日本の心・さいき

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二人体制

2008-04-21 15:44:16 | Weblog
 小児科、時間外診療制限を緩和へ 救急車24時間受け入れ 大分・済生会日田病院(平成20年4月17日、毎日新聞)
 日田・玖珠地方の2次医療機関、済生会日田病院(日田市三和)の西田敬院長は15日の医師会理事会で、現在実施中の小児科の時間外救急診療制限を「5月12日から一部緩和 する」と報告。特に救急車は「24時間・365日受け入れる」と従来通りの対応に戻る。
 小児科では「軽症患者が夜間など時間外も殺到し、小児科医2人が過重労働」として、3月1日から(1)平日の診療時間外(午前11時半以降)と土・日・祝日の一般外来は受け付けない(2)紹介患者は平日午前9時-午後8時、土・日・祝日午前9時-午後5時(3)救急車は平日午前8時半-午後5時--などの緊急避難措置を取った。
 今回、(1)はそのままだが、(2)は平日、土・日・祝日とも午後10時まで延長し、(3)も常時受け入れる。小児科の危機的状況が広く知られ、時間外受診患者は2月の127人(うち救急患者12人)が3月には12人(同3人)に激減。西田院長は「内科医8人も小児医療への協力を表明。このペースだと夜間もこなせると判断した」と説明する。

 ムー、大変そうだなあ。
 しかし、今まで過重労働で頑張ってきたことに対しては、感謝の念の言葉はないなあ。まあ、それは別の問題として・・・。
 小児科2人体制、自分の場合は、今、正にそうだが、具体的にどうするか、どこもそれなりに苦慮して、いい方法を暗中模索していると思う。 
 かって5人で24時間365日、小児科医5人で、小児(新生児も)全てを診ていたことがある(その病院では、外科と内科以外に、小児科も当直体制も取り、小児科医が交代で毎日当直していた。皆の集まる医局で昼休みに、疲れ切った小児科医がよくホントに眠っていたが・・・)。2年7カ月の間。で、5人が1人欠けて4人(その後、私がいなくなって、3人→2人→1人となり、他の大学から来る様になって、今は6人で365日24時間している様だが)になった時、残りの4人が言った言葉が不思議な様に皆同じだった。「1人欠けるとこんなに違うのか、急にどっときつくなったなあ・・・」と。
 救急病院では、小児科医1人でする場合、2人でする場合、3人でする場合、4人でする場合、5人でする場合、それぞれ、仕方が違うと思っている。その後、別の救急病院で、小児科医2人~4人で2年2カ月したこともある(その後、私がいなくなって、3人→2人→1人→0人となり、今は、1人で孤軍奮闘している様だが)。上手く行くかどうかは、小児科医数だけでなく、他の科のドクターの協力度、コメディカルの協力度(特にナース)、患者数などが大きな要因になるかと思う。
 1人でする場合は、兎に角、肉体的なことよりも精神的に参ってしまう。かなりモチベーションが高くないと出来ない。それで、3カ月おきとか、6カ月おき、長くても1年間と言うことになると思う。1年おきだと、周りに頑張る開業の先生がいれば、共存して何とかやっていけるかも知れない。3カ月おきに替わって来ている小児科医の本心は、「3カ月だけ頑張ればいいから・・・」とのことらしい(あるナースの話)。又、1人で短期間だけ、それも制限して診ていれば、患者数もさほど増えなくて、小児科の売り上げが科の中では一番下になっているかも知れない。
 2人体制では、又、別の感じになる。小児科医2人の上下関係が、同じか、上と下か、かなり上と下の関係かで、違うと思う。一番いいパターンは、上の先生が指導的立場にいて教え好きのベテラン先生で、その下の先生が症例が多くて勉強できると思って来ている場合で、それも下の先生に体力があって時間外もやる気満々であれば、確かに上手く行く。しかし、下の先生が、労働基準法などを言い出すと、ややこしくなってくる。
 1+1=2となるのは、数字の上のことで、忙しい科のドクターの場合は、1+1=3以上になる。何故なら、1がしている時、他の1がそれなりに休めるからである。休むことで、エネルギーが充電できる。放電しっぱなしでは、いつかは、必ずショートしてしまう(ショートすることが先々明白なのに、病院側がそれを改善しようとしなくて、将棋の駒の様に扱われているケースが現実にあるので、就職する前によく情報を得て就職するべきかどうかを慎重に決めることが極めて大切なことだと思う。沢山お金を払っているから、それに見合う様に仕事をするのも当然と思っている経営者も確かにいますので・・・)。沢山息抜きをしていれば、いざと言う時、それなりに頑張れることが多いと思う。
 3人や4人や5人ではどうだろうか。多くなれば多くなる程、周りからの期待がそれなりに加速度的に増幅して行き、小児科医の人件費と小児科の売り上げのことで、又、別の問題が起きる可能性がある。多くの病院で、一人当たりの小児科医の売り上げ、どんなにガンバッテも、たかが知れている(マッ、在院日数で貢献している例も確かにありますが、経営者は、そのメリットの有り難さを小児科医に余り言わない傾向にあるんじゃないかな?)。
 周りに救急をしている医療機関がなければ、時間外に小児科医が頑張れば頑張る程、時間外の小児の患者さんがどんどん来る様になります(私の知る限りでは、この現象に例外はありません!)。で、救急車も頻回に来る様になり、お産も鰻登りに多くなって、小児科医の常時24時間態勢なんてことになると、小児科医が7人以上いても、よほど上手くしないと出来なくなるだろう。ただ、新生児・未熟児でさほど手を取らなければ、それなりに若い先生の1年間の交代を入れて行けば、そして、若い先生も、そこで給料や症例や教育でそれなりに満足していれば、やって行けるだろう。
 病院が救急中心で行くと、確かに時間外の患者数は増えてくるが、昼間は、かかりつけの医療機関に掛かる為に、ある小児病院では、次第に売り上げが減少して、深刻な問題になっているとか?!

