしてるなっていう風に見てたんですよ。


ところが その この事件のことが明るみに出て、よく聞いてみたら 実はその、「後藤さんが人質に取られて身代金を要求されてる」なんて情報を「政府が知ってた」っていうんですね。


で、これはちょっと私、でも「人命第一」っていう風にいま言ってるんですけど「本当なんだろうか?」と。ていうのは、普通 人質取られて身代金の交渉なんていう事になっていたらですね、まぁ一番大事なことは「犯人に対して刺激をしない」とかですね、そういうこう常識的な事があるのに、


今回わざわざ向こうに、わざわざ現地の方に近くに行って、「私はイスラム国を批判しますよ」と「イスラム国と戦う周辺国に2億ドル出しますよ」なんていう、まるで いかにもイスラム国に宣戦布告するかのような事を言ってしまったと。


で、これ普通に考えるとイスラム国は、まあ交渉できたら良いなと、もしかしたら考えてたかもしれないんですけども、そんな事を公の場で言われちゃったら、もう「日本政府だって今さらお金払いますなんて出来ないよな?」と、じゃあこれ「交渉出来ないんじゃないの?」だったらもう「宣伝に使っちゃおう」と、


あるいはもう「思いっきりふっかけてやろう」と、いうふうになってしまったんじゃないのかなと危惧していて、私はそこは、あの 安倍さん、官邸はですね、まぁそういう事で「後藤さん犠牲になっちゃうかもしれないけど、でも もっと大事な事があるんだ」っていう判断をして、一連の発言をしたんだろうなと、いうふうに思うんですね…。


古館キャスター:

古賀さんのお考えとしては、今日の動きを見ても、あるいは昨日あたりからを見てもですね、やっぱりあのー、総理、あるいはまあ防衛大臣、えー、有志連合のアメリカ・イギリスを始めとして、あるいはオーストラリア、それがいけないって言うのじゃなくて、空爆を慣行している人たちの方向に向いていて、「これで交渉が進むだろうか、人質解放の」ということを、ちょっと気をもむ方は多いんじゃないかな?というところは、どんな風に捉えますか?


古賀さん:

そうですね、ですからそこは あの〜「人命第一です」っていうのは、私は少なくとも向こうに行くまではそうじゃなかったんじゃないかなと思うんですけれども、じゃあ「何が第一だったんですか?」というと、やっぱりその今おっしゃったようにですね、「イスラム国と戦っている有志連合の仲間に入れて欲しい」と、まぁ正式なメンバーとまではなれないけど、まぁ「仲間と認知して欲しい」と。


で、そのためには本当は空爆をしたりだとかですね、あるいはイラクに武器を供与したりとか出来ればいいんですけど、これ 出来ないじゃないですか。だから、もともと その「安倍さんが願っている目標」っていうのは本当は出来ないことなんですよ。でもそれをやりたい。で、それをやるために「じゃあ何ができるか」っていうと人道支援しか出来ないと。


で、人道支援を あたかも「イスラム国と戦うための支援なんです」っていう風に、まぁ 表現してしまう。で、それを思い切り宣伝してしまうっていう事をやっちゃったんだろうなと、いう風に思います。


で、ある意味 目標は達成したと思うんですね。アメリカやイギリスは、多分 安倍さんは「もうテロなんかには屈しない」と、で、え〜「テロと戦う人たちの為にお金出します」と言ってくれるのは、非常に評価してると思うし、もう今まさにじゃあ「あなたはもう仲間ですね」と、最後まで屈しないで「身代金なんて払わないで頑張ってくださいね」「みんなで応援しますからね」って、そっちにどんどん今引き込まれてる感じがするんですよ。


ですけど、これあの〜 後藤さんのね お母さんが その 憲法のこと言ってましたけども、「日本は戦争しない国なんだ」と、で、やっぱりちょっと1回ね、我々はそこに立ち返らないといけないと思うんですね。


その、安倍さんは、いや「有志連合に入りたいんだ」あるいは入って「そういう国なんだ」って言いたいかもしれないけど、でも そんな事は 日本は憲法もあるし出来ないはずなんですよ。


で、世界の人たちに今回はですね、非常に変な宣伝になってしまって、イスラム国に上手く利用されてですね、いかにも日本ていうのは「アメリカの正義」っていうのを「日本の正義」だと思い込んでいるんじゃないか?と、あるいは その アメリカやイギリスと一緒なんだと いう、そういう国だぞっていう風に思われてしまいつつある。で、それを世界に発信されていると。


で、それに対して私たちは、いや「そうじゃないんです」と、だって「日本は今まで戦後ず~っと戦争もしてませんよ」と、憲法では そんな「日本のこと攻めて来ないような人たちの事を一方的に敵だなんて絶対に思いませんよ」と、もう「なるべく多くの人と仲良くしたいんですよ」と、そういう国が日本なんですよ、日本人なんですよっていう事を、もう1回ここでですね、世界に僕はアピールしていく必要があるだろうなと。


その、今回は そういう日本のイメージのまったく逆の方に、まぁ安倍さんの発言もそうなんですけど、それを、まぁイスラム国に上手く利用されてですね、そうするとみんな まぁイスラム諸国の人たちも、いや なんか「日本て結局アメリカなのか?」みたいなね、“Japan is the United States”みたいなですね。


それに対して、我々は、「安倍さんはそういう印象与えちゃったかもしれないけど違うんですよ」と、もう あの “Je suis Charlie(私はシャルリー)”っていうプラカード持ってフランス人が行進しましたけども、


まぁ 私だったら“I am not Abe(私は安倍じゃない)”というプラカードを掲げて、「日本人は違いますよ」と、そんなことじゃない、もう「本当にみんなと仲良くしたいです」と、決して あの、日本は攻めてない国に対して攻撃するとか、敵だっていう、そういうことは考えない国なんですっていうのを、しっかり言っていく必要があるんじゃないのかなと思いましたね。

150125 安倍自民の反知性主義は、国際社会では通じない。格差と棄民を生み、戦争を招き寄せる。

2015年01月25日 14時19分31秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
1月25日(日):

後藤健二さんは手錠され鎖でつながれており、持っている紙の中には湯川遥菜さんの写真2枚が掲載されています。/左側には、首を切断され体の上に頭部を乗せられた状態の湯川遥菜さんの遺体とみられる写真があり、右側にはひざを地面についた状態の湯川遥菜さんの写真。http://breaking-news.jp/2015/01/25/016484

←テロ事件を引き起こした張本人! 「積極的平和主義」をはき違え、自分のやったことが何も理解できていない大馬鹿者! 「自己責任」をとれ!湯川さんと後藤さんと全国民に謝罪しろ!

 歴史修正主義と反知性主義によってねじ曲げられた安倍自民の「積極的平和主義」は、国際社会に全く通じないでガキ扱いである。「彼らの無力さ」の本質をしっかりと目に焼き付けておこう。湯川さんの死は、安倍晋三の中東大名行列という愚行の責任である。後藤健二さんの生還を全力で実現しろ!

