最初は衝撃が少ないようにと歩いてたんですが
急なくだりでは歩いたって
ついつい「だんっだんっ」と強い着地になってしまいます。
坂の傾斜のあるところでの
歩きによる足首のひねりも気になります。
ひょっとして小さく小刻みに走って
少ない着地でたったっと進んだほうが
歩きより足首の動きが少なくてすむんじゃないか?
着地の衝撃のダメージとひねりによるダメージとで
どっちがマシだ?
などといろいろ考えながら歩いてみたり
走ってみたり・・・・
とはいえ、どえりゃあ景色なんです、ここ。
中央の建物は大火砕流で被災した
大野木場小学校跡です。
なんだかんだと忙しくも苦しい下りがおわると
69.6キロ地点に無人エイドがありました。
ちょうどスタッフのryojiさんが来て
補給の買って来たばかりの冷たいコーラをくれました。
そこでnisidaさんやokaさん、maemuraさんたちと
合流しました。
75キロ通過。
11時48分。
こうして距離を通過するたびに
ここまで来れたなという喜びを感じました。
hirataさん、ありがとうっ!
がっつさんが軽快に走って追い抜きながら
「計画通りに進めてますか?」と声をかけてきました。
「まずまずです」と答えました。
走りたいな〜。
また座り込んでさらにテーピングを厚くしました。
このところはぜんぜん走れません。
着地の衝撃が痛くて走れません。
これで少しは走れるようにならないかな。
なんとか俵石エイドにはたどり着きたい。
でも、だんだんに走るどころか歩くのも辛くなってきました。
痛みに波があって、強いときは
着地の瞬間ずーんと腰あたりまで痛みが走り、
力を入れられません。
はよ、エイドに行ってリタイアしよう。
さぁみんが小さく小刻みなピッチで坂を登ってきました。
「雲仙までは行きぃ。」
と言いました。
うん、雲仙までは行こう。
なぜかそう思ってしまいました。
それからしばらくして俵石展望所エイドに着きました。
ぜんざいをいただいたら少し元気がもどりました。
「ムリせんでね」という抹茶んの声に送られて
出発してしまいました。
すでにそうとうムリしてるよね。
ああ、またリタイアしきらんでだらだら進んでる。
でも、出発したからには雲仙までは
たどり着かにゃあ。
痛み止めを飲みたい。
inaちゃんから24時間分の痛み止めをもらい
最低4時間間隔ということで
4時間おきにここまで飲んできていました。
1個、落としてしまって
残りは1個しかない。
どこで飲もう?
飲んでも効くかどうか・・・
ひたすら痛みとの戦いになってしまってました。
歩くのでせいいっぱい。
こうしてあとから思い返せば
リタイアすべき状態だったと思いますが、
とにかく雲仙に行かなきゃ、
と思ってました。
雲仙でリタイアしよう。
14時46分でした。
雲仙の関門に間に合いそうです。
すぐに雲仙の温泉街に来ました。
地獄めぐりをしないといけません。
もう、じゅうぶんここまで地獄だったようなんですけど・・・
で、また道を横断しないといけません。
スキを見て渡ってたら車が来ました。
あわてて走りました。
あれ?走れたよ、いま。
うしろからhirasueさんが来ました。
地獄めぐりの遊歩道は歩くと大会ルールにあるので
一緒に歩いて行きました。
雲仙エイドに着きました。
15時10分。
ボラも含めて橘湾岸には
春と秋あわせて6回出てますが
7回目にしてはじめてこの雲仙エイドに来ました。
初参加のランナーのときは
この地点はワープしてて
ボラのときはエイド業務の都合で寄れなかったんです。
これで思い残すことはない。
トイレに行って少し痛みが減ってるのを感じました。
どうしよう。
「ここを出たら林道は最低でも抜けないと
収容してもらえないんですよね。
どこでリタイアしたら都合がいいかな?」
と言ってるとmatuoさんが
「ここがいい」と耳元でひそひそ言ってきました。
だれもがんばれとか行くべきだとか言いません。
ただ、応援する気持ちをもっていてくれることが
なぜだか伝わってきます。
行ってみるか。
クーラーボックスの中の氷を
痛む右足のソックスに挟み込みました。
林道が不安だったので
hirasueさんにひっついて出発しました。
出発してしまいました。