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山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

カジノ、横浜に続いて和歌山もノー

2022年04月22日 12時07分10秒 | Weblog
 和歌山県のカジノ誘致計画とん挫した。4月20日(2022年)和歌山県議会でカジノの区域整備計画案が賛成18,反対20で否決された。自民、公明など推進派内部で分裂が生じ反対多数となった。
 和歌山カジノの事業者のクレアベストニームベンチャーズが基本協定を結んだその日に取締役が全員交代した(赤旗4月21日)というからいかがわしい。
大阪と長崎は融資や出資の確約書を取得しているが、和歌山は基本協定にとどまっていた。資金面で裏付けがなかったことから、推進勢力に亀裂が生じたのだろう。和歌山市で住民投票条例の制定署名が規定の3倍集まったが市議会は否決していた。
 21年8月、横浜市長選で当選した山中竹春氏がカジノ誘致を撤回していた。それに続くカジノへの逆風だ。
 大阪は資金面をクリアしているというが、大阪市は税金をつぎ込まないと断言していたに、夢洲の埋め立て地の土壌汚染と液状化対策で790億円つぎこむことになった。この額にとどまる保証はない。松井市長は直接税金をつぎ込むことはしないから問題ないというが、税金であれ市有財産を売却した金であれ、公金をつぎ込むことが問題なのだ。賭博場になんで公金をつぎ込むのだ。江戸時代ならさしづめ丁半賭博の賭場を広げるために幕府が御用金を出すという姿だ。大阪の基本協定にも、観光需要がコロナ前までの回復が見込めない場合、契約を解除できるという一項が入っている。素人考えでも、たとえコロナが収まるときが来ても、コロナ以前の規模の観光需要が来るとは思えない。そうなると契約解除でとん挫だ。大阪のカジノの需要予測はあまりに過大で夢物語だ。子どもが親を引き連れて押しかけていた2016年のピーク時のUSJよりも、はるかに多い客が、しかも大人だけで押すな押すなの状態になるはずがない。



文通費、焼け太りさせて可決成立

2022年04月22日 10時33分34秒 | Weblog
 4月15日(2022年)文通費の改正法が参院本会議で可決成立した。日本共産党が反対した。なぜか、文通費を正すことは必要ではないのか。
 文通費は在籍1日だけでも月100万円受け取れるということで問題になった。去年の衆院選が10月31日投票で、初当選者は31日の1日在籍だけで100万円受け取った。これはあまりのことだと問題になった。だがこれは議員が100万円くすねてやろうと思って手に入れたものではない。しかし過去に意図して1日で100万手に入れようとたくらんだ悪人がいた。吉村洋文大阪府知事だ。彼は衆院議員を辞して大阪市長に出る時、早く辞めて選挙運動すればいいのに、月初めの1日に議員辞職することで濡れ手で粟の100万円を手に入れたのだ。文通費の歴史で最も悪らつなケースだ。それが、維新が文通費で問題を告発したとかいうのはお笑いだ。自分とこの膿をえぐることがまずやるべきことだった。
 こういう因縁のある文通費だが、このたび国会で可決した中身は、文通費の焼け太りだ。
 まず、名称が「文書通信交通滞在費」から「調査研究公報滞在費」に変わった。日割り支給が導入されたのは改善だ。
 だが問題は焼け太りと、問題の半分にはふたをしたまま押し通したことだ。
支給目的が「国政に関する調査研究、広報、国民との交流、滞在等の議員活動を行うため」となった。これは私設秘書の人件費、や事務所維持費、支持者との飲食、物品購入などの「目的外使用」にお墨付きを与えたものだ。焼け太りだ。
 問題のあと半分、使途の公開や国庫返納のルールについては協議すらしないまま押し通したのだ。これでは日割りになったものの、焼け太りで丸々100万円に限りなく近づく努力が実ったと言えそうだ。使途を公開しないのならば、100万円使い切ったといえば、それを追及するすべがない。使途の公開こそがこの問題の鍵だったのだ。その肝心な点を不問にしたまま通したのでは文通費の民主化にはほど遠い。共産党の指摘はもっともだ。ごまかされてはいけない。







