その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

妖怪『キク』

2014-09-20 14:01:15 | 暮らし

儚くも さだめは定め ときを待つ (by 夢屋)

従兄『コウちゃん』の出棺、火葬、収骨、そして告別式と、別れの儀式は滞りなく進んでいく。(注;山形県置賜地方の葬儀は、告別式に先立って火葬が行われます。)予想していたとおり、彼の交友範囲の広さから会葬者の数は非常に多かった。今は亡き我が家の古老やお袋の葬儀の場合は、喪主として仕切り、緊張もしているからお客様への接待などと言うことも気が回らないのでありますが、『コウちゃん』は母方の従兄であるから、日頃、話す機会のほとんどない母方の叔母たちの昔語りに付き合う、可愛い甥っ子『夢屋』であります。

「○木家(母の実家)には三亥の女傑がいる…『オコちゃん』、『キッコおば』、『ハコちゃん』である。」と『キッコおば』が自ら語るのであるから間違いないであろう。長女の『オコちゃん』から末娘の『ハコちゃん』までふた回り24年…91歳から67歳まで、父親広助さんはよく頑張ったものだ。唯一の男児『長治さん』は、6人の姉妹に囲まれて育った訳だから、苦労も多かったろうに^^;
『キッコおば』は気も強いが、自他ともに認める美人である。「『キッコさん』は全然変わらないねぇ…何かやったり、飲んだりしてるでしょう?」『キッコおば』より20才も若いはずの姪たちの関心は、自然とそちらの方向に向いていくのであります。
「何も食ったり飲んだりしてないよ。ただ、歳だけ喰ってる。」などとシャレた切り返しなど期待するが、彼女は案の定「何もしていない」としか応えない。「こうして若い者が近づくと、その精気を吸って生きているから、近づかない方がいいよ。」などと、可愛い甥っ子『夢屋』が毒を吐くものだから、また『キッコおば』に睨まれるのであります^^;

クモの糸に絡んだ小さな「ヒシバッタ」でありますが、糸から逃れようともがくものだから、その振動が糸を伝わって傍らに待つ「ジョロウグモ」が糸を絡めに動き出す。以前であれば可哀想などという誤った考えを持って、「ヒシバッタ」を救ってやるところですが、バッタにはバッタの運命というものがあり、ジョロウグモにも生活がある。生の営みには極力介入しないことにしている『夢屋国王』であります。

『キッコさん』…決して貴女を「ジョロウグモ」に見立てた訳ではありません。さてさて、体調の戻った『夢屋国王』は、今年もお袋が残したレシピで、山形の「青菜漬け」を作りますよ。そして、送ってあげます。
「年寄りはなぁ、傍らでひっそり暮らしていれば良いんだよ。若い者の邪魔にならないように。」と語る『キッコおば』。「そうそう、年寄りと仏壇は似たようなものって言うんだよ。ありがたくもあり、邪魔ではないかと言われれば、少々邪魔ではあるってね。」(夢屋)
「よく言ったな、夢屋!その内、天上界から睨みつけてやるから…。」と毒を吐き合う叔母と甥でありますが、いつもモダンな『キッコおば』には、漬物が似合わないんだよなぁ…^^;

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オコちゃん

2014-09-19 22:38:12 | 暮らし

生きること つらさ せつなさ やるせなさ (by 夢屋)

