もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

181129 一年前:171129 日馬富士の引退を残念に思う。貴ノ花と安倍晋三は視野・料簡の狭さがよく似ている。マスコミもずるい。賢くない国ニッポン!

2018年11月30日 01時59分43秒 | 一年前
11月29日(木):

2017年11月29日(水): ※炎上すれば、すぐに消します。

帰宅すると夕刊に日馬富士引退の見出し。正直、最悪の展開。今の日本の最も嫌なところが出た事件だ。その中心に、頑なな貴ノ花と弱い者いじめのマスコミがいる。話の内容はよくわからないが、今回の一件は安倍政権下の日本をよく体現していると感じた。

一面的な正義を握った者が、それを金科玉条に振りかざす。そして、周りのマスコミが一斉に弱い者いじめをした挙句にその真の弱者の功績を無視して潰してしまった。

先場所、一人横綱の孤塁を護って優勝して大相撲の看板を護ったのは日馬富士だったではないか!これまで、日本人の上位陣がそろわない中で、白鵬とともに大相撲人気を支えてきてくれた恩人ではないか。それをマスコミはみんなで寄ってたかって外国人横綱の上げ足をあげつらって潰しにかかった。日馬富士を引退に追いやって満足か?!俺は寂しい。

今回の一件の真の被害者は貴ノ岩だけだ。その貴ノ岩が表舞台から隠し込まれて、その声が最後まで聞けないままだった。師匠の貴乃花親方は、被害者の正義という立場にしがみついて、相撲協会も大相撲ファンのことも全く見ようとせず、結局日馬富士の横綱引退に追い込んだ。

貴ノ花が、自分の弟子貴ノ岩のことを本当に考えているとも思えない。貴ノ岩は、日馬富士と同じモンゴル人力士であり、部屋は違えど非常に近しい関係の後輩なのだ。もっと穏便な処理の仕方があったはずだ。いや、貴ノ岩と日馬富士両方の現在から未来につながる良い処理の仕方を探してでも見つけるべきだった。それをしないで、暴力を振るわれたという今回の事実だけをあげつらい、自らの立場の正義だけを振りかざし、周りを全く見ない視野・料簡の狭さと冷酷さには既視感を覚えた。横綱引退という破局を呼び寄せたのも似ている気がして不安だ。

既視感とは、安倍首相と重なるのだ。貴ノ岩を拉致被害者家族、日馬富士を北朝鮮とする。拉致事件が起こるまで、北朝鮮や韓国に対して、韓国併合・36年間の植民地支配、従軍慰安婦、強制労働、関東大震災での朝鮮人虐殺など日本はずっと加害者の立場にあった。その事実は、今もって全く変わらないのだが、ここに北朝鮮による拉致被害者の問題が明らかになるとアベはこの事実にしがみつき、それを振りかざして過去の加害者の立場を意図的に忘れて、「こちらこそ被害者である!」と外交的に攻勢に出た。そして、拉致問題を金科玉条にして、国内、国外の問題を棚上げにできたと思い込んでいる

一見、拉致被害者家族のことを常に気にかけているふりをしながら、現実にはアベ政権になってから拉致問題は、一歩も前に進んでいない。むしろ後退している。アベ政権が被害者家族を政治利用して消費しているだけであるのは、少し意識的に観れば全くもって明らかだが、日本のマスコミはわざとそれを見て語ろうとしない。アベ政権を恐れているのだ。頭の悪い、料簡の狭いアベの尻馬に載って、安全な北朝鮮非難だけを繰り返している。

過去の植民地支配や朝鮮戦争の遠因などに目をつむり、北朝鮮をここまで無策の限りを尽くして、核ミサイルの暴発一歩手前まで追い詰めてきたのは、安倍政権と日本のマスコミだ。北朝鮮に大きな問題があることは事実だが、「人間の国だ!」。そして、実は弱い存在だ。日本が韓国併合をした加害者の立場から拉致被害者の存在によって被害者の立場の正義を奪い返した気になってどんな口汚い悪口でも許される存在に仕立て上げられているのは異常だ。

そもそも北朝鮮とは、日本と比べてはるかに小さい経済規模しか持たないいわば弱い弱い”こびと”のような国だ。それを強大な悪の帝国の印象にすり替えて、北風政策だけで追い詰めてしまっている無策さ。これで核ミサイルがどこかに当たれば、日馬富士のもったいな過ぎる横綱引退と同じだ。