 私の場合は、1人で(開業生活8年半を含めると)18年間してきている(開業医の時は、応援全くなし)。ベッドも持ち、1人で毎日時間外も診てきた。しかし、一貫してしてきたことは、時間を決めて時間外を診てきたことである。つまり、診る時間帯をコッソリと患者さんに知らせておいて、その時間帯は裏切ることのない様に診てきたことである。20:00~21:00と佐伯では19年半毎日診ていたが、都合により、20:30からになったり、時には、21:00前になったりすることもあったので、来院前に電話をしてもらっていた。新生児やけいれん重積や意識障害の時は、後遺症が残ると困るので、直ぐに診ていた。トラブルが起きるのは、新患の場合で、それも熱があって心配で来院しているケースであった(開業してからはトラブルは少なかったが、病院勤務の時は、しばしばであった)。しかし、私は、0:00~6:00まで、体力維持の為に、極力診ない方針で、元々、生活のリズムが朝型だったので、朝6:00からだと診ると言っていたが、深夜熱で騒いでいた親御さんも、その時刻に来る人は、まずいなかった。(若くて、体力があり、周りの温かい理解があったからこそ、出来たこと。結果的には、体を確実に壊して行った。)
 小児の救急医療は、当たり前のことだが、小児科医だけで出来るものではない。小児科医の犠牲的精神では、限界がある。他の科の医師や他の医療機関との協力も大切だが、家族の犠牲の上で成り立っていること、そして、それ以上に、患者さんへの啓蒙活動が大切だと思っている(多くの機関が積極的に、小児の救急のかかり方の啓蒙活動を、もっと積極的にしていくべきである)。
*若い親御さん達は、昼間熱があっても慌てないのに、暗くなると、深夜ひどくなったらどうしようと不安なって医療機関に掛かることが多いと思う。で、痙攣が止まらなくなったり、意識がおかしくなったり、ホントに一刻を争う場合は、心配しなくても起きて診ますからと説明していた。そう言っても、どうしても心配な親御さんは、20:00に来ていた。しかし、掛かりつけの患者さんで、深夜に熱で起こされることはまずなかった(初めから、熱は3日あり、熱だけは、急患ではないと説明していたので)。昼間来院して自分が診ていて、再び、深夜に喘息やクループで来た場合には、(私は原則的に診ることなく)私の前もって指示しているマニュアル通りの処置をナースがして、親御さんもそれで納得していた。親御さんと医療側の信頼関係が上手く行くまでには、それなりに時間が掛かかった。問題は、やはり掛かりつけでなくて初めて掛かる患者さんの場合で、年末年始やゴールデンウィークの時に多く、救急病院の場合は、患者さん側から、「救急病院なのに何故診ないのか」とひどい剣幕で言われ、間に立つナースを困らせたことも度々ありました。

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ママさんパワー爆発

2008-04-21 08:01:23 | Weblog
 子育て中のママさん達が自転車の前後に2人の子どもを乗せての「3人乗り」に関して、自転車に砂袋を乗せて3人乗りに見立てて運転した結果、ハンドルが大きくぶれるなど安全面で問題があるとの結果が出た。
 で、平成19年12月に、警察側が突如として、「規則を守らせることが難しいケース」として、例外的に見て見ぬ振りをしていたのを、突如その例外的な扱いを止めると表明した。すると、全国アチコチから猛烈なママさん達の攻撃にあって、今まで通りに見て見ぬ振りをすることになった?!
 「3人乗りがダメだと言うなら、どうやって保育園まで送迎すればいいの」「警察は、私達に子育てを止めれと言うの」「少子化で、子どもを産めと言いながら、これがなければ生活出来ないじゃないの」などと、予想もしないほどの猛烈な攻撃にあって、ママさんパワーに屈したのだ。(スゴイ!!)
 3人乗りは、法律上は、「2万円以下の罰金又は科料」となっている。が、それまでは、幼児を抱える家庭では送迎や買い物などでやむをえない面もある為に、黙認してきていたのだ。が、水面下で、自転車メーカーの団体に、安全な3人乗り自転車の開発が可能かどうかを打診していて、前向きな解答があった為に、解禁に転じたのだ。現在、メーカ側も、新型自転車の開発に積極的だ。
 今後、注目されるのは、新型自転車以外の自転車で3人乗りをした場合、取り締まりの対象となるかどうかということ。ママさんパワーに負けた警察庁は、「急に取り締まるつもりはない。新型の自転車がどこまで普及するのかを見ながら慎重に考えたい」と答えている。
 ムーッ、こんな感じで、政治も教育も医療も、バシバシいい方向に変えてもらいたいなあ。ママさんパワーを甘くみたらあかんで・・・?!(納得!)

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