その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

夢屋王国(少年の日の思い出3)

2011-07-14 20:28:33 | 夢屋王国

ヘルマン・ヘッセ作「少年の日の思い出」は、少年時代の純粋な情熱と純粋が故に傷つき易く、少年時代に有りがちな劣等感や欲望のために、生涯にわたって残る心の傷を吐露した作品であります。国語(文学)の授業では、登場人物である「僕」と「エーミール」の対比によって、「僕」の心の葛藤を読み解かせようとします。心の動きなどというものに興味の無い者は、国語という授業が退屈であり、嫌いな科目になってしまいます。
ならば、生態学ならどうだろう…。「僕」が、翅の動きに自分の呼吸を合わせなければならないほど興奮したコムラサキは、必ず♂なはずである。コムラサキ♀の羽色は、多分に漏れず地味であり、♂の羽は見る角度によって、光沢のある紫色を発色する。昆虫好きの「僕」が、この羽色に夢中にならない訳がないのである。コムラサキの亜種は、東欧にも生息していて、バッコヤナギ(失礼…しかし、これが正式な和名です。)などのヤナギ科の植物を食草とする。したがって、「僕」の昆虫採集のフィールドは、里山…それも小川が流れているに違いない。コムラサキの飛翔は力強く、飛んでいるところを少年が捕らえるには難がある。息を凝らして近づいたところからすると夏の暑い日差しの中で、やや湿った小道で吸水しているところを捕まえたに違いない…なぁ~んてね^^;
こうして想像力を働かせていくと、国語の授業も楽しかったのだろうけれども、テストの点取りのためだけに、設題者(大人)の正解に合わせた解答を考える授業なんて楽しいはずがないのであります。
              
『夢屋少年』は、高校時代まで昆虫採集を続けていました。王国内から臨むことが出来る米沢市内の「斜平山(なでらやま)」にヒメギフチョウを探すため、春先にはよく自転車で出かけたものでありました。食草となるウスバサイシンが中々見つけられず、杉林を抜けた瞬間に、カタクリの花畑が現れた時、とても感動した記憶があります。ある日、残雪の残る杉木立の中で、ようやく1頭(蝶の採集者は、一匹・二匹ではなく、一頭・二頭と数えます。)捕らえた時の興奮は、今でも忘れることが出来ません。「僕」のように慎重に展翅した宝物は、手作りの標本箱に収められましたが、『夢屋国王』が大学に進学し家を留守にしている間に、ヒメカツオブシムシに胴体をきれいに食べられてしまいました。「僕」が盗みという行為の後悔と「エーミール」の対応への怒りから、大切な標本をバラバラにしてしまったように、『夢屋国王』は、その日から右手の捕虫網をカメラに替えることになったのでありましたとさ…^^;

注)画像は「オカトラノオ」と「フタスジハナカミキリ」です。実は、「フタスジハナカミキリ」を『トラカミキリ』の類と勘違いし、「トラ」と「トラ」を掛けようなどと、よこしまな言葉遊びを考えておりましたが、自らが『トラップ』に掛かってしまったようです^^;

本日の『キュウリ爆弾』の本数14本…遂に、時限発火装置の停止に成功したようです^^;

コメント
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