貴ノ花は本当に貴ノ岩のことを思っていない。アベシンゾーも拉致被害者のことを思っていない。自分の信念の手段にしてしまっている。それを無批判に弱い者いじめに加担する堕落したマスコミがいる。戦後日本が、本当に腐り果てて、イヤな時代になったな、と思う。

全くまとまりのない文章になったが、日馬富士がこんな形で引退に追い込まれたことが残念で仕方がない。そして、最大の原因は、貴ノ花の視野の狭い、かたくなな浅慮と、安全なところにいて弱い者いじめをするマスコミの堕落したズルさに腹が立つのだ。そして、貴ノ花とアベシンゾーには、頭の悪さ、知恵の無さで既視感を覚えたのだ。

最後に、日馬富士と貴ノ岩二人の復帰を願って言明した白鵬を支持するし、白鵬を好きである。ある意味、彼が一番ことの真相をよくわかっているはずだ。それを安易に批判するマスコミを全く信用も支持もできない。

乱筆御免。正直な感想を記した。きちんと整理できれば、書き直すかもしれない。炎上すれば、すぐに消します。馬鹿な批判に付き合う気はないので。

181129 一年前:171126 日刊ゲンダイ:後世の歴史家はどう総括するのか? 平成の終焉と安倍政権

2018年11月30日 00時58分54秒 | 一年前
11月29日(木):

2017年)11月26日(日):
日刊ゲンダイ 文字起こし後世の歴史家はどう総括するのか? 平成の終焉と安倍政権  2017年11月25日 
    常に顔色をうかがい…(C)AP
  昨年8月の「生前退位」の意向をにじませた天皇の発言から1年余り。「2019年4月退位・5月1日改元」となる見通しが強まっている。
  明治維新から間もなく150年。今のところ、「平成」は、日本が対外戦争を一度も行わなかった唯一の時代だ。そして天皇は、多忙な行事の合間にも太平洋戦争の激戦地への「慰霊の旅」を続け、先の戦争で犠牲になった人々に対して、国籍を問わず、追悼・慰霊を繰り返してきた。
  政府は改元に先立ち、来年中に新元号を発表する方針だが、「平成」の看板を下ろした途端、この国の「非戦」と「平和」の時代は終焉を迎えるのではないか。そう思わせるニュースが相次いでいる。
  24日の日経新聞は1面トップで「日英、ミサイル共同開発」と報じた。両国政府は来年度、戦闘機に搭載する新型の空対空ミサイルの共同開発に乗り出すという。実射試験を経て量産に至れば、ドイツやフランスへの輸出も検討するというから、日本は国を挙げて「武器商人」に生まれ変わるわけだ。
  日本は戦後、長らく武器の輸出や共同開発を禁じた「武器輸出三原則」を掲げてきた。先の大戦への反省を踏まえ、国際社会に「平和国家」としてのブランドを築き上げてきたのだが、その長年の努力をあっさり捨て去ったのが、安倍政権だ。2014年4月の閣議決定で条件付きとはいえ、武器の輸出や共同開発を認めてしまった。

■後生に「戦争の始まり」と評価される瀬戸際
  この政権のやりたい放題は、まだある。今月20日には読売新聞が1面で「日本版トマホーク開発へ」との見出しで、政府が米国製トマホークの性能を超える国産巡航ミサイルの研究・開発を検討し始めたと報じた。すると、22日の参院本会議で安倍首相は、敵基地を巡航ミサイルなどで攻撃する「敵基地攻撃能力」の保有について、「さまざまな検討を行う責任がある」と答弁。保有について含みを残した。
  10月の総選挙前まで安倍は「(保有の)検討を行う予定はない」としてきたのに、選挙が終わった途端に方針転換。日本版トマホークを開発・配備すれば、この国は明確に敵基地攻撃能力を保有することになる。安倍は集団的自衛権を巡る解釈改憲に続き、再び「敵基地攻撃能力は憲法上認められるが、専守防衛の観点から保有しない」としてきた従来の政府解釈を勝手に変えるつもりなのだ。
  ノンフィクション作家の保阪正康氏は総選挙の公示直前に毎日新聞で、「こんな内閣を持っていたら、私たちは50年、100年後の国民に指弾されるだろう」と断じていた。まさに選挙が終われば「勝てば官軍」の暴力政権によって、平和国家日本の根幹が「あれよあれよ」と破壊されていく現実は、将来の世代に大きな禍根を残すに違いない。政治評論家の森田実氏はこう言った。
  「1945年8月15日から平成の時代までの日本を、後世の歴史家は『民主主義を礎に平和を守った』と評価するはずです。そんな『偉大な時代』をブチ壊し、北朝鮮危機とトランプ米政権の圧力を利用して『戦争のできる国』へと着々と歩んでいるのが、今の安倍政権です。国民はまだ、先の総選挙こそ歴史的分岐点で、安倍自民の圧勝によって暗黒の側に転落したという自覚がないようですが、平成が終わりを迎える今の時代は、後世の歴史家から『戦前の始まり』と総括されても、おかしくありません」
  この国が非戦を貫いた「平成」の終焉は、平和な時代の崩壊を象徴しているかのようだ。
  
