もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

12 022 和田秀樹「「自分から勉強する子」の親の言葉 男子編」(2017:大和書房)感想3+

2023年08月13日 02時27分00秒 | 一日一冊読書開始
8月12日(土):  

239ページ    所要時間4:35    ブックオフ220円

著者57歳(1960生まれ):

著者は多くの本を書いているが、突出した著作はない。一方で、全くの駄作もあまりない。
大体感想3~4が多い。本書の内容も、ほぼ常識+αの内容だった。読みやすかったし、
古本としてはまずまずの本だった。
巻末の「おわりに」で名前は伏せられているが、世襲政治屋安倍馬鹿の存在によって山口県
の受験学力が凋落したことが、指摘されたいた。「やはりそうだったか」の思いと、著者の
コモンセンスに対する信頼が高まった。

【内容紹介】「毎日遊んでばかりでちっとも勉強しない」「姿勢も悪いし、ノートも汚い。やる気があるのかしら」「どうすれば、勉強が好きになってくれるの?」だからといって、「勉強しなさい!」と怒鳴っても、意味がないのは、みなさん、ご存知ですね。では、どうすればいいのか?本書でじっくりお伝えします。

12 002 おおたとしまさ「受験と進学の新常識」(新潮新書:2018)感想4

2023年01月04日 17時16分07秒 | 一日一冊読書開始
1月4日(水):  
222ページ      所要時間4:20      アマゾン323円(23+300)
著者48歳(1973、東京生まれ)。育児・教育ジャーナリスト。麻布中学・高校出身で、東京外国語大学中退、上智大学英語学科卒。中高の教員免許を持ち、リクルートから独立後、独自の取材による教育関連の記事を幅広いメディアに寄稿、講演活動も行う。著書は50冊以上。

著者がこれまで著した5~6冊の内容をコンパクトにまとめなおしたもの。そのうち何冊かを俺は読んでいる。例えば、塾歴社会や東大生と公文式の関係など。中学受験を中心に、高校受験、大学受験に対する思い込みと現実のずれについて気付かせてくれる。コスパは良いが、二番煎じなのでその分、熱は感じない。特に、終りの海外大学受験やインターナショナルスクールの話は、どうでもよかった。2021年の大学入試改革の行方に対する違和感の表明は、著者の目線の真っ当さを証明していると思う。たくさん付箋はしたので折に触れてまた見直していこうと思う。

【内容紹介】子供の受験が脳裏をかすめたら、真っ先に読むべき本
激変を続ける受験の世界。国公私立に海外進学、幾多の塾・予備校……親子の目の前に広がる選択肢は多様化の一方だ。いま勢いのある学校や塾は? 東大生の3人に1人が小学生でやっていたこととは? 受験に勝つ子の「3条件」とは? 東大医学部合格者の6割超が通った秘密結社のような塾がある……? 子供の受験・進学を考えるようになったら真っ先に読むべき入門書、誰も教えてくれない"新常識"が明かされる。