『オコちゃん』は、大正12年生まれの91歳。亡くなった『コウちゃん』の母であり、『夢屋国王』の伯母さんであります。『コウちゃん』の葬儀に先立ち「入棺」の儀式。今は、施設に入所している『オコちゃん』を連れてくると言うのだが…。
『夢屋国王』亡父の葬儀に、連れ合いである母『ハナちゃん』を立ち合わせてやりたい…そんな息子の気持ちを知ってか知らずか、認知症の『ハナちゃん』は夫の事などすっかり忘れてしまい、また、その所作が周囲の者の涙を誘う結果となってしまった。『オコちゃん』はと言えば、まだ『夢屋国王』の顔を識別できるようである。
「伯母!歳、なんぼになったぁ~^^;」(夢屋)
「ん~100歳」(オコちゃん)
「ほだがぁ~^^; 90も過ぎれば、100も90も同じようなもんだなぁ~^^;」(夢屋)
実の息子の死を知ってか知らずか…淡々としている。山形県置賜地方の風習では、「入棺」に際して死装束を整える際には、会葬者は皿と線香を手に儀式を執り行うのであるが、ヤケドなどの危険も伴うので、今では省略形で行うようになっている。『オコちゃん』は、そんな風習を思い出したのか「線香を焚け!線香焚け!」と廊下で車椅子に乗りながら叫んでいる。長生き出来る人間とは、こうして淡々と日々を過ごせることも条件になるのだろうかなどと、棺桶の前で、祖父との別れに花を飾り、急に泣きじゃくる孫娘たちの姿を見ながら思うのであります。


ベニクラゲ(加茂水族館にて)

家族との別れは、辛くさびしいものでありますが、いつの日か『夢屋国王』も棺桶に収まる日が来ることだろう。さて、残された家族たちは、身勝手なオヤジを笑って送ってくれるのだろうか?はたまた、オッカーは涙してくれるのだろうか…?などと、要らぬことを考える『夢屋』であります。
儀式の後の食事を頂きながら、少しばかり残った『だだっ子豆1号』を提供し、ニンニクの話をし故人を偲ぶ。お陰様で商談が2件ほど成立しましたよ…これも『コウちゃん』のお導き…根性という筋が1本据わったような気分であります。
悲しみさえも打ち消され、ただ淡々と儀式を執り行う『夢屋』がそこにあり、今年の冬は『第3次越冬隊』を編成して、『第2サティアン』で冬を越そうと考える『夢屋国王』…『第2サティアン』は、今は亡き『コウちゃん』から譲ってもらった「スーパーハウス」が本体であります。厳しい冬を乗り切ること、商売を軌道に乗せること…人との別れを経験しながら、またひとつ目標を立てる。
つまらぬ男の意地ではありますが、何かを思わなければ前に進めない。「別れ」をも明日への糧にして、将来を哲学する『夢屋国王』でありましたとさ…『コウちゃん』…本当は、今夜から憧れの千葉県横利根に釣りに行く計画だったんだよなぁ^^;(不謹慎!)

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儚き…

2014-09-18 01:25:42 | 暮らし

朝露の 乾く間も無く 野辺送り (by 夢屋)

従兄の『コウちゃん』が亡くなりました。享年67歳…もう少し…出来れば来年まで…息を引き取るときは一気に持っていかれるだろうなどと予感はしておりましたが、唐突に彼の奥さんから携帯に知らせが入っておりました。今年は手抜きの屑ニンニクを売ってくれた。「来年はいいやつを作れ、俺が売ってやるから…。来年はこんなやつだよなぁ。」と親指と人差し指で輪を作り品物の出来を指示したのが、彼との最後の会話でした。彼の遺言となってしまった、ひとつ目の『やり残し事業』の目処が立ち、奥さんを通じて約束は果たせそうだと伝言をお願いしたのが2週間前。ふたつ目の「ニンニク」は、良しやってやろうじゃないかい。これから種球を買い込んで、しっかりした玉張りの最高級ニンニクを来春、彼の仏壇に供えてやるよ。

『コウちゃん』はアホだけど、人の良さだけは際立っていた。こんな形で励まされ、バトンを渡されるとは思いも寄らなかったけれども…。畑に植えたニンジンは、果たして収穫できるだろうか?夏場は草に負けてしまうところを、秋取りを目指して播いてはみたものの、やはり草の中…ようやく本葉がでたところで草の海から解放してあげました。何がこの畑に適していて、効率よく換金できるのか。『夢屋実験圃場』は、多種多様な作物を試験栽培しているのでありますが、まだ、これといった作物に巡り会えておりません。ニンニクだけは外せなくなったよなぁ…気合を入れ直す『夢屋国王』であります。

