もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

140728 閲覧 701 PVで、初めて 700 PV超です!

2014年07月30日 00時12分53秒 | 閲覧数 記録
7月29日(火):

7月28日(月)のアクセス:閲覧 701 PV 訪問者 72 IP 。初めての数です。驚きました。

立花隆さんの本の紹介が、興味を持ってもらえたようです。

良い本にはたくさん集まって頂ける。良い読者に恵まれていると感謝しております。m(_ _)m。





3 121 立花隆「読書脳 僕の深読み300冊の記録」(文藝春秋;2013/12月) 感想 特5(少し複雑)

2014年07月27日 02時34分56秒 | 一日一冊読書開始
7月27日(日):

349ページ  所要時間 7:30     図書館

夏バテか、過労か、加齢か…、めっきり読書の根気が衰えてきた。日々2.0hほどの自由時間はあるが、それを読書に向ける前向きな意欲が湧かない。テレビを観たりしてぐずぐずと横になっているとあっという間に残り1.0hほどの中途半端な時間になり、読書を諦めてしまう。

本読みは、勢いだと思う。勢いを失うと、本に手が伸びない。一冊をできるだけ一日で読み切ろうとするのも、日をまたぐと結局、読み継ぐのが困難になるからだ。

本書は、昨年末、本屋で見つけて「欲しいなあ…」と思っていた立花隆の書評本である。彼の書評本は、俺にとっては<特別な存在>だ。ハズレが無い。頭を揉み解してくれる。とにかく内容が、幅広く奥行きがあり、重厚で満足度が高いのだ。

7月の初め、図書館で見つけた時には、本当にラッキーだった。しかし、根気の衰えで読めず仕舞いになりそうで、返却する前に速読で縁だけでも結んでおこうと、1ページ30秒の速読を試みたが、歯が立たない。

内容は、硬軟織り交ぜ、驚きと発見の連続で面白いことこの上ない。唯一、困ることは、多くの通説について、「実は、これこれで違うんですよ」という暴露が行われていることだ。真実を知らされることに興奮と読み甲斐を覚える一方で、これまで他人に当然のこととして語っていたことが、実は違ったんだ、となると今後どう語るべきか戸惑ってしまう。なぜなら、本書の中で明かされた真実の多くは本書の中でとどまり、実は間違っている通説は今後とも一定期間は、そのまま流布し続けるはずであり、そのはざ間で俺はどう語るべきなのか。

たとえば、金にきれいだと言われていた伊藤博文が、意外と莫大な蓄財をしていた、などという事実は、従来明治帝が金に汚い井上馨を遠ざけ、女癖は悪いが清貧に見えた伊藤博文に信頼を寄せていた、という通説を反故にしかねない。まあ、伊藤が、上手に清貧を演じていたと言えばいいだけかもしれないが、それを言い足すのは、話としてはくどくなるだろう。

通説をまず述べて、通説はもちろん知ってるよ、でも実はこうなんだ。なんて、いちいち話してられない。だからと言って、本書で得た真実をいきなり話せば、「通説を知らないのか」と思われてしまうだろう。などと、自分の中でちょっとだけ煩悶させられるのも、本書を読む醍醐味だろう。

付箋を始めると本がハリネズミのようになっていく。一度には読み切れず、断続的に計3日間かけて何とか終わりまでいったが、そのハリネズミのようになった本書が、なんとも愛おしい。コピーをとりながら、付箋をはがしていくと、何やら自分の思考の跡が壊されて更地になって行くような気がして心が痛んだ。やはり付箋はそのままにして蔵書として手元に置いておきたい本だ。

本書を手に入浴して(勿論、濡らさず傷めないよう注意しますよ!)、お風呂で付箋箇所を中心に読み直しをするのは無上の喜びである。

著者の、書評は素晴らしい。本当に貴重な情報が満載だった。読みながら途中で、何度もアマゾンのサイトで、書籍やDVDの検索をしてしまった。

また、本書は、最新刊ということもあり、2013年3月までの記述が有って、東日本大震災後と、安倍政権まで言及しているのは、ポイントが高い! しかし、同時に、著者が文藝春秋を拠点に作家活動をしていることで、原発再稼働については相当に手心を加えている。というより再稼働に前向きで、「原爆と原発は違う」として、反原発派の人々を無知とする批判的スタンスなのには少し鼻白んでしまった。

著者にとっては、自己の<知の世界>に対する広範な興味・関心を守ることが第一義であって、その中で原発の問題に固執し過ぎることは、彼にとっての<知の世界>に棲み続けるという至上の価値を失うことになる。原発ムラにも適度に塩を送って自身の活動の場を保全することは、それほど責められることではない。また、彼の筆は、原発ムラに阿るほどの内容ではない。そして、それを批判するほど、俺も教条的ではない。

・世界を変えた100日…写真集/・檀林皇后と九相図/・平成版江戸名所図会/・本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド/・沖縄戦新聞―沖縄戦60年/・亀山 郁夫訳「カラマーゾフの兄弟」/・ イワン・プィリエフ監督、映画「カラマーゾフの兄弟」 [DVD]/・ユーリー・モロズ 監督、ドラマ「カラマーゾフの兄弟」 [DVD]などetc.を注文する発作に襲われた。