 今最も残念なのは、国内で「自己責任論」が高まってることだ。それこそファシスト自民政権の思うつぼだ。中東他イスラム世界の人々から得ている「日本人に対する特別な信頼・信用」は、日本に引き籠ってるだけで実現してきたのではない。日本国政府も含めて、キリスト教・ユダヤ教にもイスラム教にも与せず、常に弱者に身を寄せるNGO、NPO、報道などの活動をしている大勢の日本人の活動の不断の積み重ねがあるから日本人への信用と尊敬が維持されているのだ。それを、「自己責任と呼ぶことの愚かしさ」は言を俟たない。

 安倍晋三という愚か者が、「札束をばら撒けばいいんでしょ。みんなボクを歓迎してくれて、いい気分になれる!」って、レクレーション気分でわざわざ中東まで行って、キリスト教とイスラム教の間にある歴史・地理の常識もわきまえず、軽率にイスラエルに与して振る舞った結果が今回のテロ事件だ。「イスラム国を非難する」「テロには決して屈さない」と繰り返して叫んでいる安倍晋三の渋面づらの何と弱弱しく無力でみすぼらしいことか。

 テロに与する気はないが、イスラム国は驚くほど日本をよく見ている、と感じる。湯川さんの命は、安倍晋三の無知・無能・無策によって奪われたということだ。たとえば、イスラム法学者の中田考氏が、外国特派員協会での会見で「国際赤十字、中東地域では、赤新月社と言われていますが、ここはイスラム国の支配下のところでも人道活動を続けてきていると聞いております。ですので、私の提言といたしましては、イスラム国の要求している金額、これはあくまでも日本政府の難民支援に対して、それと同額のものということですので、これを難民支援、人道支援に限るということで赤新月社を通じ、そしてトルコに仲介役になってもらって、そういう条件を課した上で、日本はあくまでも難民の支援を行う。イラク、シリアで犠牲になっている人たち、その家族の支援を行うという条件を課した上で行う。これが一番合理的で、どちらの側にも受け入れられるギリギリの選択じゃないかと思っています。」という発言・提案をしている。採否は別にして、彼から十分なアドバイスを受けるべきだっただろう。安倍晋三は、それもやっていない。

 外務省も本当に無能だ。各国で受け付け業務をするだけなら、「外務庁」に格下げすべきだろう。

以下、「後藤健二さんを通したイスラム国の声明」である。

 私は後藤健二だ。あなたたちが見ているのは、同じように拘束された湯川さんが「イスラム国」の大地で虐殺された写真だ。
 あなたたちは警告され、期限を与えられ、人質には言葉通りに決定が下された。
 安倍首相が湯川さんを殺した。あなたは人質に対する我々の脅しを真剣に受け止めず、72時間以内に行動しなかった。

 私の愛する妻よ、愛している。2人の娘に会いたい。安倍首相に同じことをさせないでほしい。あきらめないでほしい。あなたは家族、友人、私の仲間とともにある。私の仲間たちは、私たちの政府に圧力をかけ続けないといけない。
 要求は難しくなくなった。彼らは公正だ。彼らはもうお金はほしくない。だから、テロリストに資金提供するという心配をする必要はない。彼らはただ、捕まった同胞サジーダの釈放を求めている。
 とてもシンプルだ。サジーダを彼らに引き渡せば、私は解放される。この要求はちょうど今、可能に思える。我々の政府代表は今、皮肉なことにヨルダンにいて、サジーダはヨルダン政府に収監されている。
 改めて、いかに私の命を救うことが簡単であるかということを強調したい。あなたがサジーダをヨルダン政権から彼らに戻せば、私はすぐにも解放される。彼女あっての私だ。(妻の名)。これがおそらく私のこの世での最後の瞬間であり、私は死ぬだろう。これを私の最後の言葉にしないでほしい。安倍首相に私を殺させないでほしい。


 イスラム国は、「後藤健二さんを殺したくない」と考えてるように読める。

150124 沖縄に連帯せよ! 独裁化した為政者の異常人格が、日本社会全体の感性を異常にしている!

2015年01月24日 14時03分53秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
1月24日(土):

沖縄に連帯せよ! 今の日本は異常だ!為政者の異常人格が、日本全体の感性を異常にしている!

   
【凄い】沖縄の国会議員や市町村議員ら計約50人が辺野古基地前で座り込み抗議!一方で、警察は抗議者たちを連日排除!建設作業も進む!
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-5262.html  2015/01/22 Thu. 22:00:50 真実を探すブログ
 反対運動が盛り上がっている沖縄県の辺野古基地ですが、22日は沖縄の国会議員や市町村議員らが計50人も参加して座り込みを行いました。先週頃から警察による反対派住民の強制排除が強まっていることから、地元の議員らが「議員総行動」と題して各集会に参加することを表明し、このような大人数が集まる事態になっています。
県議会与党や国政野党の県出身国会議員、県内各地の市町村議員らがここまで揃うのは異例で、それほど沖縄の反対意識が強い事を示していると言えるでしょう。
 反対運動は強まっていますが、基地建設の方を止めるほどの状態にはなっていません。21日は臨時制限区域のライン上にオイルフェンスが設置され、本格的な工事の下準備が着々と進んでいます。
 このまま政府が方針を変えずに建設作業を強行し続ければ、沖縄と本土の心の壁はドンドン厚くなり、最終的には沖縄独立という話が出てくることになるでしょう。そうなると、本当に日本という国の行方を大きく左右する事態になる可能性が高く、今からでも政府は沖縄側に譲歩しないと危険です。正にこれからの数年間が沖縄と日本の正念場だと私は見ています。

 ☆抗議行動200日 辺野古のゲート前で議員総行動 URL http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-237701-storytopic-271.html 引用:
【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設阻止を訴える市民らのキャンプ・シュワブのゲート前での抗議活動は22日で200日を迎えた。同日午前、県議会与党や国政野党の県出身国会議員、県内各地の市町村議員ら計約50人が座り込みを続ける市民らとともに集会に参加し、移設作業を強行する政府に抗議した。24日まで3日間、議員総行動と題し、各議員が集会に参加する。:引用終了

☆辺野古 抗議の女性2人けが、油フェンス設置進む  URL http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-237685-storytopic-1.html  引用:
【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画に関し、キャンプ・シュワブ沖で進む海上作業では21日、臨時制限区域のライン上に設置されたオイルフェンスが瀬嵩方面から汀間漁港沖や安部沖を回り長島方面まで設置された。シュワブ沿岸の浮桟橋付近から円を描くように大きく大浦湾を取り囲む形になった。シュワブゲート前では県警機動隊とのもみ合いの中で女性2人が後頭部を打撲し搬送された。:引用終了


以下、「琉球新報」社説:
<社説>検証中の停止要求 辺野古民意 受け入れよ  2015年1月24日
 沖縄の民意を背負った県知事による現段階での最低限の要求である。沖縄に向き合う安倍政権の姿勢を問う試金石と言えるだろう。
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に向け、沖縄防衛局が再開した海上工事について、翁長雄志知事は埋め立て承認の検証終了まで工事を進めないよう要求する。
 辺野古現地の状況が緊迫する中、工事停止は民意を踏まえた至極正当な要求である。安倍政権は直ちに受け入れるべきだ。
 昨年11月の県知事選で辺野古移設を推進した前職の仲井真弘多氏に10万票の大差をつけて圧勝した翁長氏の就任を受けて、安倍政権は移設作業を中止すべきだった。それは論をまたない。
 しかし、安倍政権は民意を無視し、遮二無二移設作業を進めている。上京した翁長知事に対し、安倍晋三首相、沖縄の基地負担軽減担当相である菅義偉官房長官も面談を拒み続け、冷たくあしらった。他府県相手ではあり得ない、沖縄だけに対する振る舞いだ。
 だが知事を含め沖縄社会は安倍政権の底意を見定めている。沖縄側を追い込む効果はまずない。
 強硬一辺倒な政権の姿勢は現場の海上保安官に悪しき影響を与え、人権侵害を帯びた力ずくの警備として具体化している。本紙が掲載した、船上の女性に馬乗りになって制圧しようとした海上保安官の写真は衝撃的で、読者から「許せない」「露骨な弾圧だ」という抗議の声が相次いで寄せられた。
 第11管区海上保安本部は「船体を通り抜けるためだった」との見解を示したが、連続写真を見る限り、女性のカメラを奪うため首に足を回して上から押さえ付けている。誰の目にもそう映るだろう。
 虚偽の説明をしてまで過剰警備を押し隠し、正当化する政権の姿勢に県民の反発は一層強まっている。国会議員と県議団を含め、反対行動への参加者が増えている。
 県民に危害が及ぶ事態を起こさぬため、翁長知事は第三者による埋め立て承認の検証チームの発足と合わせ、検証終了までの作業停止を要求する必要性に迫られた形でもある。
 翁長知事は、埋め立て承認の瑕(か)疵(し)の有無を検証する第三者チームの人選を急いでもらいたい。承認取り消しか撤回の判断に向けた検証を急ぎ、政権側に逆の圧力をかけていく戦略も欠かせない。

150124 これでいいの?<人質見殺し>確信犯政権:政府がイスラム国との秘密交渉に失敗していた!? リテラ

2015年01月24日 13時14分06秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
1月24日(土):

これでいいの? こんな国民の生命を粗末にする政府が存在していいの? 

