山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

困っている人にたかる貧困ビジネス

2008年11月17日 12時11分08秒 | Weblog
 貧困ビジネスがじわじわ広がっている。
 ひとつは、ホームレスになった人を対象に、生活保護の申請の指導をし、保護費をうけとって会社が経営するアパートに住まわせ食事などのサービスも提供し、料金を取るというビジネスだ。一見すると、困っている人を助けるという一面をもっている。でも、会社は永続的に生活保護を受けることを営業目的にする。自立して生活保護からぬけだすことは、売り上げの減少になるからだ。これまで、貧困に取り組んできたのは「生活と健康を守る会」などの運動だ。運動が取り組むのは、本人の自立と社会復帰だ。保護は目的ではない。ところが、これをビジネスにすると保護を目的にする。保護の理念が逆転する。この会社は、生活保護を受けることができそうな人をさがす、発掘するという営業攻勢をかける。
 二つ目は、ワーキングプアの若者が宇都宮健児弁護士らとともに裁判に訴えたケースだ。ちょうど、今日(11月17日)の赤旗新聞に大きく特集記事で載った。問題の会社はスマイルサービスだ。礼金ゼロ、敷金ゼロ、仲介手数料ゼロを売り文句に、貧困に陥った若者に、安く部屋を借りられると食い込んでいる。でも、1日でも家賃支払いが遅れると、部屋の鍵をとりかえられ追い出される。記事で紹介された青年は、夜勤明けで寝ていたら、土足のまま入った男が「出て行け」と追い出しにきた。1日遅れると、家賃の1割の違約金と施設再使用料15750円が要求される。この青年は、これまで払った違約金などは27万にもなった。
 宇都宮弁護士は、これは借地借家法に反する契約で、通常は滞納しても督促を行い、裁判に訴えなければ鍵をとりかえることはできない、貧困にある人の困窮と無知につけこんで利益をあげる貧困ビジネスの典型ですと指摘している。
 今、景気の悪化で、派遣社員の首切りが激増している。麻生内閣与党は、2兆円のごく一部をまわして住む家を失う彼らに格安の、いや、職を得て賃金を手にするまで無料の公共施設を提供せよ。すこしは、自公内閣も世のためになる。支持率も上ること請け合いだ。わが橋下知事にも提言しよう。御堂筋の電飾費用20億円をまわせば、家をなくした人の自立をたすけるシェルターを作れる。御堂筋はいまでもしゃれた街灯が並び、いい雰囲気の街を形づくっている。街灯の明かりとライトでで大きい銀杏の並木は十分輝いている。わざわざ銀杏の木の先端まで電飾をくくりつけて虚飾の明るさを演出するより、自立しようとしている青年を助ける方がよほど世の中を明るくする。過去に業者向けサラ金の顧問弁護士として利息制限法を上回る利息も納得ずくの契約で出資法の範囲内だと法廷でがんばった橋下さん。そのグレーゾーン撤廃と被害者救済にがんばった宇都宮さん。グレーゾーン撤廃がなった今、過去の所業を反省して、困っている人に役立つ施策をひとつくらいしてはどうか。
 何より、貧困ビジネスの元祖は橋下弁護士が関与していたサラ金だ。サラ金を利用する人は貧困層にかたよっている。業者向けのサラ金・商工ローンは、貧困層というより、銀行の貸しはがし貸し渋り(金融構造改革の直接の結果)のため資金繰りが苦しくなった業者が手を出す。やがて、サラ金のあり地獄におちる。
 私が、最近、すこし気にかかっているのが、法務事務所などの借金整理、過払い対策などの電車内の広告だ。法律事務所の広告もある。もちをん、違法ではないし、困っている人を助けており、世の中のためになっている。でも、すこしひっかかるのだ。貧困にあえいでいる人に営業をかけるというのが。
 先のスマイルサービス被害対策弁護団の問い合わせ先が赤旗新聞にあったので最後にのせる。
 03-3379-5211(代々木総合法律事務所・戸舘圭之さん)

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