結局、図書館で、イワン・プィリエフ監督、映画「カラマーゾフの兄弟」 [DVD]の予約をしてしまった。


目次:  ※コピペではない。
まえがき
巻頭対談「読書の未来」-石田英敬(東京大学附属図書館副館長)×立花隆
私の読書日記2006.12~2013.3
・反キリスト、黄禍論、大英帝国/・検察対大蔵省、ネット社会、ウィーナー/・九条と日本、二・二六事件、ダイアナ妃/・偽書、地図、外交機密、女性のパーツ/・フィクサー、グアンタナモ、人類の終わり/・宇宙飛行士、記者の執念、ドーキンス/・マッカーサー、天皇陵、ルーシー事件/・九・一一、黒いアテナ、人類の足跡/・暴力革命、IBS、高松塚への道/・超ひも理論、豊田商事、カメ、六道絵/・プリオン病、捕食されるヒト、日本の没落/・ヒラリーとオバマ、不倫、暗号解読/・『北回帰線』のパリ、脳科学と精神分析学/・インテリジェンスと文化大革命/石油危機説、予防戦争、アクアポリン/・死刑判決直後、悪魔憑き、見えない宇宙/・気骨の判決、開戦神話、原爆で死んだ米兵/・超バブルの崩壊、読書と脳、社説の内幕/・小林・益川理論、ミケランジェロ、黒死病/・知られざるデータ、アメリカ人の宗教観、寿命論/・脳科学、日本のメメント・モリ/・謎の古代機械、柳田国男と大嘗祭/・Nintendo,プリウス、そして絶頂/・オリンピック作戦、ID理論、発見と偏見/・二十一世紀建築、神獣霊獣、江戸絵、世界の聖地/・勝者の歴史、推理の陥穽、伝説的スパイ・マスター/・修正重力理論、伊藤博文、カーマスートラ/・金正日の出自、小沢本の仕分け、醜の歴史/・天安門事件、金融危機、日露戦争、天使の堕落/・人工内耳、性的満足の歴史、世界の奇妙さとキリスト教論/・マラルメ、モスクワ攻防戦とゾルゲ、右翼と公安警察/・突飛なるもの、進化と文明、アクターズ・スタジオ・インタビュー/・長崎にて/・アウシュヴィッツ、大英帝国、脳とグリア細胞/・9・11、チェイニー、フェルメールとカメラ、特撮円谷組/・いかに死ぬか、三島クーデター、奇想の美術館、「夢」の撮影秘話/・パウリとユング、元型と象徴、謎の赤い本、インド宇宙論/・巻頭随筆、フリーメイスン、朝日の中国侵略/・原発政策、オウムの精神史、移行化石と進化/・大震災、旧石器考古学、宇宙の「悪の枢軸」/・米軍基地観光、ドストエフスキー、中国共産党の秘密/・写真で見るヒロシマ・ナガサキ、原発と原爆/・アウシュヴィッツの回想、記憶の減衰、春画/・地下都市の秘密、地球外生命体の追求/・私たちの崩壊は確実に進んでいる/・医学専門書店で買った本、不確定性原理の修正/・タックスヘイブン、天皇陵/・新装オープンの東京堂へ/・連合赤軍、清武の乱、天孫降臨/・木嶋佳苗、政治家のがんと回想、リーダーなき世界/・借金人間、秀吉、人体実験/・金融戦争がはらむ危機/・昭和史の怪物たち、乱交とプラトニック/・秘密基地、原発事故の証言、系統樹/・宇宙のふしぎ、原発事故の良書、アベノミクス/ビン・ラディン殺害、夭折の画家、仲間殺し
掲載書目一覧

140725 NHK「復興・正念場の夏―建設バブルと被災地」感想5。東北の棄民化進む!五輪より復興が先だ!

2014年07月25日 23時13分11秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
7月25日(金):NHKスペシャル「復興・正念場の夏―建設バブルと被災地―」pm10:00-10:50

 久しぶりにNHKの意地を見せてもらった。現政権の被災地に対する不誠実、犯罪的な不作為(*)が白日の下に明らかになった。その気は無かったのに、最後まで見てしまった。

 (*)路上に倒れている病人を見捨てたまま通り過ぎるとか,立ち退きを要求されても住み慣れた住居から立ち退かないというように,現在の事実・事象に対して積極的に働きかける行動をとらず,それらの事実・事象を放置することを不作為という。(kotobank)

 安倍晋三は、集団的自衛権による憲法破壊や対中国の陣取り合戦のために海外を飛び回っている。財界に原発再稼働を約束し、法人税減税をしながら消費税を上げ、再度引き上げようとしている。自殺者は再び3万人を超えるだろう。北朝鮮の拉致被害者問題も政治的に利用するが、埒があかない。国内には悲惨な苦しみを抱えるさまざまな人々が大勢いる。

 しかし、安倍晋三も石破も、国内の被災地を回ろうとしない。中国・韓国にチンピラのような敵意を示しながら、財界とアメリカには卑屈なまでに歓心を買おうとし続ける。一方で、国内の多くの人々のさまざまな苦しみ、悲しみにまともに向かい合おうとしない冷酷さ、酷薄さはどうだ! 特にあの石原伸晃環境相のやる気の無い表情や言動は見ている国民を失望させるに余りある。

