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正しい火災保険の掛け方

2016年03月01日 | マンション管理
管理組合において、火災保険に加入する。

これは、マンション「共用部」に対して付保するもので。


個人的には、「専有部」で保険に加入するというもので。



では・・・実際、火災保険加入時のポイントは?と言えば。

1. 何に保険をつけるか〔保険の目的(対象)の決定〕

2. どんな火災保険を選択するか〔商品の選択〕

3. どんな特約を付加するか〔特約の決定〕

4. いくら保険をつけるか〔保険価額の評価および保険金額の設定〕

5. 補償の期間をどれだけにするか〔保険期間の決定〕

6. 保険料をどのようにして払うか〔保険料払込方法の決定〕

という考え方。



では・・・

1. 保険の目的(対象)の決定

保険をつける対象となる物を「保険の目的」と呼びます。

まず、「保険の目的」を何にするのを決定する必要があります。


一戸建住宅、分譲マンションなど建物自体を所有されている方は、

「建物」と「家財」の双方を対象として保険をつける必要があります。


賃貸住宅にお住まいの方は、「家財」を保険の対象とする必要があります。



★「保険の目的」とは

主に「建物」と「家財」となります。

契約時にこの「保険の目的」ごとに保険金額(付保額)を定めます。


この「保険の目的」に特定されていないものが損害を受けても

一切補償されないことになりますので注意が必要です。


「保険の目的」について、以下の3つに分類することができます。

●特別の約定がないかぎり「保険の目的」に含まれるもの

●明記すれば「保険の目的」に含まれるもの

●「保険の目的」に含まれないもの



2. 保険商品の選択

商品により補償範囲が異なりますので、商品の選定にあたっては、

どのような損害が補償されるか把握した上で、

必要とされる補償がその商品でカバーできるかを見て

決定する必要があります。



思いもよらない事故により損害を受ける場合がありますので、

補償範囲の広い商品を選択した方が良いでしょう。


★総合保険にすれば、火災・落雷・破裂爆発などだけではなく、

盗難など補償範囲が広がります。

最近では、水災などでも100%補償できる保険もあります。

補償内容を良く理解した上でご加入ください。



★火災保険で補償されない主な損害

•故意・重大な過失などにより発生した損害

•火災などが発生した際の紛失・盗難による損害

•保険料の領収前に発生した事故

•戦争、暴動、地震・噴火・津波などによって発生した損害




3. 特約の決定

火災保険の特約には火災などの主な補償(主契約)では対象とならない

他の様々な損害に対応することができます。

住まいの形態により想定されるリスクが異なるため、

それに対応する必要な特約も異なります。



例)個人賠償責任担保特約、借家人賠償責任担保特約、

交通事故傷害担保特約、価格協定保険特約など




4. 保険価格(時価)の評価および保険金額の設定

保険契約において、設定する契約金額のことを「保険金額」と言い、

事故が発生した場合に保険会社が支払う保険金の限度額となります。


★「保険金額」は事故の際の保険金の支払に影響するため、

保険価額(時価)の評価を行い、

それに基づいて適正に設定する必要があります。



★「保険価額」「保険金額」「保険金」とは


【保険価額】

同等のものを新たに建築あるいは購入するのに必要な金額から、

「使用による消耗分」を控除して算出した金額を言います。

簡単に言い換えると、

建物や家財などの現在の価値(時価)と言えるでしょう。


【保険金額】

保険契約において、設定する契約金額のことを言い、

事故が発生した場合に保険会社が保険契約に基づいて支払う

「保険金」の限度額となります。


【保険金】

保険事故により損害が生じた場合に、

保険会社が被保険者に支払う金銭のことを言います。


★保険契約において、「保険価額」と「保険金額」の関係は大変重要であり、

事故の際の「保険金」の受取額に大きく影響します。

万が一の事故の際に無駄なく、十分な補償を受けるためには、

契約時に「保険価額」が適正に評価され、

それに相応する「保険金額」が設定されていることが必要になります。


★ここに注意★


「一部保険」・・

「保険金額」が「保険価額」より低い場合

(建物や家財の現在の価値よりも低く保険をつけている)


「超過保険」・・

「保険金額」が「保険価額」より高い場合

(建物や家財の現在の価値よりも高く保険をつけている)   


「全部保険」・・・

「保険金額」と「保険価額」が同一の場合

(建物や家財の現在の価値と同じだけ保険をつけている)


事故時には「保険金額」の「保険価額」に対する割合に応じて

「損害保険金」が支払われることになり、

「損害保険金」は損害額の一部しか支払われず、

十分な補償が受けられません。(このことを「比例てん補」と言います)




事故時には損害額に応じた「損害保険金」が支払われ十分な補償は受けられますが、

「保険価額」を超過した「保険金額」分は無効となってしまい、

その部分の保険料が無駄になってしまいます。



「全部保険」の場合は、事故時には損害額に応じた「損害保険金」が支払われ、

十分な補償が受けられます。


万が一の事故の際に十分な補償を受けるためには、

契約時に「保険価額」が適正に算定(評価)され、

それに相応する「保険金額」が設定されていること

(全部保険であること)が必要です。


保険の正しい付け方は「全部保険」にすることです。


と・・・よくあるケース。

きちんとした保険営業マンであれば、

登記簿謄本を取得して、構造や面積・築年など確認される方もおられますが。


なかには、ヒアリングだけ。

申告のみを信じて付保してしまうケースも。


でも・・・マンションでは構造が木造であるケースはレアですが。

構造が、木造か?鉄筋コンクリートか?で、保険料は全く異なります。


管理組合で、特に築年数が20年を超えるような物件の場合、

20年を超えると「引き受け拒否」の損害保険会社も出ていますが、

それ以上に保険料も、19年と20年ではかなり異なります。


きちんとした築年を調べて付保する。

こういうことをしていないと、無駄に保険料を払っているかもしれません。


正しい構造・築年・面積を調べて、

正しい「再調達価格」を調べ、建物評価額を積算してから

それに見合った保険をかける。



足りなくては、損害があった時・・保険金は削られて。

逆に、保険料を払い過ぎていれば、無駄になります。

正しい「評価」をして保険料を払う。ここが大切です。
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