やっぱりA級戦犯の孫にして、松岡洋右の親戚筋の世襲男には国民の生命は“手駒”に過ぎ無いのか?

人間失格!のこんな時代錯誤の戦前の亡霊が、今だに、このまま総理でい続けていいのか? もうこれ以上、この男に「憲法」も「原発」も「沖縄」も「TPP」も触らせてはいけない! 


政府がイスラム国との秘密交渉に失敗していた!? 後藤氏を雇ったテレビ局も関与か
http://lite-ra.com/2015/01/post-810.html 2015.01.23. リテラ
「イスラム国」による日本人人質事件への対応をみていると、政府の本気度が少しも感じられないのは筆者だけだろうか。
 政府は、身代金「2億ドル」の支払い期限を「日本時間23日午後2時50分」と宣言し、関係各国と連携して対応に追われているといった様子が新聞・テレビを通じて伝えられてきた。
 しかし、安倍晋三首相といえば、イスラム国への強硬姿勢で知られる英国のキャメロン首相やオーストラリアのアボット首相と電話会談し、「日本はテロに屈することなく、国際社会によるテロとの戦いに貢献していく」などとイスラム国を刺激する発言ばかりが報じられる始末。イスラム国との交渉ルートを探る本格的な動きは一向に伝わってこない。
「しかも、イスラム国の警告から72時間の猶予期間がありながら、政府は肝心要のNSC(国家安全保障会議)を一向に開催しようとせず、期限ぎりぎりの23日午後まで持ち越している。NSCの開催結果を受けて、外務・防衛・警察の各当局が対応を決める手はずだが、これでは時すでに遅しなんだよ」(大手紙政治部記者)
 実は、ここにきて、ある重要な情報をキャッチした。ある政府関係者が打ち明ける。
「安倍政権の中枢は昨年10月末ごろ、『フリージャーナリストの後藤健二がイスラム国に誘拐された』との情報をすでに把握していたようだ。その後、外務省の一握りのスタッフだけで水面下の秘密交渉を続けたものの、失敗したと聞いている」
 これが本当なら、安倍首相は人命のかかった人質解放交渉を途中で放棄し、昨年12月にあの“大義なき”衆院解散・総選挙に雪崩れ込んだことになる。

 当時の経緯を振り返ってみよう。昨年10月8日、後藤氏は民放の情報番組に出演し、知人である湯川遥菜氏の人質事件を振り返った。その後、シリアに取材に向かっている。ところが、12月6日に仙台市で予定されていた後藤氏の取材報告会は中止になっていた。すべては、この2ヶ月間に秘密が隠されている。前出の政府関係者が続ける。
 「実は、“御用メディア”として知られるテレビ局が10月下旬ごろ、シリア入りする前の後藤氏と接触し、取材依頼をしたようだ。当然、取材経費の話もするだろう。後藤氏はいわばテレビ局に特派された格好。ところが、数日たっても一向に連絡がない。どうも後藤氏はガイド役に内通されて、イスラム国に差し出された疑いが出てきた。慌てたテレビ局は、いち早く政権中枢に相談したという流れのようだ」
 一部には、「後藤さんは政府の意を受けてイスラム国側にわたった」という真偽不明の情報が流れているが、これは後藤氏に取材依頼したテレビ局が“御用メディア”として知られることに由来するのかもしれない。
「実際、このテレビ局は、後藤氏の消息にまつわる独自の情報をつぎつぎと伝えている。自社がどう関わったかという肝心な点は一切明かしていない」(前出・政府関係者)
 こうしたテレビ局の鉄面皮ぶりもさることながら、人質事件が発生しているにもかかわらず、政府機能が停止する解散・総選挙に雪崩打った安倍首相の無責任さこそ、空恐ろしさを覚えざるを得ない。
 そもそも安倍政権は、“テロ国家”による拉致事件の全面解決をうたい、北朝鮮とねばり強い交渉をしてきたとうそぶいた過去がある。交渉が本格化した昨夏には、数百人規模の拉致被害者が帰国するとまで言い切る側近たちの声も伝えられたが、北朝鮮から届いた調査報告書は「帰国者ゼロ」。これでは「消費増税による景気の冷え込みを打開するための政権浮揚策には使えない」と万歳し、閣僚スキャンダルの噴出と相まって解散・総選挙に逃げ込んだ。
今回、イスラム国の人質事件も交渉決裂とみた安倍政権は、早々に投げ出したね。その証拠に、首相をはじめ外務大臣と防衛大臣もともども同時に外遊に出かけ、日本を空っぽにした。そんな政権の生ぬるさを見透かして、身代金要求映像が公開されたんだ。情けないことに、安倍首相が自ら設置したNSCすら開催できず、全ては後手後手に回ってしまったんだよ」(前出・政治部記者)
 そもそも、この政権は、国民の人命を守る意思など持ち合わせていないと言っていい。その証は、今回の人質事件を通じて、早晩明らかになることだろう。(田部祥太)


もう一丁!
イスラム国事件「自己責任論」噴出の裏で安倍政権が日本人拘束を隠蔽していた!?  2015.01.22 リテラ
 日本中に大きな衝撃を与えた「イスラム国」による日本人二人の殺害予告動画の公開。当初、沸き上がったのは、安倍首相への批判だった。というのも、イスラム国による殺害予告と身代金要求が明らかに、安倍首相の中東歴訪中の「2億ドル支援」演説を受けてのものだったからだ。

 政府は今頃になって慌てて「2億ドル支援は人道目的」などと釈明してるが、安倍首相はエジプト・カイロの演説で「イスラム国の脅威を食い止めるために2億ドルを支援する」とはっきり宣言していた。イスラム国はその後に、「日本の首相へ」とした上で、「『イスラム国』と戦うために2億ドルを支払うという馬鹿げた決定をした」などと宣告して、同額の身代金を要求してしたのだ。安倍首相の不用意な発言がイスラム国側を刺激し、利用されたのは間違いない。

 ところが、安倍首相や政府の失態を追及する声はすぐにかき消え、かわってまたぞろ噴き出てきたのは被害者である人質の「自己責任論」だった。

「戦場ジャーナリストと傭兵は死ぬのも仕事のうちだろ?」
「危ないとわかって行ってるんだし、自己責任でしょ」
「危険地帯を承知で行っているのだから、身代金は自分で払わせれば良い」

 ネットを中心としてこんな声があがりはじめ、さらには「2人の人質はイスラム国とグルなのでは?」「日本から資金得るため(2人は)演技してる」といった自作自演説までが流されたのだ。

 そして、この自己責任論は、拘束されたジャーナリストの後藤健二氏が拘束前に「これからイスラム国の支配地域に入ろうと思う。全ての責任は自分にある」との動画を残していたことで、さらに過熱。匿名の批判だけではなく「まあ自己責任だろね」(堀江貴文)、「この時期にあの地域に入るのには、それなりの覚悟が必要で自己責任」(フィフィ)と同調する著名人たちも出現している。

 どうも彼らは、近代民主主義国家における国民と国家の関係というものをまったく理解していないようだ。そもそも自国民の生命保護は国家の義務なのである。それは国民の思想や言動とは関係がない。仮にその人物が日本の利益に反する行動をしていたとしても、政府は救出のために法の範囲内で最大限の努力をする義務があり、国民はそれを国家に要求する権利がある。

 ましてや、後藤氏は、8月にイスラム国に拘束されながら、日本政府やメディアが無視していた湯川遥菜氏の消息確認のために取材を決行した可能性が高い。そんな人物を「自己責任だ」と突き放すのは、自分たちの「知る権利」さえも踏みにじる行為に他ならないだろう。
ところが、この件ではマスコミまでが浅薄な「自己責任論」を煽っているフシがある。例えば東京外国語大学総合国際学研究院教授の伊勢崎賢治氏はツイッターでこんな興味深いことをつぶやいている。