【目次】はじめに
序章 小・中・高のどこで受験すべきか:中学受験か高校受験か/不透明な内申点/東京23区では4人に1人が中学受験/中学受験をしない小学生がすべきこと/小学校受験をするのは何%?/教育費の差は最大3倍以上
第1章 勢いがあるのはどんな高校か?:「東大合格者数」の正しい読み方/公立"躍進校"の「塾並み」指導/親世代が知らない私立の躍進校/「偏差値バブル」のカラクリ
第2章 大学受験の塾・予備校選びの注意点:実際より2000人以上多い東大合格実績の謎/塾・予備校の合格者数は単純比較できない/成績が良ければタダ同然/たった半日の受講でも「合格者数1」/「特待生」の授業料は誰が負担?
第3章 最難関大学への"王道"あり:東大医学部の6割以上を占める塾/東大合格の秘訣は何か?/最難関中学受験でひとり勝ち「サピックス」/塾があるから学校は学校でいられる/「受験エリート」の3条件
第4章 9歳までの"最強"学習法:東大生の3人に1人が公文式を経験/受験強者がすくすく育つ/3学年先に進まないと意味がない/「魔法の教室」ではない
第5章 難関化する公立中高一貫校:早慶付属校に匹敵する難易度/「塾なしで大丈夫」は過去の話/「教科書+100~200%」の知識が必要/公立中高一貫校と併願しやすい私立
第6章 中学入試が多様化している:拡がる「思考力型入試」/国際バカロレアやPISAと共通の理論/「正解」ではなく「思考のレベル」を評価する/レゴブロックで
入試!?/「思考コード」で見る大学入試改革
第7章 私立大学付属校が人気になる理由:実はコスパがいい/付属校から他大へのハードルが下がる/日東駒専は今後人気に/内部進学基準に教育観が表れる
第8章 いま見直される男子校・女子校の教育:男子校・女子校はもはや絶滅危惧種/運動会でわかる男女の「集団」の違い/アメリカでの論争の結論は?/「ジェンダー・バイアス」が少ない/男子校・女子校は「オタク」の楽園?/ジェンダー論とは区別すべき
第9章 地方では公立高校が強い:東大、京大、国公立大医学部は同難易度/首都圏で中学受験文化が発展した理由/「都立復権」は本当か?/「母数」のトリック/格差是正のジレンマ
第10章 受験エリートでなくても医師になる方法:「東大」より医師免許/ハンガリーで医学を学ぶ/日本の偏差値は参考にならない
第11章 海外大学受験の実際:「純ジャパ」はむしろ有利/年収715万円以下なら学費免除/日本より過酷なアメリカの受験競争/月謝2万5000円の海外大学受験塾/海外大学進学なら海外でキャリアを
第12章 インターナショナルスクールにご用心:どこの国でも困らないように/比較的安価なインド系/「バイリンガルに育てる」はナンセンス
終章 大学入試改革の行方:センター試験が変わる/結局、トーンダウン/優秀な受験生には「ファストパス」/英語民間試験採用はどうなった?
おわりに


12 001 おおたとしまさ「なぜ中学受験するのか?」(光文社新書:2021) 感想4+

2022年12月25日 20時03分26秒 | 一日一冊読書開始
12月25日(日):  

201ページ     所要時間3:15       図書館

著者48歳(1973生まれ)。東京都出身。教育ジャーナリスト。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。1997年、リクルート入社。雑誌編集に携わり2005年に独立後、いい学校とは何か、いい教育とは何かをテーマに教育現場のリアルを描き続けている。新聞・雑誌・Webへのコメント掲載、メディア出演、講演多数。中高の教員免許、小学校での教員経験、心理カウンセラーとしての活動経験もある。

著者は、教育関連(特に中学、高校受験)で、今最も手堅いジャーナリストである。これまで公文式や塾歴社会など様々な教育産業と社会の在り方を分析・報告して来たが、本書の内容は、一周回って中学受験の意義について俯瞰的に論じた内容になっている。決して、受験技術などを論じたものではない。中高一貫教育を、昔の旧制高校の伝統を引き継ぐ良き制度として捉えている。6・3・3制による高校受験は、子どもの健全な反抗期を邪魔するものになっている。中学受験を必ずしも強く推すわけではないが、子どもと親のやり甲斐ある冒険として位置付けられれば、それはそれで良き取り組みになる。

うまく内容を伝えることができないが、よくよく事情の分かった人間による中学受験に対する極めて常識的な内容がきちんと記されている。俺は、著者の考え方にほぼすべて同意することができる。

なお、本書には中学受験に関するテクニック的なことは書かれていないので、大局的に考えたい人が読むのが良いと思う。

【目次】はじめに
第 一 章  12歳でやるか15歳でやるか 〜中高一貫教育の意味
第 二 章 シラバスよりハビトゥス 〜私学に通う意味
第 三 章  バットを持つか鉛筆を持つか 〜塾で学ぶ意味
第 四 章 偏差値よりも生きる指針 〜親子で取り組む意味
おわりに
【内容紹介】延々とくり返されてきた中学受験の是非論に、気鋭の教育ジャーナリストがファイナルアンサー‼ 私立中高一貫校の六年間で得られるものは何か、中学受験勉強の約三年間で得られるものは何か……。著者曰く「そもそも中学受験にメリットもデメリットもない。むしろ中学受験で得られるもののうち、何をメリットと感じ、何をデメリットと感じるかにそのひとの教育観、幸福観、人生観などの価値観が表れる」。ただし「中学受験はやり方次第で良薬にも毒にもなる」とも。中学受験を良薬にする方法とはこれいかに……。膨大な取材経験を背景に、ときに歴史を遡り、ときに海外にまで視野を広げ、さまざまなジャンルの参考文献に触れながら、中学受験をする意味とそこから得られるものの正体を、壮大なスケールで描き出す。/発売直後から続々重版、5刷出来の中学受験小説『翼の翼』の著者・朝比奈あすかさん推薦! 「単純な中学受験の指南書というより、人がよく生きるためにはどうしたらいいかについて書かれた本」(朝比奈さん)