ハクサイだけは、今年の天候が合ったのか実に生育が順調であり、他に分けても有り余るほどの量であります。そうそう、友人『ノロ君』が分けてくれた「だだちゃ豆1号」は、収穫適期を逃したのでありますが、出稼ぎ先の婦女子にすこぶる評判が良い。昨日、ひと鍋茹でて、出稼ぎ先のおやつに配ったのでありますが、孫が来るからとか、娘が好きだからとか言ってお持ち帰り…「子どもは正直だよねぇ。晩ご飯も食べずに豆を頂きました。」なんて褒められるとお調子者の『夢屋国王』は、もう少しあるよと、無償配布してしまうからお金にならない。まぁ、今のところは損して得を取る。『夢屋農園のだだちゃ豆』なら買っちゃうという評価に結びつけば、来年からの商売の目処が立つというものでありますよ。

有り余る金を持ちながら、貧しき食生活の庶民たちよ。旬の美味しい物を美味しいと食べられる健康のありがたさ。疲れ果てて自信を失いかけた『夢屋国王』に、再び挑戦する勇気を与えてくれた『コウちゃん』への鎮魂歌を捧げるのであります。

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花潜り

2014-09-17 21:43:59 | 暮らし

あなたは 今 幸せを感じてますか (by 夢屋)

人生色々、幸福感も人それぞれであります。スペアミントの花で盛んにエサを食べる「コアオハナムグリ」は、彼の人生(虫生)の中で最も幸せなひと時を過ごしているに違いない。食足りて差し迫った危険が無ければ、そこそこ満足できる人生ではある。
しかし、人間の場合は「欲」が湧く。「意欲」程度なら喜ばしい限りでありますが、「我欲」は留まるところを知らない。例えその追求が、他者を不幸に陥れるようなことになったとしてもであります。

さて、連休明けの『夢屋国王』は「ヒメノモチ」の刈り取り作業に満足し、重い頭を引きづりながら大宴会の後片付けをするのであります。メニューは、焼肉と「だだちゃ豆」、スルメイカを使った海鮮パスタ。油物を洗いながらコーヒーを一杯、友人『ノロ君』が後片付けの様子を覗きにやって来る。彼は日頃の生活態度とは裏腹に律儀に後片付けにはやって来る。まぁ、このところ『夢屋国王』の方が早起きだから、彼の唯一の子分「半次郎」を伴い『第2サティアン』を覗く頃には、大方の後片付けは終了しているのだが…。

昨日の戦果である「ヒメノモチ」の杭掛けの様子であります。左が在来工法の杭掛け…山形県置賜地方では、何故かしら農家は6進法を採用する。稲束6束で1束(いっそく)と数え、これを八つ準備する。計48束(たば)が1本の杭に掛ける数量であります。経験的に稲杭5本で1俵(60kg)、今回は12本分の稲束が出たから概算で2俵ちょっと行くはずなのでありますが…コスズメの襲撃に合わなければという条件付きでありますが…^^;
左側は、「ハセ掛け」という手法…この形式は、天日乾燥の途中で、稲束の架け替え(上下を入れ替えて生乾きの箇所を解消する作業)を必要としないのでありますが置賜地方では採用されない…横に通す細木を考えると材料代が嵩むようであります。『夢屋国王』の場合は、量販店で買った1本1,000円のステンレス製物干し竿で代用しちゃいましたけど。
この後、ハセ掛けの周囲を寒冷紗で囲い、秘密兵器『ハッ!鳥君』を巡らせまして、コスズメ対策も入念に行っております。
友人『ノロ君』は、コーヒーを飲みながら少々不機嫌であります。なぜなら、彼が哲学する時に癒しを与えてくれる、開放感あふれる吾妻連峰の山並みを、ハセ掛けが遮ってしまったから…。「山が見えないってことは、向こう側からもコチラの様子が見えないってこと。当分は、おバカな『オジSUNS』が、何の気兼ねもなく乱痴気パーティが出来るってことよ。」などと言い訳をするのだが、彼の夢のひとつであるドラム缶風呂『夢の湯』に入ろうなどと言い出す始末…オジさんのおバカな欲も尽きることはないのでありますよ^^;

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田舎るぅ~!