 安倍自民は、もはや日本の代表ではない。ごく一部の富裕層とアメリカの代弁者になり下がっている。我々の代表ではない。そして、アメリカからも実は馬鹿にされている。

 だからと言って、民主党の野田汚物や前原詐欺師が免罪されはしない。むしろこいつらも国民そっちのけで我が身可愛さで民主党から出ていかず、スキルスのように身を潜ませて、政治を見え難くして、自民党を支える共犯者だ。

 被災地は福島だけではない。岩手も宮城も一向に復興が進んでいない。全ては政府の不作為と、無神経な五輪招致のやり方による東京に集中する建設需要によるものだ。東京に吸収されて、被災三県から潮が引くように建設業者がいなくなり、バブルの時にもなかったほどの建設労賃や資材費の高騰が起こっているのだ。被災地の復興を担う業者や自治体は、責任を押し付けられて国から何のあと押しも得られないでいる。

 我々から強奪した<東北復興特別税>の莫大な金はどこに消えたんだ! 沖縄県の護岸工事に流用されて話題になっていたあの19兆円は、どこに消えたんだ。その金でどうして被災地の自治体や建設業者をサポートしないんだ!

 今の日本には、まともな政府や政党が消滅してしまっている。本当に異常事態だ。自国民を<棄民>化して開催される東京五輪なんて、滑稽でしかない。馬鹿馬鹿しい国になり下がったものだ。

140721 閲覧25万超え:一年前 ※民主党内の野合継続は戦後史に対する犯罪。前原は100%維新に出ていけ!

2014年07月22日 22時26分45秒 | 閲覧数 記録
7月21日(日):記録ですm(_ _)m。ブログの開設から1017日。

アクセス:閲覧 371PV/訪問者 90IP

トータル:閲覧 250,170PV/訪問者 103,447IP

ランキング:日別 14,897 位/ 2,041,200ブログ中 / 週別 17,384 位

130721 投票に行った。護憲・反原発! 比例区は社会民主党。選挙区は共産党。民主党は赦せなかった。
7月21日(日): 共産党に投票した時は、悔しさが溢れた。この党にだけは入れたくなかった。あとは、戦後日本が大切にしてきた民主主義の崩壊する姿を、テレビで眺めるだけだ。※昨...


131210 前原誠司の観念的と現実的の保守分類を笑う!枝野幸男に期待!安倍晋三の言葉の軽さを笑う!」もお読み下さい。

3 120 師岡康子「ヘイト・スピーチとは何か」(岩波新書;2013) 感想4

2014年07月17日 00時32分12秒 | 一日一冊読書開始
7月16日(水)

220ページ  所要時間 1:20      図書館

疲れて帰って、晩飯を済ませてから、「今日も読めないかな…」と思いつつ、「15秒読みだったら!」と思って眺め始めた。岩波新書を15秒でしっかり理解できる頭脳は俺にはない。しかし、本書は始めから著者の立場は明らかなので、なんとか最後まで本を投げ出さずにすんだ。

著者?歳。弁護士。 俺は、本の内容を理解する上で著者の年齢・世代を重視するので、女性の著者が、年齢を伏せるのには、何か納得がいかない。

ヘイトスピーチに対して「法規制か表現の自由か」という問題を論じ、「表現の自由」などと悠長に言ってられる段階ではない。在日コリアンをはじめマイノリティの人々にとっては、切実に生命にかかわる深刻な問題なのだ。また、ヘイトスピーチを生む背景に、日本政府による不作為、差別に対する、また侵略戦争に対する反省の弱さ(反省したくない?)が、大きく横たわっている。日本のように、差別に対する法規制の弱い状態の国家は、OECD先進国ではもはや例外的である。

ヘイトスピーチをする馬鹿どもの実態に興味本位で関心を示す声は多いが、むしろ犯罪的行為の害毒と深刻な被害にこそ目を向けて、その規制をしっかりと考える方が先決である。

という趣旨の内容である。俺も全く異存は無い、大賛成である。馬鹿どもの実体なんて浅薄な連中に過ぎない。そんなクズどもを掘り下げても何も出て来ないだろう。むしろ、この馬鹿どもを踊らせている石原慎太郎のような卑劣な差別発言を繰り返す糞野郎(失礼)の犯罪性をどう糾弾するのか、差別をわざと放置しているとしか言えない政府の不作為と多文化共生の重要さに対する認知度の低さをこそ厳しく指摘していくべきだ。

■目次: はじめに
第1章 蔓延するヘイト・スピーチ : 1 マスメディアに登場した「ヘイト・スピーチ」/2 京都朝鮮学校襲撃事件/3 狙われるマイノリティ
第2章 ヘイト・スピーチとは何か : 1 ヘイト・スピーチの定義/2 ヘイト・スピーチの害悪―傷つけられるマイノリティ/3 ジェノサイドの経験と国際社会の認識
第3章 法規制を選んだ社会 : 1 イギリス―多民族社会の模索/2 ドイツ―負の歴史と向き合う/3 カナダ―国際人権基準からみた一つのモデル/4 オーストラリア―多文化主義への転換
第4章 法規制慎重論を考える : 1 アメリカ合衆国の選択/2 日本における法規制慎重論/3 法規制慎重論の検討
第5章 規制か表現の自由かではなく : 1 現行法で対処可能なのか/2 包括的な制度構築―調査、差別禁止法、救済制度/3 ヘイト・スピーチ規制条項の検討
あとがき
主要参考文献