11 006 西村則康「中学受験 やってはいけない 小3までの親の習慣」(青春出版社:2015)感想3

2022年08月22日 01時08分26秒 | 一日一冊読書開始
9月3日(木):  

191ページ     所要時間1:30      アマゾン754円(404+350)

著者61歳(1954生まれ)。30年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。日本初の「塾ソムリエ」としても活動中。暗記や作業だけの無味乾燥な受験学習では効果が上がらないという信念から、「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。また、受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーション術もアドバイスする。これまで開成中、麻布中、武蔵中、桜蔭中、女子学院中、雙葉中、灘中、洛南高附属中、東大寺学園中などの最難関校に2,500人以上を合格させてきた実績を持つ。

3度目。

11 005 村上綾一「自分から勉強する子が育つ お母さんの習慣」(2014:ダイヤモンド社)感想4

2022年08月14日 19時27分05秒 | 一日一冊読書開始
8月14日(日):    副題:1日10分で大丈夫!

262ページ      所要時間1:00      図書館→読後、アマゾンに発注590円

著者40歳ぐらい?(1973ぐらい?生まれ):理数系専門塾エルカミノ代表
学生時代から大手学習塾で御三家中学(開成・麻布・武蔵)コースを担当し、
その後、フリー講師に転身。複数の塾で御三家指導を行う一方で、教材制作の打診を受け、
2006年、少人数制の学習塾として、エルカミノを設立する。

お母さん・子ども・塾という3人4脚体制で、「子どもの自主性・学習への意欲」を育てることに注力。
結果、御三家中学、筑波大学附属駒場中学、灘中学などの難関中学に、多くの教え子を合格させる。
御三家中学については、2006~2014年の8年間を通して、
受験者の7割が合格という驚異的な実績を叩き出す(一般的な学習塾の合格率は約2~3割)。

その結果、「中学受験にどう向き合うか」「算数ができる子の育て方」などのテーマで
年間20~30回の講演を行うようになり、3000人以上の母親と接してきた。

塾では、長時間の詰め込み学習や課題漬けといった「お膳立てされた勉強」を廃し、
子どもの自主性、学習への意欲を育てることに重きを置いている。
モットーは、「子ども一人一人の心の中にある学習意欲を引き出せば、必ず伸びる」。
著書に『人気講師が教える理系脳のつくり方』(文藝春秋)、『面積迷路』(学研マーケティング)などがある。


目の負担を避けるために、付箋を持って、眺め読みを行った。ページはきちんとめくっているものの、落下傘のように部分的に目を這わせ、付箋を貼り付け続けるだけだった。それでも、本書が類書の中ではかなり上質なものであることはよくわかった。著者が伝えようとしていることがよく分かった。というよりも、著者の考え方が100%ではないが、俺自身の考え方とほぼほぼ同じだったのだ。そのためある種の以心伝心的な心地よさを伴って最後まで駆け抜けたのである。

【内容】3000人を見てわかった!塾でも学校でもなく、「お母さん」にしかできないこと。今すぐできるヒント満載!御三家中学合格者続出!学習メソッド67。

11 004 おおたとしまさ「小学生の親が高校受験のために今からすべきこと」感想2-

2022年03月27日 13時38分26秒 | 一日一冊読書開始
3月27日(日):  

181ページ    1:20     220円(ブックオフ)

「京進」という学習塾の考え方を紹介した内容。理屈だけで中身のないゴミのような本。著者の名前だけで買ったのだが、著者にとってはお金のための下請け仕事か?それにしても無意味な本だと思う。


11 003 学習まんが「日本の歴史15 ゆきづまる幕府」(小学館:1982)感想4

2021年09月13日 00時14分17秒 | 一日一冊読書開始
9月12日(日):    

151ページ     所要時間1:40      蔵書

並び称される他の漫画日本史シリーズと比べて、最も古い編集である本書が「最も内容充実、興味深く編集されている」と言って間違いない。ほぼ同じ時代を読んだ先日の集英社版と比べても、本書のほうが圧倒的にサービス精神にあふれて面白かった。何よりも登場人物がみんな史実を踏まえて非常に印象的に描かれていて記憶に残った。特に、本シリーズは全20数巻をすべて一人の漫画家あおむら純氏が書き通していることは、他書籍の追随を許さぬ優れた点である。