吉村知事推奨のうがい薬で体に異変

2022年04月10日 13時05分45秒 | Weblog
吉村知事ご推薦のイソジンをうがいでつかい続けたら体に異変が起きたとの報道に、やっぱりと思った。朝日新聞22年4月8日夕刊。二年前、吉村知事がコロナ対策でイソジンなどのうがい薬をテレビを集めて推奨した。仲間の病院長の研究論文なるものもふりかざして宣伝した。素人でもその論文のいかがわしさがわかるものだったが、テレビの威力はすごい。棚から薬はなくなり、売上は前年の2倍になった。
記事の人は1日5回うがい薬を使っていた。去年から異変が起きた。医師の厳しい指示でうがい薬をやめると様々な異変は止んだという。
テレビであおった当時から専門医師の批判がでていたが、2年近くたって具体的被害が報告されたのは遅きに失したとはいえよかった。いかがわしいどころか、間違ったことをあおった吉村知事はいまだ謝罪していない。

ウクライナ市民虐殺。ロシアの許されない戦争犯罪

2022年04月06日 15時00分50秒 | Weblog
 2月24日のロシアのウクライナ侵略開始以降、侵略が犯罪であるだけでなく、住宅、学校、病院など民間施設と民間人への攻撃がつづいていたが、ここにきてその残虐性が動かぬ証拠をもって明らかになった。
 3月29日の停戦協議で、ロシアはキーウ攻撃の劇的縮小を表明した。同日、70台以上の装甲車がベラルーシの方向へ撤退した。4月2日、ウクライナ政府はキーウ全域解放を宣言した。
 ロシア軍が撤退した後のキーウ近郊の人口3万のブチャに入ったAFP通信の記者は「静かな並木道には見渡す限り遺体が散乱」と報じた。両手を後ろに縛られた遺体、自転車に乗ったままの遺体、後頭部を撃たれた人、車の中で殺された人など。女性へのレイプもあった。
 ブチャなどキーウ周辺での民間人の遺体は410人見つかっている。モーニングショーの玉川さんは、ブチャの映像はとても直視できない、テレビで放映できないものだという。放映されたのは、遺体の少ない場面でボカシのかけられたものだった。ブチャの映像は、家々、街並み、高層アパートがことごとく破壊され、つぶされた自動車が撃ち捨てられたものだ。ロシア軍の行為だ。一方、すでに赤茶けた戦車が放置されているのはロシア軍のものだ。ウクライナの反撃がいかに厳しかったかを想起させる。キーウ侵攻が失敗したことを浮かび上がらせている。
 上に見た残虐行為は、戦時国際法=国際人道法に違反する戦争犯罪だ。この行為はキーウ侵攻初期からの犯行であることが初期のドローン映像で明らかになっており、撤退に際しての恐怖によるものではない。女性のイアリングを引きちぎったり、家から財産を奪うなどの略奪も行っている。虐殺を隠蔽するために教会の庭に穴を掘って埋めたケースもあるが放置された遺体が多い。問題は現場の暴走によるものなのか、上からの指示によるものかだ。現時点では断定はできない。
 ロシア軍の残虐行為を考えるうえで参考になるのが、1937年から38年の日本軍による南京大虐殺だ。南京攻略軍は「糧を敵に求む」という作戦思想で補給なしに略奪をくり返して進撃した。郊外を含む南京市、さらに南京城内=旧市街に攻め入り、暴虐の限りを尽くした。農村部や郊外では穀物、家畜を奪って家人を殺害、放火する。ついでに女性を見れば強姦する。キーウ周辺でも補給がとどこおっていたことが知られている。南京市街地でも略奪をくり返し、国際連盟が認め日本軍も承認した国際安全区内でも強姦をくり返した。南京は首都のため、ふみとどまった外国人ジャーナリストや同盟国のドイツ人が蛮行を記録した。軍は兵士に戦時国際法の教育をし、違反した兵士を処分しなければならないが、旧日本軍には望むべくもなかった。
 南京から85年も経った21世紀の今、ロシア軍では戦時国際法の教育はなされていないようだ。プーチンの軍隊は、皇軍といわれた旧日本軍とあまり変わっていない。戦争犯罪非難に対して、教育はしていたが一部の不心得者がいて残念だともいえず、やみくもに全否定する。「ロシア軍が町を占領している間、住民が暴力行為の犠牲になった事実はない。ウクライナが西側メディアのために演出したもの」と黒を白といいくるめる。だが、キーウを制圧し傀儡政権樹立を目指していたはずで、まさかロシア軍が敗北し、事実が暴露されるとは考えていなかったのだ。キーウ解放のときの演出のために、ウクライナ軍が自らの市民を虐殺、略奪し、強姦し、町を破壊しつくすという論理的必然性が全くない。ロシアのごまかしは子ども以下の屁理屈だ。ウクライナにそんなばかなことをやる余力があるなら、侵略への抵抗に総力を傾けるだろう。
 虐殺行為で犯人が一番困るのは遺体処理だ。証拠隠滅が欠かせない。南京では、20万人前後の虐殺の大半は捕虜の殺害だった。もちろん捕虜は殺してはいけない。ウクライナでは捕虜は同数で交換している。日本軍は、兵の食糧も用意していなかったから、捕虜の食糧はもとよりない。だから捕虜は始末することになる。中島今朝吾・第16師団長は1937年12月13日の日記に「大体捕虜はせぬ方針なれば片端より之を片付くることとなしたる」(「中島今朝吾日記」)と記録している。しかし何万という数の遺体が問題になる。多くは揚子江河畔で処分し、あるいは大きな穴を掘って埋めて油で焼く、または揚子江につながる川に捨てた。
 キーウでは、教会の庭にまとめて埋めたりしたが、そこまで気が回らず放置したケースが多い。それがいま、動かぬ証拠として映像になっている。