140712 明日は滋賀県知事選。嘉田知事推薦候補に一本化をお願いします!自公が勝てば、大飯原発再稼働だ。

2014年07月13日 01時19分39秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
7月12日(土):
2014年07月12日 16時44分08秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」

 明日は滋賀県知事選挙である。反原発、反戦争、反弱者いじめ社会、反極右自民党のために、嘉田知事の推す民主党候補で少しでも多くの滋賀県の人の力を結集してくださいますようお願い申し上げます。
 くれぐれも東京都知事選の轍を踏んで自民・公明推薦候補が漁夫の利を得て勝たないように衷心より祈っています。
 まあ、滋賀県民は、都民より賢いはずだ!
 何より、明日自民・公明が勝てば、大飯原発再稼働に決定的な道を開くことになる。それだけは絶対に止めねばならないのだ。

140712 安倍政権のNHK乗っ取りは、悪質の極み。まさにファシズムの手口だ。NHKの権力に対する弱さは深刻。

2014年07月13日 01時02分56秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
7月13日(土):

今までの常識では、ありえないことが、今起こっている。消せないシミとなって将来の日本の足かせとなる前例が積み重ねられている。取り返しのつかない傷が現代史に刻みつけられている。そんな現実になすすべなくいることのイライラが募る。

安倍政権官邸のNHK恫喝フライデー報道の深層(植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/401.html
投稿者 笑坊 日時 2014 年 7 月 11 日 16:04:24: EaaOcpw/cGfrA
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-1da1.html
2014年7月11日
『週刊フライデー』が7月11日発売の最新号で、
「安倍官邸がNHKを“土下座”させた一部始終」
と題する記事を掲載した。
7月3日に放送された『クローズアップ現代』での放送内容に安倍官邸がクレームをつけてNHKが謝罪したという内容である。
NHKは
「みなさまのNHK」
でなく、
「あべさまのNHK」
になっている。
この番組が取り上げたのは、安倍政権による集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更、すなわち安倍政権による「なしくずし改憲」強行である。
本ブログ、メルマガで取り上げてきているように、日本の主権者国民の多数は、安倍政権の対応に反対している。
安倍政権が「なしくずし改憲」強行の暴挙に突き進んだ直後の共同通信社世論調査では、以下の結果が示された。
問5 日本と密接な関係にある国が武力攻撃を受けたとき、日本が攻撃されたとみなして一緒に反撃する「集団的自衛権」について、政府はこれまで「憲法解釈上、行使できない」としてきましたが、安倍内閣は憲法解釈を変更して行使を容認する閣議決定をしました。あなたはこの行使容認に首相に賛成ですか、反対ですか。
賛成               34・6%
反対               54.4%
分からない・無回答        11.0%
問6 安倍内閣は集団的自衛権の行使容認にあたり、憲法改正ではなく、憲法解釈の変更で対応しました。あなたは、この対応が妥当だったと思いますか、思いませんか。
妥当だったと思う         31.7%
妥当だったとは思わない      60.0%
分からない・無回答        8.3%
問8 閣議決定では「日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」などと限定して集団的自衛権行使を容認しています。一方で、一度行使を容認すれば歯止めがかからないとの懸念も指摘されています。あなたは、どう思いますか。
行使容認の範囲が広がる恐れはない 19.0%
行使容認の範囲が広がる恐れはある 73.9%
分からない・無回答        7.1%
問9 安倍晋三首相が政府、与党の検討を指示してから約1カ月半で集団的自衛権行使容認が閣議決定されました。あなたは検討が十分に尽くされたと思いますか。
十分に尽くされた         12.6%
十分に尽くされていない      82.1%
分からない・無回答        5.3%
問10 公明党は当初、集団的自衛権の行使容認に慎重でしたが、最終的に行使容認に転換しました。あなたは、この公明党の姿勢をどう思いますか。
納得できる            24.4%
納得できない           65.6%
分からない・無回答        10.0%
この世論調査が、日本の主権者国民の考えをかなり的確に示している。
安倍政権の暴走・暴挙は明白である。
7月13日投開票日を迎える滋賀県知事選では、安倍政権与党が推薦する候補者を必ず落選させる必要がある。
クローズアップ現代には、安倍政権の官房長官である菅義偉氏が出演した。
番組では、集団的自衛権行使についての、これまでの政府見解が説明され、それが、今回、安倍政権によってどのように変更されたのかが解説された。
その上で、スタジオでキャスターの国谷裕子氏と政治部記者の原聖樹氏が菅義偉氏に質問した。
その内容の全体を、NHKサイトで確認できる。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3525.html
番組における集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更の説明は中立公正で、スタジオでのやり取りも標準的なものであった。
しかし、この内容について、安倍晋三首相官邸が激怒したというのだ。
どのようなやりとりがあったのかを客観的に確認することはできないから、断定は避けるが、容易に想像がつく。
安倍政権官邸としては、政府の完全御用番組を制作させたつもりだったのだろう。
しかし、現場に、それに抗う空気がまだ残っていたということだろう。
解説委員の島田敏男氏やニュースウォッチ9の大越健介氏が担当していれば、完全御用番組にしたと思われるが、クローズアップ現代は、標準的な、常識の線に沿う番組編成を行った。
これに菅義偉氏が激怒したということなのだろう。
しかし、激怒や土下座の場面を客観的に確認できなければ、安倍首相官邸は記事内容を否定するだろう。
そこを追及しても、なかなか効果は上がらない。
しかし、この記事に示される図式そのものは、現在の安倍政権とNHKの関係を如実に物語るものであると判断される。
NHKが私物化されているという、極めて重大な事態が発生しているのだ。
その私物化の中心にいる人物が、安倍晋三氏と菅義偉氏なのである。

