その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

夢屋王国(少年の日の思い出5)

2011-07-16 07:19:48 | 夢屋王国

へルマン・ヘッセ作「少年の日の思い出」に「僕」の父は登場しない。小説やドラマに登場する『親父像』は、飲んだくれのどうしようもない親父か、厳格で融通の利かない頑固者…慈愛に富んだ優しい『母親像』と対をなし、主人公の反抗の対象として取り扱わることが多いものであります。最近のドラマでは、意外に優しく子育てする父親も登場するようですが(この場合、血のつながりのない場合が多いのですが…)、「ひみつのアッコちゃん」に登場する加賀美健一郎さん(パパ)のように、国際航路の船長を職業とする優しい父親など、田舎街には存在しないのであります。
かく言う私『夢屋国王』も、今は亡き古老に反発しながら育って来た存在であり、父親と息子は、最も近くにいるライバル関係であったような気がします。現代のパパのように、一緒に遊んだり、話をしたりした記憶はほとんどありません。私の進路について、ひと言として語ったことすらありませんでした。
「俺はもっと勉強したかったが、金が無くて勉強出来なかった。お前が勉強したいと思うなら、思う存分やればいい…。」これが口癖だった気がします。
私が子どもの頃夢中になっていたマブナ釣りの場所の選び方や竹とんぼの作り方など、遊びのノウハウは私以上に持っておりました。古老にもまた、悪さをした少年時代があったのであります。大学卒業後、親父が晩酌として差し出す茶碗酒に付き合わなかったことに、今では後悔の念を覚えるようになりました。
唯一の救いは、亡くなるまでの半年間、それまでになく会話を交わしたことでありますが、残念ながらその時には、気弱になった古老と息子の力関係は、完全に逆転していたのでありました。
              
  
突然ではありますが、「尻拭いをする」という慣用句からの派生造語で『ケツを拭く』、『ケツを取る(G.T.O.)』などと表現されていることがあります。最近では、自分自身で責任を取れない大人が増えて来たような気がします。昨日出合ったヒメアシナガコガネは、自分で後始末が出来る大人の昆虫でありました…^^;

No.〇×△ ヒメアシナガコガネ Ectinohoplia obducta   昆虫綱 甲虫目 コガネムシ科
斑紋や体色が様々なので確実ではありませんが、恐らくヒメアシナガコガネで間違いないでしょう。「あまり無茶な飲み方をするなよ、オヤジ。」などと、自分の親父にオヤジと呼ばれたことがショックだったよなぁ…^^;
巻頭の画像は、ガクウツギだと思います。

今日から2日間、地域の小学6年生と『教育キャンプ』という名の地域行事に参加します。私の少年時代の遊びのノウハウが上手く伝えられれば良いのだけれど…。

コメント
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