「イスラム国邦人拘束。毎日から電話取材。個人が危ないところに行き、国に迷惑をかけるのはどう思うかと。社の責任で人を送らない大手メディアが何も言える立場にないと言っておいたが、書かないだろうな」
 
 ようするに、毎日新聞の記者が「国に迷惑をかけるな」とコメントするよう誘導していたというのだ。大手マスコミは自社の社員記者には安全地帯にとどまらせ、戦場などの前線取材はフリージャーナリストに依存している。にもかかわらずそのフリー記者の取材行為を貶めるというのは、いったいどういう神経をしているのか疑いたくなるが、これがこの国の言論の現実らしい。

 実際、ご記憶の方もいると思うが、2004年のイラク人質事件でもまったく同じような事態が起きている。フリーカメラマンや人道支援ボランティアの邦人3人を拘束した武装勢力が、当時イラクのサマーワに駐留していた自衛隊の撤退を求めた。しかし、当時の小泉純一郎首相は早々に自衛隊を撤退しないことを明言する。これに対し人質家族たちが会見で救出を訴えると、今度は人質と家族に対して猛烈なバッシングが始まったのだ。

「人質になったのは自己責任」「自己責任が取れないなら危険地域に行くな」「反省しろ」「迷惑を掛けた国民に謝れ」、さらには今回と同じように「自作自演説」も流された。

「週刊新潮」「週刊文春」などの週刊誌も激烈な人質バッシングを展開。人質のプライバシーを書き立て、親族に「共産党員がいる」などという虚偽の情報までふりまいた。
 
 そして、読売新聞や産経新聞などの保守系新聞も人質を責め立てた。

「自己責任の自覚を欠いた、無謀かつ無責任な行動が、政府や関係機関などに、大きな無用の負担をかけている。深刻に反省すべき問題である」(『読売新聞』04年4月13日付朝刊「社説」)
「日本政府はもはや人質犯の要求には応じないという原則であり、国民が政府の勧告を無視して行動する場合は、自己責任を負わなければならないということだ。解放された三人は帰国後、各メディアに多く登場することだろうが、こうした責任の自覚としかるべき感謝の表明なしに政治的主張を続ければ、国民の反応は冷ややかなものとなろう」(『産経新聞』4月16日付朝刊「主張」)

 こうして、被害者であるはずの3人は、まるで犯罪者のように日本中から袋だたきにあったのである。
この状況は海外から見ると、非常に奇異に映ったようで、米「ニューヨーク・タイムズ」が「深層には、この島国を何世紀にもわたって支配し続けてきたヒエラルキー構造がある。お上(okami)にたてつくことが、人質たちの罪となったのだ」と報じたのをはじめ、海外メディアは一斉に人質バッシングを批判。パウエル米国務長官(当時)までが「もし誰もリスクを引き受けようとしなかったら、私たちは前に進むことはできなくなる。(略)彼らのような市民や、リスクを承知でイラクに派遣された自衛隊(soldiers)がいることを、日本の人々はとても誇りに思うべきだ」と語り、「私たちは『あなたはリスクを冒した、あなたのせいだ』とは言えない。彼らを安全に取り戻すためにできる、あらゆることをする義務がある」と言及したほどだった。

 まさに日本という国の人権や表現の自由への意識の低さが明らかになった騒動だったが、しかし、実はこのとき、人質バッシングに火をつけたのは、政府・自民党だったという見方がある。たしかに、かなり早い段階から小池百合子環境相(当時)をはじめ、小泉内閣の閣僚、自民党幹部がオフレコで人質や家族批判を口にしていたし、週刊誌が書き立てた「(人質の)親が共産党員」というような情報もほとんどが、内閣情報調査室や公安からリークされたものだった。また、2ちゃんねるの書き込みも明らかに政府関係者でないとわからないものもあり、バッシングは自衛隊のイラク派兵への反対世論が盛り上がるのを恐れた政府・自民党が仕掛けた可能性がかなり高いといっていいだろう。

 そう考えると、今回のイスラム国の事件で噴き出ている自己責任論も、政府・自民党の情報操作である可能性は否定できない。今回の事件の対応をめぐっては、冒頭で述べた安倍首相のイスラム国への挑発的発言以外にも、政府は決定的な失態を犯しているからだ。

 それは、拘束事件そのものを放置・隠蔽してきたことだ。湯川氏の拘束が判明したのは昨年8月、さらに後藤氏も昨年11月には消息不明となり、同時期に妻への身代金要求もあった。しかし日本政府は本格的な交渉には動かず、後藤氏の拘束や身代金要求をひた隠しにした。一説には「後藤氏のイスラム国拘束の可能性を公表すると衆院選に不利」との思惑さえあったといわれている。そして、水面下でこうした事態が進行していたにもかかわらず、安倍首相は中東の地で「イスラム国がもたらす脅威を食い止めるために2億ドルを支援する」という挑発的な演説をぶったのである。この責任はきわめて重大だろう。
 
 もちろん今回の問題の根源はイスラム国の卑劣なテロ行為にあり、それに対してきちんと非難をするのは大前提だ。しかし同時に、事件の背景には、国家と自らの政権のためには国民の生命など一顧だにしない、安倍政権の体質がある。マスコミやネットが流す浅薄な自己責任論に踊らされてそのことを忘れてはならないだろう。(伊勢崎馨)

4 039 坪田信貴「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(2013) 感想2+

2015年01月22日 23時45分10秒 | 一日一冊読書開始
1月22日(木):出版社は「KADOKAWA/アスキー・メディアワークス」

318ページ  所要時間 2:05    図書館

著者40歳前後(隠してる)。アメリカの大学で心理学などを学ぶ。株式会社青藍義塾代表取締役、塾長。

アマゾンより:〈主な登場人物〉
【さやかちゃん】偏差値30のギャル。天然ボケ回答連発も、へらず口が得意。校則違反はするが正義感は強い。
【坪田先生(僕)】心理学等を使って、多くの生徒の短期間での偏差値上昇(20~40上昇)を請け負うカリスマ塾講師。
【ああちゃん】悲しい子ども時代の経験から、熱い子育て論を持つお母さん。一風変わった子育て法に世間の風当たりは強い


 さやかちゃんは、現在26歳くらいで既婚者。従って、本書は、8年ほど前の出来事の記録である。今ではない。

 読み物としては、ライトな感じで読みやすく、それなりに面白かったが、薄っぺらい。内容は、学年ビリの偏差値30のギャル女子高生が、著者と出会い、わずか1年半で偏差値を40も伸ばして慶応大学総合政策学部(ベネッセ偏差値79)に現役で合格するというもの。しかし、以前に、中学でオール1だった人が、定時制高校で一念発起して苦学しながら名古屋大学理学部に進み、高校教師になった「オール1先生」の物語りを読んだことがあるが、そっちの方がずっと読み応えがあった気がする。

 本書の「偏差値を30から40も引き上げた」という表現自体に、俺は違和感と品の良くない誇張を覚えた。偏差値30の学生というのは要するに「やる気がない」学生ということであって、「能力がない」のではない。従って、「本気でやる気になった段階」で偏差値は40ぐらいになる。その本気が半年ほど継続すれば、英語、日本史、小論文のわずか3教科であれば、偏差値55ぐらいになってもおかしくない。高校3年生のはじめ、偏差値55ぐらいから、死に物狂いで偏差値70代に上げたのだ、と考えれば驚くほどの話ではない。何しろ、理数系科目を完全に避けて、英語と日本史と小論文の文系三教科の勉強をすればいいだけなのだ。

 トーイック満点の990点を取っている著者の英語指導法は申し分ないし、日本史マスター法としてマンガ日本歴史20数巻を読ませるのも適切な指導法だと思う。しかし、敢えて言わせてもらえば、何の新鮮味もない月並みな方法だ。巷間で大げさに取り上げられるほどの大した指導内容だとは思えない。

