山上俊夫・日本と世界あちこち

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維新松井・吉村、党利党略の脱法行為。出直し?クロス?選挙

2019年03月09日 21時58分22秒 | Weblog
 2019年3月7日、「大阪都」構想の設計図を議論してきた法定協議会で、秋にも住民投票をするとした工程表が、自民・公明・共産の反対多数で否決された。これに対し、「公明党に騙されたままでは死んでも死にきれない」などといって、松井知事、吉村市長は辞職届を出した。衆院選挙で公明党に刺客を立てるといって脅しをかけて引きずり込むという密室取引をしていたのを、公明党が維新の言うとおりにしないのに腹を立てて、密約公開をして対立してきた。だが一連の事態は、日の光の下で、正々堂々と議論して決めるという民主主義とは無縁の、脅しと密約という薄汚いやりかたで大阪市民を愚弄してきたことが行き詰った結果だ。
 大都市法によれば、大阪市を廃止して特別区を設置するには、府・市議会での議決と、大阪市の住民投票での賛成多数が必要だ。二つのうち、最初の議会の手前で案が否決された。もう門前払いということだ。だが松井・吉村は、「もう一度民意を聞きたい」といって、知事・市長のダブル選挙を任期を8か月も残してやろうとする。公明の協力が得られないもとでは府・市議会での議決は見込めないばかりか、工程表の採決を迫って、否決された。もし、「民意を聞きたい」というのであれば、4月7日に府・市会議員選挙が行われるのだから、そこで民意を問えばいいだけの話だ。知事選市長選をする必要はまったくない。筋違いも甚だしい。彼らがダブル選をやりたい真意は、ダブル選を持ち込むことで大騒ぎをし、府・市議会であわよくば単独過半数を得ようというところにある。過半数まで行かなくとも、公明党に脅しをかける足場を築きたいのだ。
 ある党派の利益のために、自分たちにとって有利な時に辞職をして再選挙をするということが繰り返されるなら、民主主義は死んでしまう。維新は何度もやってきた。選挙を利用したファッショ政治だ。
 さらに彼らは、知事と市長に出れば任期が11月までとなることから、知事と市長が入れ替えで立候補するという。橋下仕込みの悪知恵だ。そうすると任期が4年もらえる。
 公職選挙法には、首長が任期途中で辞職し、出直し選で当選すると任期は元のままという規程がある。自分に有利で相手の準備が整わない時期を狙って選挙に持ち込む悪事を防ぐためだ。だが維新・松井吉村は入れ替え選挙で4年丸々手に入れようとする。公明党脅しの総選挙は必ずある。その前に、そもそも、民意を問うべきは府議・市議なのであって、首長選挙は8か月後に予定されているのだから、それを待てばいい。ここで選挙をするのは、住民不在の党利党略、脱法行為以外の何物でもない。入れ替え選の脱法性を問われて、彼らは、自分らはどちらに出てもいっしょだ、一心同体論的な言い訳でごまかした。だが待て。議会制度はそんな私物化を許してはいない。もし、首長の職務について民意を問うべきことがあったとしても、それは知事は知事、市長は市長、自治体の組織が違うのだから、どっちに出ても自分らはいっしょというのは議会制度とは無縁の、子どもの世界だ。民主政治の制度を個人的にもてあそぶのは許せない。まず、維新のやり方そのものに厳しい批判を加えなければならない。
 
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