     1つの時代が終わる(C)日刊ゲンダイ

この5年で平和国家のブランドはズタズタに
  安倍は北朝鮮問題について、「必要なのは対話ではなく圧力」と強調し、「日米は100%共にある」とトランプ政権にベッタリ。来日したトランプ大統領に「日本が大量の武器を買うことが望ましい」と迫られると、「米国からさらに購入することになるだろう」と、やすやすと応じてしまった。
  すでに日本は米国と、戦闘機F35(1機147億円)計42機、輸送機オスプレイ(同約114億円)計17機などの購入契約を交わし、1基約800億円の陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を2基導入する方針だ。
  こうした高性能で軍事機密性が高い最新兵器は、日本政府が米政府と直接契約する有償軍事援助(FMS)を通じて購入される。これがクセモノで、米政府が価格設定を主導し、交渉の余地は皆無に等しい。つまり、米国の「言い値」で武器を買わされているのだが、第2次政権の発足以来、米政府の言われるがままに米国製兵器の購入額を増やしてきたのも安倍だ。今年度のFMSの予算額は5年前の実に2.6倍にあたる3596億円に及ぶ。
  トランプとのトップ会談で、こんな不公平な取引に苦言を呈すどころか、安倍は「もっと買います」と宣言し、ひたすら「武器商人」にシッポを振りまくったのである。
  「北朝鮮との対話を閉ざし、米国の言い値で武器を“爆買い”すれば、この国に平和をもたらすのですか。むしろ、戦争の危機を近づけているように思えます。中韓両国との外交関係がこじれる中、『日本版トマホーク』を配備すれば、間違いなく両国は日本への警戒を強める。行き着く先は軍拡競争のチキンレースです。東アジア一帯は核保有国がありながら、安全保障を統治する国際機関が存在しません。世界でも例のない危険な地域であることを忘れてはいけません」(聖学院大教授・石川裕一郎氏=憲法・フランス法)

■何が何でも総裁3選を阻止しろ
  今年3月の秋田県男鹿市の訓練を皮切りに、国と自治体共催の弾道ミサイルの発射を想定した訓練が本格化。以降、20道県22市町で行われたミサイル訓練の想定は、全て上空通過で「Jアラート」を受信した場合の自主避難などにとどまっていたが、とうとう22日には長崎県雲仙市で日本の領土に着弾した想定での訓練が解禁された。
  訓練はいずれも北朝鮮の弾道ミサイルを念頭においたもので、こんな「戦争前夜」のような光景が当たり前になってきているのが、恐ろしい。前出の石川裕一郎氏が指摘する。
  「この5年間で安倍政権は特定秘密保護法や安保法制、共謀罪など、国民監視や対外戦争に道を開く憲法破壊の危険な法案を数の力に頼って強行採決を繰り返し、この国を戦争の脅威に近づけただけです。その総仕上げが9条改憲ですが、その結果、この国は戦後70年以上かけて築き上げた『平和国家』のブランドを失うことになる。戦後日本は唯一の被爆国として、核廃絶や人道主義を訴えることで国際的な信頼を勝ち取ってきましたが、安倍政権は国連の核兵器禁止条約に参加せず、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)にも冷淡です。平和国家の印象ははげ落ち、日本が国連で核廃絶採決の決議案を提出しても、賛同国は激減しました。後世の歴史家は安倍内閣を『戦後日本の財産をかき消した政権』と評価すると思います」
  平成が2年後に終わっても、この危険な政権が続いていれば、この国はオシマイだ。平和国家から戦争国家に完全に変容し、この国が暗黒に転落した現実が誰の目にも明らかになってからでは、もう遅いのだ。
  「戦争の足音を遠ざけるためにも、来年9月の自民党総裁選が重要となります。それまでに平和主義の世論を高め、内閣支持率を劇的に下げて、安倍首相の3選を阻止しなければいけません。戦後70年以上も維持してきた平和と民主主義の時代を、平成後にそう簡単に明け渡すわけにはいかないのです」(森田実氏=前出)
  平成後も日本が平和を維持できるかは、国民の強い意志にかかっている。