 むしろ俺がいちばん注目してしまったのは、「無制限コースという、日曜を除けば塾へ毎日来られる学習コースを勧めて、百数十万円というまとまったお金を前払いさせる」シーンである。それを見た、本人が「(塾で)一瞬たりとも時間を無駄にできない」と考えた、というが、これほどの高額の料金を取って学習指導する塾のシステムを巷間もてはやされてるほどに大げさに高く評価してみせる必要があるのか? 大いに疑問だ。また、慶応義塾大学がいくら一流大学だと言っても、所詮英語、日本史の二教科に小論文の三教科だけで受験できる大学に合格したからといって、それで何か人生の成功者のように扱うのも変だ。人生の本番は、大学を出てから始まるのだ。

 大学受験の勉強の方法論を取り上げるのであれば、底辺高校が、特進クラスを作って東大合格者を出すことをめざすコミックの「ドラゴン桜」を俺は、ほぼ全巻(2,3冊足りない)そろえて持っているが、こちらの方が、理系も文系も合わせた受験科目の勉強の方法論が、はるかに説得力のある具体的な形で、盛りだくさんに提示されている。創作ではあっても、コミックの「ドラゴン桜」の方が徹底的な調査の上に書かれているので、本書よりも、はるかに内容の充実した読みごたえのある作品になっている。

 結論! 本書を60万人が感動したとか、素晴らしい教師との出会いが、ギャル女子高生の人生を救い、夢のような(?)慶応義塾大学進学をもたらした! と、有難く押し戴いてもてはやすのは、大したことのない話に、無理やり感動を強要されてるようで正直違和感だらけで気持ちが悪い! 「慶応大学? けっ!それがどうした! ナンボのもんやね?!」というのが実感だ。塾の宣伝本に踊らされても仕方がない。 たいした内容の本ではない!

150120 歴史を知らず軽率にイスラエルに与する安倍自民の反知性主義の妄動は、国際社会では通じない。

2015年01月20日 21時15分50秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
1月20日(火):「つぶやき」では収まらなくなったので、率直な感想を記す。

 「イスラム国」のこんな簡単で直接的な影響・反応も読めないで、軽率に仲裁役を気取りながら、イスラエル支持を表明した安倍外交の愚かさ、おそまつさ加減は度し難い。歴史修正主義と反知性主義に裏付けられて、本来の意味からねじ曲げられた<積極的平和主義>の馬脚が早くも現れたということ! 金を出すしかしょうがないだろう。それとも、あれこれ言い訳がましくしたあげくに、見殺しの<首切り映像>をYou Tubeで日本国民に観賞させてくれるのか? 馬鹿馬鹿しい。

 国民の社会保険料を削った金を世界中にばらまいて、ただ単に大きな顔をしたいだけの大名行列は、もうやめろ! 国連の常任理事国入りは、中国の反対で絶対不可能なのに、この世襲の低能男は、夫婦そろって一体何がしたいんだ? 愚行としか言えない。こいつの歴史修正主義は、本当に歴史を知らないのだと思う。十字軍の歴史から、勉強し直せ!

 そもそも、キリスト教徒・ユダヤ教徒とイスラム教徒の底なしの泥沼のしがらみに、何を好き好んで日本が不用意に足を踏み込む必要があるのか。愚か者の大馬鹿者としか言い様がない。

 どうして先進国中で日本だけが特別に受けている「イスラム世界から無形の信頼」をどぶに捨てるようなことをしたのか。村上春樹気取りでイスラエルで演説とは、軽率にもほどがある。この無形の信頼を、社会の安定、テロの恐怖からの自由としてお金に置き換えたら、どれほどの莫大な金額、財産を失うことにつながることか。

 2億ドル(約240億円)なんてはした金、さっさと支払って、日本に帰って国民に謝れ! 「爪の先に火を灯すようにして削らせて頂いた国民の皆さまの社会保険料をわたしの無思慮な行動によって無駄に浪費してしまいました。まことにもって申し訳ございませんでした」と謝罪しろ。このどあほうが!

150118 センター試験:屈辱の日本史91点(3問×)、まあまあの世界史93点(3問×) 歴史は奥が深い!

2015年01月18日 16時30分08秒 | 日記
1月18日(日): ※昨日のセンター試験を解いてみた。

日本史91点(3問×:昨年97点、1問×)、所要時間 0:55(昨年 0:53)  屈辱の大ショック!
世界史93点(3問×:昨年98点、1問×)、所要時間 0:38(昨年 0:31)  おおきにまあまあ!

 プライド、ぼろぼろです。でも、今年の日本史のセンター試験は、例年より「やや難」だと思う。受験生たちは、苦戦したことだろう。世界史は、「平年並み」か。両方の試験を一度に解くと、同じ歴史教科であっても、思考回路の違いが明確にわかる。俗に言う「狭く深くの日本史と広く浅くの世界史」という言葉の通りだと思う。

 日本史の問題は、本当に難しいと思う。まず冒頭で「日本人海外移住者数」のグラフの読み取り問題を解くのに5分近くかかった。こんなきつい先制パンチを食らった受験生は、「時間が足りなくなるんじゃないか」と相当動揺したことだろう。教科書に出てない江戸時代の史料を読みとらせたり、思考力を問い、時間を使わせる問題が続く。ダメ押しに、近現代の細かい文化史と戦後史の裏ワザ問題を出して、受験生にとどめをさす。今年の日本史の平均点は、5点ほど昨年よりも落ちると思う。

 俺自身が間違ったのは、1つ目:10番のYを誤としてしまった。行基の「灌漑施設整備」に違和感を覚え、「道や橋」だろう! と勝手に決め付けてしまった。2つ目:31番のYを誤としてしまった。安井曽太郎の二科会を、春陽会と勘違いした。これなんかは、明治大・青山学院大レベルではないかな。3つ目:35番の戦後最初の総選挙に関して、「d この選挙後の衆議院と参議院で、日本国憲法が審議された。」を正として選んでしまったのだ。文をよく読めば、「総選挙」とは衆議院議員選挙のみを指すのだから、ちょっと感じていた違和感を大切にすれば、正解に行けたはずだが、「c 戦争中に議員だった者の多くが公職追放となり、立候補できなかった」について、鳩山一郎が公職追放になったのは総選挙後だと、変な記憶に引きずられて、圧政的諸制度の撤廃の一環で公職追放が行われたことを思い出せなかった。cの参議院は、貴族院だった。

 「思い込み」による誤答は、結構恐ろしい。こんなことは、高校の日本史の教科書にはきちんと書かれてるのかな。新しい教科書を手に入れて、隅々まで読み直そうかなあ。歴史は、奥が深いとつくづく思う。謙虚に謙虚に楽しみ学ぼうと思う。 

 世界史については、日本史の問題に比べると全く時間がかからない。知ってるかどうかで決まってしまう。思考力はほとんど要らない。強いて言えば、各年代の世界地図を自分の頭の中に再現できれば得点力は上がるだろう。しかし、問題を解く喜びは、日本史に遠く及ばない。というより、日本史の問題のような多面的に思考力を問う問題や、細かい近現代の文化史を出したら、世界史は大変なことになるだろう。平均点は20点以上下がるだろう。それでは、世界史教育が成り立たない。

 正直、世界史の問題は、俺にとって簡単過ぎる。と言うより、入試問題になっていない。そのため、かえって勉強の仕方がわからない。今ある知識で、なんとなく点は取れるが、俺自身に「世界史の力がある」という自覚は全く無い。自信なんて到底持てない。「日本史は、十二分の自信がある」と言える。にもかかわらず…、昨年に続き、今年も結果は、世界史の方が日本史より、所要時間も短く、得点も高くなった。このような傾向は、センター試験だけなのか、他の私立大学入試でも同じなのか。少し関心がある。

 俺が高校生だった数十年前は、日本史も世界史も、同じ歴史教科としてもっと精緻な内容だったと思うが、いつの間にか、世界史の問題は、極めて疎漏なものになってしまっている。一方で、日本史は相変わらずと言うべきか、拍車がかかったと言うべきか、緻密で細かい理解を求められるようになっている。…気がする。

150117 恥ずかしい国:「シャルリ」襲撃を非難する安倍首相とメディアが無視する日本の言論テロ (リテラ)

2015年01月18日 03時54分29秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
1月17日(土):

日本の現状。直視して、今、自分にできることを考えよう!