チェルノブイリ森林火災で放射性物質舞い上がる

2022年03月29日 12時17分14秒 | Weblog
朝日新聞2022.3.28夕刊によると、チェルノブイリ原発周辺の立入り禁止区域で、ロシア軍の砲撃か放火により3月21日時点では7か所、その後増えて31件の森林火災が起きている。消失面積は1万ヘクタール以上にのぼる。立入り禁止区域をロシア軍が占拠しているため消火活動もできない。
除染活動がなされていないようなので、火災による上昇気流で地表の放射性物質が舞い上がり、放射能被害がふたたびウクライナ、ベラルーシ、さらに広い地域に及びかねない。
ロシアの行動は理解不能だ。だが、恐怖を与えて屈服させようしてしていることだけはわかる。何のためらいもなく民間人を無差別攻撃するだけでなく、地表に落ち着いている放射性物質を舞い上がらせることをあえておこなう行動は人間の言葉では説明できない。


NHK、難民を避難民といい換え(ウクライナ難民の日本への受け入れ)

2022年03月26日 11時35分22秒 | Weblog
 3月25日、NHKのニュースは、日本がウクライナ難民を受け入れるとのニュースで、正確に「難民」というべきところを「ウクライナ避難民」といった。
 難民と避難民は似ているが違う。難民は政治的迫害や、武力紛争、人権侵害などで国境を越えて外国へ逃げた人々をさす。ウクライナからポーランドなどへ日々逃げている人は難民だ。ポーランドを経て日本に来る人も難民だ。
 住む家を破壊され、水も電気もなく生活できなくなって、少しでも安全なところへ避難する人々を国内避難民という。難民は350万、国内避難民は650万に達する。4400万の人口の4分の1。1か月であっという間に1000万。そのほとんどが子どもと女性だ。
 日本政府は、知人や親族が日本にいる人にとどまらず、人道的観点から対応するという。当然だが、これには関係NGOなどから非難が寄せられている。これまでの日本の難民政策があまりにひどく、これを忘れさせる、ごまかすための操作だということだ。そのとおりだ。なにしろ日本の難民受け入れは難民申請10375に対し44人、0・4%だった(2019年)。
 政府が、ウクライナ難民受け入れに際して、あえて国内避難民を指す「避難民」という用語を使い、日本の難民政策に目が向かないように操作しているといえよう。マスメディアがその策を見抜かず、垂れ流し的に「ウクライナ避難民を日本へ」などと報道することは正しくない。政治的片棒担ぎだ。