読んでいて、内容・解釈ともに全く古さを覚えなかった。むしろ他書籍で疎かにされている必要なエピソード、問題の掘り下げなど本書のほうが簡潔、要を得て優れていると思う。<1980年代の初め>というのは、ある意味で今につながる歴史学の定型・定番が出来上がる時期であり、前向きな開拓精神を維持していた<豊饒な時代>だったのだと思う。

感想4は、実はコスパから言えば感想5である。でもさすがに中学生用漫画本に感想5は付けられなかっただけである。本書が、大学受験日本史の入り口として推奨されるのは正しいと思う。

11 002 学習漫画「日本の歴史14江戸時代Ⅲ ゆらぐ江戸幕府」(集英社:1998)感想3

2021年09月10日 00時47分51秒 | 一日一冊読書開始
9月9日(木):  

165ページ     所要時間1:35       蔵書

小中学生向けの本。目を通す感じ。以上でも以下でもない。特に論じることもなし。と言いつつ、人物の絵が印象に残りにくい。もう少し大げさに個性を描き分けたほうがいいのでは…?

ラクスマン~大政奉還

11 001 西村則康「中学受験は親が9割[学年・科目別]」(青春出版社:2015)感想4

2021年09月05日 13時12分29秒 | 一日一冊読書開始
11月10日(火):  

190ページ      所要時間3:30       古本市場380円

著者61歳(1954生まれ)。 

2度目。中学受験教育現場からの無駄のないリアルなアドバイス。実践的で役に立つ。

【目次】1章 志望校に無理なく合格する頭のいいスケジュール管理術/2章 家庭で毎日実践!親子で取り組む学力アップの方法/3章 苦手がなくなる「学年・科目別」実践対策/4章 関東・関西大手を徹底分析!わが子に合う塾はこう選ぶ/5章 Q&Aでよくわかる中学入試の悩みと解決法/6章 入試直前!最後で失敗しないために知っておくべきこと 

【内容情報】中学受験には、多くの「やってはいけない」があります。たとえば、成績が下がったからといって勉強量を増やす、やみくもに参考書や問題集を買ってくる、中学や塾の“ブランド”ばかりを気にしてしまう……。目標に向かって進んでいくうちに直面する問題に対して、プロ家庭教師、塾ソムリエとして30年以上活躍を続け、テレビにも多数出演している著者が具体的な対処法を伝授します。コピーして使える「週間スケジュール」、「各塾の比較チャート」、「ノートの見方」など、合格に向けた便利ツールも満載。

10 067 詳説「世界史 改訂版(村川堅太郎、江上波夫ほか)」(山川出版社:1985)感想特5

2021年08月24日 22時55分11秒 | 一日一冊読書開始
8月24日(火):        

385ページ         所要時間26:25(10日間)        蔵書

若い時、勉強で使った世界史の教科書。1ページ30秒と考えて読み始めたが、すぐに30秒読みは挫折。しかし、ゆっくりと確認しながら読むこと自体は何とか挫折しないで読み通すことができた。ずいぶん多くのことを忘れ去っていたが、その分だけずいぶん多くのことを思い出すことができた。

バブル崩壊前の日本で出版された1985年版教科書なので、チェルノブイリもゴルバチョフも9.11同時多発テロも何もない。世界史教科書の中の日本史(特に近代史)の記述は舌足らずさが面白い。

懐かしくもあり、楽しい読書だった。改めて分かったことだが、教科書というのは面白い大事なエピソードをほとんどすっ飛ばして記述している。読み進めながら頭の中を去来するそういうエピソードは、授業の中で先生が語り聞かせてくれていたようだ。

世界史は面白い。自分の中にもう一度大いなる世界史の世界を取り戻したい。

少しでも多くの本を読みたいという強迫観念に迫られているとどうしても速読を強く意識してしまう。しかしそれが、加齢に伴う目の不調を強く意識させてしまうために、読書が捗らない、できない疎外感を強めてしまってきた。今回のように意味のある深い本を時間を気にせずとことん遅読した場合には目の不調をそれほど意識して気に病むことはなかった。今回の経験には、老齢に伴う読書の困難を乗り越える工夫のヒントがあったような気もする。