「シャルリ」襲撃を非難する安倍首相とメディアが無視する日本の言論テロ (リテラ)  2015.01.17 リテラ

フランスの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」襲撃事件をめぐっては、日本のメディアも大々的な報道を繰り広げ、「どんな理由があるにせよ、表現の自由へのテロは許せない」と一斉に声を上げている。そして、わが日本国の安倍晋三首相も例の舌足らずな話しぶりでこう言い切った。

「今回のテロは報道機関へのテロであり、言論の自由、報道の自由に対するテロであり、いかなる理由であれ、卑劣なテロは決して許すことはできないと思います。強く非難いたします」

 だが、これらの台詞を聞いても、頭をよぎるのは「なに、他人事みたいに語ってんだよ」というツッコミだけである。

 なぜなら、日本でもつい最近、同じような「言論・報道の自由に対するテロ」が起きたにもかかわらず、彼らはそのことには一切触れようとしないからだ。

 そのテロとはもちろん、慰安婦報道に携わった朝日新聞の元記者への脅迫事件のことだ。まず、韓国人元慰安婦の証言を報じた植村隆元記者が非常勤講師を務める北星学園大学(札幌)に昨年5月と7月、そして12月と3回にわたって「辞めさせなければ天誅(てんちゅう)として学生を痛めつける」「釘を混ぜたガスボンベを爆発させる」という脅迫文が、9月には吉田証言を取り上げた清田治史元記者が教授を務める帝塚山学院大学にも「辞めさせなければ学生に痛い目に遭ってもらう。釘を入れたガス爆弾を爆発させる」という脅迫文が送りつけられた。

 この結果、清田元記者は同大学を辞職に追い込まれ、植村元記者はネットで娘の実名や写真までさらされ、「反日サラブレッド」「自殺するまで追い込む」などという脅迫を受けた。

 学生や娘への危害をちらつかせるかたちでの脅迫というのは卑劣きわまりなく、学問の自由や大学の自治を破壊するばかりか、まさに「言論・報道の自由」を根底から揺るがす「テロ」にほかならない。

 しかし、この件について安倍首相は非難の言葉を発しないばかりか、完全に知らぬ存ぜぬを決め込んでいる。メディアも朝日批判をがなりたてるだけで、この事件についてはほとんど報道していない。

さらに不可解なのは、警察当局も熱心な捜査に動く気配をまったく見せないことだ。北星学園大にいたっては約半年にわたって3回も脅迫を受けているのに、捜査が進展している気配がまったくないのだ。警察組織を長年取材してきた大手紙の社会部記者が言う。

「警察という組織は、良くも悪くも上意下達が徹底していますからね。常に上の政権や上層部の意向を忖度している。ヘイト極右勢力と近い山谷えり子氏が国家公安委員会委員長に座って、朝日嫌いの安倍氏が首相にいる以上、捜査には動かないと思いますよ」

 国内ではこんな状態をつくりだしながら、フランスのテロ事件に対してはきれいごとのテロ批判を口にしているのだ。

 そもそも、安倍政権は言論、報道の自由を守るどころか、それを抑圧し、制限する動きを繰り返してきた。その典型例が特定秘密保護法だろう。条文が極めて曖昧で恣意的な解釈が可能なこの法律を安倍政権は強行採決し、昨年末には施行されるという事態をつくりだしてしまったのだ。

 こうした安倍政権の姿勢は、国際的にも懸念が出ている。国際ジャーナリストNGO「国境なき記者団」(本部パリ)が発表する「報道の自由度」ランキングで日本は近年、順位を大きく下げ続け、2014年はとうとう59位にまで転落してしまった。主要先進国ではダントツの低ランクであり、東アジアでは台湾や韓国を下回っているのだが、その理由として挙げられているのが、福島第一原発の事故をめぐる政府の秘密体質などに加え、安倍政権が熱心に推進した特定秘密保護法の存在だった。

 そんな政策を平気で強行する政権のトップが「言論・報道の自由」を口にしても、国際的には建前としか受け止められず、むしろ嘲笑を浴びるだけだろう。

 実際、こうした政権の鈍感さはメディアや社会にも蔓延し、「言論の自由」は確実に萎縮を続けている。

 つい最近では、お笑いコンビの爆笑問題がNHK番組への出演時、打ち合わせで政治家ネタを軒並み却下されたことを暴露した。コメディアンが政治家を風刺するのは世界的にもごく当たり前の話なのだが、安倍首相の肝いりで送り込まれた籾井勝人NHK会長は、政治家ネタについて「品性がない」「(NHKでは)やめた方がいい」と言い放った。

昨年の大晦日には、NHK紅白歌合戦にコンサート会場からの中継で出演したサザンオールスターズが安倍政権批判と受け取れる曲を歌い、直後には桑田佳祐が昨年受賞した紫綬褒章を軽んじるかのようなパフォーマンスをしたことに対し、ネット上などでバカげたバッシングが燃え広がった。

「クソ反日」「国賊歌手」「どうみても朝鮮人」「天皇陛下から賜った紫綬褒章を貶めた」……。

 挙げ句の果てには、サザンの所属事務所前で抗議活動までが繰り広げられ、サザン側は謝罪文発表にまで追い込まれる事態に発展した。

 だが、アーティストが政治的メッセージを発したいと考えるのは当然だし、褒章といった国家の権威や権力者を風刺し、笑い飛ばす行為も芸術表現のひとつだ。なのに桑田が繰り広げたオフザケ程度のパフォーマンスすら許さず、謝罪にまで追い込まれてしまう日本は、とても「言論・報道の自由」が守られている社会とはいえない。

 しかも日本は、イスラム世界と同じように「皇室」や「靖国」という絶対的タブーを抱えている。そして、報道への圧力を頻繁に加え、表現の自由を制限する政策を次々に打ち出す安倍政権の存在。残念ながら、この国はやはり「言論・報道の自由」は59位程度が相応しい「後進国」なのである。 (野尻民夫)


 ほんとに寝る…。

150117 サザン桑田さんの謝罪を批判する馬鹿どもの軽薄さ。俺は、サザンがしぶとく生き残るのを支持する!

2015年01月18日 03時33分30秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
つぶやきです。

 サザン桑田さんの、謝罪に対して、待ってましたと御用評論家やちょうちん持ちのコメンテーターどもが、「その程度の批判だったのか」とか、「失望した」とか、言いたいように言い始めたが、そういうウジ虫連中(たとえば、東浩紀)は、恥を知れ。おまえら、紅白で、サザンのような真似ができるのか?!

 この非寛容な時勢の中で、ネトウヨや馬鹿ウヨの誹謗中傷、攻撃なんかまともに相手をして消耗する必要なんて全くないんだ。大事なのは、サザンが、紅白で「ピースとハイライト(極右)」をぶちかました勇気と事実だけだ。サザンに対するファンの支持は微動だにしない! あとは、虚しいエネルギーを浪費して疲れないように、肩ひじ張らず、頑張らずにさっさと頭を下げて、しぶとく息長くロックな活動を維持してくれればいいのだ。俺は、サザンの快挙を忘れないし、ずっと応援し続ける。

150117 メモ:「長妻民主党なら対立軸が見えやすい」(ゲンダイ):「米議会、安倍は歴史修正主義」(朝日)

2015年01月18日 03時25分50秒 | 国家の信頼メルトダウン。民主党を打倒せよ
1月17日(土):

 細野、岡田だけではない。この期に及んで、2人を支持する「民主党」の政治屋集団は<世間(=有権者)>が見えてない。<世間(=有権者)>を見ようとしていない。こいつら、いまだに、<第二自民党>を目指している。見苦しいし、馬鹿じゃないのか! 細野は、改憲を公言する橋下の「維新」とさっさと合併しろ! もはや「民主党」は分裂、消滅することが、国民の利益だ。「長妻グループ」は、党を割って、小沢の「生活」、「社民」と連携せよ。「連合」は、本当に労働組合ならば、<電力勢力>を抑えて、長妻グループを支持せよ。

