山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

部活指導の外部化を新たな市場として狙う財界

2022年11月16日 21時12分13秒 | Weblog
 昨日、中央図書館で調べ物をしたときに、1年前の『日経ビジネス』を見ていたら、えっとおどろく記事を見た。それは、教員の労働時間の長さを解消するためには部活動指導を学校から切り離して、外部の指導に委ねる必要があり、文科省もその方向を探っていることにかかわるものだ。
 書き手はこの雑誌の副編集長だ。言うのは、部活動指導の外部化は、1兆円規模のこれまで手付かずのあらたな市場が出てきたことだというのだ。医療も福祉も、文化も、教育も金儲けの対象として市場化してきた財界が、これまで教員の無償ボランティアとして生活指導の一環という思いでやってきた部活指導を手付かずの未開拓市場と見立てている。これまで苦労してやってきた思いとは正反対の手あかにまみれた金儲けの対象にしている。
 肝心かなめの教材研究も十分にできないほどに時間的に追い詰められている教員には外部の指導者に委託するのは必要なことだ。いまでも数時間で3000円程度の報酬で指導をお願いする制度はあるが、もっと大々的にできるような方向がのぞましい。それも土日ということになるだろう。そこに目をつけるのが財界だ。土日限定の部活派遣産業の立ち上げだ。
 こうなると学校を舞台に企業が営業活動をすることになる。営業の場を与えることになる。先生の中には部活指導に命を懸けている人もたくさんいる。それを奪うことはよくない。派遣指導員は正当な賃金をうけとり、先生は基本無報酬で子どもの小遣い程度の千数百円ほどの部活動手当でごまかすということになるのか。
 派遣産業は労働者に支払われる賃金の3分の1をピンハネしている。学校をピンハネ搾取の場にしてはいけない。絶対派遣のピンハネの場にしてはいけない。指導者を労働者として招き入れるとしても教育委員会の直接雇用にしなければ学校という場が腐ってしまう。
 ほうっておくと社会のありとあらゆるところまで、私的生活の隅々まで、公的な活動まで侵食して資本の支配下におこうとしてくる。これまで公的な活動として支えてきたその精神を破壊することなく公的資金をしっかり投入して継続することが大切だ。
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