この日は、薄曇りであまり暑くなかったので
水をかぶって寒いくらいになりました。
でも、それが気付になったようで
だいぶ元気回復っ!
と、坂を走って登ったものの
200mくらいでやっぱ「きつ・・・」と
歩きに。
でも、リズムよく腕を振って進むようにしました。
よ〜し、ここまで来れたぞ。
これまでの炎天下でのロング練習のときより
足首と座骨痛、
それに血尿を除けばどこも問題なく
元気なのが不思議でした。
腰や肩がだるくなることもなく
エネルギー切れも感じません。
できれば最後まで行きたい。
もう約30キロ程度だ。
峠で抜かれたランナーに
「最後までがんばろうねっ!」
と声をかけてもらって
「はいっ!」と元気に返事しました。
峠のトップの少し手前。
66キロあたりか?
14時15分。
でも、下り坂は足首にこたえました。
もう走ったら最後まで動けなくなるな〜。
なんとか走れるものなら走りたいけど
最後まで行きたい。
だったら歩き倒すしかなさそうだ。
じゃあ、どれくらいでゴールできるんだろう?
ここまではわりとイーブンで来れた気がします。
でももう走れないとなるとペースダウンです。
22時くらい?
と、さぁみん、てれさんチームのエイドが
高倉神社入口にありました。
トミーさんがリタイアしたと聞きました。
コーラを注いでもらったら
てれさんが、「しゅぱっ、とくとくとく・・・」
とこれまたいい〜〜〜音の出るおもちゃで
コップにビールの気分を注いでくれました。
コーラをビール気分で飲み干して
元気取り戻して先に進みました。
あとちょっとでmonjiさんエイドです。
ログハウスのかわいい家が見えて
スタッフの元気な出迎えを受けました。
ここでママさんとたくやんさんがリタイアすると言ってました。
奥のベランダを見るとyamagenさんがくつろいでいます。
yamagenさんもリタイアしたようです。
わたしはもう少し足首はもつような気がしたので
先に進むことにしました。
もうあと30キロを切りました。
新松原に入る手前で移動エイドの方から
氷をいただき、口いっぱいにほおばりながら進みました。
新松原のサイクリングロード入口のエイドのkaiさんから
78キロの成田山エイドで関門があり
17時に間に合わなかったら打ち切りさせられると聞きました。
そうか、関門があることをすっかり忘れてました。
でも、実際には17時15分でも通すとか。
いや、それ以降でも行きたきゃ行かせるとか。
・・・つまり、行きたきゃつぶれるまで行ってもいいぞということか。
まあ、あせっても走れるようになるわけじゃない。
そのとき一緒だったyamazakiさんというランナーに
写真を撮ってもらいました。
yamazakiさんはまだ走れるので
先に行かれました。
15時47分。
サイクリングロードを抜け、
松林を抜けたところでとよとよさんたちチーム一期一会のエイドが
蚊に刺されまくりながらがんばっていてくれました。
よし、成田山までがんばろう。
おっとその前にコンビニに寄って。
トイレと成田山が最後のエイドになるだろうから
エネルギーゼリーを買っとこう。
血尿がひどくなってら〜。
どす黒い血が出て便器は真っ赤っか。
じつは残尿感の症状もだいぶ前から出て来てました。
やめたほうがいいのかな?
でももう、最後まで行きたいという
がめつさが勝ってました。
バス停があったけど無視して成田山を登り始めました。
足首が痛いので一歩一歩を
体重をかけるのを慎重にしたいのに
顔のまわりに虫がまとわりついて
それを払うのに必死でそれどころじゃない。
く〜〜!まとわりつくんじゃないっ!
たのんますから、来ないでっ!
と虫に懇願しながら坂を登ってると
mineパパ、くーにぃちゃんたちの
太宰府走ろう会の成田山エイドが見えてきました。
と、そこにinaちゃんがいました。
みねっち手作りのところてんをいただいて
元気回復して
inaちゃんと進み始めました。
17時を少しまわったところ。
この成田山山中で80キロを越えます。
でも、こんなに登ったっけ?
と思うくらいここの下りは長い・・・
足首がだいぶ痛くなってました。
あと少し、あと少し、
と下って行って、やっと海の音が聞こえてきました。
17時52分。
波津の海岸線に出ました。
きれいな夕焼けです。
写真を撮ったりしながら進みました。
そこへてれさん、さぁみんチームが来て
続けるならゼッケンをはずして、
と言われました。
ああ、タイムオーバーか。
もう残りは20キロありません。
でも、足首がもつか自信がなく
最後までいけるか不安でした。
なのに、はいはいとゼッケンをはずして
てれさんに渡してinaちゃんと進み始めました。
ああ、スタッフに迷惑かけちゃうな。
このぶんだと、鐘崎あたりで暗くなりそうです。
みんなが心配しないように
さつき松原の先は集落のほうを進むことにしました。
ウルトラ飲兵衛さんが、車で拡声器を使って
「がんばれー」と元気に声をかけながら
走り去って行きました。
その明るさに、申し訳ないという思いより
まだ行かせてもらえるんだ、がんばっていいんだという思いが勝って
行く勇気が出てきました。
案の定、鐘崎漁港で暗くなり、
漁船が月明かりに照らされて
ゆらゆらとゆれるゆったりとした風景の中を
進んで行きました。
グラウンド横のトイレに寄ろうとしたら
uemura先生が通りかかったので少し話しました。
uemura先生は勝浦浜を行くそうです。
それから、もうひとりあとから来てる人がいるとのことでした。
だれだろう?
