その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

夢屋王国(きゅうり余話)

2011-07-06 12:13:45 | 夢屋王国

畑のスペースを埋めるために、我が家では『地這いキュウリ』を植えております。棚仕立ての『節成りキュウリ』を植えれば、見栄えも良く、収穫も楽ではありますが、最盛期には、苗2本で毎日10本以上も収穫出来るので、夫婦二人の食卓には充分であり、苗代金の節約と場所塞ぎには最高の品種であります。『地這いキュウリ』の欠点と言えば、キュウリが地面に着いてしまうので全体が緑色に成らず、半面が黄緑色になってしまうことでしょうか。
朝に6本、夕方8本…もろきゅう、浅漬け、醤油漬け、サラダ…最期は煮て食べる。毎日の『キュウリ爆弾攻撃』は、私が河童にでも成らない限り消化にも限界があり、余った分は、キュウリを作っていない職場の若手やご近所に分けることになります。
              
昨年のとある日、『竹子チャ(さん)』の畑にキュウリが植えられていないことに気付きました。
「食ってスケテ(助けて)くれ~!」と頼むと、息子の『テランチャ(輝夫兄ちゃんの短縮形)』が、大好きだと言う。
「畑、一生懸命なのに、何でキュウリつくんね(作らない)なやぁ?」と尋ねると、家ではキュウリを作ってはいけないと嫁に来た時、舅に言われたとのこと。その時は、その家の家訓的なものであり、事情など聞くべきではないと思ったのですが、昨年『竹子チャ』が急逝し、今年の河川清掃で一緒になった『テランチャ』に、キュウリを植えない理由を尋ねてみました。
昔、じぃさん(祖父)の時代に、子どもが何度か早世し、育たない。そこで占ってもらったところ、一番好きな物を断てと告げられたとか…。それから、じぃさんは、屋敷内では一番大好きなキュウリを作らない、そして食わないことにしたのだという。そういえば、『竹子チャ』の旦那さんの名前は『熊男さん』であり、弟に『虎男さん』もいたとか…強い動物の字を名に貰い受け、丈夫に育てという親の願いが今さらながら伝わって来ました。
『熊男』などと言う名前は、厳つくて、子どもたちの笑いの対象でしたが、『テランチャ』の親父は確かに恐かったけれど、皆に『熊さん』と呼ばれる、気持ちのやさしい人ではありました^^;
              
田んぼの隅に1本だけ植え込まれた稲の苗が「分けつ」し、10本の茎に成りました。今週末は、中干し作業が待っています。
ちなみに、冒頭の画像は、米沢藩の救荒作物として奨励された、生垣にもなる「ウコギ」の新梢であります。中段の『ハエ』の同定が出来なくて、キュウリの話題で本日は投了であります…^^;

コメント
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