■コップの中の嵐   2015年1月16日 日刊ゲンダイ
 つまり、細野、岡田両氏は“人望”で長妻を上回るということだが、国民は今、民主党に安倍政権への対決姿勢を求めている。その点でも2人は長妻氏を凌駕しているのか。
 「原発、集団的自衛権など重要政策で、安倍政権との相違点が鮮明なのは長妻さんです。原発なら、<原則、再稼働しない>とハッキリ明言する長妻さんに対し、2人は<ゼロを目指す>と玉虫色。自民党の政策に真っ向から反対しているわけではないのです。その意味では、有権者も『長妻民主党』なら対立軸が見えやすいでしょう」(前出の鈴木氏)
 細野氏と岡田氏は「党の若返りを」「党の再建を優先すべきだ」なんて論争を続けているが、しょせんは内輪モメ。民主党がコップの中の嵐を続けている限り、安倍首相は余裕しゃくしゃくだろう。

安倍首相は「歴史修正主義的」 米議会が報告書で懸念
              1月17日(土)11時2分配信 朝日新聞デジタル
 米議会調査局は15日までに日米関係の報告書を発表し、安倍政権について「経済成長を積極的に加速しようとしてきた」と評価する一方、歴史問題では「周辺国との関係を悪化させ、米国の国益を損なわせたかもしれない」との懸念を示し、戦後70年を迎える今年、安倍晋三首相の対応に「世界が注視している」と指摘した。
 報告書では、安倍首相を「ナショナリストとして知られる」と紹介。首相の過去の発言について、「日本帝国の他のアジアの国々への侵略や虐待を否定する歴史修正主義的視点を持っていることを示唆している」との見方を示した。
 昨年の衆院選で自民党が勝利したことから「安倍首相が日米関係にプラスにも、マイナスにも影響を与え続ける」とも強調した。

4 038 内田樹「下流志向」(講談社文庫:2007) 感想4+

2015年01月18日 03時25分34秒 | 一日一冊読書開始
1月17日(土):副題「学ばない子どもたち 働かない若者たち」

277ページ   所要時間 7:05   ブックオフ108円

著者57歳(1950生まれ)。

 著者の基本的考え方は、世の中には「市場原理」を適用してはいけない分野が沢山ある。近年、何に対しても市場原理、消費者意識、その延長にある勘違いの破滅を招く自己決定・自己責任論などが支配層によって都合よく流布されて、日本社会の階級社会化が深刻化しつつある。という感じの内容かな。

 感想が、4+で、5にならなかったのは、階層社会の到来を論じているのはよいが、現在進行する貧困・格差の問題を個人の責任に帰する度合いが、俺の感覚に合わなかった。「ちょっと甘いですよ、内田先生」という感じだったからだ。やはり、神戸女学院という西日本一のお嬢様学校の先生を長年勤めてきたので、どうしても目線の高さを調節しきれないのかな。でも、保守の卓見として、読まれるべき本です。

「第一章:学びからの逃走」:
小学校の授業で、「先生、これは何の役に立つんですか?」という質問を発する子どもたちの中に、消費者意識の存在を見て、そもそも市場原理には時間の意識が無く、変化していくことを前提とする教育になじまないと指摘する。また、「知らない」ことを平然と拒否する学生の傲慢さを指摘する。他に、「自分探し」イデオロギーの無意味と、もしするなら外国ではなく、今いる場所で自分の果たしている機能を見るべきだ、と説く。
「何の役に立つのか?」の連帯保証人は、「未来の私」であり、捨て値で未来を売り払う子どもたちの大量発生を憂う。

「第二章:リスク社会の弱者たち」:
・上層家庭の子どもは「勉強して高い学歴を得た場合には、そうでない場合よりも多くの利益が回収できる」ということを信じていられるが、下層家庭の子どもは学歴の効用をもう信じることができなくなっているということです。ここにあるのは「学力の差」ではなく、「学力についての信憑の差」です。「努力の差」ではなく、「努力についての動機づけの差」」です。97ページ
・日本人がリスクヘッジという技術について考えるのを止めて「正しいソリューションだけを選択し続けなければならない」というような途方もないことを言い出したのは、「間違っても大丈夫」という無根拠な安心に全国民がのどもとまで使っていることができているからです。日本人はそれほどまで無防備なのです。略。それは戦後六十年間戦争をしたことがなかったからです。113ページ
 *護憲を平和ボケという輩(やから)どもこそが、平和ボケである!
・「個人がリスクをヘッジする」ということは原理的に不可能。略。リスク社会を生き延びることができるのは「生き残ることを集団的目標に掲げる、相互扶助的な集団に属する人々」だけです。「リスク社会を生きる」というのは、「自己決定し、その結果については一人で責任を取る」ということを原理として生きることではまったくない。それはリスク社会が弱者に強要する生き方(というよりは死に方)なのです。120ページ

「第三章:労働からの逃走」:
・学校で身につけるもののうち最も重要な「学ぶ能力」は、「能力を向上させる能力」というメタ能力です。いうなれば「物差しを作り出す能力」です。「ものさしを作りだす力」をできあいの「ものさし」で計測できるはずがない。/教育のアウトカム(成果)は数値的に評価できない。それは当り前のことなんです。188ページ
「第四章:質疑応答」:
・「師であることの唯一の条件」は「師を持っている」ことです。210ページ
・でも、アナキンに背かれたあとも、師匠のオビ=ワンの方はまだジェダイの「騎士道」につながっている。オビ=ワン自身の師匠のヨーダに対する深い敬意は少しも変わらない。だから、弟子のアナキンに離反されたあとも、オビ=ワン自身は成長を続けることができる。師を超えたと思った瞬間にアナキンは成長を止めるけれど、師は超えられないと信じているオビ=ワンは成長を止めない。/略。ジョージ・ルーカスにも「師匠」がいたんですね。/黒澤明がそうなんです。そう考えたら、『スター・ウォーズ』が黒沢へのオマージュだということがわかりました。驚かれるかもしれませんけれど、『スター・ウォーズ』の元ネタって、黒沢の『姿三四郎』なんです。/略。そのルーカスが出した結論が「師匠を持たないものは敗れる』ということでした。/師弟関係で重要なのは、略、師から伝統を継承し、自分の弟子にそれを伝授する。師の仕事というのは極論すると、それだけなんです。211~212ページ
・先生が子どもに敬語を使えば、子どもはすぐ敬語を覚えます。222ページ
ニート論がなかなか面白い。
・「オレのことはほうっておいてくれ」という人々がもたらす社会的コストを減らす方法は、「悪いけれど、ほうっておけない」という「おせっかい」しかないのです。245ページ

疲れたので寝ます。

150116 拡散希望:安倍自民党と読売・産経は、天皇の意志をも蔑ろにする外道ファシストだ!倒せ!

2015年01月17日 01時12分50秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
1月16日(金):

この事実を、国民・市民に拡散し、周知徹底しよう! これ以上、低能の世襲ファシストと御用マスゴミを放置しておくことはできない。以下の情報をできるだけ拡散、広めて下さいませ。