↑↑2017年の東京写真記者協会賞グランプリに選ばれた東京新聞・沢田将人記者撮影の「沖縄の視線」

181128 二年前:161230 外交で「逃げ恥」は通じない! 一年前:151230 白井聡FB、斎藤美奈子:日韓合意は従米の歴史修正主義者安倍の恥知らずで身勝手な田舎芝居

2018年11月28日 21時44分34秒 | 一年前
11月28日(水):

161230 外交で「逃げ恥」は通じない! 一年前:151230 白井聡FB、斎藤美奈子:日韓合意は従米の歴史修正主義者安倍の恥知らずで身勝手な田舎芝居
2016年12月31日 01時27分20秒 | 徒然・雑感

2016年12月30日(金):      

  今日、プサンの日本総領事館前にも慰安婦像が設置されたそうだ。学ばない安倍のインチキ外交の馬脚がわずか一年で現れている。これほど速く破綻する外交もあまり聞いたことがない。というより、昨年の戦後70年首相談話も、最近の対ロシア(北方領土)、対アメリカ(真珠湾訪問)の件も含めて、安倍内閣はまともな外交が全くできていないのだ。理由は明らかだ。歴史修正主義団体「日本会議」の傀儡である安倍晋三には歴史に学ぼうという謙虚な姿勢が決定的に欠けているのだ。そのくせ”未来志向”という名の逃げ腰の言い訳で相手の心を捉えることなどできるわけがない。当たり前のことだ。きちんと目を合わせて謝りもせずに「そんなことはもう終わったことだから前を向いて歩いて行きましょう」なんて言動をとる奴が信用されるわけがないのだ。

  「幽霊の正体見たり枯れ尾花。」過去の歴史は、この幽霊みたいなものだ。誤魔化しをせずしっかりと見つめて、存在を認めてきちんと謝罪をすれば、相手はあなたを許そう。しかし、決して忘れることはない」という形で信頼を回復し、関係の再構築をしていくことになる。ユダヤのことわざにも、「歴史から逃げようとすればするほど、かえって歴史はどこまでも追いかけてくる」というのがある。ドイツのヴァイツゼッカー大統領は偉かった。外交で「逃げ恥」は通じないという簡単なことだ。

  過去の歴史問題を私の代で終わらせる」という軽率な安倍の口癖は、命題のたて方自体が根本的に間違っているのだから、正解にたどり着けるわけがないのだ。やってしまったことは絶対になかったことにはできない。犯してしまった過ちについては、謝罪をした上で歴史としてきちんと記憶する努力をやり続けるしかないのだ。その上でしっかりと胸を張って生きていけばよいのだしかし、そのためにはまず歴史に鑑みて自己省察、自己批判をする心の強さが必要だ。その心の強さ、覚悟が相手の国にびしっと伝わった時にこそ外交はうまく機能するのだ。金をばら撒けば、金を積めば何とかなるというものではない。しかもその金は社会保障費が削られ、子供の貧困が放置されている日本の国民から搾り取られた血税なのだ。本当に洒落にならない。意志薄弱で学ぶことから逃げて、本質的問題・課題と向き合い決断する覚悟のない安倍クソガキにまともな外交などできるわけはないのだ。これは、国内問題でも同じだ。特に、天皇の退位問題への取り組み方にも如実に表れている。しかも不幸なことにそれに本人が一番気がついていないのだ。向き合おうとしていないと言った方が適切かな。

 甘ったれで弱虫な世襲の愚か者を宰相に頂き、日本人であることが情けなくつらい時代だと思う。

151230 白井聡FB、斎藤美奈子:日韓合意は従米の歴史修正主義者安倍の恥知らずで身勝手な田舎芝居
12月30日(水):白井聡フェイスブック 12月29日 9:29http://ajwrc.org/jp/modules/bulletin/index.php…本件に関し、私は......

181127 編集委員・高橋純子【政治断簡】首相が「ヨリソッタ」のは 

2018年11月28日 02時42分50秒 | 時代の記憶
11月27日(火):  