産科病院爆撃の非人道。この侵略戦争の本質を暴露

2022年03月11日 16時03分02秒 | Weblog
 3月9日、民間人避難のためにロシア提案の「人道回廊」が6か所設けられたが、そのうちの一つ南東部のマリウポリで産科病院が激しく爆撃された。被災写真を見ると3階建病院の窓はすべて吹き飛び、建物もゆがんでいる。病院の外はがれきだらけ。
 国連憲章違反の主権国家への侵略に加え、ジュネーブ条約にも反する民間人・民間施設への無差別攻撃のオンパレードだ。なんのためらいもない。「人道回廊」による停戦をいいながら産科病院まで爆撃する。自分がロシアがどう見られているのかを考えようともしない、自分を対象化できない子どもの仕業だ。子どもか、根っからの独裁者だ。
 ことの発端の2月21日の安全保障会議でのプーチンと他の出席者の席の配置は、ひな壇の上のプーチンと下から仰ぎ見る配下の面々という形で、閣僚級の人物たちが問い詰められていた。ロシア対外情報庁(SVR)長官で元KGBでプーチンの同僚だったナルイシキンは、ウクライナ東部2州の「独立」承認をめぐって自分の意見を言えぬままプーチンに問い詰められうろたえる哀れな姿があったと伝えられている。
 トルコの仲介でウクライナ、ロシアの外相会談が開かれたが、ロシア・ラブロフ外相は何の検討材料も持たず、「戦争を望んだことは一度もない」、病院爆撃も「フェイクニュースだ」「われわれはウクライナを攻撃していない」とプーチンの口真似を繰り返すのみだ。
 そのラブロフにしても、プーチンと話をしたときは粗末な扱いを受けていた。プーチンがフランス・マクロン大統領との会談では大きいテーブルをはさんで4、5メートル離れていたが、ラブロフ外相はもっと長いテーブル向うに座らされ、6、7メートルは離れていたのではないだろうか。ちらっと見た画面だったので不確かかもしれないが。上下のひな壇ではないが、近寄れない距離でしか話もできない、そんな閣僚があるだろうか。




プーチン帝国主義を国連141か国が断罪。侵略者の手を抑えよ。

2022年03月07日 18時22分06秒 | Weblog
 プーチン・ロシア帝国主義が大ロシア主義を振りかざして2月24日ウクライナに侵略を開始してから12日経つ。プーチンはこの侵略を戦争とは言わず、「特別軍事作戦」と称している。国際法的に認められない「独立」国との「条約」によって集団的自衛権行使としての「作戦」だという。法的に成り立たない屁理屈だ。ドネツクやルガンスクのための軍事作戦という建前なら、なぜ首都包囲攻撃するのか、なぜチェルノブイリやザポロジエ原発を攻撃占領するのか、軍事作戦は軍事施設のみだといいながら住宅、学校、病院を攻撃するのか、作戦に正当性があるのならロシア内外の記者に15年の禁固刑を科す情報統制法をつくるのか。
 ウクライナの捕虜になったロシア兵から入手した資料では2週間で作戦は完了する計画になっていた。明らかに計画通りには進んでいないことがわかる。ウクライナの抵抗の意志が強く、ロシア兵には戦争の大義がないゆえにさまざまなほころびがある。しかし、ロシアは世界第2の軍事国家だ。ウクライナがロシア軍を打ち倒すことは考え難い。統制のきいた専制国家のロシアで国民の反戦運動がどこまで広がるかが、最終的に問われる。報道統制の下でプーチン支持率は高いともいわれる。しかしSNSの時代だ。反戦世論を止めることはできない。ここに信頼を寄せることだ。
 日本の極右派勢力は国連は無力だといいつのり、プーチンと同列の軍事力、さらに核武装を推進する動きがでている。世界の人道危機、平和の破壊に際して、これを政治利用して軍事力拡大、国連憲章・憲法9条攻撃のチャンスにしようとしている。プーチンの手をおさえるとともに、国連憲章・憲法9条も救わなければならない。