2014-09-16 19:25:30 | 暮らし

朝露に ぬれるイヌビエ 晴れを呼ぶ (by 夢屋)

本日は晴天の天気予報。『夢屋水田…ヒメノモチ』の稲刈りであります。26年産米の価格が急落したとしても、収穫の喜びを享受できる…ある意味、一年の締め括りの大切な日なのであります。今年は、角刈りをこうして、ああして、刈り取り後の「ハセ掛け」には、杭の位置はこうして…、稲刈り前の入念なイメージトレーニング、そして、パワフルな朝食を食べて、いざ出陣!!!
そんな『夢屋国王』の気持ちも知らずに、『貧乏ファミリー』が手伝いにやって来た。さらに、タイミングが悪いことには、『夢屋国王』が「特製トマトソース」をベースにした「ピザトースト」をまさに口に入れようとした瞬間にやって来たことである。友人『貧乏父さん(H.N.)』には、一切の悪意は無い…いや、むしろ『夢屋国王』の窮地を救おうと『貧乏ムスコ』(失礼!)まで伴い、やる気満々で『第2サティアン』に登場したはずである…しかし、『夢屋国王』は不機嫌であります…なぜなら、仕事には段取りというものがあるから。「角刈りは、機械が旋回し易い幅で、ハセ掛け用の稲杭は作業小屋から持って来て、男結びでこうして、ああして…。」
作業経験のある人には手順の概略さえ説明すれば、かゆいところに手が届くように作業は進むのだが、未経験者には、ひとつ々、説明と要領を示さなければいけないから、指示者は倍以上に気を使わなければいけないのであります。つまり、最も農作業の美味しい部分を残さなければいけない。稲刈り機械は、直線で刈り易いところを、ハセ掛けは、掛け易いように稲束を運んで…。

「んだなぁ~、11時頃に、また来なよ!」と『貧乏父さん(H.N.)』の善意に応えるのが精一杯の『夢屋国王』の気持ちであります。『貧乏父さん(H.N.)』は、きっとこのブログを見るだろうけれども、敢えてこうして指示者の苦悩を書き連ねるのであります^^;
友人『ノロ君』は、『夢屋農園』を体験型観光の拠点として活用すれば良いと提案してくれるのでありますが、所詮、一見さんの観光客相手だとすれば、手直しや手際の悪さを笑って見ていれるだけの農家としての力量が必要なのであります。自分の動きで精一杯の『夢屋国王』には、まだまだ、観光農業の道は遠いのでありますよ。
『貧乏父さん(H.N.)』にしても、然り…有能な営業マンは、顧客のニーズを把握すべきであり、一方的に善意(商品)を紹介したとしても、必要としない人には、仕事の妨げになる営業でしかないのであります。「え!こんな商品(サービス)があったのか。」と、顧客が提供した時間に見合うだけの商品(サービス)を提供できるようになれば、一流の営業マンでありますよ^^;
読み手によっては、悪口のように思えるかも知れませんが、実は『夢屋国王』も勉強させて頂きました。「体験型観光農業」を実践するための営農者の心構えというか、何というか…『貧乏父さん(H.N.)』!!! 来週は『夢屋水田』の「はえぬき」の稲刈りであります。あんたは来なくて良いから、『貧乏息子(失礼)』だけ、派遣してください^^;