朝日デジタル(政治断簡)首相が「ヨリソッタ」のは 編集委員・高橋純子
2018年11月26日05時00分

 ホームレスの仕事をつくり自立を応援する雑誌「ビッグイシュー日本版」が、この9月に創刊15周年を迎えた。
 販売はホームレスの人だけが担い、1冊170円で仕入れて、街頭に立って350円で売る。1冊売れば180円の収入を得られる仕組みだ。2度の値上げを経て、今年8月末までに累計820万冊を売り、販売者の収入は総計12億3千万円を超えた。
 もう5年ほど前のことだ。
 公私ともども問題山積、ドドーンと憂鬱(ゆううつ)な出勤途上、習慣的にビッグイシューを買ったら、販売者さんがあめ玉を1個くれた。手に握ったまま長い階段を下りて地下鉄に乗り込むと、なんだかククッと笑けてきた。なんだよ私、元気になってんじゃん――。
 「最初は、同情でも何でもとにかく買ってくれればいいと思っていたけど、それだけじゃなかった」。ビッグイシュー日本代表の佐野章二さん(76)は振り返る。「販売者が購入者を励ましていることも、購入者が販売者に人生相談を持ちかけることもある。『おっちゃん、私どうしたらいいと思う?』なんてね」
 ホームレスに寄り添う支援と評判のビッグイシューだが、佐野さん自身は「寄り添う」は使わないという。「ホームレスの人たちは救済の対象ではなく仕事上のパートナー。寄り添うとかではなく、彼らが路上生活から脱するための具体的なプログラムを用意する。お仕着せではなく、彼らに選んでもらえるプログラムをどれだけそろえられるかが、腕の見せどころです」
     *
 「沖縄の皆さんの心に寄り添い」と、先月の所信表明演説。国会の議事録を検索すると、首相が「心に寄り添う」相手は三者に絞られる。
 「被災地の心に寄り添う現場主義で」(2013年2月5日)。さらに、自身が発表した戦後70年談話を引いて「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい」(15年8月24日)。
 被災者・被災地。(慰安婦を含意するとみられる)女性。そして沖縄。この三つが並んだ時、少しく驚いた。「寄り添う」は、具体的に何をすると寄り添ったことになるのか判然としないし、仮に何もしなくても寄り添ったことにはなる便利な常套句(じょうとうく)だ。それを、さまざまな理不尽を背負い、背負わせてきた三者にそろってあてがっていたとは。アナタノココロニヨリソイマス。アナタノココロニ――。
     *
 舌先で転がされただけの「寄り添う」は、当事者の怒りや苦しみに向き合わないことをごまかす都合の良い言い訳になることもあれば、「寄り添ってもらっているのにわがままだ」と、攻撃の口実に転化することすらある。
 沖縄に関して、首相は寄り添うと言ったのに寄り添っていないとの批判があるが、どうだろう。寄り添う気がないからこそあえて寄り添うと言っているのかもしれない。いずれにせよ「嘘(うそ)つき」程度の批判では現政権に失礼である。私は、そう思っている。

181125 一年前:171125 倉重篤郎のサンデー時評 「権力私物化」のカラクリ! 前川喜平・前文科次官 加計学園問題を洗いざらい激白

2018年11月25日 18時40分51秒 | 一年前
11月25日(日):
171125 倉重篤郎のサンデー時評 「権力私物化」のカラクリ! 前川喜平・前文科次官 加計学園問題を洗いざらい激白
11月24日(金):    サンデー毎日:倉重篤郎のサンデー時評 「権力私物化」のカラクリ! 前川喜平・前文科次官 加計学園問題を洗いざらい激白  2017年11月21日18......


181124 一年前:171123 大阪市とサンフランシスコ市の60年の姉妹都市関係解消に反対する!市長に友好の歴史を否定する権利はない。

2018年11月24日 16時22分34秒 | 一年前
11月24日(土):
171123 大阪市とサンフランシスコ市の60年の姉妹都市関係解消に反対する!市長に友好の歴史を否定する権利はない。

11月23日(木):大阪市とサンフランシスコ市の60年の姉妹都市関係解消に反対する!市長に友好の歴史を否定する権利はない。ヒステリックで短絡的な判断が「大坂維新の会」の持ち......


181124 大阪万博が決定した。「日本」は<軌道修正>ではなく、<変質する道>を選んだ。傍観して眺めるしかない。

2018年11月24日 09時52分36秒 | つぶやき
11月24日(土):

「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、よいよいよいよい。」「踊るあほうに見るあほう、同じあほなら踊らにゃそんそん。」

<わかりやすさ>と<正しさ>がぶつかったときには、わかりやすさが勝つ(選択される)のだそうだ。正しい声は常に小さく、長い歳月がたたないとその正しさは証明されない。2020年に続き、さらに2025年まで冷静さを失ったこの国では、また大切で切実な問題の多くが「それどころではない」の一言で片づけられ、置き去りにされることになる。不安定な足元をよそにして、景気、金儲けの掛け声の中、お祭り騒ぎで自制心を失ったまま駆け抜け続けるのだ。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。難しい問題を棚上げするには格好の理由付けができた。さて、先送りされた問題のその先は???? 破綻の二文字しかない。究極の少子高齢化で棺おけ型の人口構成で<人権>を忘れた、弱者切り捨ての世襲階級社会が固定化する。

