冒険遊び場(プレーパーク)『たごっこパーク』

心が折れるより、骨が折れるほうがましだ。富士山麓の麓、田子浦港近くの公園と川ではちゃめちゃに遊ぶ子どもたちの日常。

【通算 1164回目 2023年10月22日(日) 『もうひとつの野球』】

2023年10月22日 | 冒険遊び場たごっこパーク令和5年度

 
 
かつて、アメリカ・メジャーリーグから日本のプロ野球にやってきた選手が「地球のウラ側にもうひとつの違う野球があった」と評した話がありました。
僕は子どもの頃、「市営グランドにもうひとつの違う野球があった」と感じました。
野球が大好きで、何人かの仲間が集まると、「ろくむし」とか「三角ベース」とか呼ぶ草野球に興じていました。
本当にいつも楽しかったのです。
得意でもあったので、6年生になったときリトルリーグ(少年野球)に入団しましたが、一日で辞めました(笑)。
高いレベルで野球がやれるから、さぞ、楽しいだろうと思って、市営グランドに行くと、準備運動、ランニング、ダッシュ、キャッチボール、素振り……いつまでも「野球」が始まりません。
しかも、常に大人(監督・コーチ)主導。
あの木が一塁ね、この板が三塁ね、あの鉄棒を越えたらホームランね、Aくんの弟はアウトカウントに数えないことにしよう、あっちのボサボサ(植栽)にボールが入っちゃったらストップね……などなど自分たちで毎日、そのときその場その顔ぶれを考えて、ルールを決めて野球をして、プレーの一つひとつにみんなの笑顔が弾けた「野球」とは、まったく違うもうひとつの「野球」が少年野球チームには、あったのです。
草野球に興じる子どもたちを見ると、いつもそんなことを思い出します。
そして、遊びとしての野球を楽しんでほしいなと思います。
 
幼児9人 小学生9人 中学生2人 青年6人  子ども26人 大人11人 合計37人
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【通算 1163回目 2023年10月21日(土) 『学徒出陣』】

2023年10月21日 | 冒険遊び場たごっこパーク令和5年度

 
 
80年前の今日10月21日、東京・明治神宮外苑競技場で出陣学徒壮行会が開かれました。
東条英機首相はこう訓示しました。
「御国の若人たる諸君が勇躍学窓より、征途に就き、祖先の遺風を昂揚し、仇なす敵を撃滅をして皇運を扶翼し奉るの日は今日来たのであります。私は衷心より諸君のこの門出を御祝い申し上げる次第であります。」
学生の代表はこう答辞を述べました。
「生ら今や、見敵必殺の銃剣をひっ提げ、積年忍苦の精進研鑽を挙げて悉くこの光栄ある重任に捧げ、挺身以て頑敵を撃滅せん。生らもとより生還を期せず」
学生たちは、戦地に赴いて、生きて還るなどまったく思っていません、と。
この後、終戦までの2年足らずでどれほどの学生が戦死したことか。
最近、テレビでは、トラックやバスの運転手が不足しているとか、エッセンシャルワーカー(生活の根幹を支える仕事に従事する人たち)が不足しているといったことを報道しています。
同時に、イスラエル・ガザの話題、ウクライナ・ロシアの話題もしきりに報道され、まるで乗じるようにだから防衛力強化(軍備増強)が必要だと喧伝されています。
そして、「自衛隊カッコイイ」番組が増えているようにも感じます。
人手の取り合いの中で、「君も自衛隊に入らないか」と誘っているようです。
蜘蛛の巣ネットで楽しげに遊ぶ子どもたちが学徒出陣となる日がひたひたと近づいているような気がしてなりません。
「生ら今や、見敵必殺の銃剣をひっ提げ、積年忍苦の精進研鑽を挙げて悉くこの光栄ある重任に捧げ、挺身以て頑敵を撃滅せん。生らもとより生還を期せず」
子どもたちには、自分が自分らしく生き抜くために、遊びを通して、多くのものを育んでほしいと願います。
そして、同時に、他者も生き生きと生きていくための知恵と心を、遊びを通して培ってほしいと願います。
 
幼児9人 小学生11人 中学生1人 青年4人  子ども25人 大人15人 合計40人
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【通算 1162回目 2023年10月9日(月) 『信じて見守る』】

2023年10月09日 | 冒険遊び場たごっこパーク令和5年度
 
乳児期に基本的信頼を獲得し、幼児期に自律性を培うと、児童期には自発性が発揮される。
自分でやってみる。
一人でやってみる。
今まではやれなかったことに挑戦してみる。
たごっこパークに足繁く来ている幼児さんたちは、お母さんとの距離が次第に離れていきます。
でも、同時に、失敗したときは、お母さんのもとに帰還という姿も見られます。
幼児さん向けの遊ばせプログラムは何もありません。
今日行ったら、こんなのが作れたとか、こんなのがもらえたとかはありません。
自由な遊び環境だからこそ養われる育ちを信じて、見守ってみてください。
 
幼児4人 小学生12人 中学生2人 青年3人  子ども21人 大人11人 合計32人
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【通算 1161回目 2023年10月8日(日) 『プロトタイプ』】

2023年10月08日 | 冒険遊び場たごっこパーク令和5年度

 

小学校高学年の男の子が得意のベイブレードを小さい子たちに優しく伝授。

一触即発くん、それが出会った頃の印象。
子どもは育つなぁとしみじみ。
一触即発くんを見守られたのは、何人ものプロトタイプ(原型)くんがいてくれたから。
一触即発くん1号、2号の頃は、見通しが持てないから、試行錯誤の連続でした。
この一触即発くんに出会った頃は、試行錯誤は変わらずとも、プロトタイプくんたちのお陰で、試行錯誤の方向性を想定することができるようになっていました。
それをお母さんとも共有し、見通しという希望を提示することができました。
ひとつの活動を継続することの強みは、プロトタイプと呼べるような子どもに出会えること。
児童精神科医・田中康雄先生のそんな教えをしみじみ実感します。
 
幼児4人 小学生6人 青年5人  子ども15人 大人11人 合計26人
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【通算 1160回目 2023年10月7日(土) 『子どもは勝手に育とうとする』】

2023年10月07日 | 冒険遊び場たごっこパーク令和5年度
 
 
 
 
「たごっこパーク」で何度も見てきた光景。
リヤカーに乗せてもらうことを楽しみにしていた幼児が、リヤカーを引っ張ることに楽しみを見出すようになるのです。
労力という点で見れば、明らかに乗っていたほうが楽だし、楽しいはず。
なのに、動かすための体力と知力がついてくると、「もう5歳なんだから、6歳なんだから、引っ張る側をやりなさいよ」なんて言われているわけじゃないのにやる。
 
考えてみると、赤ちゃんは勝手に寝返りをするようになり、勝手にハイハイをするようになり、勝手につかまり立ちをするようになり、勝手に歩き出すわけです。
(※例外の子はいますし、そうした子たちの施設でみっきぃは働いていましたし、僕もそうした施設の入退所に関わっていました)
 
子どもはその先も勝手に育とうとするはずです。
最近接領域の発達課題に自ら取り組むってやつですね。
リヤカーを引っ張る側になることの楽しさ、大変だけどやれたときの達成感、乗る側の仲間の嬉しさへの満足感……。
体力、運動神経だけでなく、心も育ちますね。
リヤカーを引っ張るボーダーシャツくんが来始めたとき、いつもいつもママがわが子よその子をたくさんリヤカーに乗せて、公園巡りをしていたことを思い出します。
 
 
幼児6人 小学生12人 高校生1人 青年3人  子ども22人 大人16人 合計38人
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