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米が安すぎて大丈夫か

2010年09月10日 | 市政・市制・市勢

 米の出荷価格(概算金)が大幅に下がる見込みだ。農家からJA(農協)に買い入れする価格を概算金と呼び、農家は全量買い付けしてくれるJAが安定した収入先でした。その概算金の価格が大幅に下がるのです。

 今年提示された価格は、ひとめぼれなどの品種で1等米が¥8,700(60kg)です。昨年と比較し約30%安い価格です。ちなみに昨年は¥12,300でしたが、それ以上の問題があります。

 今年の作柄は猛暑の関係で、大半が2等米の出荷と予測。また、カメムシ被害などで3等米になることも予測されています。作柄は決して良い方ではありません。また収量も昨年と比べ同等の模様です。

 昨年は1等米が多く出荷されていましたら、価格的には概ね¥12,300でした。しかし今年は2等米や3等米も出るだろうとの予測です。2等米の価格は¥8,100で、3等米が¥7,100だということです。

 2等米の場合、昨年の1等米の価格と比較し実に35%も下がることになります。また3等米の場合は42%の減額になるのです。急激な米価の低下はどのように影響するか計算しました。

 農家は減反政策の下、農地の3割が米を作れないでいる。米は1反歩(約1,000㎡)から8,5俵(1俵=60kg)収穫できるといわれる。これを基に計算すると1反歩で¥68,850(2等米で算出)しかないのだ。

 昔は3町歩(30反)あれば、豪農と言われる時代でした。30反の3割減反で21反しか作付け出来ません。今年の価格なら¥1,445,850にしかならない。

 10町歩(100反)の土地を持っている農家でさえ、年収が500万円にならないのが現実です。10町歩持っている農家は岩沼で数件しかありません。ここから経費を差し引くとほとんど残らない。

 農地には税金だって掛かっています。自宅で消費するお米もありますので、米価の大幅な下落は農家にとって厳しい現実です。昨年の米価の時点で経費が半分以上掛かるというから、今年は尚更なのです。

 肥料や農薬代、それに農機具の損料や土地改良費など様々な経費が掛かります。この総額は算出することは出来ませんが、経費は7割も占めると考えられます。土地を持っていても田植えから収穫までを依頼すると大幅な赤字です。

 激変緩和策は米価に対する減額分を補償するものです。それでも1俵あたり高く見積もっても¥1,000程度。個別補償も様々な条件はあるが、作付けした耕作地1反歩あたり¥15,000です。

 3町歩の農家は、激変緩和策・個別補償で60万円位です。この金額が実質的な収入となるかも知れません。米価の下落は米を作る意欲の問題ではない。生活できない状況に追い込む問題である。 さて、どうする。

 井口市長を支持した農家から、悲鳴が聞こえる。

コメント (4)
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