貧しいのも、病気なのもすべて自己責任。バンバンと生け贄が作られて、見せしめの<パンとサーカス>に踊らされる中でポピュリズムが進み、独裁を生み出す構造が完成し、本物の軍靴の音が聞こえてくる。子どもたちにすべてのつけを押し付けて、薄っぺらい国に堕していくしかない。子どもたちに申し訳ない。

181122 【解消】アクセス解析の不具合について

2018年11月23日 01時16分34秒 | 日記
11月22日(木):

【解消】アクセス解析の不具合について
2018-11-22 10:32:14 | メンテナンス/障害 情報
2018/11/22 14:14 追記
アクセス解析のデータに不具合が発生していた事象について、
データの再集計を行い、13:20頃再集計が完了いたしました。
現在は正常なデータが表示されています。

■発生日時
2018年11月22日(木) 1時30分

■解消日時
2018年11月22日(木) 13時20分

ユーザーの皆様に大変ご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。


日頃よりgooブログをご利用いただき、誠にありがとうございます。

現在、アクセス解析に不具合が発生しております。

ご利用のお客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、
事象の解消に努めておりますので、お待ちくださいますようお願い申し上げます。
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ウェブログ
コメント (10)

181122 一年前:7 021 佐藤優「読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門」(東洋経済新報社:2012)感想4+

2018年11月23日 00時41分00秒 | 一年前
11月22日(木):
7 021 佐藤優「読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門」(東洋経済新報社:2012)感想4+
11月21日(火):  280ページ    所要時間5:20     アマゾン682円(425+257)著者52歳(1960生まれ)。作家・元外務省主任分析官。と言ってもノ......


181120 一年前:7 020 齋藤孝「読書力」(岩波新書:2002)感想4+

2018年11月21日 02時30分14秒 | 一年前
11月20日(火):
7 020 齋藤孝「読書力」(岩波新書:2002)感想4+
11月18日(土):  210ページ    所要時間4:10     蔵書著者42歳(1960生まれ)。静岡県生まれ。1985年東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究......


181115 一年前:7 019 広島大学101冊の本委員会編「大学新入生に薦める101冊の本 新版」(岩波書店:2009)感想4

2018年11月16日 03時02分38秒 | 一年前
11月15日(木):
7 019 広島大学101冊の本委員会編「大学新入生に薦める101冊の本 新版」(岩波書店:2009)感想4
11月15日(水):  268ページ    所要時間6:05     アマゾン505円(248+257)それなりに充実した内容の本だった。最後の第六章 本の買い方・選び方が......


181113 覚えておくべきこと。:外国人実習生が涙の訴え “失踪”に走らせる地獄の労働環境

2018年11月14日 00時44分02秒 | 時代の記憶
11月13日(火): 
日刊ゲンダイ外国人実習生が涙の訴え “失踪”に走らせる地獄の労働環境  2018/11/13 
  安倍政権は今国会で入管法を改め、外国人労働者の拡大に前のめりだ。現行の外国人技能実習制度は、奴隷のような過酷労働が常態化。それを放置しての拡大は許されない。12日の野党合同ヒアリングで実習生たちが惨状を改めて訴えた。
  製縫業で働いていた中国人女性は、来日翌日の「講習期間」から働かされた。
  「来日して1カ月で時間給から作業の出来高払いになった。休日は全然なかった」
  出来高払いは長時間労働をごまかすための常套手段だ。別の製縫業のカンボジア人女性は涙ながらにこう言った。
  「病気になっても薬をもらえるだけで病院へは行かせてくれない。毎月、給料から4万円を強制的に貯金させられていた」 雇用主の強制貯金は、実習生が逃げないようにするためだ。それでも年間7000人が失踪している。愛知で実習生問題に取り組み、同席した大坂恭子弁護士は「いわゆる失踪する実習生は、『警察に捕まったら助けてくれるのではないか』と考える。それくらい耐えられない環境なのです」と語った。もはや失踪というより避難である。
  しかし、雇う側も血の通った人間だ。よくもそこまで過酷な労働を強いれるものだ。「外国人技能実習生問題弁護士連絡会」共同代表の指宿昭一弁護士は、「雇う側」について問われ、こう言った。