ロシア軍がウクライナの原子力発電所を連続砲撃

2022年03月04日 10時59分22秒 | Weblog
 プーチンのロシア軍がウクライナ南東部ににあるサポリージャ原子力発電所を3月4日未明から数時間にわたって、全方向から砲撃を続けている。原発攻撃という軍事意図を持った砲撃だ。原子炉が破壊されたとの報道はないが、施設に甚大な被害が生じているだろう。電源が破壊されれば福島原発のように冷却装置が働かなくなり悲惨な事態になる。
 プーチンは2月27日、「抑止力」について特別態勢に移行するよう命じた。核兵器をつかった作戦をいつでも実行できる態勢に入ったということだ。これを前提に考えると、核抑止の一部として原発を砲撃して圧力を加えることでウクライナを屈服させようとしているのだろう。
 原発が攻撃破壊されれば、原爆投下あるいはそれ以上の破滅的被害をもたらす。戦争にはずっとこの危惧があったが、今、現実のものとなっている。プーチンの狂気も度を越している。


大ロシア主義者・プーチンの侵略戦争

2022年02月25日 09時08分38秒 | Weblog
 プーチンがNATOに要求していた5項目には一定の正当性があったので、フランス・ドイツの仲介で外交交渉による解決の道があると私は考えていた。ところがオリンピックが終わるとともに侵略を始めた。2月21日、ウクライナ東部地域の親ロシア勢力「ルガンスク人民共和国」「ドネツク人民共和国」の「独立」を承認することでこれらとの間で「条約」を結んで「集団的自衛権行使」でロシア軍を投入するという作戦に出た。
 ロシアによる親ロシア勢力の「独立」承認は、ウクライナの領土保全と主権を侵害する国連憲章違反だ。その「独立}を根拠に結んだ「条約」なるもので国連憲章51条の集団的自衛権行使でロシア軍が軍事行動をするというのも成り立たない。グテレス国連事務総長が、国連憲章の原則を好きなものだけをつまみ食いすることは許されず、加盟国はそのすべてを受け入れたのであり、すべてを適用しなければならないと、プーチンの詭弁を批判した。
 多くの識者は、プーチンは東部地域を根城にじわじわと侵略をすすめるのかと見ていたが、24日、ウクライナ全土にミサイル攻撃と地上部隊の侵攻を始めた。プーチンはどこを目指しているのか。
 プーチンは交渉のそぶりを見せながら、裏では大規模な侵略計画をすすめていた。世界の常識では理解できない19世紀的帝国主義者だ。ベラルーシも、ウクライナもロシアのものだとする大ロシア主義が21世紀に生きている。こんなものは世界にもそしてロシアにも受け入れられない。プーチンの未来は閉じられている。

シネ・ヌーヴォで、標的を観る

2022年02月23日 21時38分31秒 | Weblog
九条のシネ・ヌーヴォで西嶋真司監督の標的を観た。1991年元慰安婦の金学順さんが行なった証言を世界で初めて報道したのが朝日新聞の植村隆記者だ。時間が経って安倍晋三が全盛を誇るようになって、植村に捏造記者という政治バッシングが始まった。彼が教職につくことになっていた大学にも、彼の娘にも殺すという脅迫が届くに至った。安倍を頂点にネット右翼などが襲いかかった。総理大臣が後ろ盾だから怖いものなし。やりたい放題の脅迫。記事は事実で捏造でもなんでもない。植村は名誉毀損の雑文を書き散らす女性評論家らを名誉毀損で訴えるが日本の裁判所は安倍が後ろにいる問題には腰が抜けたようになる。原告植村敗訴。これが今の日本の姿だ。誰が標的にされるかわからない。真実などクソくらえとばかりに、血祭りにあげる。沈黙させる、屈服させるのが連中の目的。歴史は真実の探究ではなく、自分たちの都合のいいような結論に作り変える、それを世間に押し付けることをねらう。これを彼らは歴史戦と称している。政治戦、選挙戦は現実にあるが、歴史は戦いや戦争ではない。力のあるものが歴史を作り変えるということがあってはならない。これこそ歴史の捏造だ。植村さんは動かぬ事実を報道した。これを捏造呼ばわりして押し通す、およそ民主主義の世とは思えない。日本は報道の自由ランキングがどんどん下がっている。脅しにひるまない、立派な映画が作られた。ぜひ見てほしい。

