山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

選挙で得すればいいというだけの安倍首相の異常な振る舞い

2019年07月09日 17時11分52秒 | Weblog
 安倍首相は参院選の演説で、立憲民主党の枝野幸男代表を「民主党の枝野さん」と何度も間違って呼んでいる。6回間違って呼んだそうだ。
 人の名を間違うことはありうることだ。ただし野党党首の名を今は存在しない民主党と、しかもこの選挙で民主党と投票すると無効票になる言い方で繰り返し言うことは、単にまちがった、ごめんなさいですむ話ではない。本当に間違ったのならその後くり返すはずがない。そんな失礼なことは許されないからだ。だとすると、これは意図的にやったということだ。
 安倍晋三という人物は何だ。とんでもない小物だ。これほどの失礼なことを意図してくり返す。正々堂々と論戦すべき大事な選挙を汚す、じつに愚かであさましい振る舞いだ。
 この間の安倍首相の政治行動は、日本の国家そのものを自分の選挙のために利用するということに尽きたといっていい。令和改元しかり、天皇代替わりもそうだ。もっとも政治利用を慎まなければならない問題を安倍政治ショーにつくりかえた。
 トランプに対する破格のもてなし。農業で押し込まれたことは選挙が終わるまで発表は待ってもらったということで、内容は屈辱外交。
 400億円もの税金を使った一大政治ショーがG20大阪サミットだった。議長国(日本)の任期は11月末まで。これまでのG20 の多くは11月に行われている。それを6月28、29日にやったのは、まぎれもなく参議院選挙対策としてやったのだ。労働、保険、観光、外務の関係閣僚会議は秋以降だ。サミット首脳宣言が出た後に閣僚会合では気が抜けたサイダーだ。「具体的な成果に欠ける」と世界の評価も厳しいが、環境問題や新自由主義とたたかう市民団体の評価はじつに手厳しい。G7やG8が世界の深刻な問題に指導力を発揮できないもとで、一部の先進国ではなくより広い途上国も含めたG20が課題に立ち向かう役割が果たせると、期待を受けて進んできたが、G20も14回目になり、トランプのポチ・安倍が議長になるに及んで、その役割にも明らかに限界が見えた。
 これからは、20ヵ国ではなく、国連加盟国193ヵ国すべてが議論する国連総会主導が世界の課題解決の道を示すことができる。安全保障問題の要である核兵器問題で、核禁止条約締結に持ち込んだその力量は試されずみだ。方向性は見えている。
 だからG20は安倍などに番が回るようになると、選挙対策に利用されるのが関の山だ。
 選挙のために国家利用のひとつが、ハンセン病家族訴訟について、政府は控訴すると決めていたのに、安倍首相の主導で控訴せずに転換した。控訴すれば、国はどこまで被害者と家族を差別し痛めつけるのかという批判が巻き起こるのは明らかだった。党首討論で、選択的夫婦別姓にも反対して会場からどよめきが上がったのに、おとしめられたとか屁理屈を言ってごまかしをした安倍首相。ここでハンセン病でもかたくなな態度を取ったら安倍自民に不利に働くと見たのだろう。急な方針転換。本来なら最初からそうすべきだ。
 とにかく、安倍首相の、自分の選挙のために国家と外交のありとあらゆるものを政治利用するこざかしさ、ずるさにはほとほとあきれる。この問題は民主主義の根本だ。
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