制度が雇用主を悪人にする
  「実習生は権利を主張できない。(雇用主が)何をやっても言わない、言えないんです。だから雇用主はやり過ぎちゃう。もともと悪い人たちが、実習生を受け入れて違法行為をしているのではない。普通の中小企業のオヤジさんたちが、技能実習制度を使うことによって、悪い人になっていくのです」
  国会でも実習生の実態を把握し、徹底審議が必要だ。ところが、この日も法務省はデータや資料を出し渋った。
  山下貴司法相が5日に「近日中に示す」と答弁した「外国人材の受け入れ見込数」について、丸山秀治入管課長は「検討中」とトボけ、失踪した実習生2892人の聴取結果(17年度分)も「プライバシーに関わるので精査中」とにべもない。法案の可否を検討するための材料がないまま、審議だけが始まったのだ。
  「まずは、技能実習制度の廃止を決め、その上で、同様のことが起こらないよう徹底審議して欲しい」(指宿昭一弁護士)
  スピード審議で強行すれば、間違いなく日本は世界から軽蔑される。

8 026 浜野政雄「子どもの伝記全集 ベートーベン」(ポプラ社:1969)感想4

2018年11月12日 01時41分00秒 | 一日一冊読書開始
11月11日(日):  

159ページ     所要時間2:30     古本市場86円

著者55歳(1914~?)。東京芸術大学名誉教授。

昔、ロマン・ロランの「ベートーベンの生涯」を読んだはずだ。小説「ジャン・クリストフ」全巻を所持している。知ってるようで、記憶がどんどん失われていく中で、先日本書を古本屋で見つけた。読み始めると、ベートーベンが生きた時代がフランス革命、ナポレオンの栄光と没落をはじめヨーロッパのまさに激動期と重なり合ってることを思い知らされた。昔の世界史の教科書を取り出して歴史を確認しながら読み進むことになった。

一方で、ヨーロッパの激動の中で、ベートーベン自身の日常は普通(?)である。本書の感想は難しい。筆者の文章はあまり上手とは言えないが、提示されている<楽聖>ベートーベンの生涯は、たとえ子供向けに書かれていても、その偉大さにおいては変わらない。本文で書ききれなかった部分は、解説のページで補われている。感想4は、そんな感じということである。

ルートヴィッヒ・バン・ベートベン(1770末~1827:56歳)は、ドイツのボンに生まれた。ウィーンで生涯に一度だけモーツアルトに出会って、その才能を認められたが、母の危篤でボンに戻る。再度、ウィーンに戻りハイドンに師事したが、ハイドンは教え方が下手だった。才能を花開かせて、いよいよというところで、30歳を前にして耳の病気になる。1802年(32歳)で「ハイリゲンシュタットの遺書」を弟カールに書くが、自殺せず。苦悩を越えてから本格的な創作期に入る。第三番「英雄」、第五番「運命」、第六番「田園」、第九番「合唱」は特別な作品。運命の女神の試練は、弟カールとヨハンおよびカールの維持を引き取り養子とした甥カールら肉親によってベートーベンはとことん苦しめられる。

庶民の出で、音楽の才能だけに恵まれ、あとは貧困、病気(致命的な耳の病)、身内に苦しめられ続ける中で、ポケットに五線紙を入れた散歩(雨の日も)によって自然との調和を求め続けた。音楽活動を生きるうえで庇護を受けることもあったが、たとえ皇帝や王侯貴族が相手であっても一切腰をかがめず、誇り高く頭を挙げる気高い精神を宿す人物が、ベートーベンである。この点では、世界的文豪ゲーテすら彼の前では卑小に見える。

死の数年前(1824年:文政7年)、第九番「合唱」を発表・指揮した直後、鳴りやまぬ万雷の拍手の中で耳の聞こえないベートーベンはしばらく会場を振り向かず、教えられて初めてそれに気が付いたそうである。

ベートーベンが使っていた補聴器群の写真はかなり衝撃的である。

8 025 なかがわちひろ 絵本「天使のかいかた」(理論社:2002)感想4

2018年11月11日 02時11分14秒 | 一日一冊読書開始
11月10日(土):  

88ページ     所要時間0:30(音読)    図書館リサイクル本

著者44歳(1958生まれ)。

良い感じの絵本である。

【内容紹介】ようちゃんはイヌ、かなちゃんもネコをかっている。でも私は何もかってもらえない。そんな時、はらっぱでひろったものは…。///天使を拾って育てると、すてきなことがおきるはず-。さちはあるとき原っぱで天使を拾った。人よりちょっと違うものを飼うことになってしまったさちは、自分なりに天使の飼い方を工夫しますが、びっくりすることばかり…。第9回日本絵本賞読者賞受賞。