ウクライナをめぐるマクロン・プーチン会談。ウラジミールと呼んでいた安倍外交、日本外交との落差

2022年02月09日 10時23分29秒 | Weblog
 (2022・2・7)、軍事的緊張が続くウクライナ問題をめぐって、フランスのマクロン大統領とロシアのプーチン大統領がロシアで5時間も会談した。普通は首脳会談といえば、事務方が十分論点を詰め調整をしたうえで、最後にセレモニー的に短時間やるのが通例だ。ところがどうだ。首脳が5時間もサシでやりあう。心意気が感じられる。だが写真を見ると長いテーブルをはさんで4メートルの距離をおいて対面している。テーブルの使い方が逆だ。こんな変な使い方は見たことない。この会談には5時間からは会談への意欲を、4メートルからは両者の警戒心を感じる。
 ロシアのウクライナ侵攻が迫っているという情勢を平和的に打開するために、フランスとドイツが対立するロシア・アメリカの仲介の役を買って出て、ロシア、ウクライナ、アメリカ首脳との会談を1週間ほどの間につめこんでいる。
 ロシアの要求は、①ウクライナ、ジョージアをNATOに加盟させないを中心に、②核兵器を自国領土以外に配備しない、③1997年以降東欧に配備された部隊、兵器を撤去、④ロシア・NATOの境界近くの軍事演習停止、⑤ロシアの隣国への攻撃システム配備やロシア国境付近への兵器配備の停止だ。(「朝日新聞」まとめ)
 私から見ればこれらの要求は正しいと思う。アメリカがNATOという軍事同盟をどんどん拡大してロシアへの軍事包囲を強めているのは事実だ。旧東欧旧ソ連から独立した国がロシアへの反発から国家主権を主張するのは当然だが、NATO側が旧ソ連の流れを引くロシアを軍事的に包囲すべくNATOの勢力範囲を拡大するのは緊張を高めるもので、賛成できない。国連憲章の考えは軍事同盟を広げて他国を威圧・威嚇することを禁止し、全加盟国が参加する集団安全保障を確立することだ。ソ連が崩壊し、ソ連中心の軍事同盟ワルシャワ条約機構が1991年消滅して以降、アメリカ独り勝ちの軍事情勢の下、なおさらNATOの拡大という路線はとるべきではない。軍事同盟は日本の現実でもわかるように、盟主の軍隊を駐留させる。NATOではベルギー、オランダ、ドイツ、イタリア、トルコにアメリカの核が配備されているとみられる。軍事同盟とはいえ、他国に核を配備して別の国を威嚇するのは国連憲章の精神に反し容認できない。ロシアは、1997年時点でNATOに加盟していなかった国(ブルガリア、ルーマニア)からの外国軍の撤退を要求しているが、両国は反発している。主権の問題だから反発は理解できるが、配備をどんどん拡大するのは賛同できない。NATO軍のロシア近辺での軍事演習停止を求めるのももっともだ。軍事演習というのは実際の戦争を想定した練習だ。国連憲章的にも要求は正しい。北朝鮮近辺で米韓合同軍事演習が1年のうち何か月にもわたって繰り返され、金正恩殺害を含む演習をしていたことは明らかな国連憲章違反だ。国の存立を脅かす威嚇だ。拉致が許されないのと同様、これも許されない。ロシア近辺への威嚇も許されない。ロシア近辺でのNATOの軍事演習が明白な威嚇であって許されないのだから、ロシアが昨年来ウクライナ国境線に大部隊を動員して軍事演習を繰り返してウクライナを威嚇しているのは容認できるはずがない。ロシアは自分が正しいとして要求していることを、現に今同じことをより大規模に展開している。その矛盾にも気づかないのだろうか、面の皮の厚さは尋常ではない。ロシア近国への攻撃システム配備や国境付近への兵器配備の停止要求はもっともだ。この要求をするのだからウクライナへもロシアは同様の態度をとるべきだ。
 ロシア・プーチン政権がアメリカと並ぶ世界の2大帝国主義として21世紀の緊張の震源地となっている。ロシア系住民が多いなど屁理屈をつけてクリミア半島を侵略併合したのは2014年だ。言い分に部分的に正しいところがあっても、プーチンは平気で侵略併合をして恬として恥じない。
 だが、プーチンに新たなウクライナ侵攻をさせてはならない。和平への道を探らなければならない。フランス、ドイツの真摯な努力は称賛に値する。ロシアはNATOへの要求を5つにまとめているのだから、これを俎上に載せて協議をすることが一番だ。NATO加盟と加盟後の軍の配備の問題は、当事国の主権の問題でもあり、いまどうこうすることはできない。とすれば、とりあえず④⑤が検討の対象になるだろう。ロシア軍もNATO軍もロシア・ウクライナ国境線での軍事演習を停止すること、ついで国境線から撤退することを協議することだ。ロシアがNATOに対して要求しているのだから、同じ論理でロシアもこれを受け入れるべきだし、そうしないと最低限の道理もたたない。実際のフランスの調停ではこの線までは行ってないのだろうが、可能性はある。北朝鮮問題で数か月に及ぶ米韓軍事演習が停止されたことが、朝鮮戦争終結、北朝鮮の核ミサイル問題解決の1歩か2歩手前まで行ったことが想起される。プーチンの侵略性は相当だが、アメリカヨーロッパを相手に孤立感も相当なものだろう。仏独の努力に期待するところ大だ。
 ところで、プーチンといえば、ファーストネームはウラジミール。ウラジミール、シンゾウと呼び合っていた安倍前首相は友達なのだから、ウラジミール冷静になってと話しかけてもいいのではないだろうか。でも千島問題では29回も親しく会談したというのに、完全にもて遊ばれてしまった。
 ウクライナはヨーロッパの問題だから日本が出る場面ではないかもしれないが、問題はアメリカ追随でない独自の外交姿勢を持っているかどうかだ。イラク戦争の時、国連の査察委員会がイラクの大量破壊兵器所持がほぼないことが証明される段階で国連を抑え込んでアメリカは侵略戦争に及んだ。そのとき日本は国連の活動をろくに検証することなく、アメリカに追随し侵略を称賛した。当時、査察委員会の活動は世界に報道され、査察の3分の2は終わった、あと3分の1査察すれば、大量衣破壊兵器はないということが証明されるというところまで行った。ところがその道を閉ざした。仏独は即時の姿勢をとったが、日本は自主的判断力を放棄して侵略の共犯者となった。私たちが持っているレベルのイラク情報を小泉首相らは与えられていなかった。裸の王様状態で間違った判断をしてもアメリカ様様であれば怖くないとばかりに態度だけはおおきかった。アメリカに対しては内弁慶の日本政府は、こんどのオミクロン水際対策でも米軍には大甘、検査スルー。こんな日本政府が国際問題で世界で堂々とものをいう国と渡り合えるはずもない。基準ははっきりしている。国連憲章だ。