本日のタイトル『田舎るぅ~』って、実は「稲刈る~」をもじったつもりですが、語呂が合わない^^;

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防災訓練

2014-09-15 03:47:09 | 暮らし

救われる いのち 失われる いのち (by 夢屋)

『夢屋ハーブ園』にフェンネルの花が咲きました。よく見ると黄色い小さな花が、線香花火の散る火花のようで愛らしく、糸状の若葉は魚料理の臭み取りやピクルスの香味として使えるようだ。今年は苗を移植したばかりで若葉を千切るのもはばかられ、こうして鑑賞するに留めて置きます^^;


山形県消防防災航空隊「もがみ」

今日は朝も早よから「高畠町総合防災訓練」に参加しております。『夢屋国王』のお仕事は救助ヘリで要救護者を救うこと…な訳がない。「長井盆地西縁断層帯を震源とするマグニチュード7.7の直下型地震が発生し、家屋倒壊や負傷者多数との想定で、避難所に避難した要救護者への炊き出し部隊であります。
「ハイゼックス」(三井化学㈱開発・登録)で出来た炊飯袋で炊き出しを作る…公の筋書きはこうなるのですが、実は高畠町の日赤協力員の「我妻さん」という方が、一般家庭に普通にあるもので炊き出しが出来ないかと考え「アイラップ」(岩谷マテリアル社のポリ袋)で代用できること考案しました。紙コップ1杯の無洗米に同量の水を加え、袋の中の空気を抜いて口を縛る。(ハイゼックスの場合、輪ゴムが必要ですが、アイラップの場合は輪ゴムも要らない。)これを沸騰した鍋のお湯で煮ること40分、釜だきや飯盒炊さんより手軽に美味しいご飯が炊けます。きれいな水は袋に入れる分だけの水があれば充分で、鍋の水は極端な場合、泥水でもO.K.なのであります。


山形県消防防災航空隊員

自主防災組織のお父さんたちと、ゆかりやごま塩でオニギリを作って参加者に試食して頂く…アイラップで炊き出しが手軽に出来ることを普及宣伝するための営業マンでありました^^;
「3.11東北地方太平洋沖地震」の記憶が薄れないうちに、そして、お隣の南陽市では2年連続の豪雨災害であります。地域のオジさんたちも防災に対する関心が高まっております。防災ヘリ「もがみ」が要救護者を吊り上げ、観覧者の上空で一度旋回して飛び去って行きましたが、皆んな自然と手を振っちゃいますから…美味しいところは全部持ってかれてしまったようです^^;

9月15日は、オッカーの実家である河北町谷地の「どんが祭り」であり、例年、家族でお祭り見物に出掛けるのですが、今年は『夢屋国王』だけ取り残されてしまいました。まぁ、いいですよ。今夜は青森県産のスルメイカが1杯98円、福岡県産のタラコを乗せて、『東北・九州海鮮コラボパスタ』で乾杯!野菜は『夢屋農園』産「だだちゃ豆」で補いましたから^^;

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だいごんぱ

2014-09-14 13:47:12 | 暮らし

肌寒き かぜ吹き渡る いなほ波 (by 夢屋)

田植えから4ヶ月余り、そろそろ稲刈りの時期を迎えました。黄金色に輝く稲穂ではありますが、今年は何故か色が冴えません。それもそのはず、昨日、山形県産米の売り渡し価格が発表され、1俵(60kg)当たり2,500円ダウンの8,500円とのこと。元々赤字基調の『夢屋王国』では驚きもしないが、10町(10ha)以上耕作しているような大規模農家は、一気に250万円以上の所得ダウンであります。
バインダー(稲刈り機械)を借りに行った友人『トシパン』夫妻も表情が冴えない。「民主党も自民党もダメ。遂に共産党かねぇ~!」とため息が漏れるのであります。アベノミクス効果の地方への波及…とんでもない、地方経済はガタガタでありますよ。規模拡大による生産コストの削減…1俵5,000円台でも対応出来るような試算表が作れるか、『夢屋水田』のように農薬を減らし、天日干しの美味しいこだわり米を少量作って、消費者が納得の上で価格を設定し収入確保を図るか、これからは二極化の時代へと突入するような気がします。