140712 久しぶりにNHK大河「風林火山」総集編(2007;58分×4回)を観た。 感想4

2014年07月13日 00時44分16秒 | 映画・映像
7月12日(土):

 本編を見ていた当時は、全体に小粒な俳優陣で不満だったが、総集編で見るとそれなりにリズム感が良くていい感じで観られた。Gacktの上杉謙信も、RPG的謙信として見れば、なかなか美しい謙信だった。内野聖陽の山本勘助はとても良いし、市川亀次郎の信玄はよく頑張っていた。
 また、武田典厩信繁のことを思い出せたのも、何かよい感じだった。また、8万の上杉軍を、8千の北条氏康軍が撃破した「河越夜戦」の話もなかなか面白かった。
 まあ、日本史はどの時代もすべて面白いが、やはり戦国は面白い。

3 119 佐高信・姜尚中「日本論 増補版」(角川文庫;2004) 感想5

2014年07月12日 01時19分45秒 | 一日一冊読書開始
7月12日(金):

254ページ  所要時間 2:05    ブックオフ 70円

著者 佐高信59歳(1945生まれ)。
   姜尚中54歳(1950生まれ)。

今日も一日本当に忙しかったが、ねぎらいの言葉一つない職場で空疎な気分を味わった。若い時から、職場でたくさんの人間の地雷を踏んできた。近頃は、さすがに気をつけて踏まないようにしてきたつもりだが、そもそも気付かないのが地雷である。

いい歳をしてもっとしっかりとものを考え、ゆったりとした器の人間だと思っていたのが、意外や意外、「自分はしっかりしている」という幼稚なプライドの持ち主で、「傷つけられた」と被害者意識を持ち、かれこれ10カ月近くも執念深く俺に対してシカト(無視)を決め込んでいる馬鹿な同僚がいる。笑えるが、疲れる現実だ。

疲れて帰宅後、一休みしてから、気分がふさぎこまないよい工夫はないか?と考えをめぐらして、昨夜の15秒読書を思い出した。「難し過ぎれば、投げ出せばいいさ」と軽い気持ちで、本書を手に取り、ページに目を這わせ始めた。

勿論、読みとりはできないが、対談形式であまり難解な言葉を弄ばない文章なのが幸いして、大雑把には言わんとすることは分かったので、眺めるのを止めようという気にはならなかった。ページは快調に跳んでいく。「まあ、これもありかな」と思った中盤、急ブレーキがかかった。

「第3章 日本の政治を徹底批判する」で、ちょうど10年前の安倍晋三ら、40代の戦争を知らないタカ派連中の増殖に警鐘がならされているのだが、その将来への危惧のことごとくが正鵠を射ているのだ。「この本は、正真正銘の予言の書だ。今世に出ている様々な論評よりも、10年前の本書にすでに現在の全てが語られている。」ある意味、佐高信と姜尚中の世の中を観る目の確かさが10年を経て証明されたことになる。ならば、今後の日本の歩みも彼らの言論に注目することでかなり正確に見通すことができるだろう。

まあ、今の政治家のどうしようもない劣化と野党勢力の分裂・烏合の衆化が、ファシズム(全体主義)の好餌であることを知れば、10年後の日本が破滅に向かって邁進し、すでに多くの命が戦場で落とされ、その命の一つ一つがくさびとなって、元に戻れない破滅へのカウントダウンに入っているだろうことは容易に想像できる。

本書の中には、時代の節目をきれいに腑分けして見せ、気の利いた警句的言葉や指摘が満載されている。ページの耳を折り、鉛筆で線を引いたところもたくさんある。

・佐高:あの手のは慶應に多いですよ。坊ちゃんタカというか、安全圏にいながらすさまじいタカになっていくタイプですね。
 姜:僕は自民党の二世議員と話す機会が多いんですけれども、すごく危うい気がして仕方がないんです。略。世代交代を一挙に進めようとしている自民党の若手と言われる四〇代の人たちが、かなりはしゃいでいますね。その一つのコアに安倍さんがいて、一〇年後の日本の政治を思うと、不安です。彼らには戦後感覚というものがほとんどなくて、自分たちの単純極まりないタカ派的な発想を斬新だと勝手に思い込んでいるんですね。147~148ページ

・姜:「けしからん」と言っていては、外交は成り立たないわけです。しかし、そういう単純な政治意識におもねる、あるいは支持する一部のメディアや世論がある。一〇年後、今の若い人たちは日本の政治の中で、いったいどんなリーダーを仰ぐことになるのだろうと考えると悪寒が走ります。157ページ