真っ暗なさつき松原に入りました。
月明かりに照らされる海が見えるところはなごまされますが
茂みに囲まれたところは二人で進んでても
少しこわいくらいでした。
そこに携帯が鳴り、さっちゃんの声が聞こえました。
なんと近くに来てるらしい。
しばらくして、さっちゃんとけんちゃんが現れました。
春の24時間EKIDEN以来の再会です。
しばらく一緒に歩いて「がんばってね!」「元気でね!」
と別れました。
その少しあと、後ろから最終ランナーが追いついてきました。
「ずっと一人で来てたから、ほっとしました〜」と。
松林を抜けて集落に入ったところで
少し休憩しました。
inaちゃんがお腹がすいたとのことで
先のコンビニに寄ることにしました。
このコンビニでこの青年はリタイアすると言いました。
hirataさんという人で、橘にもエントリーしてるそうです。
橘での再会を約束して握手をして別れました。
コンビニに入り、inaちゃんは一生懸命アイスを物色してました。
わたしは先に出て外で待ってました。
時間かけてるな〜。
もしかして大会中ってことを忘れてないか?
コンビニの袋をさげてやっと出てきました。
袋を下げて進むのか?
マラニック帰りのおばさん状態に見えるぞ。
ほかにも腰にもスーパー袋をぶら下げてます。
とても90キロ以上の距離をやってきたランナーに見えません。
なんとかならんのですか?
で、袋をぱしゃぱしゃ言わせながら
なにやら食べて、飲んで
それから携帯で連絡とったりしながら進んでいます。
ああ、inaちゃんって根っからの駄マラーなのね。
なごみますが、なごんでる場合じゃない。
できるだけはよゴールにたどりつかにゃあ
待ってるみんなに申し訳ない。
と、思ってたら、
「ゴールが近づいたらメールちょうだいと
コーセーさんにメールで言われたけど
そんな余裕はないってメールしよう」
とinaちゃんが言います。
え、余裕ないの?
しっかりあるように見えるんですけど。
ああ見えてきついのかな?
わたしは足が痛い。
でも、それ以外は90キロを進んで来たと思えないくらい
体力的には大丈夫。
足さえ痛くなければ走りたい。
よっぽど夏場の練習のロングのほうがばてたな〜。
勝浦浜の入口に来ました。
分岐点で先ほど別れたhirayamaさんを乗せた
収容スタッフが「だいじょうぶですか?行きますか?」
と声をかけてくれた。
「はい、行きます」と応えました。
さあ、あと7キロほどか?
いよいよ腰が痛くなってきましたが
もう、やめない。
痛くて、inaちゃんもきっとどこか痛いはず、
と勝手に決めて「痛いね〜」と同意を求めたり
「いった〜ぁ〜」とついつい声がもれるようになってきました。
そうして田んぼの真ん中を
月明かりの明るさにライトを消してみたりして
田舎の「夜」を感じて進みました。
でも、暗いので距離感がわかりません。
いま、どのへんだろう?
バス停があったので、バス路線を見て
道が正しいのを確認したものの
なかなか塩浜の集落に入らないので
いったん道を浜側へ一本入ってみたりしました。
そこへさぁみんが車で来てくれました。
歩きのわたしたちをライトで照らしてくれました。
ありがたいやら、申し訳ないやら・・・・
やっと塩浜公民館にたどりつきました。
ここで小休止。
inaちゃんのビニール袋のもろもろを
さぁみんが預かってくれました。
人ごとながら、さっぱりしました〜。
さあ、もう5キロないぞ。
がんばろう。
もうややびっこかげんになってきてましたが
あとちょっとだからだいじょうぶだろう。
またさぁみんがライトで照らしてくれました。
なんてぜいたくなんでしょう。
こんなにまでしてもらって進めるなんて経験
そうそうないことだと思いました。
津屋崎の浜への曲がり角で
さぁみんが先回りして誘導してくれました。
わたしたちが来たら
「じゃあ、ゴールで待ってます」といって別れました。
「遅くなって迷惑かけちゃったね」
「なんだかたくさん待ってるらしいね」
「てれくさいね」
「申し訳ないね」
などと言いながら進みました。
津屋崎海水浴場のゲートをくぐり
少し行くとゴールの横断幕とゴールテープが見えました。
そして、たくさんの仲間が見えました。
「げっ、たくさんいるよ!」
「はずかし〜〜」
なんて言ってると向こうから
「最後は走れ〜」と声がかかりました。
わたしが走ろうとしたらinaちゃんが
わたしの手を強く制止して
「無理しないで」と言いました。
「最後の一歩だけ走りましょう」
さすが看護士さん。
22時25分ごろ、ゴールに到着しました。
思いがけずたくさんの仲間が待っていてくれました。
そして、すごくすごく喜んでくれました。
ああ、やめなくてよかった。
ろくに走れないくせに参加して
スタートする前から申し訳ないと思い続けていました。
100キロなんて完走できるはずがないと思っていました。
なのに、終わってみれば、
練習のロングのときとそうきつさも
変わらないくらいの余裕がありました。
痛みも、「だめだ」というところまでは
進みませんでした。
どうして最後まで行けたのか、不思議です。
体力には余裕が残っていて、
それだけ走れなかったのはくやしいですが
でも、いまはこうしかできなかったと思います。
しっかり治そう、と強く思いました。
そして、最後まで行くことを認めてくれた
スタッフのみなさんに感謝です。
みんなが待ってくれてるから、
その思いが、最後まで行こうとする気持ちを
強くしてくれたと思いました。
みなさん、ありがとうございました。
よし田に上がって、yamasitaさんをみつけて
「遅くなってすみません」というと
あたまをなでてくれました。
すっかり出来上がってる明石のたこ嬢さんや
すっかり出来上がってるegaさんなど、
たくさんのすっかり出来上がってるみなさんに
歓待されながら、ま〜だ続いていた宴会の輪に
入らせてもらいました。
ほんとうにほんとうにいい一日になりました。