『夢屋国王』は、元々稲作の規模拡大は考えていないから、畑を有効利用して、こだわりの生産物を作ろうと考える。気を取り直して、活力の素となる『オシャレな土曜の朝ご飯』を今日も作るのであります。今朝のメニューは、ガーリックトーストにふわとろオムレツ、メインディッシュは昨日から煮込んだ「牛切り落としを使ったビーフシチュー」であります。トーストには、ルッコラとサニーレタスを添えてみました。デザートは、完熟トマトの「アイコ」と『夢屋農園』特産のメロン「テルサ」であります。朝からガッツリいただきましたよ^^;

以前の職場でお付き合いしていた医療器材屋さんから、昨日「糖度計」を購入しました。糖度13.5%以上ないと売り物にならないなぁ^^; 今年は雨除けハウス内で「うどん粉病」が発生してしまい、登熟に難があったようです。技術力Upに向けて、さらに精進することにしましょう。

今日の天気予報は午後から雨模様…無理に稲刈りはしないで、ニンニクを植え付ける畝立てをします。米価が下がったことを受けて、2畝で作ろうと思ったニンニクの畝を1畝増やしました。来年は絶対売ってやる。政府や米に頼らない農業経営を目指してやる…と、むしろ米価の下落を受けて意欲を燃やす『夢屋国王』であります。
そんな合間を縫って、友人『ノロ君』に今朝約束した「だいごんぱ(大根葉)」の煮物を大鍋ひとつ作ってしまいました。山形県民は、間引き野菜も無駄にせず食べてしまう。まぁ、この「だいごんぱ」は、「葉大根」という専用のダイコンではありますが、ひと晩寝かせて、味が煮しょんだ(味がしみた)「だいごんぱ」を熱いご飯に汁ごとぶっかけて、丼飯で豪快にかき込む…うめぇ~どぉ~^^;
あれま…全然オシャレじゃないか?土曜の朝はオシャレに、そして日曜の朝は豪快に…米価の下落なんかにゃ負けてられませんから^^;

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尻かげる

2014-09-13 14:01:53 | 暮らし

色さめて 時の移ろい 写し出し (by 夢屋)

「美人は大変だねぇ~!」
先日の人間ドックを終えて、出稼ぎ先に出社した『夢屋国王』の第一声であります。
「えっ!何でですかぁ?」と空かさず女の子Bが聞き返す。
「いやぁねぇ…今朝の健診で、40代前半と思われる美人さんが、早朝からバッチリメークな訳。診察を受けるときは顔色なんかも判断のひとつになるから本当はねぇ…。でも、崩せないんだろうなぁ、いつもの生活。そういう奥さんをもらうと旦那も大変だろうなぁ~肩凝っちゃって…うちは大丈夫、ブスだから^^;」
いつも朝からこんな調子でありますが、こんな『夢屋国王』も最近肩凝りが厳しい。さては『夢屋国王』もオッカーの存在に緊張しているのか?そんな訳はない。香しき匂いも3日もあれば飽きが来るが、空気の存在を気にする人はいまい。緊張しない、人の生活に干渉しない女性がオッカー選定の基準だったはずだから…血圧も正常、要するに『大人の眼鏡』が常時必要なお年頃では、文字を読む仕事が苦痛になって来たに過ぎないのであります。