第七で「テレビで会えない芸人」を見た

2022年02月03日 10時39分57秒 | Weblog
 昨日13時、十三の第七芸術劇場で「テレビで会えない芸人」を見た。平日だったがほぼ満席に近かった。びっくり。いわずと知れたピン芸人・松元ヒロを、出身地の鹿児島テレビが密着取材して舞台公演も取り入れた80分にまとめた映画だ。
 わたしは以前、天満天神亭で松元ヒロさんの舞台を見た。歴代首相と四つに組む政治批評満載、痛快丸かじり、テレビの吉本芸とは全く違う本当に面白い舞台だった。50分笑いっぱなし、グイグイ引き付けられて終わったときには疲れを感じるほどだった。
 この映画でヒロさんの芸人根性がわかった。13冊のネタ帳。自作の分厚い台本。そこには無数の書き込みがあった。稽古をくりかえして修正していく。うまくいかず、頭を抱え込む姿。50分完成した形で発射し続ける鋭い権力風刺の笑いは、こうした努力の上につくられているのだ。
 七芸に入る前に、現役時代の最後の半年ほどよく通った「よかにせ」で中太のつけ麺を食べた。久しぶりでうまかった。映画が終わってまだ時間があったので十三東の方をぶらついた。小さなビルの2階に淀川東淀川労連の事務所は健在だった。でも10年以上たつと、商店街、飲食店街のたたずまいはずいぶん変わった。飲食店の入れ替わりは早い。
 十三といえば第7芸術劇場、2月いっぱい閉店という店もたくさんあったがお店訪問もかねて訪れていただきたい。