本に関われるのであれば、冊数も気になるがじっくりと時間をかけて読んでもいいじゃないか。死ぬまで読書できればそれが俺にとって最高の幸せなのだから、と。

10031~063 コウノドリ全32巻

2021年08月24日 22時23分39秒 | 一日一冊読書開始
7月       

1冊平均 ページ     所要時間平均2:00      ヤフオク4月19日(月)4251円(2900+送料1351)で落札。一通り読んだ後、寝床で数冊ずつ再読をしている。

ドラマ第1シリーズ,第2シリーズを録画して何度も繰り返して観て涙した。面白い(興味深い)ドラマだった。その後,この原作を読んだ。全32巻を読み通して,やっぱり原作がすごかったのだと確認できた。ドラマは,多少のアレンジを加えているが,セリフも気のきいたやり取りなどもほぼ全てが原作の中の言葉や設定である。「このドラマの面白さは,原作に基づいている」ことが確認できた。脚本家は,原作の味わいをできるだけ忠実に再現,生かしているに過ぎない。大都市の総合病院の周産期医療センター産科の医師・助産師を中心にNICUの医師・看護師,さらに救命救急の医師たちを妊婦,夫,親族,ベビー(赤ちゃん)たちを考える。本来,産科医療は,人生の一時期の一瞬しか縁のない狭い世界にすぎないと思っていたが,そこで繰り広げられる世界は驚くほど広く奥行きが深かった。お産はただ単に赤ん坊が生まれる場所なのではなく,社会の縮図ともいうべき様々な悩み苦しみ喜びに満ちた世界である。医師は何でも屋ではなく,専門性が極めて高く,専門を跨いで医療行為をすることも,専門を越えた患者のその後をイメージすることもなかなか難しい。例えば,産科,NICUの医師は,早期胎盤剥離などで非常に未熟な状態で生まれた子どもであっても全力で命を援けにいく。ひと昔であれば救えなかった多くの赤ん坊の命が,今は救われることになってきたが,それは同時に後遺症で生涯,看護措置を必要とする障害を背負うことにもつながっている。その看護の負担は多くの場合,母親に被せられ,母親の疲弊,家族生活・人生の犠牲にもつながる。「命さへ救えればよい」という言葉ではなかなか解決とはいかない問題がある。妊産婦と夫婦,家族の様々な問題。産後ウツ。命の選択。災害時救命救急医療。僻地医療。出生前診断と染色体異常の中絶。医療裁判。LGBTのお産。特別養子縁組。単なる産科とNICUの活躍を描いた漫画でとどまらず,予想外に幅広く医療の世界が描き出され,さらにそこから社会全体を見渡していく。
 一方で,著者の笑いのセンスは秀逸であり,笑いの背景に人間的な優しさがあるので安心して笑うことができる。少し涙しながら笑ってしまう時もあった。著者の社会を観るまなざしは切れ味鋭く,物語り作りの才能は達者である。終始一貫して「中身のある面白さ」を提供してくれる。最後の第32巻まで余力を残して緩むことなく駆け抜けた感じである。始めから終りまであんこの詰まったたい焼きのような作品であった。

10 018~030 もやしもん全13巻

2021年08月24日 22時23分05秒 | 一日一冊読書開始
7月      

1冊平均 ページ  所要時間平均2:00 ヤフオク11月22日(日)3427円(2457+送料970)で落札。24日(火)届いた。

読み始めて、いきなり面白かった。東京にある農業大学(畜産、醸造も)が舞台。一度読んだだけでわかる本ではない。面白いストーリー部分と、農業、特に発酵をめぐる学術部分、さらにセクシー系の少し危ない部分、何層構造かわからない?奥行きがあるので一筋縄ではいかない。一通り読んだ後、寝床で数冊ずつ再読をした。それでも、全13巻終わってみれば、わずかに1年間の物語りになっていて「どんだけ濃厚な学生生活なんや!」と突っ込みを入れたくもなる。