遊びのネタを考えながら仕事をし、今日も「乾燥バジル」の作り方を思案する。電子レンジで加熱すれば、緑色を残したまま乾燥させることが出来るのですが、保存瓶に入れても湿度の高まってきた秋は、ひと晩でシナシナになってしまう。乾燥剤が欲しいのでありますが、最近は包装技術も進歩し、お菓子にも乾燥剤が入っていることが稀なのであります。海苔にお菓子…お菓子?そうだ、『かおるちゃん』に電話してみよう。
幼馴染みの『かおるちゃん』はケーキ屋さんだから、営業用の乾燥剤を持っているはずだ。早速、お店に電話をかけ、「あれほれ、何だっけ…あ、そうそうシリカゲルある?」とまぁ、物の名前が出てこないオジさんの急な電話に、「用意しておくから、いつでも取りに来て。」と応えてくれる。
タダで頂戴と頼むのも厚かましいから、「なめらかプリン」など家族へのお土産を買って…、
「ところで、何に使うの?仕事で実験?」(かおるちゃん)
「自宅で乾燥バジルを作ろうかと思って…。」(夢屋)
「いいねぇ、それ。いつでも分けてあげるから^^;」(かおるちゃん)


山形県飯豊町「どんでん平ゆり公園」にて

ご機嫌な『夢屋国王』は、帰宅してプリンをオッカーに渡す。
「どうしたのこれ?」(オッカー)
「かおるちゃんのところからシリカゲル貰ってきた。タダって訳にいかないから…。」(夢屋)
「シリカゲルなら、100金に置いてたけど。」(オッカー)
喜び勇んで帰った『夢屋国王』のテンションを一気に下げるひと言を頂戴いたしました^^; まぁね、偶然ではありますが、9月12日は我が家の『柴犬コウ(本名:さくら)』の三回目のお誕生日でした。こうして見ると、我が家の『柴犬コウ』は、我が家の家風には似つかわしくないキリリとした美人犬であります。連れて歩くと「あら、かわいいワンちゃんだこと。美人さんだねぇ。」なんて良く言われますから、ホント。
連れて歩くのがオッカーだから、引き立て役にはうってつけかも知れません。しかし、彼女はお誕生日に『お尻カイカイ病』を患ったらしく、今日も主治医の『大竹先生』に診てもらったとか。「お尻に薬剤スプレーをシュッとされて、Fuhhhh~!」オッカーが治療の光景を説明してくれるのだが、実にお気楽な毎日を送られているようで…「お父さんなんか、かれこれ1年以上、薬らしい薬飲んでいませんけど!あんた犬でしょうイヌ…シリカゲルでも突っ込んでおきな。」とヤキモチを焼く『夢屋国王』でありましたとさ。

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魅惑の星

2014-09-12 19:47:51 | 暮らし

生ける物 穏やかなるや プラネット (by 夢屋)

昨夜は大人しく寝て、今日朝5時30分に起き、朝仕事は畑の見回りだけにする…雨除けハウスのトマトも完熟しているし…どれ1個…おっと危ない、あぶない…食べてしまうところだった。
そう、今日は人間ドックの日でありました。胃の透視があるので、飲食は厳禁…半ボケのオジさんは、ドックであることを忘れて、いつものようにつまみ食いをしてしまうところでした。そのために、朝仕事は畑の見回りだけにしたのだから…とまぁ、ボケの堂々巡りを繰り返すのであります^^;


鶴岡市(旧櫛引町の柏戸記念館 ブロンズ像のお尻)

さて、慰安旅行の精算も終了し、夜、集会所で米のJA出荷分の調整を行う。『夢屋国王』は、大農家から見れば取るに足らない出荷量でありますから、地元の集荷業者に少量出荷するだけなので、こうした会議は関係がない。末席に置いていただいているだけの存在であります。栽培技術も確立し、農家所得の安定化を図るためには、米が基幹作物となるのですが、元々小規模な飯米農家がこれから投資をして大規模化を目指そうなどとは考えもしないのでありまして、畑作から何とか起業できないかと考える日々であります。


