山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

食料砂漠

2010年02月08日 03時19分23秒 | Weblog
 先日、NHKの「クローズアップ現代」でフード・デザート(食料砂漠)というテーマをとりあげていた。後半しか見なかったのだが、そうかこんな問題があるのだ、これからますます深刻な問題になると思った。 
 取り上げていたのはある地方都市だが、車をもたない老人が1キロも2キロも歩いても食料品店がみつからないという事態がおきているというのだ。身近な食料品店がつぎつぎと店を閉め、車で国道沿いの大型スーパーにいかないと明日たべるものも手に入らないという現実。テレビに映ったおばあさんは残っていたインスタントラーメンで食いつないでいるが、野菜など食べれなくなってしまった。バランスのとれたものを食べないと、たちまち健康破壊につながる。医療費がふくれあがる原因となる。
 問題の大本は規制緩和だ。大規模小売店舗法が廃止されて、どんな場所でも、どんな大きさでも、営業時間も自由に出店し放題というようになった。その結果、全国で大型超大型スーパーが猛威をふるい、商店街はシャッター通りとなっていることは周知のことだ。地方都市のほうがその傾向が顕著だ。大型スパーにいけばなんでもあるが、それ以外では何もない。車がない、運転免許をもたない老人所帯・単身所帯は、生きていく基礎栄養さえままならない。
 去年、猪名川町の住宅地の友人宅におじゃましたことがあったが、この街づくりは住宅のみで商店がない。買い物は車で超大型スーパーまで行く。運転してくれる人がいなくなったらたちまち孤立してしまう構造だ。千里ニュータウンなどは住宅として手に入れた土地を商店にしてはならないという規則でしばられている。ごちゃごちゃしてなくて確かにきれいな住宅街だが、本来人の住む街としてはいびつだ。ニュータウンはそれをおりこみずみで入居しているから今はまだいい。旧来型の街が一気に変貌すると大変だ。食料品店の閉店で食料砂漠になっているレポートをみて、自営業者の経営がたちゆかずシャッターを閉める問題をこえて、消費者が生きる権利を奪われるレベルまで問題が拡大していることを知った。全国を覆う大問題になると思った。
 番組でやっていたが、新自由主義の先進国イギリスではもうすでに問題になっていたという。規制をとりはらい、すべてを自由に!、そこに幸せがある!強者の利益がすべてだ!
 民主党政権ができたが、新自由主義の暴走にはまだ何もブレーキがかかっていない。
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