天皇が安倍首相の原発再稼働を批判? キャリア官僚による告発小説の衝撃の内容
        http://lite-ra.com/2015/01/post-786.html  2015.01.14. リテラ
 安倍政権が原発再稼働に前のめりになっている。国会で安倍晋三首相が「(原子力規制委員会の基準に)適合すると認められた原発から順次再稼働を進めたい」と述べたとおり、新基準に合格した九州電力川内原発が今年春にも運転を始める見通しだ。続く関西電力高浜原発にもゴーサインが出た。安全審査申請中の原発は合計14原発、21基にものぼる。
 そんな政権の姿勢に水をさすかのように、永田町、霞ヶ関界隈で密かに読まれ、静かな波紋を広げている本がある。『東京ブラックアウト』(講談社)だ。言わずと知れた、ベストセラー『原発ホワイトアウト』の第2弾。現役キャリア官僚の匿名作家、若杉冽による“リアル告発ノベル”である。
 前作は「原発はまた、爆発する」という衝撃的な副題のもと、政官財のトライアングルがなぜ原発再稼働に固執するのか、その真の理由を克明に描き出した。端的に言うと、原発再稼働とは、原発によって生み出されるレント(超過利潤)と呼ばれる巨大マネーの還流システム(小説では「モンスター・システム」と表現されている)の再稼働に他ならない。その目的のため、電力会社、官僚、政治家が何を考え、どう行動しているのかを暴き出した。
http://lite-ra.com/2013/11/post-65.html
 実際、安倍政権発足後のわずか2年で日本の原発政策は若杉の小説に書かれたとおり(電力会社の思惑どおり)、アッと言う間に「フクシマ以前」に戻ってしまった。
 第2弾となる本作『東京ブラックアウト』は再稼働後の苛烈な事故の実際をシミュレートしているのだが、政官界が刮目しているのは、天皇の原発に対するスタンスが描かれたくだりだ。結論を言うと、天皇は原発再稼働には反対なのだという。
 〈改めて指摘するまでもなく、今上天皇と皇后両陛下は、東日本大震災の被害に心を痛められている。とりわけフクシマ原発の事故については、美しい日本の国土が放射性物質により汚染され、いまだに一五万人以上の住民が住み慣れた土地からの避難を余儀なくされていること、そして、天から与えられし農作物や畜産物の恵みの多くが、未だ放射能の基準値を超え出荷停止となっていることに、深い悲しみを覚えておられる。(中略)
陛下が私的旅行として足尾銅山の跡地を訪問されたことも、原子力災害を二度と繰り返すことのないようにとの陛下の強い意志の表れである。〉(同書より)
 小説には、原子力規制庁長官に就任した警察官僚の井桁勝彦が御所に呼ばれ、天皇と会話するかなりきわどいシーンがある。カギカッコ内は小説に書かれた天皇の“お言葉”だ。
「そろそろ我が国の原子力発電所がまた動き出しますか?」
「……井桁さん、それで、原子力発電所はまた動き始めますか?」
 執拗に迫る天皇に、原子力規制庁長官は手続き上の道筋しか答えられない。
「前の民自党政権の四大臣会合のような政治判断は想定していない、ということですね」
「もしも原子力発電所に、フクシマよりも酷い事故があったら、どうやって事故を収めるのですか?」
「原発でフクシマ以上の事故が起きたときに、災害対策本部が立ち上がり、総理が本部長として指揮を執ることが法律には書いてありますね。しかし、結局のところ、いったい誰が責任を持って事故を収めることになるのですか?
 長官は答えられない。それはそうだろう。実はいまの日本の実情では、具体的に誰が事故を収めるのかという根元的なことが決められていない。警察も消防も自衛隊も、協力を要請されることはあっても、暴れ始めた原発に突撃する義務はない。天皇は、この原発事故対策の本質をズバリ言い当てている。
「(前略)じゃあ、誰が事故を収束させるのか決まらないまま、それで再稼働をしてよし、というわけにもいきませんね?
「……本当の保守というのは、原発の再稼働にこだわったり、経済成長を追い求めたり、ということではなくて、我が国の美しい国土や伝統文化を守る、ということではないですかね? この前、小吹衆議院議長にもお話をしたら、小吹さんはよくわかっていましたけどね」
「小吹衆議院議長」が伊吹文明前衆議院議長をモデルにしていることは言うまでもない。
 もちろん、ここに出てくる天皇の言葉はフィクションである。だが、作者の若杉は前作発表後、複数のメディアの取材に答え、自らが政策の意思決定に関わる立場にいることを認めたうえで、役所内で直接、あるいは間接的に見聞きした「真実」を小説として伝えたかった、と語っている。天皇とのやりとりをここまで踏み込んで書いているということは、確実な情報源がいるということだ。元財務官僚の高橋洋一は同書の帯に「この小説は95%ノンフィクションだ!!」と記している。
 現行憲法下では天皇は国政に関する権能は有しないとされているが、閣僚や官僚の内奏やご進講の際には当然のことながらさまざまな質問やコメントが発せられる。だが、その発言内容を外部に明らかにすることは天皇の政治利用として厳に戒められている。逆にいえば、天皇と直接接触している一部官僚や政治家は政策に対する天皇の意向を知っている、が、表に出せない。出せるとしたら、フィクション(小説)というかたちをとるしかない。
 小説『東京ブラックアウト』が政官界で注目されているのはそのためだ。若杉は小説の形をとって、天皇の原発再稼働反対の意志を国民に伝えようとしているのではないか、と──。
 その真偽はさておき、天皇・皇后両陛下が安倍政権に対して強い危機感を持っているということは、皇室関係者の間ではもはや常識になっている。誕生日の記者会見などを通じてA級戦犯の責任の大きさに言及したり、日本国憲法について「今後とも憲法を遵守する立場に立って、事に当たっていく」と明言するなど、以前より踏み込んだ護憲発言をしたりしている。いずれも安倍政権発足前にはなかったことだ。
 ところが、マスコミは安倍政権に配慮してか、こうした“お言葉”から垣間見える天皇の意向をほとんど伝えてこなかった。とくにひどいのがNHKで、2013年の誕生日会見で天皇が「平和と民主主義を守るべき大切なものとして日本国憲法をつくり……」と憲法について言及した部分を完全にカットしてしまった。http://lite-ra.com/2014/01/post-69.html 
NHKニュースを見た天皇はさぞや驚いたことだろう。
 その天皇は、2015年の新年にあたっての「ご感想」でこう述べた。
「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。(中略)この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」
 これはもう明らかに、歴史修正主義を強め、集団的自衛権行使容認で日本を「戦争のできる国」にしようとしている安倍政権への強いメッセージというほかはないだろう。

 ところが今回も一部マスコミは天皇の意向を黙殺した
〈天皇陛下が年頭の感想 「歴史を学ぶことが大切」〉(朝日)
〈皇室:天皇陛下「歴史に学ぶこと、極めて大切なこと」〉(毎日)
〈天皇陛下「歴史学ぶことが大切」新年迎え所感〉(日経)
 と、全国紙のうち3紙が「歴史に学ぶことの大切さ」つまり日本が平和国家であることへの願いに重点を置いた見出しをつけたのに対して、いまや安倍政権の広報紙ともいわれる読売、産経の2紙はまるで申し合わせたかのように、
〈天皇陛下「日本のあり方考える機会」〉(読売)
〈「日本のあり方考えていくこと極めて大切」 天皇陛下ご感想〉(産経)
 と、ピント外れな見出しをつけた。まさか官邸から指示があったわけではないだろうが、天皇の言葉を素直に読めば、この見出しにはならない。
 いずれにせよ天皇・皇后両陛下は、安倍政権が進める「集団的自衛権」も「改憲」も反対と考えていいだろう。そして前出の『東京ブラックアウト』によれば、「原発」も、ということなのだろうか。同書には、総選挙後の内閣総理大臣の任命に際して、天皇のこんな怒りの言葉まで記されている。
 「私は断じて、加部さんを任命しません。議長から持ち帰って、もう一度、国会で首班指名をやり直してください
 さすがにこの部分はフィクションだろうが、「加部さん」(加部信造)が安倍首相をモデルにしているのは間違いない。
 『東京ブラックアウト』にはもうひとつ、政界関係者が固唾をのんだシーンが出てくる。元経産官僚の古賀茂明と首相夫人・加部咲恵の“関係”だ。前作『原発ホワイトアウト』でもそうだったが、すべての登場人物が加部信造(安倍晋三)、小吹善明(伊吹文明)と仮名表記になっているのに、古賀茂明だけはなぜか実名になっている。
 その古賀が首相夫人の咲恵と日常的にメールのやりとりをしているようすが描かれているのである。古賀と咲恵は原発問題に関心を持つもの同士として知り合った。咲恵は原発については夫と立場を異にし、慎重な姿勢を表明している。お互いにメールで情報交換するようになり、〈咲恵は密かに、古賀に好意を持っていた〉(同書より)というのである。
 これも真偽のほどはわからない。だが、いずれにしても“95%ノンフィクション”の『東京ブラックアウト』が安倍首相にとって極めて忌々しい本であることだけは間違いない。(野尻民夫)

150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)