8 024 加藤嘉一「中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか 」(ディスカヴァー携書:2011)感想5

2018年11月10日 01時55分18秒 | 一日一冊読書開始
11月9日(金):  

332ページ     所要時間2:25      古本市場86円

著者26歳(1984生まれ)。静岡県生まれ。2003年高校卒業後、国費留学生として北京大学に留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。英フィナンシャルタイムズ中国語版コラムニスト、北京大学研究員、中国中央電子台(CCTV)、香港フェニックステレビでコメンテーターを務める。年間300以上の取材を受け、200本以上のコラムを書く

<縁結び読書>のつもりで、1ページ15秒で付箋をしながら眺め続けた。アマゾンレビュー2.4の本である(読了後、ネット右翼のカスどもが評価を下げたに過ぎないことが分かった)。著者の年齢にも「そんな若さで巨大な中国の何がわかるのか?」と相当に怪しんで眺め続けた。半ば過ぎまでの印象は、「日本、中国に関するステレオタイプの見解はそれなりにきちんとまとめられてるようだが、著者自身がそれを本当に分かっているかは疑わしいものだ」と怪しみ続けた。著者が一体何者なのかがわからなかったのだ。

しかし、最後まで眺め読みをしてみると、日本に対しても、中国に対しても正直に率直に、でも両方の国から見られている存在であることも忘れずに塩梅よく書かれた本だと思った。特に、自らを中国に軸足を置いて生きていく存在であると「中国愛」を隠さず明確に書いているのも改めて見れば印象は悪くない。

色メガネで読んだことを少し後悔した。本書は著者の第一作目の著書だが、若者の心意気のようなものも感じることができた。もちろん本書の内容すべてを信用できると言い切る自信はないが、日中関係を考えるうえで大いに参考にできる著作だと確信する。北京大学の大学院まで出たというのは、本書の内容から見てもその勉強ぶりが伝わってくる。

著者が今後、どんな風になっていくのか、期待外れの馬脚を露すか、それは知らない。ただ本書に限れば、読み応えのある、値打ちのある本だと言える。

中国人の「計画変更」の多さに泣かされた話は、前に読んだ中井貴一の中国映画「ヘブン・アンド・アース」出演・撮影記の話を思い出した。大陸と島国ではやはり生き方や感性も変わらざるを得ないのだ。それを面白がる精神を持ちたいと思う。

【目次】第1部 ぼくが見た中国人(中国人は、なぜ感情をあらわにするのか/中国人女性は、なぜそんなに気が強いのか/中国の「八〇後」は、30歳にして自立できるか/中国人は、なぜ値切ることが好きなのか/中国人は、なぜ信号を無視するのか/中国の大学生、特にエリートは真の愛国者なのか)/第2部 ぼくが見た中国社会(中国は、なぜ日本に歴史を反省させようとするのか/中国は、実はとっても自由な国だった!?/中国は、すでに安定した経済大国なのか/中国社会は、計画が変更に追いつかない!?/中国では、「政治家」と「官僚」は同義語!?/中国の「ネット社会」は成熟しているのか/日中関係は、なぜマネジメントが難しいのか)/中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか

【内容情報】尖閣諸島問題、毒入りギョーザ事件、歴史教科書問題……。日中間では、ビジネス、文化交流を問わず、さまざまな局面で摩擦や衝突がよく起きる。それはなぜだろうか? お互いのことを「誤解」しているからだろうか?だとすると、その誤解はどこから生まれたのだろうか?///日中間では、ビジネス、文化交流を問わず、さまざまな局面で摩擦や衝突がよく起きる。なぜだろうか?お互いのことを「誤解」しているからだろうか?だとすると、それはどこから生まれたのだろうか?加藤嘉一、26歳。北京大学に単身留学し、8年にわたって新聞・雑誌コラム、ブログを通じて、中国の人々への発信を続けてきた。今や、「中国で最も有名な日本人」と呼ばれるようになり、真の「日中関係の架け橋」としての活躍に大きな期待が寄せられている。そんな彼が、自分の目で見て感じた中国の「今」とは、いったいどんなものだったのか?-本書は、中国で出版され、若者を中心に大きな話題を呼んだ彼の代表作に大幅な加筆修正を施し、日本語版として刊行するものである。日本凱旋デビュー作となる本書は、切れ味鋭い、洞察力にあふれた日中社会比較エッセイであるのと同時に、「結局、中国人は、心の中では何を考えているのか?」を知りたい人にとっても、すぐれた示唆に富む書となっている。

150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)