・佐高:私は、自民党の総裁選に出た高村という人を見ると、「あ、この人原理研だ」と思うわけです。
 姜:彼はそうですか?
 佐高:統一教会に近い人です。161ページ

・姜:自殺者は、小泉になってから、むしろ増えている。そのうちのかなりの数が、明らかに経済的事案でしょう。人ひとりが自殺するということは、いちばん近い近親者、親や子どもや奥さんを入れると、最低五名から八名が直接的な影響を受けるわけですね。三万数千の自殺者に加えて、自殺未遂者は一〇倍いるということですから三〇万。三〇万に八をかければ二百四○万、それだけでも大変な数ですよね。そういう社会状況の中で、「改革」「痛みを伴う」と、啖呵を切っていられるということは、尋常じゃない。168ページ
   *今も同じか、それ以上に最悪だ。三万人を切った自殺者は、消費税8%によって必ず再度三万人を突破するだろう。

他にもいっぱいあるが、すでに眠剤とフォア・ローゼズを飲んでしまった。そろそろ寝ることにする。

目次: 語り下ろし 『愛国の作法』をめぐって/第1章 日本思想論/第2章 日本文学とアジア/第3章 日本の政治を徹底批判する/第4章 国を超える新たな「公」へー公開討議より/終章 精神の鎖国主義をどう脱却するか

3 118 小林美希「ルポ 産ませない社会」(河出書房新社;2013) 感想5

2014年07月10日 22時18分49秒 | 一日一冊読書開始
7月10日(木):

297ページ  所要時間 1:45    図書館

著者38歳(1975生まれ)。

忙しさの中で、今日も読めない日になりそうだった。横に早急に返却すべき本書があった。関心のある話題だから借りたのだ。このまま帰すしかないのであれば、1ページ15秒の眺め読みでもやらないよりましだ。ほぼそのペースで眺め切った。

妊娠・出産の前後に様々な困難が存在し、それに携わる医療関係者らが矛盾を抱え込みながら、大変な無理を押して現状を支えている。親となる男女、お腹の中の胎児、みんな大変だ。本書を読んでいて一番感じたのは妊娠・出産・子育てをめぐる落ち着けない騒然とした危機的な雰囲気だった。一方で、今の日本の社会、特に政府は出産・子育ての大変さを見て見ぬふりを決め込み、偏見や差別意識すら持って、まともに取り組む意思すら薄弱な状況である。

勿論、細かい内容は分からないし、目の前を文字が流れていくだけだが、本書が著者の熱い思いによって書かれた充実した内容を持っていることは十分にわかった。良書だと思う。この3倍ほどの、もう少し時間をかければもっといろいろなことが深く心に届いたのだろうが、それは無い物ねだりである。この速度だから、諦めることなく最後まで目を這わせ、本書と縁を結ぶことができたのだ。

pm11:00、著者の「ルポ“正社員”の若者たち―就職氷河期世代を追う [単行本] 」(岩波書店;2008)をアマゾン(332円;75円+257円)で注文を出してしまった。小林美希という著者は、小さな発見だったのかもしれない。

<売り込み文>:「産めない」のではなく、社会が「産ませない」のだ。孤立する母親、妊娠解雇、ベルトコンベア化するお産、商業化し消費される妊娠……出産に前向きになれない社会に光を探す痛切なルポ。
 まるで、「子どもが心配なら家で(母親が)みろ」と言わんばかりの環境が整ってはいないだろうか。
 マタニティ・ハラスメント、“孤育て”、妊娠解雇、職場流産、ベルトコンベア化するお産……なぜ今、子どもを産むことに前向きになれないのか。
 子育てを未だに「女性」に押しつけ続ける現実を問う、痛切なルポ。


目次:
【第1章 なぜ、親になれないのか】
今、親になると孤立してしまう理由/就職氷河期世代が妊娠期に抱える問題/妊娠を理由にした雇い止め/年々増える35歳以上の高年齢出産/アラフォー助産師/消費される“婚活・妊活”/“女性誌的”育児の間違い/自分の満足のための妊娠/「命の選別」につながる出生前診断/「産後うつ」と向き合う/3人の子を置いて“失踪”した妻/困難を極める都市部での育児/近所のおばちゃん・おじちゃんの存在/新生児訪問で感じる危険信号/親になることを否定する職場/男性の育児休業の現実
【第2章 ベルトコンベア化するお産】
悲鳴を上げる産科医療/足りない産婦人科医/産科医療の危機レベル/医師が忙しすぎることで起きる弊害/どこに勤めても悲惨/「病院によって、こうも違うものか」/“セレブクリニック”でのお産/「あっさり検診」への不安  /激減するベテラン助産師/地方で強まる悪循環
【第3章 奪われる子どもの幸せ】
苛酷な労働を強いられるNICU/丁寧なケアが否定される/「ありがとう」が消えた職場/貴重な小児科医の妊娠解雇/親が育つチャンス/この病院で産んで良かったと思えるか/なぜ女というだけで働けないのか/幼稚園を追い出された「何もできない子」/ケアされる障がい者と、ケアされない障がい者  /虐待を直視する現場/乳児院で起きていること/「子育てはゲームでないと伝えてあげないと」/母子を孤立させる食物アレルギー
【第4章 良いお産に向けて】
赤ちゃんを迎える親に伝えたいこと/「仕事をしているからこそ、育児もがんばれる」/育児から復帰した助産師たちの声/離職率を激減させた病棟/奮闘する地域の診療所/必要なのは「寄り添う助産師・叱ってくれる医師」/医療の高度化の「その後」が問われる時代/子の居場所が少ないなかで/心疾患患者の明るい未来/好成績を収める「キャリアママチーム」/見直されるべき母乳の素晴らしさ/注目されるカンガルーケア/茨城県で初の「おっぱい券」/支え合う場所をつくる/子どもを産める社会に向けて

