湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

北岳 2012年秋

2012年10月15日 | 山・山スキーなど
 理由はわからないけれども、久し振りに無性に山に登りたくなった。そして悩みつついくつかの候補のなかから、はじめて登った日本アルプスの山であり、はじめてのテント泊縦走を行なった山である北岳に20年振りに行ってみることにした。

 日付がかわる頃に村営駐車場に到着し、寝袋に入った。明け方4時頃に目覚めると、すべてをいっとき忘れさせてくれるような星空が頭上に広がっていた。そして小さな輝きを放つ数多の星を窓から眺めていると、視界の端に流れ星。結構長かったその光の筋を目で追いながら、自然にもごもごと口から出たことば。

 往路は大樺沢~八本歯のコル経由、復路は白根御池のコースを歩いた。

 コース前半で先行していた若者たち。話し声がやたらうるさく、山のなかには似つかわしくない。でも追いついて話をするととても気持ちのいい若者たちだった。自然と笑顔になって話をしていた。

 八本歯のコルは危険はないのかもしれないけれども、高所恐怖症の僕にとっては予想していたよりかは怖かった。ストック持ってたこともあるのかもしれないけれど。

 下部二俣あたりから体が重くなりはじめていたけれども、八本歯のコル2900m?あたりからは軽い頭痛も出はじめた。ここらでは少し足にもきてた。ペース速めで登ったせいかもしれないと思った。

 冬山のようなくっきりとした透明感のある空気ではなかったけれども、頂上からは360度の大パノラマ。そしてこの時期にしてはあたたかく、ほとんど無風という居心地の良いコンディション。来た甲斐があったと思いながら、じっくり周りの山々を眺めた。その形にかなり憧れがある塩見岳も久々に近くで見ることができて満足。仲間とあの山に登ったのは、もう15年以上も前だろうか。というより、南アルプスに来たのも10年振り以上なのだ。南アルプス、中央アルプス、北アルプス、八ヶ岳、奥秩父などなどいくつか登ったことのあるピークをじっくりと眺めながら、そのほとんどがもうだいぶ前のことになっていて軽い驚きを感じたりした。

 下りは走りはしなかったけれども、少しピッチをあげてトレランの下りを意識。でも遅いし、ぎこちない。一度バランスを崩して、見るからに切れ味鋭そうな岩に左手をついてしまった。すぱっとやった感覚があったので一瞬まずいと思ったのだけれども、幸い出血はなく、皮膚の表面が少し切れただけだった。とりあえずほっとしたけれど、これからは山登りでもグローブ必要だなと思った。だいたいいつも思うだけなのだけれども・・・

 白根御池周辺は紅葉が見事だった。小屋の前では、ちょうどスタッフの女性陣の下山日だったようで、賑やかに記念撮影をしていたりした。

 広河原に降りてきたのは予定よりだいぶ早い13時半頃。朝は気づかなかったけれども、北沢峠に続く南アルプス林道のゲートには、噂通りしっかり二輪車(組立式も含む)通行禁止の看板があった。奥深い山を好む先人たちがなんとか北沢峠に立とうとあれこれ画策してトラブルを起こしたというのは結構有名な話である。そうしたことがあってのこの看板。是非については僕はとくに意見はないのだけれども、この看板を見てそんな昔耳にした話を思いだしたりした。ちなみに僕は北沢峠は上ったことないですよ。自分の足でならあるけれど。ま、上ったというか、甲斐駒と仙丈に登るためにバスで行っただけですけどね。

 バスの時間は14時だったのだけれども、ちょうど乗合タクシーにひとつ空きがあるということで、それに乗って駐車場まで戻った。そしてさくっと温泉で汗を流し、さくっと山梨を去った。帰り、近くに戻ってきてからお約束というわけではないのだけれども、もうひと山。満足。やはり本家が一番。

 充実の山行になった。































































 北岳往復 11.8km 全行程6時間23分51秒

 広河原(7:13)~下部二俣(8:33)~上部二俣(9:13)~北岳(10:32-11:01)~肩の小屋(11:21)~白根御池小屋(12:20)~広河原(13:36)