9月30日(土):
この二日ほど、もやもやがあったが、俺なりに今の状況を整理してみた。少し気分的に落ち着いた。以下は、ほとんど推敲せずに一気に書いた。少しずつ手を入れるかもしれないが、とりあえず掲載する。
9月1日の民進党代表選挙で勝つべきリベラルの枝野が負けて、保守右派の前原が勝った時、この流れはできていたのだろう。保守右派の前原は代表としてやるべき精一杯のことをやったのだと思うので責める気はない。ただ、希望代表の小池が、民進党リベラルに高いハードルをかけてきたのは、もろ刃の剣だろう。今回の一連の報道によって、民進党の中に枝野をはじめ逢坂、辻本、長妻、赤松らしっかりとしたリベラルがいること、自由党の山本太郎氏らの存在を確認できたことは大きな収穫だった。
その上で、下の共産党志位委員長の発言報道は、大きな救いになる。
NHKニュース:共産 志位委員長 安保法廃止求める民進出身者と連携も 9月29日 15時04分
共産党の志位委員長は、横浜市で記者団に対し、民進党が希望の党に事実上合流する方針を決めたことについて、「大きな政治的変節だ」と批判する一方、希望の党から立候補せず、安全保障関連法の廃止を訴える民進党出身の候補者とは連携を模索したいという考えを示しました。
この中で、共産党の志位委員長は、民進党が希望の党に事実上合流する方針を決めたことについて、「民進党は安全保障関連法にあれだけ反対して、ともに戦った。その後も『憲法違反で廃止すべきだ』と主張しており、法律を容認する希望の党との合流は大きな政治的変節だ」と批判しました。
一方で志位氏は「民進党出身者でも共闘の原点である『安保法制の廃止』という大義に立って行動する人であれば共闘を追求していきたい」と述べ、希望の党から立候補せず安全保障関連法の廃止を訴える民進党出身の候補者とは連携を模索したいという考えを示しました。
また志位氏は、希望の党の代表を務める東京都の小池知事について、「もし、衆議院選挙に立候補するのであれば『都政を踏み台にしたのか』という大きな批判は免れない」と述べました。
今回、枝野が代表戦に勝っていれば、うまくいくかどうかは別にして、小池の希望の党の選択肢は考えにくかったはずだ。しかし、結果はそうならなかった。
自由党の小沢一郎氏が、前原側に保険をかけつつ両にらみで、反アベ自公の大きな働きをしてきたのは事実だろうし、希望代表の小池が機を観るに敏で今回大きな反アベ自公の闘いを民進党右派代表の前原と一緒に仕掛けたのは決して批判されるべきではない。彼らは民進党代表選の結果を受けてやるべきことをやっているに過ぎない。むしろ出てきた結果に対して、国民の側に「もうこれ以上、私利私欲だけで頭の悪いどぶの目をした愚劣なアベを駆除し、引きずり下ろせる<選択肢>」を作り上げて提示してくれたことには感謝したい。俺は、それを変節とは呼ばない。
保守の二大政党状態は必ずしも異常なことではない。戦前だって立憲政友会と憲政会(立憲民政党)という保守二大政党だったが、それなりに明確な政策の違いを出し合って政権交代をして政党政治を実現していた。戦後は、立派な「日本国憲法」によって労働運動その他国民の基本的人権が保障されているのだから、第三極に立派なリベラル政党勢力と日本共産党が存在する余地は十二分にある。
今回、
憲法改悪・安保法制の踏み絵を拒否して、無所属立候補を選ぶ民進党議員には対抗馬を出さず選挙協力するという共産党志位委員長の判断は、本当に見事だと思う。俺としては全面的に支持する。共産党は第二次アベ政権初期まで、自らの存在を誇示するあまり常に反アベ勢力の足を引っ張った、
かつての自民党の補完勢力になっていた轍を踏まなかったのだ。
この共産党の民進党左派に対する寛容な姿勢によって、数は少なくなっているが(その分、民進党リベラルの同士の多くが希望の党の中に”トロイの木馬”として入り込んでいるはずだと信じたい…)民進党のリベラル勢力の<事実上の”分党”>が実現する。そして、
彼らは連合という堕落した労働組合のしがらみからこれで本当に自由になった。結局これは、俺自身が、民進党代表選前から「そうなるべきだ」と望んできた<民進党リベラルの”分党”>が期せずして実現した形である。彼らの立ち位置は、社民党にかなり近いだろう。共産党との野党共闘を組めれば、一定数のリベラル系第三極の維持・実現ができるだろう。理想を言えば、20人以上の規模で分党して、選挙協力をしてくれれば、共産党、社民党と合わせてかなりの存在感になるだろう。
反面、
小池・前原・小沢の希望の党も頑張って、アベ自公を追い詰めてほしい。今回の総選挙の最大の目標は、アベ・アソウのような冷酷で短絡的な国際的にも恥ずかしい日本のリーダーを駆除し、引きずり下ろすことだ。そのためには、希望の党にも頑張ってもらい、ハードルは低過ぎるがアベよりはましな「寛容な改革保守」を実現してほしいのだ。とりあえず、アベ・アソウという愚劣過ぎる世襲政治屋を辞めさせさえすれば、自民党の側もさすがに正気に戻って、アレらよりはましな政治に目覚めるだろう。強く反省もするだろう。アレらを除いた自民党がマシになれば、今よりはましな日本になるはずだ。
今後も、希望と自民、及び公明の中でさらなる再編はあるだろうが、一方で共産党が怒りに我を忘れてかつての轍を踏むことなく、民進党内のリベラル勢力の実質的”分党”としての無所属立候補を社民党とともに選挙協力してくれるならば、
連合と言う電力労連によって腐ったしがらみから自由で健全なリベラル第三極の形成につながる。この第三極と”沖縄”が結びつけば、俺は間違いなくこの第三極を全面的に支持・応援する。短気は損気、ピンチはチャンス。状況は、混迷を深めているが、それで小池新党”希望”の勢いがそがれてアベ自公を利することは得策ではない。
世襲ファシストのアベ・アソウをまずはとにかく政権から駆除できさえすれば、自民党と希望の党は、案外とどちらが「寛容な改革保守」になるかはわからない。
我に返った岸田?(野田?)自民と小池希望の二大保守政党と、旧民進左派・社民・沖縄・山本太郎・共産のリベラル第三極で案外、すっきりした政治選択の勢力分けが出来上がってほしいものだ。そうすれば、
まさに<政治的”三国時代”の到来>であり、第三極たるリベラル勢力の要求も合従連衡の中で生かされていくものと祈りたい。
その意味で、
今回の共産党志位委員長の、冷静な判断には感謝をもって評価したい。そして、滋賀県の嘉田元知事も加わった小池・前原新党である”希望の党”の勝利を祈念する。