細菌・微生物の姿が独特のイメージで見えて,彼らと会話ができる(現実世界では何の役にも立たない)特殊能力をもつ麹屋の息子と,その幼馴染で酒造り屋の息子が,東京の農業大学(畜産科も含む)に入学するところから始まる。読み始めていきなり衝撃的に面白い!。主人公の存在がほとんど目立たないほどに登場メンバーたちの味が濃い。年齢不詳の元気な老教授。懲りない子悪党の二人組の先輩。酒豪・酒乱のミス農大。美人だが強烈なくせ者の富豪院生。学園ストーリーで読ませる。微生物学(特に発酵食品)詳細な記述で読ませる。本格的な酒造り(日本酒・ワインなど)で読ませる。美少女系ゴスロリで見せる。テンポよくどんどん話が展開して13巻まで駆け抜ける。そして,まだ一年間しかたっていないことに気づかされる。
 一冊読み上げるのに結構時間がかかる。ストーリー読み,解説読みなど読み方で所要時間はかなり変わる。枕元に置いて,2カ月ほど毎晩繰り返して眺めていた。

10 066 西村則康「中学受験 やってはいけない 小3までの親の習慣」(青春出版社:2015)感想3+

2021年08月14日 00時40分00秒 | 一日一冊読書開始
8月13日(金):  

191ページ     所要時間2:30      アマゾン754円(404+350)

著者61歳(1954生まれ)。

2度目。

10 065 宮崎駿「シュナの旅」(アニメージュ文庫:1983)感想4

2021年08月03日 01時53分39秒 | 一日一冊読書開始
8月2日(月):  

249ページ     所要時間0:45       アマゾン520円

著者42歳

宮崎アニメの原点? ヤックルが出てくる。

【内容紹介】宮崎駿が描き下ろしたオールカラーの絵物語。1982年「アニメージュ」にて『風の谷のナウシカ』の連載を開始したのとほぼ同時期に描かれた作品である。水彩の淡い色をいくつも重ねて着色した絵が美しい。
作物の育たない貧しい国の王子シュナは、大地に豊饒をもたらすという「金色の種」を求め、西へと旅に出る。つらい旅の途中、人間を売り買いする町で商品として売られている姉妹と出会う。彼女らを助けた後、ひとりでたどり着いた「神人の土地」で、金色の種を見つけるが…。どんな状況にあっても、生きようとする人間のたくましさ。強い心だけが生みだすことのできる、やさしさ。そして、弱さと無力さ。宮崎は、短い物語のなかに、そんなものを、ただそのまま描き出してみせる。
世界観の作りこみとそれを表現する絵の力は圧巻。特に「神人の土地」にあふれる虫、植物、巨人、月の造形には、一切の迷いが見らない。彼の頭のなかに広がる原風景を見せられているようで、生々しいほどの迫力に満ちている。死と生、喜びと恐怖の一体となったこの世界観は、以降の宮崎作品にも幾度となく登場する。
チベットの民話に感銘を受けた宮崎が「地味な企画」ということでアニメ化を断念し「自分なりの映像化」を行ったものが、本作である。だがアニメという万人に向けた形をとっていれば、また違うものになっていたはずだ。淡々と、厳かに物語が進行する本書の独特の雰囲気は、絵物語という形態であればこその魅力といえるだろう。(門倉紫麻)

  

10 064 「学習まんが 世界の伝記NEXT 渋沢栄一」(集英社:2020)感想3+

2021年07月13日 23時09分17秒 | 一日一冊読書開始
7月13日(火):    

128ページ     所要時間1:05      図書館

とりあえず、知らなかったことがたくさん知れてよかった。大河ドラマ「晴天を衝け」の内容をどこまで信じてみればよいのか戸惑いがあったが、渋沢に関する事実をそれなりに忠実にたどっていることが分かったのは良かった。ただ、絵がちょっと…。こんなシャープな男前ではないだろう。実物にもう少し近づけて描いたほうが良いと思う。もちろん子供向けだから、女癖が悪かったなどのうわさは載っていない。

【目次】読書好きのおぼっちゃま/国のために働くぞ!/幕府をたおすはずが幕臣に!?/ヨーロッパはすごかった/役人なんてやめてやる/500の会社をつくり、育てる!/教えて! Q&Aでわかる渋沢栄一/渋沢栄一年表/もっと知りたい! 渋沢栄一

【内容紹介】2021年大河ドラマ主人公にして、2024年からの新一万円札の顔!
激動の幕末を乗り越え、明治政府で改革に取り組んだ後に実業界で大活躍。
500にのぼる企業の設立・育成に関わるとともに、社会事業にも尽力し、二度もノーベル平和賞の候補に!
「近代日本経済の父」の、みんなの利益と幸せを求め続けた生涯に迫ります。

150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)