140709 ブログ開設から1000日(140704)が経った。知らぬ間に過ぎていた…。毎日忙しいから…。

2014年07月10日 01時26分16秒 | 閲覧数 記録
7月9日(水):

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※逆算すると、1000日達成は、7月4日(金)でした。皆さま、本当に有難うございました。

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140709 東京新聞の解釈改憲に対する抗議自殺未遂の記事。無視するNHKの背信と読売はもはや市民の敵だ。

2014年07月09日 23時23分14秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
7月9日(水):

何よりも政府に阿り<報道の自由>を守ろうとする気概と姿勢を失った<マスコミのご都合主義の秘密主義>が恐ろしい。



集団的自衛権行使の関連法案が可決したら、日本中で違憲立法審査権訴訟が大量に起こされるのでは…? <司法権の独立>が正常に機能すれば、メビウスの輪、根本的矛盾が生じるはずだ。

3 117 池上彰「池上彰のやさしい教養講座」(日本経済新聞出版社;2014/5月) 感想3+

2014年07月07日 01時10分35秒 | 一日一冊読書開始
7月6日(日):

322ページ  所要時間4:45    図書館

著者64歳(1950生まれ)。ジャーナリスト。東京工業大学リベラルアーツセンター教授。

新聞感覚で読めるほど、できたてほやほやなのが最大の値打ちだった。無難にわかりやすくまとめられているが、基本的に既知の内容が多かった。あまり、あとに残らない。それでも、海馬のどこかに沈澱してくれていればいいのだが…。

東工大の講義をもとにした日本経済新聞連載「池上彰の必修教養講座」を、大幅に加筆し再構成したもの。池上さんの多筆ぶりには、驚くばかりだ。

目次:はじめに
第一章 講演集 池上先生、教養を学ぶ意味って何ですか?
C h a p t e r.1 学ぶ力を持つということ/C h a p t e r.2 悩むことは怖くない
第二章 現代日本を知る5つのテーマ 戦後日本の歩みを学ぶ
C h a p t e r.1 豊かさとは何だろう/C h a p t e r.2 3・11という「第2の敗戦」からの復活/C h a p t e r.3 日米安全保障条約が守るモノとは/C h a p t e r.4 歴史的政権交代は、なぜ失敗したのか/C h a p t e r.5 「働く」ということを考える
第三章 現代世界を知る5つのテーマ 戦後世界のかたちを学ぶ
C h a p t e r.1 勝者が世界を二分した東西冷戦/C h a p t e r.2 世界平和は核の恐怖で生まれる?/C h a p t e r.3 中東和平への遠い道のり/C h a p t e r.4 テロを生んだもの、テロを終わらせるもの/C h a p t e r.5 戦争のない世界を目指して

140706 野中広務氏の発言を拝聴・賛同!弱者への限りなく優しい眼差しの政治家。言葉に強い根っこがある!

2014年07月07日 00時29分16秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
7月6日(日):俺が最も(唯一?)尊敬する政治家の一人だ! 有難や、有難や。ご長寿をお祈りしています。

  野中広務・元自民党幹事長
閣議決定は「暴挙」、野中広務氏が批判 集団的自衛権
                     朝日新聞デジタル 7月6日(日)19時59分配信

 元自民党幹事長の野中広務氏(88)が6日、名古屋市内で講演し、安倍内閣が集団的自衛権の行使を認めるため、憲法解釈を変える閣議決定をしたことについて、「暴挙」と痛烈に批判した。

 講演は、韓国と北朝鮮の融和を目指して活動する在日コリアンらのNPO法人「三千里鉄道」(愛知県豊橋市)が開いた集会であった。

 野中氏は「私どもが、あの戦争から69年たった今日を平和で迎えることができたのは、憲法があり、9条があったからだ。解釈を変更しただけで、再び戦争への道を歩むというのは暴挙だ」と述べ、「憲法9条の死守」を訴えた。

 また、野中氏は「従軍慰安婦」や尖閣諸島問題などで悪化した日韓、日中関係についても言及。「政治家は、植民地化が朝鮮半島に残した爪痕や、戦争が中国に残した傷痕を謙虚に反省して、やっていかなければならない。近隣諸国と対立したままで、いくら平和を叫んでも、それは空念仏だ。東アジアの友好親善のため、みなさんの力を賜りたい」と訴えた。(黄�斐)



佐高信×魚住昭「だまされることの責任」(角川文庫;2008)
・手柄は小泉に取られた形になってしまったが、ハンセン病訴訟の元患者や弁護団が最も頼りにしたのが野中だったことにも魚住は触れている。/官房長官時代に原告や弁護団に会い、国の責任を事実上認めた野中に、彼らは「痛みのなかに身体をおける人」と賛辞を惜しまないという。略。「政敵たちを震え上がらせる恐ろしさと、弱者への限りなく優しい眼差し」(181ページ;佐高)

140706 真理は覆い様もなく露見している。その2。断じて戦争を認めない。安倍自民と公明党は、恥を知れ!