ジョロウグモのお尻

ニンニクは、ある程度出荷の目処が立ち、メロンやトマトも産直形式で出荷すればそれなりのお金に替えることは出来る…しかし、何かが足りない。他所様が出来ることを他所様と同じようにやっても、他所様と同じように所得の向上は望めないのであります。


ドヨウオニグモのお尻

特に雪国の山形県では、冬期間の収入の確保という問題が常に付きまとうのであります。原材料の供給だけでは、所得の向上は望めない。これは発展途上国の経済振興策と同じで、やはり自国で何らかの加工を施し、付加価値を高める方策を考えなければならない。『夢屋王国』が自立していくための鍵は、原材料供給国から加工品生産国家へと脱却させる必要がある。農家は社長(経営者)であり、技術者であり、肉体労働者であり、時として弁舌の回る営業マンにも変身しなければならない。百の技を巧みに操る『百姓』になる必要があるのでありますが、人の良さと自信の無さが災いして一歩前に進み出せないことが多いのであります。足腰の強い経営を目指して、本日は「お尻」に注目してみました^^;

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カルネアデスの板

2014-09-11 12:04:05 | 暮らし

我ひとり 罰を逃れん クモの糸 (by 夢屋)

朝露に濡れたイネを見ていると、天界の蓮池から1本のクモの糸が降りて来たのであります。罪穢れ多き『夢屋国王』は、俗界からひとり逃れようと、その1本の糸にすがり付くのでありましたが…。
芥川龍之介の児童文学作品「蜘蛛の糸」を連想させる情景であります。刑法第37条の「緊急避難」に該当すれば「カルネアデスの板」の例に従い、『夢屋国王』の行為は罪には問われないはずなのでありますが、お釈迦様は無情にも『夢屋国王』の手元で糸を切られたのであります。もう少し俗界でもがき苦しめとの啓示でありましょうか?
ということで、朝から妄想する『夢屋国王』であります。

今年手掛けたメロン「テルサ」は素人でも作りやすく、夏の日差しを充分に浴びて、「庄内ネットメロン出荷規格表」によるところの4L級(1.8kg以上)のメロンも混じっております。無農薬に徹し、途中「うどん粉病」が発生したためでしょうか、残念ながら果実にくすみがあるような気がします。高級品に仕上げるためには、まだまだ技術を磨く必要があるようです。それでも、出稼ぎ先における評判は上々で(ただで食えるのだから、当たり前ではあるが…)報酬には繋がらないものの、客筋の反応を見ながら、来年に向けた課題を拾い上げ、来年への意欲をかき立てるのであります。

昨晩、土鍋でコトコトと煮込んだ『とまとそ~す』は『夢屋国王』の呪文が効いたのか、熱いうちは「トマトジュース」に見えたそれも、瓶詰めにされ、ひと晩寝かされて立派な「トマトソース」に変化しておりました。余計なことに、ザルで裏漉しなどするものだから、ソースの量は、使用したトマトの3分の1程度の量になってしまいました。
当然、『第1サティアン』における恒例の朝のミーティングに持ち込み、友人『ノロ君』と試食…バジルソースの緑とパプリカのピクルスの黄色、そして、トマトソースの赤で『トリコローレ3点セット』(本当は、平和と正義を象徴する白が必要なのでありますが…)でリリースしようとオジさんの妄想は暴走するのであります。お隣の『悦ちゃん』も参戦し「これは『ニンニク味噌』と違って、色々な料理に使える…。」と味にはうるさい『悦ちゃん』からも高評価が得られました。

得意げな『夢屋国王』は、出稼ぎ先の婦女子に振舞って、モニタリング調査件数を増やすのでありますが…夕刻、家に辿り着いた時には、哀れ瓶底に少し残る程度…これを好評だったと見るべきか、単に『タダの物』に群がったと言うべきか?
最後は「ソン・イェジン」さんにトースト(はんぺんではありません!)でお供えして、今夜もビールを美味しくいただきましたよ^^;
明日は、人間ドックであります…大丈夫かな、こんな調子で?

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