佐渡金山世界遺産推薦で岸田政権安倍に屈服

2022年02月01日 22時29分51秒 | Weblog
 2月1日(2022)岸田政権は佐渡金山を世界遺産の候補に推薦することを決めた。韓国が、佐渡金山で戦時中朝鮮人の強制労働がおこなわれていたことを批判しており、登録は困難視されていた。だから岸田氏はこれまで推薦を見送る方針だった。ところが安倍前首相ら極右歴史修正主義派が猛烈に圧力をかけ、岸田氏がこれに屈服した。岸田氏は総裁選の時は、新自由主義を批判するかのようなそぶりを見せて新しい自民党の雰囲気を漂わせようとしたが、すぐにそれも封じ込め、安倍氏になりかわって憲法改悪の旗を振り、そして世界遺産問題でも安倍に屈服した。これでは安倍のしもべではないか。
 今の情勢ではユネスコで登録される見込みはほとんどない。安倍氏は登録されなくても右翼ナショナリズムを煽れば自分の政治的欲望が満足される。安倍は登録されなくてもいいのだ。それは北朝鮮拉致者の救出でもあらわだった。対話と圧力のうち最後まで対話の道をとらず圧力一辺倒で国民の感情をあおって選挙を有利に進めることに専心した。
 登録されるための道すじははっきりしている。強制労働の事実を認め、佐渡金山の歴史に負の歴史があったことを世界に明らかにし、訪れる人にもそれを認識してもらう措置をとることをはっきりさせれば世界から認められる。
 7年前の産業革命遺産の登録の時に朝鮮半島出身者の強制労働の犠牲を記憶にとどめるとユネスコに対して約束したのに日本政府はこれを反故にしてきた。その責任は安倍・菅にある。昨年、催促されたのに無視している。これでは佐渡金山が登録される可能性はゼロだ。
 安倍前首相を頂点とする右翼歴史修正主義派は、朝鮮の植民地支配を正しいこととしており、強制労働も認めない。こんな姿勢は世界では通用しない。佐渡金山はすばらしい歴史遺産だ。登録に当たっては負の歴史も世界に明らかにして日本国民もしっかり認識する必要がある。そこにこそ未来がある。岸田政権は安倍氏に屈服して、登録されなくてもいいと、韓国への反感をあおって極右ナショナリズムが盛り上がればいいと考えて方針転換したのか。安倍に逆らっては政権基盤が弱くなるからとへつらったのか。いずれにしろ歴史偽造の道には未来はない。








措置をとるとと

維新丸抱え宣伝番組に初めて反省の動き

2022年01月20日 09時44分22秒 | Weblog
 毎日放送が2022年元日に、橋下徹、松井一郎、吉村洋文の3人を出演させたトーク番組を行った。あまりの丸抱えで維新への政治的支援番組だと批判の声があがっていた。毎日放送は昨19日、政治的中立性の観点から問題だとする意見があったということで製作過程の調査をすることにしたという。あまりにひどいと、わたしの知り合いの中からも意見を聞いていた。当然放送局にも相当批判の声が寄せられたのだろう。
 テレビ局の内部から自己点検の動きが出たのは、おそらく初めてだろう。橋下・松井・吉村の3点セットは最強の維新押し出しチームだ。これをテレビ局がお願いしてやろうというのだから常識を疑う。とにかく在版テレビ局は維新にすり寄り、持ち上げ、出演してもらうために媚びを売る。日本の常識は大阪では通用しない。維新、吉本、在版テレビ局は大阪を異常な世界につくりあげた。その舞台を用意したのがテレビだ。2008年に橋下府知事が登場した時から、大阪の政治は橋下、のちは松井・吉村がテレビの常連となるテレビ政治がつづいている。在版テレビ局は維新に心情的に一体化し、これを他局と争って登場させることが、おそらく局内でも羽振りをよくする手段なのだろう。批判的な内容、発言をする番組、出演者は完全に排除された。
 批判を続けなければ大阪の政治的民主主義は窒息させられてしまう。