2014年07月06日 15時30分04秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
7月6日(日):

今朝の朝日新聞朝刊<声>欄にあった。コピペではない。

僕らの未来 大人が決めるな
        中学生 中村 伊希(香川県 12)
 憲法の解釈を変えて集団的自衛権の行使を認める閣議決定がなされました。新聞やテレビのニュースを見るたびに、危機感を覚えます。学校では歴史の授業で「戦後」日本の不戦の歩みについて学んできました。でも、いま自分が生きているこの時代が、「戦前」のように思えてなりません。憲法9条の改正に向け、着々と準備が進められているように思えるからです。
 平和憲法が骨抜きにされれば、僕たちは大人になったとき戦争に行かなければなりません。僕は、戦争には行きたくないです。人を殺したくないです。紛争の解決には武力行使以外の方法があると思うし、そういう姿勢を世界に示せる日本であって欲しいのです。
 「子どもたちに夢を」と口癖のように言う大人が、僕たちが戦争に行かなければならないような判断をするのは許せません。
子どもを、孫を、戦争に行かせたいですか。政治家のみなさん。一度立ち止まって、未来を生きる僕たち若い世代のことを考えてください。

「平和」を諦めぬ 七夕の誓い
         主婦 樋口 恭子(京都府 42)
 「日本が戦争をしませんように」。7歳の娘が小学校でもらってきた七夕の短冊に、私は黒の油性フェルトペンで太く大きく書いた。娘が不安そうな表情で聞く。「戦争が始まるの。そうしたら私はどうなるの。爆弾が落ちてきて死ぬの」。私はこう答えるしかなかった。「今すぐに戦争が始まるわけじゃない。そうならないように、ママたち大人が何とかするよ」
 平和憲法をないがしろにし、集団的自衛権の行使を認める政府の動きに暗澹たる思いだ。子どもが将来を案じる現状のどこが、「美しい国」なのか。
 それでも、私は諦めたくない。希望はまだ私たちの手の中にあるはずだ。私たちは先の戦争の悲惨さを知っている。憲法9条によって授けられた平和のありがたみも手に入るし、デモにも参加できる。そして何より、選挙の一票で安倍政権にNOを突きつけることができるのだ。
 学校がとりまとめて商店街に飾られるという短冊。平和への願いが、一人でも多くの人の心に届いてほしい。

一人一人が主権者の自覚を
         ホームヘルパー 熊田 響(東京都 36)
 10年以上前、米国のイラク攻撃反対のデモに参加した。7月1日には、首相官邸前で集団的自衛権の行使容認に反対の声を上げた。
 反対デモに参加する人々も、安倍政権を支持して自民党に投票する人々も、実はどちらも、この国の多数派ではない。現政権の「暴走」を許しているのは、「多数派」を占める無関心な人々ではないだろうか。
 以前住んでいたネパールで王政廃止のデモがあった。デモは全国規模になり昼夜を問わず繰り広げられた。その人々を見て王政は廃止されると確信した。それは現実になった。本当の権力は国民一人一人の手中にあると知った。民主主義は国民に主権者としての自覚がなければ機能しない。
 集団的自衛権の行使を認める閣議決定がなされた。アラブ諸国では米国敵視の政治的思想が幅をきかせ、テロ攻撃の危険性は世界に拡散している。戦争という現実が訪れてから自覚するのでは遅い。民主主義を再構築し、現実を歪曲する政治を止めることができるのは、国民一人一人なのだ。


 安倍自民と公明党はこれから、戦争を嫌がる子供たちに対して「国を守るために戦争に行くのは、とても偉いことであり、悪い奴らを戦争でやっつける(殺す)ことは当然なのだ」「国のために戦わないのは、恥ずべきことであり、愛国心のない者は、国民の資格はない」と教育をしていくつもりなのか。はっきりしているのは政治家自身やその子どもは決して戦場には行かないということ。「国って何か」は置き去りのまま。貧困層や移民・難民など弱い立場の若者たちから順々に戦場に駆り出されていくのだろう。日本の子どもの6人に1人が貧困状態にあり、OECD諸国(先進国)で最悪の貧困率である。

 公明党は、愚か者の極右安倍晋三と妥協して、取り返しのつかない<戦争への道を開いた政党>という事実の重さを今後思い知れ!覚悟しろ。どんなに屁理屈を重ねても中学生・高校生でも騙されはしない。

 しかし、自衛隊員に一人でも戦死者が出たら、もう手遅れだ。政府・マスコミ一丸となって、戦死者は、盛大に英雄視が進められ、一切の批判を認めない「戦死者の死を<無駄死に>と貶めるのか!」「戦死者の家族の気持ちがわからないのか!」という強迫・脅迫的声の前で、<集団的自衛権に批判的な声や反対する声>は分裂・拡散されて無力化されるだろう。北朝鮮の拉致被害者問題を安倍自民と外務省が政治的に利用する姿を見れば容易に予測できる。


150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)